廃道探索418号は通行止めで

6月4日(土)

 実は今は亡きXLR250BAJAの最後のツーリングは157号走破再挑戦だった。しかし、走破の夢は叶わず、国破れてサンガリア、BAJAは去った。それからいとしき歳月は流れ、FTR223デビュー。当然、157号線走破は至上命令である。出生の本懐、男子の本懐、生まれながれにして国道157号線の走破を義務づけられたバイク。それがFTR223なのだ。

 が、それ以上に昔、大昔。私のオートバイ歴からすると、紀元前に相当する、CBR400F時代、国道418号線を走ろうとして失敗した事がある。あの国道418号線は今何処? すると、某ウエブサイトの情報で、未だ不通の廃道状態らしい。しかし、走破は出来るようだ。ただし、相当にハード。これは練習にちょうどいい。FTRで廃道ツーリングじゃ!!

 という訳で、前回前々回、掟破りのCB連続ツーリングになっていたので、約1ヶ月放置プレイになっていたFTRを出撃させるべく、納戸秘密基地から引っ張りだす。エンジン始動!! うっ、かからん。セルを回しつつける事数分、何とかかかってほっとする。いやー、これがキックだったら汗だくでダウン寸前でした。やはり日本は開国すべきですたい!

 天気予報が曇りのち雨なので迷ったが、まっちゃんがお友達とお食事会に出かけるので、『あたしが出かけるのに雨になる訳ないでしょ』と断言。それならばと出発する事にした。行き先が廃道なので装備はしっかり、上下皮装備、暑いかなーと思ったが、走るとちょうどいいだろう。9時30分、では出発だ。

 19号線を走って恵那を目指す。最近、多治見、土岐あたりの国道沿いに空きテナントの建物が増えているようで、不景気ですなあ。どんどん走って行くと、1時間で恵那に到着。19号から測道に入り、恵那峡を横目に418号線への入り口まで入ってくる。地図で現在位置を確認する。初めて知ったが、この川は木曽川だったんだ。こんなところを流れていたのね。ようし、いよいよ418号線に突っ込むぜ。意気揚々と走り出し、だんだん狭くなる道幅に、探索気分は盛り上がる。前方に秘境の山奥によくありがちな古いダムが現れた。おお、あれは、笠置ダムだ。うっそうと茂る深い樹林に荒削りな山肌、そこにまさしくセンスオブワンダーな色あせたコンクリートの人工造物。バイクを止めてあたりを見渡す。よし、さらに先を目指すぞ。

 が、しかし、なんと。

 通行止めになっていた。

 あれ、こんなはずはない。なぜだ。なぜ通行止めなんだ? ここまで来てそれはないぜ。157号の二の舞だよこれじゃ。途方に暮れるが、まさかバリゲードになっているトラ柵と鉄パイプを撤去する訳にも行かず、まさしく断腸の思いで引き返す事にした。

 いったん19号まで戻る。エネルギーの充填が必要だ。バイクも人間も。とりあえずガソリンを入れ、(160キロ走って4リットル入らない化け物燃費のFTRは最高ですね)続いて12時なので昼飯なのであるが、おお、吉野家があるではないか。

 しかし、吉野家の金券を忘れたのであった。

 使う機会がないのでたまってるのに。仕方がない、マグドナルドにするか。しかし、マグドナルドは大混雑で入る気にならない。手前のモスバーガーにした。

 店の前にバイクを止めて、店に入るとガラガラだった。マグドナルドの混雑に比べて何と言う事だ。ここ大丈夫か。と思ったらドライブスルーは渋滞だった。みんな横着だなあ。本当に、消費者はどんどん横着になってきています。このままでは日本はおしまいです。

 という事でモスバーガーセットを注文し、今後の作戦を練る。近くにたかさごの湯があるので入って帰るか。モスバーガーが来たので食う。久しぶりに食うな。食ったら出発。

 たかさごの湯に行くつもりだったが、天気が晴れて来たので急遽変更、土岐の方から418号に入るコースを走ろう。目的地は丸山ダムだ。19号から21号にスイッチし、広く気持ちのいい道をハイスピードで突っ切る。鬼岩温泉を通過し、分岐点の県道358号から、木曽川丸山ダムを目指す。

 県道だとなめていたら結構広くいい道だった。しかし、山間部に入るとほとんどハイキングロードで、うっそうと茂った木々の影て暗い、湿気のある空気の中、昨日雨が降ったらしく、ぬれた路面を蹴って走って行く。

 やがて、打ち捨てられたちょっと最近の作りの古い家々が、いくつの廃屋になって山の中にその一部分をさらしている光景に出会った。まるで塗仏の宴の消えた村のごとき雰囲気に、我々は息をのんだ。立入禁止のトラロープがぶらぶらするのが不気味だ。さらにそこを進むと、山の向こうに現れたのはコンクリートの煙突のような建造物だった。まるでバベルの塔のようにそびえ立っているではないか。それも4、5本もだ。

いったいあれは何なんだ!? よく見ると、ちゃんと説明の掲示板があった。この不気味な建造物は、骨材プラントの骨材散布塔で、ダムを造るのに使われていたらしい。詳しくは現地で自分で見てね。しかし、こんな捨てられた風景みたいなものが、こんなところにあるとは思わなかったなあ。

 その先が丸山ダムだ。重厚な作りの巨大な重力ダムだ。当時は最新の技術で建設された、日本一のダムだったそうで。ダムの上まで行けるので、そこから下をおそるおそる見下ろすと、縮み上がるほどの高さで、恐ろしい。さらに進むと、なんと、このダムは放流口が上から見る事が出来るのだ。すでにすくみ上がってるワタクシ、接近する事さえ出来ませんでした。いやー、ドクターキンブルは根性あるわ。

 ダムから降りて、丸山ダムについての説明書きがあるところの駐車場にバイクを止め、説明の放送を聞いた。その後、人道の丘に向かい、今までと違う整備された広い道を走る。人道の丘は、どうってことのないただの公園でした。全然人いません。トイレ済ませて帰る事にする。天気はいいが、雨が少しぱらついてきた。雲行きも怪しいので、もう帰った方がいいだろう。県道を走って可児経由で家に帰る。

 2時半頃、家に着いた。雷がごろごろ言い出した。

本日の出費

ガソリン 400円くらい。

モス 630円

900キロ突破。

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