CBandCBR、温泉、桜、ライダー丼、ラリーカウントダウン雌伏篇

4月30日(日)

 そもそも今回のツーリングは、BBSでのたわいないやり取りから始まった。天王川公園の桜がきれいなので見に行こうという蘭さんの誘いに乗ったはいいが、どうも花見の時期が終わっているようなので、それなら、2日に行くはずだった臥龍桜に行った方がいいんじゃないのとなり、じゃあライダー丼が是非食いたいという蘭さんの希望もあって、あっさり話は方向転換、温泉ラリーカウントダウンの残り3湯のひとつに入り、桜と食い物三昧とあいなったわけである。

 久しぶりのランデブー、去年の10月30日以来である。早いもので半年近くたっているな。まさしく光陰矢の如しだ。困ったな。まあいいや。

 当日は集合時間8時、場所は、小牧のオークマの近くのサークルKとなった。蘭さんは名古屋高速で小牧まで走ってくるそうで、きっと蘭さんのことなので時間より早く着いてしまうに違いないと思い、こっちも早めに出た。7時過ぎに出て、ガソリンをいつものプリベイドカードのセルフスタンドで入れようと思ったら、まだ営業していなかった。7時台だもんね。仕方がないので19号線沿いの24時間営業のセルフに行った。そこでガソリン満タン、180キロ走行して10リットル補給で満タン。ここもカード払いなので財布に影響なしだぜ。よし行くぞ。

 集合場所へは、いつもの桃花台経由の犬山行きルートを走り、敷島パンの工場の方へ行くのだ。すると41号線に出るのでそのまま真っすぐで合流ポイントだ。意外に早く着いてしまった。まいいか。バイクを正面の目立つ所に止めて、駐車料金代わりにお茶を買って飲む。時間までしばし待つ。それにしてもここのサークルK、入れ替わり立ち替わりすごい千客万来、オークマの車やらカンパニーSとか、有限会社三共電子とか、ゴールデンウイークなのに皆さん本当にご苦労様です。

 やがて彼方にCBRが見えた。色は・・・赤! 赤いCBR! シャアだ、赤い彗星だ! いつものトレードマークの紫色に輝くライディングジャケットではなく、目に眩しい蛍光色の黄色いジャケット、これも目立つな。赤白の目立つバイクに黄色のウェア、目立ちまくりだ。こっちは真っ黒だ、地味―。

 「え、遅刻ですか?」いいえ、こっちが早かっただけですから。まだ8時前です。「いやー、お久しぶりー。今回は赤いので来ましたよ、まだ見せてなかったし。」蘭さん皮パンだった。南海のブーツ。走り屋仕様の装備に、今日のツーリングにかける意気込みがひしひしと伝わってくるぜ。「皮パンキツいとか言ってますけど緩そうですね」こちらの皮パンの話になり、実は仕事が決まって2ヶ月働いたら4キロ減ったんです。いままで体を動かさない仕事をしていたので、ダルダルになってた体がシェイプされました。そんなこんなで話も盛り上がって、出発は8時20分くらいになってしまった。

 41号に出る。ゴールデンウィークということで、流れが詰まるのではないかと心配したが、渋滞もなく順調に走ることができた。中濃大橋を渡り、そのまま高架を走って行く。実はこの高架を走るのは初めてだ。道がよくわからんが、案内表示通りに行くと、昭和村の方に出た。蘭さんが銀行によってと言ってたので途中のATMによったら、まだやってなかった。当たり前だわな。普段自分でお金をおろしたことがないのでさっぱりわからんかった。高山まで行けばいいですよという蘭さんのお言葉に甘えて、そのまま疾走することにした。国道418号に入って川辺で41号線に合流する。並走する高山線にキハ系のローカル風味ぷんぷんの電車、いや、電気で走ってないから機関車だな、がいい感じなのだ。どんどん走って、ガンガン走って、桜が終わった新緑の山の中を突き進む。

