谷汲にういろを求めて十余年

5月21日(土)

 夢のような黄金週間も終わりを告げ、再び暗黒時代がやってくるなか、オートバイにご苦労さんのお礼を込めて洗車していると前輪ホイールが何か変。光線の加減かリムがひん曲がっているような感じに見えるのですが。よく見ると光線の加減でも何でもない、本当にひん曲がっていたのであった。

 なんと。よく空気が抜けなかったなあ。

 こんな状態で走っていたのか? 知らぬが仏。

 いつこんなことに・・・

 っていうか、これってホイール交換?

 え、いくらかかるの?

 まさしく『ひでぶ』『たわば』『あべおわ』な緊急事態。

 金がいる。しかも大金が。どうやってまっちゃんを説得するか・・・唯一の救いは安全に関する事だったこと。こんなホイールで走って何かあったら大変でしょ、まっちゃんも承認してもらえていつもの修理の社長に電話、引き取りにきていただき、1日で修理完了でした。そして、おそるおそる請求書を見ると・・・

 54390円(税込み)

 あーあ、こんなにあったら新型ザウルスが買えたな。iBookの中古でも探せば買えたよな。105mmF2.8D買えたかな。5日間くらい泊まりのツーリング行けたな。あーあ、もったいない。

 しかし、悲しんでいても仕方がない。物事は肯定的に考えなければ。走行中にホイールからタイヤが外れて転倒して、一生車いすの生活になったかもしれないんだから、ならなくて良かった。あー良かった。おれってついてるよな!

 と、好意的解釈で明るくなってきたので出発する事にしよう。

 前日、会社で宴会があったので寝たのが1時だったから朝とても起きるのが辛かった。しかし、バイク乗りは本当にアホだ。バイクに乗るならいかなる障害も乗り越える。7時に起きてご飯食べて用意して、8時半には出発した。

 どこに行くのか全然考えていなかったのが、どりあえず41号線を走って岐阜方面に向かった。高山方面に行ったばかりなので156号線を走ろうかと思ったが、板取根尾村の看板を見て、そっちもいいなと計画変更、418号をそのまま直進して、しばらく走ったら武芸川温泉の案内板があった。あ、こりゃ入らないかんわ。1年前に入った温泉だがよく覚えていないので入る事にした。信号を案内のままに曲がり、ちょっと走ると温泉があった。立派な建物で、ふるさと創世作戦的な施設なんだなあと思われる。バイクを駐輪場に止め、建物の方に行く。結構、車が止まっていてまあまあ人気があるところのようだ。玄関でブーツを脱ぎ、下駄箱に入らないので一足づつ2カ所に入れた。入浴料600円を発券器で払い、受付に渡す。ここは受付ホールが狭い。狭い中に休憩用のソファが所狭しと並んでいるのでますます窮屈な感じ。温泉男湯まで、受付から10歩という至近距離。こんな温泉初めてだ。最近では。さてロッカールーム脱衣所に入ると、これがまたこじんまりとした手狭なところで、ロッカー自体は並の大きさ。重装備は入りきらないが今日の装備なら入った。ロッカーの鍵をなくさないようにと書いてある。さっそく手首に鍵をはめたらゴムがゆるゆるで落ちてしまいそうで何じゃこりゃ。

 さて、風呂に入るとこれまでと違って余裕のある作りだ。まず、体を洗う。シャワーは固定式で放水時間が極端に短いので何回もカランをひねらなければならなかった。体を洗って内湯から入る。内湯に入って壁を見てびっくりこいた。でかでかと掲示されている温泉分析表プラ板バージョン、こんなところで掲示されているのは撮影防止策か? 分析表によると、源泉温度は20度くらいなので湧かしている事が記載されている。内湯が済んだら外湯だ。露天風呂は広くスペースを取っている。3種類の湯船がある。2つは2人入ったらいっぱいなので入れず、中央の大きなお風呂に入った。屋根もあって、今日のような日差しの強い日ものんびり入れる。さて、ゆっくり入って出た。暑くなってきた。温泉にはレストランもどきが建物内や、隣接されてあるが、昼飯には時間が早いので、温泉を出ることにした。

 どこへ行こうか考えて、まっちゃんが谷汲村の何かが欲しいと言っていた事を思い出し、目的地をそことした。地図を確認。県道79号線を走って行けばいい。ちょっとわかりにくいがなんとかなるだろ。途中、あまりの天気のよさに、弁当を買って外で食う事にした。タイムリーでおにぎり2個とお茶を買った。シート下のスペースに、入るかと思ってやってみたら入ってしまった。想像以上に融通が利くな。再び走り出して田んぼが広がっているところで横道に入り、川のそばでバイクを止めておにぎりを食った。田んぼは田植えの真っ最中だ。食いなが見ていたら田植えをしていた耕耘機?が土手ででんぐり返ってしまった。大変だあ〜! どうするかと思ったら、耕耘機の人はトラックを持ってきてロープで結わえて引き起こした。私もおにぎりを食って現場に急行した。「大丈夫ですか」と聞くと、応援を呼んだからいいとの事、それは良かった。サンダーバードの出動は必要ないようだ。で、気を取り直して谷汲に向かう。ちょっと道を間違えたが、何とか到着した。ここは桜や紅葉が有名なところなので、今日あたりは閑散としていると思ったが、同じような暇な観光客が結構いた。駐車場に300円有料とあったが、オフシーズンなので無料だった。バイクを止め、お寺のような立派な作りの便所で用を足した。そして、まっちゃんに谷汲にいる事をメールし、何がいるのが尋ねると「ういろ」と言われた。で、並ぶ土産物屋を物色して「ういろ」を探す。ないじゃん。竹皮羊羹ならあるけど、そんなもんどこでも売ってるしな。困ったな。メールを送ってどういうういろなのか情報をもらおうとしたが、返信は全くない。後で聞くと寝ていたそうで、あほか。ところが、事態は急展開、前を歩いていた人がとあるお店で何かを買っている。何だろうと思ったら、おお、これはまさしく『ういろ』だ!

 『あっ、これだぁ!!

 と、思わず叫んで変な目で見られた。10個入り600円、バラ売りはしませんと殿様商売、頑固一徹そうなおばあさんが売り子をしていたが、素っ気のないケースに10個くらい並んでいたが、ひっきりなしに客が来て、買って行くではないか。このままでは売り切れだ。ようし、買うぞ。1個ください。やった買ったぞ。これさえ手に入ればもう用はない。帰るぜ。

 という訳で、帰りはちょっと道に迷いながら3時半頃に家に着いた。

 まっちゃんはこの「ういろ」をもの凄く昔、結婚する前に一度来て、買えなかったからそれ以来ズーッと欲しかったそうで。晩飯の後食ったけど、うまいしすごいボリュームで、2切れ食ったら腹パンパンでした。

←見よ! このボリューム!

本日の出費

ガソリン セルフカードなのでわからん(しかもまっちゃんの)

おにぎりお茶 350円くらい

温泉 600円

御土産 600円

走行距離 8000キロ突破

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