標高2127mの麦草峠はまだ寒かった

5月3日(木)

ゴールデンウィーク前半、ツーリングに行く予定は雨天順延を繰り返し、結局3日になんとか天候が回復して行く事にしたのだった。それにしても、せっかくのゴールデンなのだから、普段行けないようなところまで足を伸ばすつもりで、いろいろ計画を練っていたのに、後半4日間ではとても消化できないなあ。現実は厳しい。

なんだかモチベーションがぐぐっと低下しちゃうんだよなあ。

で、目的地は某ツーリングレポからの情報で、奥蓼科温泉郷にいい温泉があるそうで、その近くの麦草峠が日本2位の高度、しかもそこから山を登ると見晴らしがかなりよいそうだ。ヴィーナスラインも久しぶりに走ってみたいし、貴重な黄金週間を有意義なものにしようではないか。

で、国道19号日帰りの限界航続距離が諏訪湖までなので、今回は片道にどうしても高速道路を使わざるを得ない。不本意ではあるが、諏訪湖まで3500円使って、時間を半分に短縮しよう。装備はさすがに5月なので、春装備で、革上下にシャツとウインドストッパー2枚でいいだろう。出かけにハンドタオルを忘れたので、まっちゃんに持ってきてもらったら、ドラえもんのハンドタオルを持ってきてくれた。えへへ、これお気に入りなんだよね、ってオイ

6時40分、実家ガレージから旗艦CB1300SuperFour、約半月ぶりに出撃である。本来なら順番で言えばFTRなんだけど、まあ、そこはハレーションみたいなもので。(意味不明)

往復400キロを越える距離になるのでガソリンを口元まで満タンにし、リッター124円だよ、また高くなったよ、こりゃ、観光地で入れるとすごい事になりそうだな。

天気はちょこちょこ曇は出てるものの、青空も広がりそうなので予報通り暑くなりそうだ。19号線を走って、小牧東インターから高速道路に入る。最近はETCの導入が進んだおかげで、車はほとんど専用料金所を通過してくれるので、バイクでもゆっくり止まって券を引いて、ウエストバックに入れる事が出来るのでいいね。

黄金週間後半の初日高速道路といえば、渋滞が危惧されるが、事前にハイウエイナビゲーターで調査してところ、渋滞情報はなかったので大丈夫だ。ふっふふ、飛ばすぞ。ギュイーン、と中央道の制限速度80キロをピー(自主規制)キロオーバーのピー(自主規制)キロですっ飛ばす。捕まったら間違いなく免停、罰金ウン十万円きそうな。しかし、一度このスピードの魔力に取り付かれるともはや後戻りは出来ないのであった。でも、ちょっとビビって免停は逃れられるくらいにスピードダウン

が、土岐のあたりで前がつまってきた。なに? まさか? がーん、渋滞だー。なんで? 渋滞は大丈夫って載ってたじゃん。くっそー。どうやら、土岐ジャンクションの合流地点で渋滞が発生しているようで、幸いにも止まる事はなくとろとろ進み、30分くらいで抜ける事が出来た。なんてこった、これでは3500円払った意味ないじゃんか。取り戻さねば。またしてもかっ飛ばしていく。どんどん走っていくと、なんと、今度は本物の渋滞、恵那山トンネル前で完全に停止してしまった。ハザードが点滅し、電光掲示板には車線規制渋滞の表示が出る。やれやれ、事故っぽいな。まいったな、掟破りの中央線突破、これやるとお盆休みのロングツーリングを思い出すんだよね。なんでこんな近距離でやらねばならんのか。やっぱり行きは下を走って帰りに高速を使った方が正解だったか? 人生の葛藤を繰り広げつつ、中央線突破、なんとか車線規制終了の恵那山トンネル手前にたどり着いた。

とたんに各車一斉にスタート、渋滞路のうっぷんを晴らさんばかりにもう加速、まさしくマックスダーーーーーッシュ!!(byロボ)なのだ。CB1300もエンジン全開、追い越し車線を突き進むのだが、後ろから営業車がグイーーーンをあおってきて、走行車線から追い抜いていった。うーむ、さすがに「世間は黄金週間に浮かれているけどこちとら仕事だぜくそったれパワー」はすごいな。

