春の嵐も乗り越えて養老温泉

3月19日(日) 晴れ時々曇り、暴風

 全国3千万人の花粉症患者の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。寒さが厳しかった今年の冬もようやく終わりを告げたような感じがしないでもない(まだ雪が降ってるところもありますが)それでもやっと春の息吹が感じられる今日この頃、それなのに嗚呼それなのに、我ら花粉症の人類はまたしても花粉に悩まされる時期がやって参りました。ライダーで花粉症なんてのは実にご機嫌なことで、常に外気にさらされて走るんだから、飛んで火にいる夏の虫のようなもんだわな。それでもやめられないライダーって生き物は本当にどうかしている。ビョーキですわ。

 ということで、3月に入って花粉もすごいが天候不順もすごい。あっという間に3週間が過ぎていたのであった。これ以上我慢できんので、天気予報によると、晴れ、風が強い、雨の後、まさしく花粉が飛びまくりの状況にも関わらず、出撃するのだ。この1週間雪が降った高山方面は危険なので回避し、養老温泉あたりを攻めてみることにした。

 前回、FTRだったので、今回はCB1300で行く。3月も末なのでさすがにクシタニツーリングワンピースも出番ではなくなったな。皮上下で、インナーに防寒用の前掛けをしていくことにした。天気は晴れの絶好調だ。まだ時間が早いからか、風もない。このまま風がないといいのだがと思いつつ、実家ガレージから引っ張り出して、いつものようにセルフスタンドでガソリン満タンにして8時丁度に出発した。

 養老方面は、いつもなら155号線を走っていくが、最近の155号線は交通量も増えてきて快適に走る事ができないので、今回は、どうせ交通量が多いのならもっと幹線道路を走った方がいいのではないかと、環状線302号をチョイスしてみた。東名阪の下をぐるりと走るこの道は、渋滞するイメージが強いのだが、実際はどうなのだろうか。早速行ってみよー。

 19号線を走り、勝川で302号線に入る。さすが日曜日の朝は交通量が少ないな。順調に走って名古屋市北区に突入。天気は晴れ、しかし、空を見るとかなりのスピードで雲が流れていく。だから日が照ってきたり、陰ったりが激しく入れ替わり、不安定な天候を象徴しているようだな。だが、302号線は東名阪の下を走っているので、風はあまり感じない。養老に行くには、清洲西で県道128号に曲がるのだが、清須もあって清洲と清須とどっちのキヨスが正しいんじゃー! と訳が分からんまま走っていって、ラッキ-なことに清洲西があったので、迷うことなくそこで曲がった。そしてたら、東名阪の防護壁がなくなり、風がドビューンと来た。キターーーーーーー! って感じ?

 はっきり言っておきましょう、これは『強い風』なんてもんではないです。『暴風』です。『台風』です『ハリケーン』です。お店やらガソリンスタンドにあるのぼりが、ばさばさばさーっと大きな音を立ててはためいて、上の方にももぐってるし、道路脇の看板は全部45度くらいに泳いでるし、信号機がスイングしてるし、畑の向うの竹林は市川崑の横溝映画みたいだし、交差点で止まるたびにバイクはぶられるし、いよいよこれは危機的状態になりつつある。このまま先に進んでもいいのだろうか? しかし、今更引き返すすわけにはいかないぜぇ。

 空元気を出して東海大橋を渡る。長良川だか揖斐川の水面が波打ってるよ。海岸じゃないんだから、かんべんしてくれー。県道8号線をそのままひたすら走れば、養老温泉街に突入するはずだ。暴力的な強風に歯向かいつつ、必死こいて走ると、最初の目的地、グリーンハイツ養老に到着した。9時半だ。思った以上に早く着いたので、またなきゃいかんが、この強風からとりあえず逃れることができるのでほっとする。駐車場は奥の方に自転車置き場か原付置き場のようなところがあったのでそこにデーンと止めた。建物の方に歩いて行く。おかしいな、温泉ラリーののぼりが全然ないけど大丈夫か。その代わりと言っては何だが、露天風呂ののぼりがいっぱい立ってて、強い風にあおられてももぐってる。建物の前に来て、玄関を見上げると、なんと、ここはあの悪名高い国民年金保養センターなのだ。年金無駄遣いの象徴のような施設ではないか。うーむ、あまり期待できないな。

