猛暑避けて開田高原は幻の蕎麦
7月18日(月) 晴れ
このくそったれの梅雨やろうがぁー!!
7月に入ってからの何と言う優柔不断な天候なのであろうか。諸君、はっきりって私は雨が嫌いだ。大嫌いだ。もっと言うと曇りも嫌いだ。大嫌いだ。オートバイと言うのは、青空の下を走る乗り物なのである。間違っても日の差さない道路を走る気などさらさらないのだ。しかし、世間は梅雨である。一時期はダムの水が底をつく空梅雨かと思われたが、前述のように7月に入ってからは雨が降ったり止んだりの天候が続き、全然走りにいく事が出来ないではないか!! 郵政民営化どろこの騒ぎではないぞ。毎週毎週、天気予報を見て苦渋の決断をする身になってくれ。ストレスがたまってかなわん。
で、この三連休こそは走りにいくつもりだった。しかし、天候ははっきりせず、最終日の18日にやっと晴れになった。もう今日を逃すわけにはいかないのだ。行くぞ!!
と言う訳で、朝の6時半、CB1300SuperFourを久しぶりに実家ガレージから引っ張りだし、セル1発エンジン始動、メッシュレザーの上下で決めて、我ながら格好良すぎだぜ。(朝が)早いなーとのたまう親父に見送られ、出撃だ。
時間が早いのでガソリンスタンドがやっていないから途中で給油となるな。で、目的地は本当はビーナスラインを走りつもりだったのだが、夕方天気が崩れるようなのであまり遠くに行けないし、明日は仕事だし、今日はたこ焼き300円の日なので帰ってきてから食いにいきたいし、手頃な距離の開田高原に行くことにした。やっぱり暑い時期は開田高原だぜ。涼しい(寒い?)し、かっ飛ばせるし。
さっそく19号線に入り、これまでの鬱積されたストレスを拡散すべく右手に力がこもる。1速レッドゾーンぎりぎりまで引っ張りまくりかっ飛ばすが、あ、パトカーだ。キュイーンとおとなしくなる。小市民なのであった。もっと暑いかと思ったが、曇っているせいもあってか、電光掲示板の温度は24度23度とクーラーの効いた部屋並み。メッシュで風がすーすーなので涼しいと言うか、少し寒いくらいだ。
朝は曇っていたが、中津川から南木曽に入る頃には雲も消え、青空が広がってきた。これで温度が上がってくるかと思いきや、さすが長野県、涼しい、湿度が低いのかからっとしていて不快感はなし。がんがん走っていく。とはいえ妙におまわりさん関係の姿を見かけるのでほどほどで。
こうして寝覚の床を通過し、バイパス工事中なる所も通過し、いよいよ御岳への曲り道まで来た。19号線から御岳に行く道は二つあって、いつものそば屋の道は手前か奥か、久しぶりなので忘れた。だから適当に手前を曲がった。曲がってすぐに、あ、なんか間違えた気がする。まあいいや。かまわず走っていくと。そば屋の一竹さんがあった。ここでそばを食うのもひとつの手だが、時間が9時頃と早いのでまだやっていないよ。仕方がないのでさらに進む。王滝村と開田村の分岐点で右に曲がり、かつて熊に遭遇した山道をかける。連休で遊びにきたらしい他県ナンバーワンボックスがうろうろしてる。道がわからにようだ。こっちは全然おかまいなしで走る。すると以前温泉に入った町営ホテルにでた。そういえば、この付近に結構良い温泉があった事を思い出し、そこに行くことにした。暑いので温泉は入れないかと思ったが、開田高原を走っているうちにちょっと寒くなってきたし。入ろう。と言う事で、地図も見ないで、案内表示だけをたよりに走っていくとほどなくその「御岳明神温泉」に到着した。
背景に御岳をしょって、でーんと存在する「御岳明神温泉」はやまゆり荘という施設名で9時からやっているのでもう入れるぞ。地元みたいなじっちゃんばっちゃんがいそいそと玄関に消えていくので、こちらも負けてなるものかと、日陰を探してバイクを止め、温泉セットをシート下の格納庫からだし、持っていった。
玄関にはオープンタイプの下駄箱があり、そこへブーツを脱いで並べる。下駄箱の横に発券器があるので入浴券を買う。大人600円、妥当な料金だな。その隣のフロントに券を出して、温泉の方に行く。途中で休憩用のベンチがあって、木製の足の裏マッサージ器があったのでころころやったらすごく気持ちが良くてごろにゃんでした。
手前女奥が男湯である。風呂の入り口には貴重品ロッカーがあって、みんなそこへ財布やら何やらちゃんと入れてるので、みんながそうするなら・・・と、主体性のない私は100円出して財布やら何やらを預けた。で、100円入れてから気がついた。リターン式じゃないよこれ。「100円は戻りません」とくどいくらい張り紙がしてあるよ。やれやれ、今時戻らないってのもめずらしいよな。
