乗鞍高原温泉は休みで雨あられ

4月7日(土)

相変わらず週末の天気はビミョーなのであるが、先週一気走りだったので若干欲求不満気味なのであるが、週間天気予報では曇りらしいのであるが、前日ぐらいになると曇りのち晴れくらいになったのである。これはチャンスかもしれないと思い、飯田方面の温泉攻めを検討し始めたところ、CBさんから掲示板に書き込みがあった。「急に行きたくなったのでせせらぎの湯に行きましょう!」急に行きたくなる、というところがとてもグッとくるのであった。しかし、せせらぎの湯ってどこだ? ググって見るとどっぱーと現れた。うーむ、日本中にせせらぎの湯があることがはっきりした。これでは全然どれかわからん。掲示板にその旨書き込むと返事が来た。乗鞍高原の温泉だそうだ。乗鞍高原か。久しく行ってないのでこれは良い考えだ。しかし、道は大丈夫なんだろうか? 掲示板にその旨書き込みと返事は来なかった。

そして当日。天気予報は全面的に晴れ時々曇りだ。気象庁も確認、ヤフーピンポイント予報も確認、家の天気予報壁時計も天候回復が点滅している。完璧だ。絶対にツーリング日和だぞ。9時に道の駅賤母(しずもと読むのだ初めて知った)に集合なのでどこかよくわからんが、多分、木曽の方のあの道の駅だろうといい加減な検討で目標想定すると、約2時間を考えなければいけないので7時に出発だ。昨日の夜にしっかり準備して寝たので朝慌てることもなく装備をセットしたら実家ガレージから旗艦CB1300を引っ張りだす。エンジン1発始動、出発する。いつものように、コスモでセルフガソリン満タン、今日は長距離になるので、途中で給油しなくても良いように口元までいっぱいに給油した。今日はバイクが2台も給油していた。漢字のでかい文字がバックプリントされたジャケットのKawasakiと、上下ライダースーツでびしっと決めたYAMAHAだ。ピット作業のコンマ1秒が勝利を左右するのだ。急げ! HONDAは常にナンバーワンなのだ。カードとレシートを回収するとヘルメット装着エンジン始動! ピットからギュイーンと発進する。勝ったぜ。これはさい先いいぜ。いや、実は全然よくないんですが。

19号線を調子よく飛ばして、天気もいいのでポカポカ陽気に気分も盛り上がる。恵那辺りで車線が減ると、前方のトラックがペースが遅くて連なりになっていった。ダイシンスーパーエクスプレス遅いぞ。さらに進むと、でかいキャンピングカーが現れた。自転車を2台も後ろに積んでいるのだ。これは週末はどこかのオートキャンプ場でゆったり打ち上げ花火でもやる気なんだな。火の元に気を付けろ。

渋滞もなく順調に走って、8時半ぐらいに着いた。ちょっと早かったな。駐車場を一回りしたが、CBさんたちはいない。目立つように、入り口付近の看板の前にバイクを止めたら、すぐに玄人好みのKawasakiとHONDAのベストセラーCB400が現れた。バイクを近くに止めて、まずは挨拶。早いっすねー、この前のテラ飯オフでも早かったので、ひょっとしてもう来てるんじゃないかと、途中休憩なしでぶっ飛ばしてきたらしい。いやー、すいませんね気を使っていただいて。お茶飲んでトイレ済ませて、マエダンゴさんの転勤や、蘭さんのCBR750の話で盛り上がり、一応9時過ぎまで、突発参加がいるといけないので待った。しかし、3人だけなのであった。ちょっと寂しいが、まあいいか。

では出発。肝心の温泉が休みらしいという情報をつかんでいたが、まあ、乗鞍方面温泉はうじゃうじゃあるので行ってから考えればよしということで、こういうルーズなノリがたまらなくいいのだ。で、先頭は真珠さんのCB、続いてCBさんのKawasaki、そしてしんがりがCBというコンボイで19号線を北上するのであった。

19号線は、中部地区最大の幹線道路なので交通量も多いがそれなりに流れもいい。しかし、たまにトラックが遅かったりするわけで、そういう時の為に登坂車線があるのだが、なかなかうまく追い越せなくて、結局、寝覚めの登坂車線でトラックをかわし前に出た。そこからどんどん進んでいく。この辺りまで来るとさすがに桜はまだのようで、今年が暖冬でもやはり山の方は寒いのだなあ。

そうこうしているうちに、最初のポイント藪原まで来た。しかし、真珠さんのCBはどんどん行ってしまった。げげ、2台で横道を下ったところで待っていると、何事もなかったようにCB400がひゅーんと現れて走っていった。2台がその後を追う。中央本線の下をくぐって、いよいよ乗鞍へ進む。乗鞍への県道26号線はさすがに交通量も少なく、のんびりと走れるのだが、困ったことにおしっこがしたくなってきた。うーむ、我慢すると尿道結石になるから我慢しない方がいいのだが、うーむ、と思っていると、CBさんが自販機がある休憩所を見つけて一目散に入っていった。続いて入って停めると、CBさん「トイレ」「トイレ我慢できん」と言いながらトイレに走っていった。これは幸い、じゃあついでにみたいな澄まし顔でこっちもトイレに入る。みんなでトイレタイム。

