黄砂に吹かれて乗鞍高原

5月26日(土)

先日までの天気予報が雨のち曇り、これは週末のツーリングが絶望的だなーと思っていたら直前に晴れとなり、にわかに週末ツーリングが現実的になってきたのであった。目的地は以前から行きたかった飯田温泉にするか、それとも穂高温泉か、熟慮に沈思黙考を重ねて飯田温泉がAプラン、穂高Bプランとして候補にされて当日を迎えたのであった。

当日は久々のCBソロということで、わくわく度が絶頂期を迎えたせいか、朝4時半に目が覚めてしまった。前の日に「パイレーツオブカリビアン ワールドエンド」をレイトショー1000円で見てきたので寝たのが夜中の12時過ぎだから、5時間も寝てないのにだ。やばい、もうちょっと寝なきゃと思っても、目がらんらんとしてきて駄目だ。結局、5時頃起きてしまった。早めの朝食に先週にょいとらんで行った岡崎のパン屋のパンを食うとうまいうまいすごいうまい。3枚も食ってしまった。で、後は準備して出発。実家ガレージから約1ヶ月ぶりのCB1300を引っ張りだす。エンジン1発始動、発進したのは7時前だった。

まずはガソリン給油、いつもの19号線のセルフコスモ石油で入れるのだが、今回はなんと130円! 遂に大台にのってきやがったか。いよいよ市場不安をあおってくるのであった。これはちり紙買い占めか。

天気予報ではかなり暑くなるようなので、革ジャンの下はTシャツと長袖を2枚着て、臨機応変に対応できるようにしておいた。ガソリンスタンドを出て、19号に入り、天気のいい青空の下ギュイーーーーンとすっ飛ばす。さすがにこんな早い時間は道路もガラガラで、調子良くどんどん先に進める。とろとろ走ってる軽トラをぶち抜かし、荷台が空なのかやたらとぴょんぴょん飛び跳ねる10トンダンプを尻目に内津々トンネルを抜けて多治見に入る。19号をどんどん進む。この時点で、穂高はやめて飯田がチョイスされた。穂高は最近行ってるもんね。

ところが、順調に走って来たのが瑞浪で一気にスローダウン、何かと思えば自走クレーンがういんういんういんういんと苦しそうなエンジン音をたて、必死に渋滞の先頭をのたうち回っているではないか。げげげ、げろげろげろ、まじかよ、スピードメーター読み30キロ35キロだぜ。原付じゃないんだから、もうちっと何とかならんのかよ。しかし、どうもならんのであった。まあ、時間もあるし焦ることないかと思いつつも、この好天に調子良く走れないのはかなりストレスだぜ。と思ったら、恵那のサンスイの交差点で引っかかったので路肩を走って前に出て、自走クレーン車をかわしたぜ。

こうして1時間くらい走って、中津川の休憩ポイント元起に着いた。トイレ休憩してすぐ出発する。走りながら考える。このペースでは、間違いなく飯田に10時前に着くなあ。温泉まだやってないよなあ。待つのも嫌だなあ。どうしよう、このままどんどん走って行ってまうか。うーん、どうしようか。とかなんとか考えているうちにバイクはどんどん調子よく進んで、御岳辺りまできてしまった。御岳と言えば、中日新聞に放牧が始まったとカラー写真が一面に載っていたなあ。牛と牧場と白い残雪冠の御岳かあ、見てーなあ、しかし、温泉が思い浮かばなかった。どうせならもっと行って、乗鞍高原温泉とか、白骨あたりまでどうじゃ? いーねえ、いっちゃえいっちゃえ。

天気がいいとどうしてこうもどんどん進んでしまうのであろうか。

結局、御岳も通過して一気に薮原まで進み、そこから乗鞍方面に向かった。このルートは4月にCBさん真珠さんと走ったルートで、あのとき入れなかった温泉はもう入れるのだろうか? などと思いつつ、山に向かって高度を上げて行くのだった。さすがに5月も末なので、残雪もなく、青々と茂った木々は、所々で山菜採取の人たちが賑わっていた。うねうねの山道を調子よく走り、舗装の修復のようなまだら模様にビビりつつ、奈川に突入した。まだやっていない蕎の里ドライブインで停車、地図を出して現在位置を確認する。

すると、この付近にも温泉がいっぱいあるではないか。じゃあ、適当に目についたのにでも入るか。どこまでも無計画で行き当たりばったりなのであった。再びバイクを走らせ、トンネル漏水と道路を横切る雨水の川にバイクが汚れるがや! と叫びつつ、やがて東京電力奈川渡ダムに出た。あれ、温泉なんかないじゃん。うーん、やっぱりこれは乗鞍高原まで行けということだな。ダムで国道158号線に合流、この道は東京方面からの観光客が高速で走ってくるので交通量がこれまでに比べて段違いに多いぞ。しかも、観光バスが2台3台と流れて来る。こりゃこの先のトンネル大丈夫か? 思った通り、トラックとのすれ違いに往生して大渋滞になっているではないか。勘弁してくれよ。

なんとか漏水トンネル観光バスすれ違い渋滞をかわして、ようやく乗鞍高原方面への1本道県道84号線に入った。観光バスや東京からの観光客の車は上高地に向かうので、このルートは一気に無人の通りになった。もう一気に加速してかっとばすのであった。くおーーーーんとエンジン音を山に響かせてコーナーをトレースするのだ。なんて書くとかっこいいのだが、まあ、そこそこのスピードでビビりながら曲がりました。