この渋滞で、3500円と言う貴重な投資をした高速道路選択作戦は完全に失敗に終わっているのだが、それでも後半の巻き返して少しでも投資を取り戻そうと浅はかな考えですっ飛ばした。駒ヶ根で休憩しようかと思ったが時間短縮でパス、というか、休憩なしで現地まで行こうと思ったが、トイレが行きたくなって辰野に緊急避難、体重軽減して地図チェック、そこへ情報、なんと目的地の諏訪出口が渋滞らしい。急遽、出口を岡谷に変更に決定、天気がいいのでバイクも多く、ゆっくり休憩しているライダーたちを尻目に急いで出発。

こうして9時半頃に岡谷インターを降りて信州入りしたのであった。

インターを出て、国道20号線を諏訪湖に向かう。この道もよく渋滞しているのだが、今日は大丈夫だった。さすが信州、このいい天気の黄金週間、バイクはうじゃうじゃ走っている。みんなヴィーナスライン方面に行っているようだ。こちらはどんどん南下して茅野に入り、奥蓼科温泉郷に続く国道152号299号重複道路に入る。やがて152号と299号分岐地点に来て、そこのセブンイレブンで休憩を取る。そこにもバイク軍団が集結している。紅茶を買って飲んでいると、前の道をバイクがギュンギュン走っていく。ようし、こっちも行くぞ、コンビニを出て店の前の信号待ちに止まったが、いっこうに青にならない。よく見ると押しボタン式だった。バイクを置いてスイッチオン、すぐに信号が変わった。うむむ。

国道299号線は別名メルヘン街道の称号がついているのだが、広がる高原風景の中を走りながら周りを見回すと、メルヘン風の建物が多いな。ペンションレストランホテルなど、ヨーロッパ風お姫様風な建物がきゃーかわいいーとか女の子が言うのだろうか。やがて道は麦草峠に高度を上げるヘアピンカーブ連続地帯に突入した。ヘアピンは苦手なんだよなー。カーブには1番2番とナンバリングがしてあり、最終29くらいまであったな。カーブはきついが、路面状態はそこそこなので安心して走る事が出来る。所々には標高が表示してある。それを見てもあんまり高さが実感できないが、寒さは実感できるぞ。残雪が道路脇に出現し、さすがに2000メートルを越えたあたりから凍えてきたし、あたりの植物群がいかにも高山系に変化していくのであった。くっそー、寒いよー。まだか、まだか、進んでいくと、展望台なのか何かよくわからないが、駐車場があって、いかにも観光客の他県ナンバーが何台も止まっている。いよいよ峠だ。

10時半頃、ようやく今回のツーリングの目的地、麦草峠に到着した。

路肩にバイクを止める。駐車帯のようなところだが、舗装がしてないので雪解け水でぐちゃぐちゃだよ。バイクが汚れる。ぶーぶー言いながらバイクを入れて峠の写真を撮った。それにしても寒いなあ。さすが標高2127メートルだな。でも全然展望も開けていないのでつまらんな。結局、あの看板撮影するだけのところなんだな。それを証明するように、来る車来る車みなさん、いそいそと記念撮影を済ませて出て行くよ。しかしさあ、撮影するのはいいけど、ここは一応道路なんだから、駐車帯にしっかり車を入れろよ。邪魔になるでしょ。そこへどどどどとハーレーが2、3台連なって現れて、峠の看板の手前あたりにでーんと停めて記念撮影を始めたよ。まったく、最近のガキは礼儀を知らんなーと見ていたら、ええ歳こいたおっさんだった。ああ、いわゆる団塊の世代ってヤツだなあ。彼らの世代は競争が激しかったので、他人の事を思いやる心がないってどこかのコラムで読んだ時は、すげー偏見と思ったが、あながちハズレでもないようだな。

ここから、展望台まで山登りすると、絶景が拝めるらしいのだが、寒かったのでやめ。(けっして登るコンジョーがなかったからではありません念のため)登り口の駐車場も舗装されておらず、ドロドロなのでバイクを止めるのが嫌だったし。

