九頭竜の向うは塩だしそば

10月28日(土)

そばが好きでよくそばを食うだけの為に御岳辺りまでバイクで行く事があるのだが、信州だけがそばのメッカというわけもなく、某グルメブログによると福井に

「塩だしそば」

なるそばがあるそうで、そば好きとして、これは食わねばなりません。新温泉ラリーの新登録温泉も近くにあるので、この際行ってしまおうとあいなったのであった。しかし、天気予報は晴れ後雨だ。これは早めに出発しないと、距離的にやばい事になりかねん。それに前回のツーリングで空気圧の点検がいるなーと思っていたところで、出発前にやっておかねばならないのだ。これは早く起きないとな。

が、テレビで「デスノート前編」を見てたら寝るのが遅くなって、当然起きるのも遅くなった。漫画みたいなしょうもない映画を見てしまった上に寝坊かよ! ショックショックショックじゃあー。あわてて準備して空気圧見て結局空気を入れて、ああだこうだで8時半になってしまった。こうなるともう焦っても仕方がないのでまあ、天気も良い事だし、適当に行きましょうか。時間がなかったら途中で別の温泉入ればいいし。コスモ石油でガソリンを満タンにして(会員価格128円)出発した。

19号線を横切って小牧犬山経由で41号線にでる。順調に走って1時間ぐらいで関に入った。248号線沿いでは学校の校庭で大々的にフリーマーケットが開催されていた。フリマってのは手間がかかるわりに大して儲からんのだよなー。まあ、いらんものが減るのはいい事だが。どんどん走って156号線に入る。ここからかっ飛ばして行こうと思ったら、何だかとっても低調なペース。全体的に交通量が多いのか、先頭のバスが遅いのかよくわからんが、もともと156号線は詰まる事も多いしな。とか言ってたら相生辺りで大渋滞になってしまった。うしろからハーレ-2台組が掟破りの対向車線走りで急速接近中だ。抜かされた。なめやがって、こっちも行ったる。路肩があるのでそこを走って先頭に出る。こんな感じで156号を2台のハーレーと抜かし抜かされ進んでいくのであった。美濃を通過し郡上を通過し、ペースが上がらないまま何とか白鳥まで来た頃には11時近くなっていた。遅すぎるぜ。目的地に11時到着するつもりだったのに。白鳥で油坂峠に曲り巨大ループ橋を登る。ここからロスタイムを取り戻す奇人の走りを見せちゃる、おいおい、違うだろ、鬼神の走りだよ。

奇人じゃ

そのまんまじゃん。

・・・。

幸いな事に今日は暖かく天気もいいので、毎回とてつもなく寒い思いをするこの油坂も暖かい。しかしこの辺り、急速に進む高速道路に比例するように、ドライブインやら何やらがどんどん無くなっているんですけど。昔は油坂スキー場なんてものもあったよな。ドライブインは九頭竜ドライブインと白馬洞しか残ってないし。むかし、500円でうまいそばを食わせてくれる店があったんだが、潰れて平らになってるし。どうなんでしょうかねえ。

ところで、相変わらず前を走る2台のハーレーの後ろのヤツ、ちょっとヘタ。あんまり人の事は言えないが、カーブ膨らみすぎだぞ。こえーなー、見てるとヒヤヒヤするよ。ハーレーは途中に景色のいいところで止まった。こっちは先を急ぐ。道の駅九頭竜も平成の湯も越えて、ウネウネの山道をどんどん進むのであった。しかし、さすが九頭竜、紅葉もほのかに始まっていて山肌と、深々とたたえる河の流れがとても美しい、風光明媚な光景にここまで走ってきた疲れも吹っ飛ぶ。その先の湯上発電所はとても発電所に見えないユーモラスな形がいいな。空飛ぶ円盤が着陸しているようだ。仏原ダムは背面からしか見えないが、重厚で立派なダムのようだ。道の途中では、軽トラを止めて行商に勤しむ地元の方々がたくさんみえる。「朝摘み松茸1000円より」は黒山の人だかりだった。他にも大根がわんさと荷台に積まれ叩き売り状態なのもあった。

ようやく山を抜けて大野に入った。ここまで走りっぱなしだったので、ローソンで休憩する。時刻は12時、ここまで3時間半かかってしまった。予想外だ。午後の紅茶を買って飲む。いい方のを買ったので460mlだった。予想外だ。地図を見て確認すると、ここからまだまだ1時間くらいかかりそうだ。予想外だ。予想外割引して距離を縮めてくれんかな。

嘆いても仕方がないので先を急ぐ。大野城が見える辺りで158号から476号にスイッチする。ツーリングマップルでは一応しっかりとした赤い国道表示だが、何せ400番台だから注意しないとな。案の定、2車線だったのは初めの数十メートルですぐに「大型進入禁止」の山道状態。しかもタイトコーナー連続で、まさしく400番台だ。どんどん標高が上がっていき、あたりが見下ろせるところまで来た。バイクを止めてちょっと景色を楽しむ。こういうところが心を和ませるのだよ。うーん、まんだむ。すると、続けざまに3台のビッグバイクが走っていく。おおっ、もしや同じ塩だしそば狙いか? ひょっとして数量限定で早く行かないと無くなっちゃうとか、行列が出来てて、1時間待ちとか? やばいぜおい、風景見てる場合じゃないぜ。いそげ。

