権兵衛峠開通記念で駒ヶ根高原

5月4日(木)

 全国的に快晴、移動性高気圧に覆われて穏やかな天気になるでしょう。まさしく、黄金週間ツーリング奨励日となった今日、出かけない奴はライダーではないぞ! 人生あっという間だぜ、走り続ける奴だけが生きる証をつかむことができるんだぜ、誰にも俺を止められないぜえ。

 かなりのハイテンション状態で、朝も4時半ぐらいに起きてしまい、2度寝したぞ。6時に起きて飯食って7時出発だ。今回の目標地点は飯田。前回のツーリングでようやく温泉ラリーに終止符を打ち、東海三県の呪縛から解放された今、行き先は長野信州、飯田しかないのであった。飯高移動周辺にはまだまだ制覇していない温泉が手つかずの黄金脈の様に眠っているのだ。これに入らないでいかいでか。そして、本年最高のニュース、なんと、あの権兵衛峠がトンネルで開通したと言うではないか。あの、19号線と153号線を分断する、あたかも20世紀の世界状勢不安の象徴であるベルリンの壁のごとくそびえる北アルプスの高嶺の山々の懐をぶち抜き、たった一つしかない連絡路である清路内トンネルに続いての貴重な連絡路が誕生したのだ。おお、これは絶対に絶対に走らなければならない。これはもはや至上命令である。命に代えても走らなければならぬ。そして飯田と言えば、忘れてはならぬ、ソースカツ丼。思えばWEB南信州さんからは「ソースかつ丼おいしいソースかつ丼おいしいソースかつ丼おいしいソースかつ丼おいしいソースかつ丼おいしいソースかつ丼おいしい」と呪文のように耳元でささやき続けられ、もはや食わずには死ねない状況だったのだ。医者に豚肉は食うなと言われているが、今回だけは禁断の果実に手を出させてもらうぜ。誰も俺を止められないぜえ。

 というわけで、前置きが長くなったのだが、7時に出発して、いつもの早朝用のセルフスタンドで満タンにして19号に出た。天気が良くて暖かくなるというので、皮ジャンの中は弱冬装備くらい? でも朝はやっぱり寒いな。我慢しながら19号線をかっ飛ばす。早い時間のうちに距離を稼ぐ作戦だ。2時間で南木曽に到達した。連休なので観光目当てのドライバーが多くなるから運転に気をつけないといかんな。そう思っている先から栃木ナンバーのアルテッツアがふらふら急に止まってぶつかりそうになってまった。思わずクラクションを鳴らす。慌てて走り出すが、そのあとも挙動不審なので距離を置いて走った。結局、妻籠から馬籠の方に走る裏道に曲がっていった。前が空いたので再び飛ばす。清内路トンネルを通過し、昼神温泉郷に出る。しばらくこなかったら、目新しい温泉施設ができていた。今度ここに来たときに入るとしよう。153号線に合流し、10時には飯田市内に入った。ここで温泉の第一候補、天空の城に入る予定だったが、看板はあるものの、さっぱり行き方がわからん。151号線付近ということは憶えてきるが、153を走っていては駄目の様で、困ったなー。どこかで曲がらないといかんのかなーなど度思っているうちに、前方に北アルプスの頂が白い残雪を冠して雄大な姿を現した。おー、なんちゅう良い眺めだ。素晴らしい、このあたりに住んでいる人は毎日あの光景を見ながら生活しているのか。何ともうまらやしい話で。ということで、天空の温泉などすっかり忘れてどんどん道を進んでいた。いつのまにやら松川、中川村を経て駒ヶ根に入っていた。もうこうなったら駒ヶ根高原に行ってしまおう。温泉は駒ヶ根の温泉に入ればいいや。信号の案内に従って曲がると、真っすぐ行った所に駒ヶ根高原があった。いかにもいい感じの観光地な所で実に風光明媚。観光客が車やバスでわんさかと押し寄せている。天気がいいせいか、バイクも多い。マスツーリングの軍団バイクも走っている。

 駐車場こっちだよーんと誘うおっさんを無視して、どんどん行くと、早太郎温泉こまくさの湯に着いた。バイクを止める所を捜して、玄関の前にブラックバードがでーんと止めてあったのでまねしてそこに止めた。バイクを降りて、正面玄関から入ると、カギもないただの棚の下駄箱にブーツをおいて、発券機で入浴券を買う。受付の人に券を渡し、奥の方にある温泉に向かった。男湯は東駒の湯で女湯西駒の湯だった。入れ替わるのかもしれん。脱衣場に入ると、下駄箱と同じく、カギなしロッカー、脱衣籠のオンパレード、にもかかわらず貴重品に注意の張り紙があちこちにしてある。じゃあコインロッカーにしろて。入口の所にある貴重品ロッカーにウエストバックを入れて、あとはカギなしロッカーに突っ込んだ。風呂に入る。結構広い内湯、体を洗って入ると、全面ガラス張りの向うには駒ヶ岳の勇姿がばあーんと見えるのだ。素晴らしい。見晴らしがいい温泉は他にもあるが、こんなにきれいな景色が見れる温泉は他にないぞ。こりゃ露天に行ったらさらにすごいんじゃないかと思って、早速移動する。が、露天は目隠しの壁が邪魔で何にも見えん。何と言うことだ。露天より内湯が見晴らしがいいって、なんじゃこりゃ。お湯もぬるいし。内湯に戻る。そこでしばらくのんびりして、たんのんしてから出た。

