近くて遠い富山はほたるいか (完結編)
オートバイがぽつりと一台走って行くのが不安になるくらい。あまりの静かさに、トンネル内でバイクを止めて写真を撮ってしまった。その間通過した車は2台だけだ。
そんなトンネルを2カ所ほど通過して、あまりにもあっさりとマップルの言う山道に変化した。ここまで工事が出来ていたのだな。向こうの方に作業中の巨大トンネルが見える。360号線は大幅にリニューアル工事中ということのようだ。
ようやく漫画王国に着いたので駐車場にバイクを止め、いくつもの建物のなかから温泉の建物を探し出すと受け付けに行った。800円で温泉も漫画も見ることが出来る。子供連れの家族が断然多い。親は楽だわなあ、漫画を読ましとけば世話なしだ。
温泉に行くと、やはりここは漫画が主で、温泉は付属品という感じだった。大体スキー場がすぐ前にあるくらいだから、スキーの後に温泉を、くらいなもんだ。内湯がこじんまりしたものが2つあり、露天もなし。総ガラス張りなので見晴らしは確かに良いが、なんと、こそっとシールが張ってある『こちらのお湯は地下水です』おいおい、そういうわけかい。温泉虚偽表示が問題になって、慌ててシール張ったのが見え見えな状況です。関係者の方々のご苦労を察します。
温泉を出て、お茶を飲んで休憩し、せっかく来たのだからと漫画図書館の方にも行ってみた。連絡通路には有名人のサインが展示してあったが、漫画には全然関係ない人ばかりだった。肝心の漫画図書館は子供だらけで入る気にもならず、手前で戻ってきた。天候が曇りになり、風も出てきたのでそろそろ帰った方が良いな。
受付で、念のためにこの先の道の情報を聞くと、迂回路が多いが高山まで抜けることが出来るとのことで、それなら行ってみましょう、と走り出したが、迂回路はすごかった。
さて、みなさん、去年のこの辺りを襲った超豪雨を覚えていますでしょうか? いまだに鉄道は不通のままですが、その現状がこの道で目の当たりに出来ます。すごいです。道の補修もすごいが、何がすごいって、鉄道。最初に遭遇したのは土砂崩れで川に落ちた線路、何百メートルもひん曲がったまま放置されている。次は川沿いの土砂まみれの線路、ぐちゃぐちゃにひん曲がって、線路の下の土砂は流されてしまっている。さらに極めつけは鉄橋が落ちて、ぶった切れてるのが続けて2カ所。道路も補修して臨時に造った仮の橋やとにかく大変な状態で、そこら中が工事中。いや、この鉄道復旧できないんじゃないのか。このまま廃線にして、バスを走らせた方が良いんじゃないかと思えるくらいだった。あ、そうか、だからあんな立派な道を造っている訳か。
ようやく41号線に合流し、高山に着いたのは12時半頃だった。ガソリンを補給し、あとはひたすら帰路を急ぐ。雨よ降らないでくれの祈りもむなしく、1時半ぐらいから降りはじめ、七宗で本降りになって来た。後もう少しなんだがなあ、仕方がないのでカッパ着用し、とりあえず、肝心なところでは降らなかったことに感謝して、今回のツーリングは成功と言っていいと自画自賛しつつ、3時半、家に着いた。
まっちゃんがお腹がすいてるならと小倉マーガリンサンドをくれたので食った。うまい。