こうして乗鞍高原に到着した。

この前、休業中だった、湯けむり館は今日はちゃんと営業していた。向かいにある広い駐車場にバイクを止め、手ぬぐい持って建物の方に歩いて行く。本当にやってるのか心配になる感じだが、ちゃんと「営業中」の看板が出ていた。ドアを開けて中に入ると、温泉というより山荘ロッジの玄関みたいで、土足厳禁、スリッパ内のでそのままどうぞ、温泉だけです食事施設はないよといろいろ親切な案内の張り紙がしてある。向かって右と左に階段があり、左が入り口右が出口となっていた。左の階段を上るとすぐ受付だった。700円の料金を払う。スタンプカードがもらえて、5回入ると1回タダなのだ。有効期限2年だから、何とかなるかも。脱衣所にはかごしかないので貴重品はロッカーに入れてねと言われて財布はロッカーにしまった。

受付の向かいにある男湯ののれんをくぐって脱衣所に入る。本当にかごしかないじゃん。しかも小さいので革ジャン上下はいりません。2個使わせていただきます。温泉入り口ドアには、指輪やネックレスが変色するので気をつけようと日本語と英語で書いてあった。風呂場は大きくなく小さくなく、内湯ひとつに露天ひとつ、温泉好きにはたまらない乳白色ですぜお客さん、ポカリスエットのTVCFで綾瀬はるかがポルノの歌を歌いながら入ってる乳白色おの温泉ってどこだ? あのCF見るたびに乳白色の温泉に入りたくてしかたがなかったんだよなー。お湯の温度も適温で、ゆっくり入って内湯から露天風呂へ移動する。いい天気、青い空に白い雲、そして乳白色のお湯、もういうことなしだもんね。そこへ受付の人がきて温度チェック、お湯は41度、源泉の掛け流し口のところは42度だそうです。昨日、雨がかなり降ったので源泉温度が下がっているそうです。なるほど、さすが天然温泉。

充分たんのんして温泉を出る。貴重品ロッカーの財布を取り戻し、奥にある休憩場所へ。休憩スペースは大きな囲炉裏がでーんとある、ゆったりソファが並んで実に以後ことが良い休憩スペースでこれはすばらしい。温泉は温泉自体も大事だが、やはり休憩スペースがこうだとますますすばらしい。

ひと心地して温泉を出る。念のため、CBさんに教えてもらった温泉を確認しに行った。車が止まっていたので、誰か来てるのかと思ったら山菜採りの人だった。足場の悪い坂を降りて温泉の小屋に近寄ると、この前来た時のような、板が打ち付けていないぞ。おお、やってるじゃん。

中に入るとお客はいない。壁にはカレンダーのようなものが貼ってあり、入ったら印を付けてくださいと書いてあり、日付は5月1日からになっていた。5月から営業しているようだ。正の字が書かれていて、やはりゴールデンウィークは多いな。後は土日にちょろちょろと印がついている。うーむ、入りたい。実に入りたい。とても入りたい。しかし、しかし、だ。CBさんに教えてもらった温泉に、この前入れなくて、今度リベンジしましょうと約束していたのに、一人だけ入るのは抜け駆けするようでやはり人の道に外れるではないか。ということで入浴しないでバイクに戻った。

地図を出してこの後のルートを検索する。ここまで来たので乗鞍岳山頂まで行ってみようかとも思ったが、腹が減ってきたので何か食いたい。やはりそばだわな。信州に来てそばを食わんわけにいかんわな。ではどこかでそばを食おう、来る途中に看板が出てたな、そこにしよう。というわけで、駐車場を出て来た道を戻って山を下りる。どんどん戻る。そば屋の看板どこだっけ? かなり戻って奈川まで戻って見つけた。お店の名前は福伝といって、昼前なのに車が何台か止まっていたから人気があるようだ。中に入ってカウンターに座り、ざるそばを注文する。週刊モーニングを読みながら待つ。クッキングパパってまだ連載してたのね。そばが来た。2皿だよ。これで1000円は結構お値打ちだな。白っぽいそばで太さがそろっていないのが手打ちの証だ。うまいぜ。味わって食うのであった。そば湯も飲んだのであった。うまかった。どんどん客が来てあっという間に満員だ。となりの若者はカツ丼注文してた。

食ったので気持ちに余裕が出来る。店を出てバイクに戻り、ゆっくり走って来た道を戻る。しばらく走ると野麦峠への分岐点に到達した。野麦峠はもう何年も行ってないな。CBR750で行ったきりだから、もう10年以上行ってない。では行こうか。少し細い道を上ると、橋を渡ったところで「全面通行止め」がーん、岐阜県川で土砂崩れがあり、御岳方面には抜けられないそうで。峠まではいけるようだ。なんちゅうことだ、しかたがない、峠まででもいくか。うねうね細い山道を登って行くと、どんどん標高が上がって、やがて乗鞍を含む山々が展望が広げて、うおうおうおう! すばらしい、今日はこんな風景が見たかったんだよ! 

その先が野麦峠だったが、10年前に来たのと同じ、ものすごい風、吹っ飛ばされそうな風。今日は偏西風+黄砂が強いと天気予報でも言ってたしな。ちょこちょこっとあたりを見てもう帰ることにした。

さすがに帰りに眠くなってちょっと休憩した。

帰ってきたらバイクは黄砂まるけだった。

本日の出費

温泉 700円

アクエリアス 150円

午後の紅茶 158円

そば 1000円

本日の走行距離 370キロくらい

CB1300の累計走行距離 24330キロくらい

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