体も軽くなったので、ますます調子良くガンガン走っていく。天気もいいし、景色もいいし、文句ないね。どんどん走っていくと、いよいよ標高を上げ、きつい急勾配の急カーブが連続して現れ、みんな早いなー。あっという間に置いてかれてしまった。しかし、それに気がついたCBさんが道を譲ってくれて、後ろから写真でもとっているのか、しばらくしたらぎゅいーんと抜かしてどんどん抜かして先頭に消えて、いったいどんな運転をすればあんなに速く走ることが出来るのだろうか。CBさんは前方の駐車帯で写真を撮っていた。いつしか標高はかなり高くなり、周りに残雪残雪、雪の固まりがどっさりと残る、どんどん寒くなる寒くなる。温度が急激に低下しているぞ。おいおい、下の世界は春なのに、ここはまだ冬だぞ。

いきなり「←乗鞍」の看板。止まってターンしてよく見ると「通行止め」だった。ガソリンスタンドの店員さんに聞くと、雪で通れないらしい。スーパー林道はやはりあきらめ、先を進む。山道を登っていくと、連続した長いトンネルをくぐって、おお、乗鞍名物漏水トンネル! 追々せっかく洗ったバイクが汚れるじゃねーか。くそ。トンネルを抜けると巨大なダムがあらわれた。東京電力奈川渡ダムだ。ここって見学出来るところじゃなかったけ? その先、しばらく行ったら県道84号線。乗鞍まで11キロだ。信号を曲がり、曲がりくねった山道を登っていく。

こうして11時半頃、ようやく乗鞍高原に到着した。しかし、やはり温泉の湯けむり館は休館、駐車場にバイクを止め、目標のせせらぎの湯を捜索すると、CBさんの事前に用意した資料のおかげで意外にあっさり見つかった。

しかし、残念ながらまだ営業していなかった。頑丈に打ち付けられた厚いベニヤの板が、まさしく厳しい乗鞍に冬を物語るように我々の行く手を阻むのであった! 天は我々を見放したか! そのうち少年ジャンプにも見放されるのだろうか(コンタロウ)まるで名古屋の白川公園でよく見かけるような作りの建物に、後ろ髪を引かれつつ、駐車場に戻るのであった。しかし、我々は天に見放されてはいなかった。そうだ! 観光案内センターだ! あそこで温泉を教えてもらおう。CBさんが、さっそくいそいそと、暇そうにしている係りの人に聞きにいった。すると、美鈴荘を勧められた。おいしいそばが食いたいというリクエストには中の屋がいいと勧められた。ではそちらに移動だ。

美鈴荘は普通の民宿だった。やはり高原のスキー場や登山がメインの観光地だけあって、スキー客や登山客の御用達のような民宿だった。バイクを前に止めて中に入ると、連絡が行っているので全く問題なくすぐに温泉に入ることが出来た。入浴500円だ。継ぎ足し増設をしまくったような作りの、バリアフリーなぞ眼中にない作りが、いかにも実質剛健な温泉民宿でいい感じなのである。温泉は奥の方にあって、脱衣場にはすでにもうもうと温泉の臭いが充満しているので、いやがおうにも気分が盛り上がる。最近はなんちゃって温泉ばかりで、こういう温泉だぞこの野郎な温泉に縁がなかったので非常にわくわくなのだ。もうはやくはやくぅ、という感じで脱衣籠に荷物を突っ込んで風呂場に駆け込み、湯船の蓋を取って手を入れる。あつうっ! 体が冷えているので無茶苦茶に熱いではないか。しかたがない、体に徐々にかけて温度を慣らす。ようやく入ることが出来たところへ、CBさんが現れた。同じようにあつうっとやってから同じように体を慣らして入った。うーむ、天界天界。乳白色のお湯といい、湯船の縁に残る白い湯の花といい、もう申し分無いっす。ウププププなのでっす。(意味不明)露天風呂は温度も低めなので内湯より入りやすかった。うーむ、いい感じ。しかし、なんだか空が怪しくなってきたな。雲が厚く覆われてきて、大丈夫か。

温泉を出て、休憩所で一息入れたら1時になっていた。腹も減ったのでそばを食いにいく。民宿を後にして、次ぐ近くのそば屋さんに移動する。店の外に水車小屋があって、その水車でそばを引いているのだ。おお、本格的だぞ。中に入ってさんざん迷って注文する。何が問題かって、単品のとろろそばと、牛丼にセットになっているとろろそばの質量差の許容範囲について、いったいどれくらいの差なのか? 許容範囲内であれば牛丼セットと言うCBさんは、結局、意を決して牛丼を選んだ。結構早く出来た。そばはいかにも信州のそばらしい、ちょっと固めの均等でない幅のそばだった。わさびが辛かったがうまかった。そして問題の牛丼は、果たして質量味ともに文句無いようで、めでたしめでたしなのであった。

食ったら2時を回っていた。帰ろうか。温泉もそばも最高でよかったよかった・・・と思いきや、事態は急変する。なんと、

雨だよ。

なんだと! 天気予報は雨なんて全然言ってなかったじゃないか。やられたね。もう、土砂降りだよ。まさしく水もしたたるなんとやらになってまったよ。くそったれ。

久しぶりに、言わせてもらおうか。

気象庁のくそボケぇ!

本日の出費

紅茶 120円

温泉 500円

そば 700円

走行距離 23000キロ突破

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