激走156号線沿いの温泉制覇

2月18日(土)

 「僕は行くどうしても行くぞ今行かないと一生後悔するからな」「何を言ってるんだ、今頃遅いんだよ」「そうだ、期間終了までもう時間がない。」「うわさじゃマエダンゴって奴が完全制覇するそうだぜ」「お前ほとんど集めてないそうじゃないか」「完全制覇なんてそうそうできるわけないんだよ」

 「行かせてやれ」「てめえ何だっ」「行かせてやれと言ってるんだ。男にはな、死ぬとわかっても行かなければならない時がある。負けるとわかっても行かなければならない時がある。だがお前たちはそんなとき、行く事も死ぬ事も出来なかった。だからここでその女の歌を聴いて泣いているんだろう。だったら、このおっさんを行かせてやれ。いいだろう、みんなで励まして行かせてやれ。」「おっさんは余計だ。」

 うーむ、人生比必要なことは全部松本零士の漫画にあるな。

 と言うわけで、温泉シール制覇に向けて再起動なのであった。前回はCB1300だったので今回はFTRが出動なのだ。だが、またしてもブースター始動しないかんのかとちょっと憂鬱になっていたが、駄目もとでセル始動にかけてみた。すると、キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルと2分くらいでかかりそうになり、少しバッテリーを休ませて再び挑むと、かかった。でも止まった。またかけてみたら、今度はかかった! 素晴らしい、今回はブースターケーブルで車に接続しないでエンジン始動したぞ! さすがHONDA。こいつは春から縁起がいいとくらあ。

 エンジンがかかって気持ちいいな。7時出発予定が8時になってしまったが、まずはセルフでガソリン補給し、満タンにする。2リットルしか入らなかったけど、まあいいか。いざ出発だ。走って行くと、5分で指先はかじかんできて、10分で中指の感覚がなくなってきた。やばいかもしれん。

 目的地である高鷲方面は国道156号線なのだ。いつもなら小牧犬山経由で41号線に入るが、FTRで高速幹線道路である41号は走りたくないので、五郎丸を直進して21号線、そして県道で関に入りその先で156号線に合流した。角のケーズデンキは健在であった。株価情報によるとケーズデンキは買いだそうだ。欲しい人は遠慮なくどうぞ。

 どんどん走って行くと、陽も登り結構暖かくなってきたので、指先の感覚も戻ってきた。これは実にさいさきいい事だぞ。今日は天気予報で寒い日になると言ってたが、良い方に外れたようだ。

 美並の道の駅で休憩をとった。トイレに行ってホットミルクティーを買って飲む。おいしい。さて地図と温泉ラリーのパンフを見てルート検索する。まずは湯の平温泉→鷲が岳→牧歌→飛騨荘川、戻って満天の湯だ。完璧な作戦だぜ。

 計画が決まれば突っ走るのみ。美並から郡上へ、すると、まばらだった残雪が一気に牙をむいてきた。あっという間に一面は白銀の世界だ。白鳥に来る頃には国道の両側は残雪が白い壁を作っている。まさしく、この冬の恐るべき豪雪を物語る一場面だな。しかし、国道の路面はきれいに除雪してあるので走行に支障はないぞ。電光掲示板の温度は4度から6度にあがり、天気もよいので気持ち良く走る事が出来るぜ。

 やがて満天の湯の案内板が見えたが、かなり山の中に入って行くので最後にして、先に湯の平に向かう。少し走るとすぐに看板があり、迷う事なくウネウネ狭い道を入っていくと、広い道に出た。なんじゃこりゃ。するとさらにでかい看板がコンビニ横あり、そこに入るとすぐに温泉があった。バイクを止めて意気揚々と建物に向かう。わりとこじんまりした温泉だ。しかし、なめんなよ、入口は自動ドアだぞ。シールをもらって割引券を有効活用して、早速温泉に入るぞ。休憩所を抜けて、まるで下町の銭湯のような風呂の入口から入ると、これまた古ぼけてちょうどいい感じの脱衣所。いいですね。荷物をロッカーに突っ込んで風呂場に行く。こじんまりしたお風呂のような温泉だな。体を洗って湯船に浸かると、ひゅーひゅー。桃の天然水、華原朋美でした。意味わからん。とにかく気持ちがいいわけです。浸っていると、若者たちが入ってきて、露天風呂に行こうと言って出て行った。すぐ戻ってきた。寒くてお湯もぬるいらしい。どれどれ、私が吟味しに行ってみましょうかの。露天風呂に移動すると、ひゅーひゅーってまたかよ。ちがう、寒い風がひゅー、本当に寒いぜ。あわてて湯に入るがぬるいぞ。噂通りだ。そうそうに退散し、内湯でぬくぬくしてから出た。よっしゃ、次行ってみよう(長さん風に)。