というわけで、温泉に向かう事にした。

来た道を下っていく。登りより下りの方が怖いのでゆっくり降りていく。温泉の看板があったのでそこから枝道にそれた。なんだかすごそうな道で、いやー、この先舗装されてなかったりしたらどうしようとビビったが、とりあえず行けると事まで行こうと、スローペースで進んでいく。すると、あっさり目的の温泉、渋皮温泉保科館に着いた。(渋川温泉って群馬県にもあるよね。検索して間違えるところだったぜ。)宿の建物までの道は舗装してあったが、駐車場は舗装がなく、砂利が敷いてあるのでバイクにはつらいな。なんとか入り口付近のポジションを探して止めた。

エンジン停止後はしーんとして、時々鳥のさえずりと、遠くで車の走る音がするだけなので、やってんのか心配になった。玄関まで行くと、女の人が2人で台の上に乗ってなんかやってたので「温泉入れますか」と聞くと入れるとの事なのでほっとして手ぬぐい持って入った。バイクですかー気持ちいい時期になりましたねー、いやー、こっちは寒いですねーなど話しつつ、800円払って温泉に移動する。いかにも山奥の秘湯山荘、継ぎ接ぎだらけに改築増築したせいで迷路みたい。温泉に行くのにも階段降りて左に曲がってエッチラオッチラ、ようやくたどり着いたのであった。

脱衣所に入るとだーれもいないよ。独り占めだよ。ロッカーないよ。脱衣籠だけで、貴重品ロッカーだったのかなあと思われる家具があるにはあるが、中に入れて鍵をする度胸はなかったので、みんな籠に突っ込んだ。

いそいそと風呂場に行くと、おお、茶褐色のお湯がなみなみとあふれているではないか。さすが、100%天然掛け流し加水加熱なしだ。かけ湯して早速入るが、熱いぞ! 体が冷えているのか源泉が熱いからか、そう言えば、フロントの人が露天の方がぬるいですよと言ったたことを思い出し、露天に移動する。ばーん、さすが山奥の秘湯、露天は完璧な露天だ。あっぱらぱーだ。向こうから世界丸見えハウマッチ状態。露天はこうじゃないとなあ。温度もちょうどいいのでゆっくり入れるしな。森林浴しつつ温泉浴というじつに贅沢でいやされる時間を過ごしたのであった。露天のお湯が流れて下のプールに入っているのだ。ちなみにプールは入れなかった。

充分たんのんして出た。フロントまで戻る道に迷うんじゃないかと思ったが、なんとか戻れた。宿の人にバイクですかー、この前ハーレーが50台くらいで泊まりにきたもらってすごかったですよーと話しかけられた。50台か。うるさかったろうなあ。フロントでちょっと休憩して、温泉を出た。

299号線に戻る道を走りつつ、腹が減ったので何か食う事にした。そば屋さんが何件かあったが、晩飯がラーメンと言ってたので、出来れば麺類はさけたいな。とりあえずコンビニに寄って、この先のルートを考えることにした。お茶とおにぎりを買って、店員にツーリングですかーぼくもバイク乗るんですよーと話かけられた。おにぎりを食いつつ、ルートを確認、ヴィーナスラインを走って岡谷に戻る事にした。お茶を飲んでコンビニを出る。152号線で白樺湖方面に向かうが、途中で道を間違えて、また20号線に戻ってしまった。まあいいか、そのまま走っていくと、雲が多くなってきてほとんど青空が見えない状態になってきたのでもう帰る事にした。天気予報では快晴のような事を言ってたのだが、どうにも今年のゴールデンウィークは天候が不安定なようだ。塩尻峠からの展望もきかないなか、岡谷から19号線に入り下道で帰る事にする。

あとはひたすら走って帰ってきた。

4時間くらいかかった。

道の駅大桑で休憩したが、なんか飲もうと思って財布を見ると83円しかなかった。だから何も飲まないで帰ってきた。

本日の出費

高速道路 3500円

温泉 800円

お茶など 140円2本

おにぎり 100円

走行距離23950キロ

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