脱衣室に入ると、ロッカーがない。民宿の風呂場みたいにかごしかありません。みなさん、貴重品ロッカーを有効活用しているはずだ。棚の上には巨大な温泉分析表が掲示してあり、この温泉が本物のかけ流しの温泉であることを主張している。適当にかごを選んでさっさとお風呂に移動する。
風呂場の広さは普通くらいだ。体を洗って湯船につかると、お湯は茶色で説明書きがあるので読むと、源泉は無職透明だが、空気に触れて茶色く酸化するとの事。おおー、なんか温泉みたいじゃん。すげーって、ここ温泉だよ、一人ぼけ突っ込みする。温度も適温で、大変に気持ちがいい。最高。露天に行くと、露天も箱庭的なところがなくて、そのまんま外に風呂を作って囲いを立てただけの荒削りな感じが良いぜ。でもちょっと湯の温度が低いので寒いな。内湯に戻ってあったかくなったらでた。出たらもっと汗が噴き出すかと思ったら、やっぱり気候がからっとしているのか、そんな事もなかった。
少し休憩すると服も着れたので、早いが昼飯にしようと思ったが、食堂は11時からだよ、まだ1時間以上あるよ、仕方がない移動だ。お茶を飲んで出発する。
蕎麦屋を捜して走っていくと、開田高原マイアスキー場に行ってしまった。仕方がないのでUターンして、どんどん走っていくと、見覚えのある所に出た。御岳開田高原アイスクリームの店は相変わらず混雑していた。そこを通過して、いつもの店でそばを食おうと思ったその時、『幻の蕎麦』をいう赤い看板が目に入った。一体なんなんだ、吸い寄せられるようにそのあやしげなそば屋に入っていってしまった。
店の入り口からして既にあやしい。建物もあやしい。まるで六本木の品の良い高級クラブみたいな造りだ。(といってもいった事がないのであくまで想像です)小さく店の名前が書いてある。読めません。「朝ついた蕎麦がなくなり次第終了します」おおっ、ひょっとしてかなりこだわりまくってる店か! これは期待が高まります。長い回廊を通って入り口を手動で開けると、六本木の高級クラブのような美人が「いらっしゃいませ、お一人様ですか」「お好きな席へどうぞ」案内されて窓際の見晴らしの良い席に座った。天井の高い、ビフォーアフターでリフォームしてもらってアフターに紹介されるような感じの造りの内装はおよそそば屋とは異次元です。さっきの美人がメニューを持ってきた。なんだかパソコンのマニュアルみたいな細かい説明書きがある。美人はそのお品書きの説明をしてくれる。げ、もりが1200円おろしが1500円かよ。全然説明を聞いてなかったが、見栄を張っておろしを注文する。美人はさらに畳み掛ける「十六穀米が300円です」「つけてください」見栄はりは注文する。かしこまりました。メニューは置いていった。多分、うんちくを読んでほしいんだろうなあ。何もする事がないので読んだがさっぱりわからなかった。お茶と蕎麦菓子が来たので食って待つ。思ったより早く来た。アバンギャルドな入れ物に入った蕎麦だ。「よくかき混ぜでお召し上がりください。」よくかき混ぜる。「十六穀米は雪塩をお好みにあわせてどうぞ」少し振りかける。やれやれ、いろいろうるさい店だ。で、ここまでこだわって味が○○だったらどうしてくれよう・・・と思いながら食った。
まあまあだった。
というか、うまかった。
個人的には黒っぽいバッサバサのそばが好きなんだけど、ここの蕎麦は白っぽい腰の強いそばで、正反対の性格。大根おろしの辛さがマッチしてあっというまに平らげてしまった。300円の十六穀米は、早い話が混ぜご飯なんだが、餅米なのかなー雪塩という雪のような塩をかけて食うとすごくうまい。これまたあっという間に平らげてしまった。なんて事だ。そば湯が来た。すいません、そば湯あんまり好きじゃないんで。残しました。
と言う事で、幻の蕎麦、唯一の欠点はもうちょっと安くならないなー。
帰りに「休憩の時に飲んでください」と御岳の水ミネラルウオーターを頂いた。なんていいお店なんだろう。でも、おいそれと来れないな。
さあて、帰るか。
帰りは開田高原から離れるに従って暑くなってくる。やっぱりあそこは別世界なんだな。3時頃家に着いた。今日は300円の日なので、さっそくたこ焼きを食いに行った。
本日の出費
ガソリン2000円
蕎麦1890円
お茶100円×2
温泉600円
ロッカー100円