 温泉から出て、お茶を飲んで水分補給してから建物を出る。あたりを散策すると、駐車場の向うには芝生にタンポポが咲いて、まさしく絵はがきのような光景。ベンチに座るともう動く気がなくなるね。しばらく魂がぬけちゃった状態であたりをポワーンと見ていた。

 腹が減って我に返った。よし、ではいよいよソースカツ丼である。バイクに戻って出発する。それにしても駒ヶ根はソースカツ丼が有名な様で、お店に看板には間違いなく「ソースカツ丼」の文字がある。喫茶ガロという店が開店前の行列がすごい。何があるのだろう。明治亭もすごい行列だ。何があるのだろう。まあいいや。目的地は花洛(からく)ここはWEB信州さんお勧めなので絶対に間違いはないだろう。事前に調べておいたので場所はしっかりわかってる。すずらん通りのちょっと引っ込んだ所だ。あ、あった。バイクを前に止める。店の前にたって、お店を改めて見ると・・・なんか、ちょっと寂しい感じなんですが。ガロとか明治亭は何かもっと華やかだったけど、本当にここやってるのかなあ。入口に行くとやってた。入ってみた。女の人が出てきてお一人ですかーどうぞー。気怠い感じだなー大丈夫かなー。客も全然いないし。カウンターに座った。飲み屋さんなんだな、ここは日本酒がいっぱいおいてあるぞ。その割にBGMはジャズなんですが。ソースカツ丼を注文して待つ。地元の新聞があったので読んだ。地元のタウン誌があったので読んだ。待たされる。あ、お客が来た。あ、また来た。また来た。オイオイどんどん客が入ってくるぞ。するとソースカツ丼が来た。

 なにいーなんじゃこりゃー。噂通りにご飯が見えないカツが覆ってるよ。すんげーボリュームだよ。肉厚を見たら、私のカツの常識で言う所の2倍から3倍はあるな。香ばしい臭い。豚肉のおいしそうな臭いが久しぶりで胃袋に刺激を与えるよ。胃液が唾液が滝の様にどばどば出てくるぜ。もう我慢できない。食うぜ食ったるぜ。誰にも俺を止められないぜえ。がつがつがつがつ。うほほーい、美味いよおこんな美味いもんだったんだ、ソースカツ丼ってのは! 一気に食ったが、さすがにこのボリューム、腹にずしんとこたえるぞ。こりゃ当分飯食わなくても大丈夫だな。うー、お茶飲んでお勘定を払う。ソースカツ丼はどこもこんなにボリュームがあるのですかと聞いたら、お店によってですからねー、お客さんが食べたのは分量ありますね。とあっさり言われた。

 食ったので満足して外に出ると、駐車場は満車だった。さすが、WEB信州さんのお勧めの店だ。すごい人気だな。

 153号線に戻って伊那に向かう。権兵衛は伊那から361号線に入るのだが、気持ちよく走っていたので予定通り通過していた。戻る為にコンビニに入った。お茶を買って飲んでいると、マスツーリングのグループが駐車場にいて、一人から声をかけられた。メーターが260キロまできってあるけどそんなに出るのかとかタイヤが太いから値段が高くて大変だなとか。最近のバイクはこんなもんでしょう。

 戻って伊那市で361号線に入った。ウネウネ路を少し走ると、広く見晴らしのいい道に出た。まるで北海道のような道だった。牛の臭いもしてる。さらに走ると巨大な橋が現れた。どうやらこれが新権兵衛道路のようだ。できたてのほやほやの感じの広い道だ。

チェーンの交換場所で少しあたりを見て、再び出発、最長のトンネルに挑む。全長約4.5kmすごい長さだな。こんなに長いトンネルは他にないぜ。向うからもどんどん車やバイクがやってくる。これだけ交通量があれば、造ったかいのある道だな。山陰道とはえらい違いだ。トンネルを抜けると木曽路だった。渋滞だった。大渋滞だった。参ったなー。渋滞路をすり抜けて、上山田の交差点まで渋滞していたのを抜けると、一路帰りを急いだ。そのあとも何カ所か渋滞したが、5時半ぐらいに帰ってこれた。

本日の出費

ソースカツ丼 1050円

温泉 500円

お茶 120円147円120円

16000キロ突破

フロントタイヤ交換だ。

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