 ノンストップで行くつもりだったが、渚付近で、なかなか行儀の良いマスツーリングの一団(右側から抜いていきやがった、オメーだ、掠れ色のGPZ!)に取り囲まれたので、うざいので道の駅に入ってかわした。蘭さんが「休憩!?」とビックリしてた。まあ、おしっこもしたかったし。トイレしてバイクに戻ったら、イタ車バイクの一個大隊が駐車場を占拠していた。壮観な眺めだが、ああいうのって、バイクを知らない連中には珍走と同じに見えるんだろうなあ。

 道の駅を出て、再び走り出す。高山はすぐだ。その前に恐怖の宮峠を越える。あの溝の掘られたヘアピンカーブどうにかならんか? フロントがとられるので怖くてたまらん。他の人は何ともないのだろうか。

 ここら辺に来ると、さすがに時期なのか、桜がきれいにまだ咲いている。この分だと臥龍桜はさぞきれいだろう。うほほほーい、楽しみだわーい。飛騨一宮に入り、臥竜公園に向かう。41号から交差点で曲がって、駅方面に行く。さすが、観光客がいっぱいいるぞ。止めるとこがあるか心配だが、バイクなんだから何とかなるだろう。公園前まで突き進むと、案内の人が立っていた。この先は通行止めダヨーン、と言ったかどうかはさておいて、ここでバイクを降りないかんらしい。どこに止めるのか聞くと、通行止めの看板の前に止めてチョというので止めた。案内人の情報によると、只今六分咲き、最もきれいな時期だそうで。期待しつつ、そこからテクテク歩いた。数分も歩いたら臥龍桜だ。

 すご。

 まさしく龍が伏せているような巨大な姿はほれぼれする気品と優雅さを持ち合わせていて、素晴らしい美しさだ。何て言うりりしさ。リリシズム。うーん、マンダム。

 「そっちは正面じゃないですよ、こっちですよ」

 まじっすか。いそいそと正面に向くと、大きさが倍になった。なんじゃこりゃ、すごい迫力の桜だな。まさしく龍の桜だ。何度か来たが、やっときれいな姿を拝めたよ。ありがたやありがたや、桃源郷じゃ、ふるさとじゃ。しかも、ここのいい所は、観光客に変に下心丸出しの商売っけがあまりない所。どことは言わんが、薄墨なんとかはひどいよな。

 さて、では次の目的地に行くか。温泉である。高山市内に入って、アルプスロードの手前を曲がっての今日の裏あたりにある、ひだまりの湯に行った。駐車場にバイクを止めて、入口近道と表示されているのでそこを歩いて入口まで移動する。正面に立つと、どうにも温泉という感じの建物ではないな。蘭さん「こういう近代的な建物の温泉ってどうですか」いやー、どっちかって言うと、ひからびた温泉が好きなんで、どうもなー。でも、入ってみないとわからない。牧歌の湯なんか、入ってみたら天国のような温泉だったからな。

 というわけで、玄関から入ると、階段を上って2階が受付だった。ブーツを脱いで、係の人が、下段の大きい所に入れられますからというので下駄箱に向かうと、確かに下段2段が背の高い仕様になっていた。これはよいぞ。ブーツを突っ込んで、キーを受付までもっていく。ラリーのシールをもらい、割引券を出して1200円を1000円にしてもらう。下駄箱のキーとロッカーのキーを交換し、お風呂セットを渡される。タオルや浴衣付きなのだ。なかなかこれはいいな。蘭さんが今更ながら、ラリーの冊子を買うというので、もう終わりだから次のにしたらと話した。まあ、でも100円であれだけの情報が載っているのは有意義だと思うので買っても悪くないな。と言うことで買った。