 次は予定変更で牧歌の里である。なぜなら道なりに走るとそっちの方が先になるから。156号線に戻り、高度をどんどん上げるひるがの高原、夏も涼しいひるがの高原冬は死ぬほど寒いかと思いきや、意外にそうでもないな。しかし、残雪の状況が破滅的だ。まるで乗鞍スカイラインに春先に行くと雪の壁が左右を塞ぐ道路があるが、あんな感じです。すごいです。しかし、その白い壁に、春をじっと待ち続ける木々の色と、真っ青に広がる快晴の空が、まさしく絵になるのであった。私にどこぞのサイトみたいにセンスあればきれいな写真を撮るのだが、とほほ。

 牧歌の里は一度来た事があるので、案内板に頼らず着く事が出来た。何だか賑やかしいぞ。何かと思えばなんと、雪祭り開催中で、大勢の人が雪の彫刻を必死に作成中であった。鋭意製作中と言うのでありましょうか、巨大な雪の固まりにチェンソーやら何やらでオブジェにしているのであった。すばらしい。しかし、私は温泉が目的なので、交通警備の人に「温泉に来ました」とつたえると、奥にどうぞと言われて奥までバイクで進んだ。すると、まるでアルプスの少女ハイジに出てくるような、マッターホルンな建物がそびえたっているではないか。さっきの温泉とはえらい違いだ。バイクを止めて、わくわくしながら建物に入ると、受付、御土産屋、レストランと、設備も充実しております。早速、受付でシール&割引で料金を払うと、入って左手の奥の温泉に向かった。入口で靴を脱ぐが、さすがにスキー客の来店も考慮してあるのでブーツでも余裕で入る下駄箱だ。そこからは土足厳禁でロッカーに行く。ロッカーも立派で広いぞ。しかし、分析表らしきものが見当たらないな。まあいいか、さっそく荷物を突っ込んで風呂場に移動する。風呂場広いぞ。実に広大なスペースを確保してあるので感動的ですらある。しかも、今日は雪祭りに皆さんでばっているせいか、客が全然いない。まさしく貸し切り状態! ズバリ、こんな事は滅多にないでしょう。心ゆくまで楽しむ事にして、まずはプールのような内湯でほにゃーとなり、そしてハーブ温泉で夢遊病者のようになり、露天風呂では開放感あふれて心神喪失状態になった。正直、こんない良いところとは思いませんでした。出来る事なら一生ここのハーブ温泉に入っていたいです。

 しかし、時の流れとは残酷だ。そろそろお昼なので腹が減った。飯にしよう。温泉を出るのであった。出て、改めて分析表を捜すが、やっぱり見当たらなかった。外にあるのかもしれない。温泉から出て、受付に戻り、レストランに入る。まだまだ温泉巡りをするのにパワーをつけるため、ハンバーグにしようと思ったが、なぜがレジで飛騨牛ステーキ丼1050円くださいと口走っていた。おわわ、なぜだ、この口がいかんのだ。席に着いた。天井もゴージャスだな。ステーキ丼が来た。早いな。箸を割って食う。うまいぞ。柔らかいぞ肉。箸でちぎれるくらい柔らかいぞ。ソースも美味しいし、あっと言う間にに平らげてしまった。満足して次の温泉に向かう事にした。

 予定では鷲が岳だったが、地図を見て変更、飛騨荘川温泉に行く。インターの飛騨荘川の近くの道の駅の中の温泉だ。何度か行こう行こうと思っていて行けなかったところだな。今回の5つの温泉では最も北にあるので、ここを先に制覇した方が良いだろう。では出発だ。156号線をまたしても北上し、残雪が猛威を振るう中、(こちら方面に来た時の休憩ポイントのいこいの森は道が雪で埋もれていた)道の駅荘川に到着した。ここは何度も来ているのにどうしてここの温泉に入った事がないのでしょうか。まあ、そんな疑問の詮索はどうでも良いか、今日は入るぞ。バイクを止めて建物に入ると、ここは下駄箱は小さいのしかないので、別に用意された棚にブーツを脱いでおいた。受付でシールと割引券を使って料金を払い、温泉札をもらって奥の温泉に行く。そこには温泉フロントがあって、札を渡すと、何と、ここは無料貸し出しのタオル付きだぞ。こういう配慮は実にうれしいね。ここはこっち方面のおなじみ温泉にしよう。温泉は内湯は普通だが、何だかへんてこりんな機械がおいてあった。何に使うのかわからないまま、露天に行くと、ここの露天風呂は広くて気持ちがいい。見晴らしも良い。ただし、奥の方は水深がいきなり深くなるところがあるので、うおっーーーーと叫んで沈没するおそれがあるので要注意だ。でもその深いところに入っているのが気持ちいいのだ。温泉を出て、レストランを見たら、飛騨牛たたき定食1500円だった。うーむ、こっちも良かったな。

