御岳のこの世の終わりの場所

10月21日(土)

かつてXLR250BAJAに乗っていた時に、御岳の大地震の爪痕が残る場所があるとの情報を得て、王滝村の奥地の林道を走った事があった。林道を走破する技術もないどへたくそが、転倒にビビりながら、不安定な天候の下、どんどん人気のなくなる、うっそうとした木々の中を進むと、やがて、その場所に出た。そこはまさしく大地震の後、地球の力をまざまざと見せつける傷跡が残る場所だった。空は晴れと黒い雲が同居する異常な状態で、斜めから陽が差す光景は、まさしくこの世のものとは思えなかった。まるでこの世とあの世の境目だ。ここはまさしく、この世の終わりの場所だった。陽が差す中激しく降り始めた雨に追い立てられるように、その場所から逃げ去った。

あれから10年、足付きの悪く始動性に信頼性がないBAJAからFTRに乗り換えた今、もう一度あの場所に行きたくなった。本当にあの場所がこの世の終わりの場所だったのか、確認するために。

なーんちゃって、ちょっとかっこつけてみましたが、早い話がFTRで林道を走ってみるとどうなのか、最近、にょいとらんばかりだったのでどうにも走ってみたくなり、寒くなる前に、前述したとおり、一番気になっていた林道に行くことにしたのであった。なんせ、御岳である。秋は日が短く時間がないので早めに出発しようと思っていたが、なんだかんだで、出発は8時ちょっと前になってしまった。天気予報は汗ばむ陽気だそうだが、目的地の事を考えて中に1枚余分に着ていく事にした。ガソリンをプリベイドカードで満タンにしてこの前の3円残金カードもしっかり使った。3円でも意外に入るな。

19号線に出て走る。さすがに今日は天気がいいのでバイクが多いな。アメリカンとネイキッドのペアが走ってたが、納車したてのネイキッドの方は初心者っぽいな。初ツーリングでわくわくしながら走ってるのを見ると自分の走り出した頃を思い出すぜ。

時間稼ぎの為に休憩もとらずにどんどん走って行く。FTRは巡航速度をCBみたいにできないが、久しぶりに単独で乗ると、FTRってこんなに軽かったっけと思えるほどで、やっぱりまっちゃんの体重のぶんがおqうぇrちゅいお

BMWやらHONDAのビックバイクのグループの後を走って1時間後には中津川、そして木曽路に突入する。何が汗ばむ陽気なのか、走ってるとちょっと寒いいぞ。幸いトイレも大丈夫のようなので、いつもの休憩ポイント元起は通過した。さらに走って、そろそろ食料を確保しないかんなーと思いつつ、次から次へと現れるコンビニを選り好みしていたら、いつの間にか御岳の横道に曲がるところに出てしまったよ。いったん曲がったものの、これではいけないと判断、19号に戻って近くにあったサティの木曽福島店に入った。そこでおにぎりとお茶、紅茶がなかったのでココアを買った。地元の農協でイベントをやっていて何だかとっても賑やかしい。耕耘機の展示会も開催中です。らっしゃいらっしゃい。

19号に戻り、御岳王滝村に向かう。県道に入って、最近行ってないけどお気に入りのそば屋一竹(いっちく)の横を通り抜け、その先のガソリンスタンドで給油した。林道でガス欠は勘弁願いたいからな。しかし、スタンドで出て来たのが棺桶に片足突っ込んでそうなしょぼくれたじいさん。一生懸命満タンにしてくれたが、かなり余裕を残して給油終了。この量で航続距離がちょっと心配。

さてさて黒沢で観光地化した三岳方面でなく、裏御岳ともいえる王滝方面滝越に向かう。道が細くなり、いかにも山道になっていく。すぐに巨大な牧尾ダムが出現する。久しぶりのご対面だが、相変わらずダムっぽくないダムだな。ダム公園で昼飯にしようとしたが、あいにく工事中で立入禁止だ。その先で道路脇にあずまやがあったのでそこにバイクを止めて昼飯にした。

装備をあずまやまで持って行き、ジェットでお湯を沸かす。すぐに湧いたぞ。カップヌードル3分待って食う。外で食うカップヌードルは美味いなー。アニメのCMで言ってる通りだな。カレー味なので汁が飛んで皮ジャンに付くのが心配だ。今度は普通のにしよう。食ったらココアを入れる。うーむ、風光明媚なところであつあつのココアを飲むのはいい感じだな。今度はもっといろいろ作りたいな。

腹ごなしも済み、出発する。走って行くと、やがて、紅葉の始まった山と眼下を流れる河だけになって来た。ここまで来ると山奥に来たと思える。目の前に巨大な白い鉄橋が現れた。こんな山奥にこんなモノがあるのはセンスオブワンダー。

さらに進むと、ようやく自然湖に出た。カヌーが何隻か岸に着いてた。自然湖は以前、BAJAで来たままだった。長いトンネルを抜け、湖と山と野原草原の広がるいい所にでた。住んでいたらストレスなんかたまる事ないだろうね。

 

さらに先に進むと舗装路が途切れ、ついに砂利道に入った。ということは、いよいよ、この世の終わる場所が近いな。期待に胸を膨らまして行くと、

あっさりと通行止めで終わった。あれれ、何て事だ。工事中らしい。この先の三浦貯水池のダム工事のため、通行止めだそうで。がっかりだよ。仕方がないので二股に分かれていたもう一方の林道を走ってみたが、こっちも結局行き止まりだった。がれきの多いひどい林道だった。バイクがなんであれ、結局へたくそなのでビビりながら走ったのは10年前と全然進歩はなかった。

こうして林道アドベンチャーは終わった。次は温泉だ。どこにしようかと思っていたら、王滝村の役場付近まで戻ると、王滝の湯の案内が出ていた。

手書きのローカル味あふれるもので、これは興味深い。旺文社ツーリングマップル情報ではダート経由の山の中の温泉らしい。これはズバリ行くべきでしょう。早速案内に従って走っていくと、やがて舗装路は林道に変わった。しかも、真新しい砂利が敷き詰められてわだちが深い。まだ、さっきのがれき林道より走りやすい。中腰になって走り、2キロほど行ったところで王滝の湯があった。

まるで工事現場の詰め所みたいな、こじんまりした質素な建物に王滝の湯の看板が下がっている。車が何台か止まっており、お客は多少いるみたい。バイクを止めて温泉セットを持って建物の方に行った。普通の民家のような横引きの玄関、妙に馴れ馴れしいおっさんが歓迎してくれた。聞くところによると、村営だったが村の財政悪化のため3月に閉鎖されていたのが、地元の有志が再開させて今日開店だそうで、開店記念にくじ引きで景品ももらった。何かとってもラッキーじゃん。で、温泉だが、実にいい意味で味も素っ気もないただ単に内湯があるのみ。でもそれがいい。実にいい。お湯は茶褐色で臭いもいかにもそれ風だ。林道を走った緊張感から逃れてほっとするぜ。気持ちいい。ゆっくり入って、出たら休憩所でお茶とリンゴ、おにぎり漬け物などごちそうになった。さすが開店、出血大サービスだな。

温泉を出ると2時になっていた。そろそろ帰らないと時間的にやばい。

帰りは中津川と多治見で大渋滞だった。

本日の出費

ガソリン プリベイドカード、519円、650円くらい

温泉 500円

昼飯 500円くらいかな

走行距離 4040キロくらい。オイル交換しないとな。

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