こうしてウネウネ山道を対向車とぶつかりそうになりながら進み、ようやく、目的のそば屋がある池田町にたどり着いたのであった。

そば屋は池田町の役所のすぐそばだそうでって、しゃれにもならん。役所の駐車場は明日の消防訓練の為に駐車禁止になっていた。住宅案内地図が掲示してあるのでバイクを止めてみるとあったぞ、「一福」はここだ! 本当にすぐそばだった。いそいそと店に前に行ってバイクを止める。12時45分、やれやれやっと着いたよ。長い道のりだった。

バイクを降りて店に入ると、まずトイレがあったので済ませた。それから店内に行ったら混んでるんですよ。あたりまえか。奥の方の座敷しか空いてないので、ブーツを脱ぐのが面倒だが仕方がない。そこまで行ってよいしょとブーツを脱いで座り込んだ。注文を取りに来たので、すでに某グルメブログでチェック済みな私は、迷うことなく3つとも注文した。そうなのだ、ここのそばは「塩だし」「醤油だし」「生醤油」の3種類があり、大きさが小ぶりなので3つとも食べられるのだ。それがツウなのだ。注文したので待っていると、入れ替わり立ち替わり客が来る。さすがに人気があるな。みんな初めてのようで、メニューの説明を聞いている。

(一応、前から、塩だし、醤油だし、生醤油なんだがわかんないな)

10分くらいでそばが来た。簡単に説明してくれて(これが塩だしでこれが醤油だしだとか)違いがわかった。でなければ全部同じに見えるもんな。器の大きさはたしかに普通のそばの器を思うと遥かに小さい。ご飯茶碗と変わらないくらいか。汁が少なめで、そばは太い。しかかも、手打ちらしく、大きさがまちまちなのだ。さっそく塩だしから食ってみる。天然わさびが入っているのでよくかき混ぜる。食うぞ。美味い。いい味で、ちょっと硬めのそばとよく合っている。わさびの効き具合がきついぞ。さすが天然だ。キクーって感じだ。あっという間に平らげて、醤油だしを食う。あれ、なんか薄味だな。食ってるとだんだん味がわかって来た。しかし、この太く硬めのそば、けっこう腹にずしんと来るな。最後に生醤油だが、ここまで来るとちょっと食うのが苦しい。某グルメブログには成人男性なら3杯くらい軽いあったが、ちょっときついな。食ったらお腹いっぱいになってしまった。しかも、3種類も食ったので何か味が全然わからんくなってしまった。やっぱり2種類にしておくべきです。隣の常連さんみたいな人は2種類頼んでた。他に3つ頼んでる人はいなかった。これは私の唯一の失敗です。

食ったので温泉に行く。温泉は冠荘という旅館だ。ここからさらに山奥に入ったところにあるのできっといい所に違いない。出発する。ところどころ道路工事が入っている道を越えて10分もしないうちに着いた。本当に山の中だよ。林間学校みたいな旅館だ。バイクを止めて早速タオルを持ち、玄関から入る。土足厳禁だ、ここでブーツを脱いで、受付でシールをもらってお金を払い温泉に向かった。通路を歩いていくと、ガラス越しの中庭がきれいだった。能のお面がたくさん飾ったあった。こうして見るときれいだが、夜は来たくないな。温泉は一番奥にあった。宿の温泉なので、本当にただのお風呂だった。露天もないし内湯も普通サイズがひとつだけだ。ちょっと寂しいが、旅館の温泉のよさは、泊まりツーリングに来てる気になれる事だな。脱衣籠に荷物を突っ込んで、お風呂に行く。体を洗って湯につかった。ぬるぬるのお湯が気持ちよい。程よく体が温まった頃合いに出た。

建物を出ると、日が傾き始めて、山がきれいに映し出されていた。クラッシックカメラを持った人が、何度もシャッターを切っていた。さて、時刻は2時、これから帰れば6時には着くだろう。帰りのコースはこのまま417号を走って藤橋にでる選択肢もあったが、476号でもうこりごりなのでやめた。今度FTRで挑戦しよう。

ということで、帰りは476号を避けて県道2号線で国道158号に出た。福井豪雨のモニュメントがあった。そういえば、ひどい豪雨があったなあ、途中でいくつも道路工事していたのは今も続くその復旧工事だったのだ。異常気象には困ったもんだな。

ノンストップで走ったが、家に着いたのは6時20分、結構かかってしまった。

本日の出費

そば 650円×3種類

温泉 500円

ガソリン カード

走行距離 20750キロ

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