 温泉に向かう。階段を下りて1回に温泉がある。お、なんちゅー巨大な男湯の暖簾だ。今までに見たこともないようなでかい暖簾だ。ここまででかいと気持ちいいな。ロッカーに入ると、近代的温泉らしい市民プール更衣室型ろっかーだった。受付でもらってキーでロッカーを捜すと、縦長のビジネスライクなロッカーだ。この縦長ってあまり使い勝手よくないよな。荷物を突っ込んでさて温泉だ。風呂はまあまあな広さだ。体を洗って入る。温いお湯の風呂だったので、隣に入ったらこれはちょうどいい温度だった。蘭さんと温泉の話やらなんやらしながら入った。内湯はジェットやいろいろなお風呂があったが、歩行湯もあった。これはなかなか珍しいな。入ったら深かった。びっくりした。あたりまえなんだけど。露天風呂は、四方を壁で囲まれているのでいまいち。露天というより、ただ単に屋根がないというだけのこと。それでも、お湯はぬるぬるでいい気持ちだったし、施設もきれいなので、また来てもいいと思わせる温泉だった。ここは1日ゆっくりするタイプの温泉だな。

 温泉を出て、もう1湯行きますかという蘭さんに、やっぱりライダー丼でしょうと話題の食い物優先説を唱え、賛同していただいたので、温泉を出てガソリン補給後、一路パスカル清美を目指した。

 158号線に入り、途中でせせらぎ街道に入る。心地良いワインディングロードが続くこの道は、走り屋のメッカだが、今日はあまりバイクとすれ違わなかった。高度が上がると、まだ雪が残っているのには驚いた。30分ほどでパスカル清美に到着する。バイク専用駐車スペースには、今日も多くのバイクが並んでいた。止める所を捜すのが大変だったが、ハーレー軍団付近に空いている所をめざとく発見、するするとはいって止めた。座り込んでだべってるライダーが2人、蘭さんが入ってきてもどこうともしなかった。日本の夜明けは遠いでごわすよ、坂本さん。

 いよいよ、今日のクライマックス、ライダー丼である。蘭さん「ボリュームあるんですよね、朝から何も食ってないから万全ですよ!」気合い入ってるよ。こっちもその為に昼の時間を遅らせたのだ。レストランの混雑を避けてというのもあるが。店に入ると、さすがにこの時間比較的空いていたが、やはり窓際はいっぱいなので中の方の席になった。注文を聞きにきたので「ライダー丼ありますか、ではそれを2つ!」バッチシ決めだぞ。それから、以前ここにライダー丼を食いにきた話をした。こういう名物があると、おもしろい。なんせ、ライダー専用なんだから、まさか、車で来てくってる奴はいないだろうしな、そんな恥ずかしい奴が知り合いにいたらやだな。例えば、冬で雪だったからマーチで来て、食った、とか。そんな奴いないよな。

 ライダー丼が来た。今回の具は唐揚げだった。前回はすごいボリュームだったような気がしたが、今日のはちょうどいいくらいだった。やっぱりお腹を空っぽにしてきたからだろうか。だとしたら、作戦勝ちだな。しかし、本当に分量が少なかったのかもしれん。うーん、わからん。これについては慎重に吟味の上、諮問機関による民間の検討委員会を発足させて結論を本年度中に出すようにしたい。

 食ったので、帰ることにする。

 どうも天気が怪しい。なんだかんだで、曇り時々晴れだったが、風も強くなってきて、一雨来そうなので、早めに山岳地帯を脱出した方が賢明だ。他のライダーも同意見のようで、まさしく蜘蛛の子を散らすようにぶうーんぶうーんとエンジンの音を響かせて出発していった。それに続いて、帰路についた。

 帰りは結局、雨に降られた。それが、じじいの小便みたいな締まりのない小雨で、まー、イライラする。降るなら降るでどばっと降らんかい! どうせカッパもってないし。来るならきやがれ。

 そんな調子で帰ってきた。蘭さんとは犬山辺りで別れた。

 次のランデブーは関越突撃だ。

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