 自動ドアから入り、右手のフロントで温泉を申し込むと、700円です、温泉ラリーの割引券出して500円です、10時まで待って下さいと言われて、ホールで待つ。10時になったので温泉の方に行った。とってつけたような温泉だった。元々このセンターは宿泊施設なので、宿泊客用のお風呂を、日帰り入浴に解放しているだけみたいだな。それが証拠に露天風呂と内風呂が別の場所にあって、いちいち服を着ないと行けないのだ。あほか。というわけで、内湯に入る。脱衣所もこじんまりを台形型で、ロッカーと脱衣籠が半分づつ。で、肝心の風呂はどうかと言うと、完全に普通の風呂。お湯も温泉なのかなあという感じで、ちょっとがっかり。まあ、あんまり期待していなかったからまあいいか。そそくさと出て、さっさと次の温泉に向かった。

 実はこちらが本命の、四季のふるさと養老だ。さっきの温泉とは文字通り目と鼻の先にある。しかし、温泉ラリーでもなければこんな温泉はしごはしないよな。電柱に案内広告が出ていた通りに鋭角ターンして交差点を曲がるとでかい看板が出ていたので大変にわかりやすい。看板の方に曲がると、まっすぐ直ぐだった。ここは温泉だけでなく、いろいろな施設が併設されているようだったが、驚いたのは建て売り住宅も売ってる。全戸勿論温泉付きだ! いいなー、毎日温泉に入ることができるなんて、人生バラ色じゃないか。でもここには住めないなー。山の方雪冠ってるし、寒そう。バイクを駐車場に止めて、建物に歩く。玄関付近で建物を改めて見るとかなり大規模な建物、ガラス越しにはきれいなお店が見える。お客さんがどんどん入っていく。賑やかしいので期待できそうだ。みんなについて玄関に入ると、左手が下駄箱で、一番下にブーツの入るでかい下駄箱があるのでライダーも安心。フロントに行った。受付のおねーちゃん美人だった。シールをもらい、割引で1200円払って、下駄箱のカギとロッカーのカギを引き換えでもらう。左奥に行くと温泉だ。その手前には広大な休憩室があり、長椅子が50台、ソファーが20台くらいの規模で、これまでに見たことのない規模だ。喫茶、食事どころもある。それを通り過ぎて男湯前にタオルと浴衣が棚に積んであるので、必要な分を持って脱衣所に行く。ロッカーの間が狭いがまあまあのロッカー室で、だが、フル装備だと荷物が入りきらないな。無理矢理入れていざお風呂へ。サウナに入って汗を流し、体を洗ってからまず低温湯に入った。それから高温湯に入り、最後に露天風呂に入った。外は強風なので寒かった。露天風呂は早々に引き上げて、高温風呂でぬくぬくした。いったん上がって昼飯にしよう。浴衣を着てロッカーを出る。食事どころは「みのりあん」といって、うちの近所の総菜屋さんと同じ名前だ。店に入ってマグロ丼1050円を頼んだ。ここはロッカーキーの番号で記録してお金は最後に払うのだ。11時半ぐらいだったが、すぐに満席になった。さすが日曜日だな。しばらくするとマグロ丼が来た。結構なボリュームだ。よくかんで食った。先日の新聞に早食いは体に悪いとあったからな。食って満足して、もう一回温泉に入った。ここの温泉は茶褐色の湯で、いかにも温泉のお湯だ。実に気持ちがいい。2回も入って満足して出る。喉が渇いたのでポカリでも飲もうと思ったが、なんと、ここの温泉は自販機が見当たらない。なんちゅうこった。喫茶で飲めってことだな。喫茶をチェックすると高いのでやめた。帰りにコンビニでもよることにして、そろそろおいとましょう。

 温泉を出るとまたしても強風の渦中に飛び込むことになった。ええかげんに弱まってくれんかいのう。しかし、弱くなるどころかますます強くなる一方だ。もはや途中でコンビニによってポカリ飲んでる場合ではない。風を切って家に帰った。

本日の出費

ガソリン プリカード

温泉 1200円と500円

お昼 1050円

走行距離 もうちょっとで15000キロ

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