 さあ、次は鷲が岳温泉だ。来た道を戻って、牧歌の里温泉まで戻って、そこを過ぎてやまびこロードをさらに進む。この道はバイク向きだね。今は冬で路面が心配だけど、暖かくなったらぎゅあんぎゅあんとそれこそ映画『トルク』みたいな世界が広がりそうだ。

 かなり走って行き過ぎたかと思ったが、そうではなかった。看板があって、その方向に曲がると、料金所があった。スキー場の入場料を徴収しているようだ。バイクなので違うとわかってくれてどうぞーと行かせてくれた。その先の道がひどいこと。舗装ががたがたで穴ぼこだらけだ。CB1300で来ていたらえらい事になっていたな。やっとこさ温泉に着いたと思ったら、なんと、完全にスキー場の中も中の中心地に温泉はあるのであった。バイクをどこに止めるのかさんざん悩んで、端の方に止めると、そこからテクテク歩いて、鷲が岳センターに行った。そこの1階に温泉はあった。とにかくもの凄い人人人、スノーボードを持ってる人が多いこと。そんな人々の中を、違和感あふれるライダーひとり、どうにも居心地が悪いが、シールのためにと温泉の建物に向かった。温泉受付して中に入ると、ホールがだだっ広い、みんなそこで思い思いで休憩している。うどんなどの軽食の店もある。男湯脱衣所に暖簾をくぐって入ると、思ったほど混雑していなかった。市民プールみたいな脱衣所だな。ロッカーもそんな感じ。温泉に入ると、内湯も露天もそこそこの広さで、露天は見晴らしが良かった。しかし、スキー客の若者が多いので元気が良いせいかあまりと言うかほとんど落ち着けなかった。そうそうに引き上げる事にした。水分補給を考えたら、自販機が全部200円だったよ。さすがスキー場は物価が高いのう。

 あまり居心地が良くなかった鷲が岳を後にして、最後の温泉満天の湯に向かうが、ここも白鳥スキー場の近くなので、ちょっと心配だな。高鷲インターを越えて156号線に戻る。そろそろ日が傾いてきて、時間的にやばい感じだ。急いで行こう。行きに見かけた案内板に従って、山道をぐんぐん進むと、どんどん高度を上げて行く。タイトなコーナーばかりで、しかもスキー帰りのRVが対向車線に来るのでヒヤヒヤものだ軽きフットワークのFTRだから良かったが、CB1300で来ていたら転けていたかもしれん。かなり山の中に入って、ようやく満天の湯に着いた。バイクを止めるところがないので建物に沿って止めた。地図ではスキー場の近くだったが、実際には、もろにスキー場の中だった。鷲が岳と同じだ。建物に入ると、下駄箱狭いなー。受付狭いなー。しかも再入場しないように動物園やテーマパークの入口にあるようなのが設置してあるよ。せこいなー。シールと割引券で入る。休憩所も狭いなー。温泉まではまっすぐだ。脱衣所に入ると、ここも狭いなー。鷲が岳と同じ市民プールみたいな脱衣所だ。温泉に入ると、ぬるいなー。っていうか、このお湯本当に温泉かよ。どうにも困ったな。しかもだんだん混雑してきた。露天風呂に移動する。おお、露天風呂の方が断然良いじゃん。湯の華いっぱい浮いてるし、熱いくらいだし、見晴らしがめちゃくちゃに良いし、気持ちいいこの露天風呂。いい感じです。ここで最後なのでゆっくりしてしまった。出たら脱衣場の大混雑、まるでバーゲン会場。脱衣所を出ても大混雑、しかもまだまだどんどん入場してくるぞ。時間的に皆さんスキーを終えてひと風呂のタイミングに重なったようだ。この温泉と鷲が岳はスキーの時期には近づくものでないな。良い勉強になりました。当然ポカリも200円で買うわけねーよ。

 まあ、でも予定通り5つの温泉を制覇した事だし、帰るとするか。

 帰りはスキー客の渋滞でえらい目こいた。

 6時半すぎに帰ってきた。暗かった寒かった。

本日の出費

紅茶 120円

ステーキ丼 1050円

ガソリン 580円

温泉全部で 2700円

走行距離2040キロ

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