青空に白冠の御岳山周辺疾走

6月17日(日)

ちょっと前の中日新聞の1面に掲載されていた、御岳放牧の記事の写真が実に印象に強く残っているのであった。実物を肉眼で見たい。何しろ御岳である。○×岳でも凹凸岳でもなく、単に御岳なのである。この名称はよく考えるとすばらしいではないか。誰がなんと言おうとすばらしい。というわけで、幸いにも昨日に引き続き今日も快晴なので、すばらしい御岳を拝みに行こうではないか。

実は予定では次に行くのは富山村の湯の島温泉だったが、昨日のツーリングでFTRが出動しているので今日はCB1300となり、従って目的地も変更になるのであった。

当日は朝早めに起きて、ネット気象庁の天気分布をチェック、天候はばっちりオッケーだ。ばっちりオッケーなんだけど、なんでか自分の家の上空はどんより曇っているんですけど、なんで?

この時期、天気は変わりやすいから気象庁を鵜呑みにするのも危険なのだが、温暖化が進むこのご時世、大陸の高気圧が勝つだろうと予想、きっと御岳方面は快晴だと信じて出発した。

装備は迷ったが、やはりメッシュはまだ早いと判断し、上下革+Tシャツ、ベンチレーションオープンで行く。

ガソリンは前回のツーリングで途中給油して帰ったので、フューエルメーターはほとんど減ってないが、コスモ石油によった。100キロ走っていたが5リットルの給油で満タンにしておく。ちなみに129円です。なかなか安値の設定なので助かります。コスモ石油万歳。ちなみにジェットスキーを搭載したワンボックス軍団に占領されていたので、すみの方でおとなしく給油してた。

満タン出発である。天気は曇りの中、19号線を突っ走る。時折、雲の間から陽が差し込む。もうちょっと暑いかと思ったら、曇っているせいもあってちょうど良いくらい。早い時間なので道路も渋滞もなく順調に進む。前を走る車がのろのろ走っているので追越し車線に出て抜かしたら、ケータイで電話中だった。まだこんなことする人いたんだ。最近すっかりいなくなったと思ったら。

快調に走れるのでどんどん進んだ。中津川のあたりで天気が急速に晴れて来た。雲がウソのようにいなくなって、青空が広がって来た。すばらしい。こうなったらもう止まらないよ。いつも休憩する元起も通過、道の駅賤母も通過、その先で前が詰まって来て、なんじゃとよく見ると、10トンダンプの前に軽自動車が完全マイペースで走っていた。まあ、天気もいいし、気候も良いし、このペースで行くのも悪くない。そう思いつつ走っていくと、後からついて来たヤマハが対向車線に出てギュイーーーーンとかっ飛んで行った。うーん、若いねー。その先の交差点で軽が曲がって行ったのでペースが戻った。寝覚の床の登坂車線で少し遅めの車を抜かして前に出ると御岳はすぐだった。

王滝川に沿って走る県道20号線に入り、最初の道の駅三岳でトイレ休憩とした。天気も良いが気候も涼しくていい。すばらしい。よし、どんどん行こう。

20号線をさらに御岳の方に進む。黒澤の交差点で前を走っていた他の車が全台王滝村方面に曲がって行った。前が開いたので速度を上げて山道を抜けて行く。うねうね道をどんどん高度を上げて行くと、遠くに御岳がちょろっと見えた。おお、あれが御岳だ。急げ。ホテル木曽温泉が右手に出現、ここの温泉なかなか良い湯なんでどうしようか迷ったが通過。さらに進んで、道が分かれた。高山方面と開田方面、目的地の御岳明神温泉がどっちか忘れたが、確か高山方面なはずなのでそっちに進む。すぐに温泉への分かれ道にぶつかり、あわわ、行き過ぎた。戻って温泉への道に入る。他に車もなく、邪魔者は誰もいないぜえ、だれにも止められないぜえ。エンジン音を山々に響かせて開田高原休養地に入ると、そこに明神温泉やまゆり荘があった。ちょうど10時くらい、絶妙のタイミングで到着だ。自画自賛していたら、入り口の営業時間案内に9時からとあった。あれま。まあええか。バイクを入り口付近に止まっているSUZUKIバンディットの横に止めた。バイクは他に新型ゴールドウィングが止まっていた。うらやましいのう。

シート下から温泉装備の手ぬぐいを持って中に入る。やまゆり荘は外見が山荘風でそこそこの古さがいい味を出している。下駄箱はキーもないそのまま置いて行くタイプで地域性がにじみ出ているな。ブーツを脱いで上がる。発券機があるのでそこで入浴料600円を払い込んで券を買う。その隣の受付で女の人がいるので券を渡して奥に進む。わりと長い感じの廊下に、手前男湯奥が女湯ののれんがかかっていた。ここの温泉は大型露天風呂が男女交互に開放されるのだ。え、そうだったっけ? この温泉に来るのは2回目なんだが、前そんなのあったか? まあいいか。脱衣所に入ると、ロッカーなんぞないぜ、かごしかないぞ。貴重品は貴重品ロッカーへどうぞ。でもほとんど使われた形跡もないのであった。地域性がにじみ出ているな。かごの入っている棚にはそれぞれに忘れ物がないようにもう一度確認してくださいと書かれた紙が貼付けてあった。よっぽど忘れ物が多いらしい。脱いだものをかごに突っ込んで、ちょっとわかりにくいお風呂場への入り口から入る。洗い場で体を洗って内湯に浸かる。お湯は茶褐色のいい感じで、温泉臭さが充満しているのだ。湯船は湯船のみでジャクジーもジェットもない。そんな軟派な設備はないのだ。源泉掛け流しなのだ。温泉とはこうありたいねえ。一万ガラス張りの向こうには、雪を冠った御岳が一望できる。たまらん。そうだ、今日は大きい方の露天風呂に男が入れる日なのだ。ちなみに奇数日が男、偶数日が女だそうです。本日17日は奇数日なので、では早速入ります。引き戸を開けて、おお、まるで兼六園のような上品なお庭の中に露天風呂が、そして目を移すと、目前に広がるのは御岳さんの一大パノラマ、まさしく生きててよかった状態なのであった。すばらしい、早速お湯につかると・・・あれ、御岳、見えなくなっちゃった。うーむ、どうやら視点の位置と露天風呂の高度差の問題で、半身浴くらいにしないと、ブラインドの塀に隠されて見えなくなっちゃうのだ。露天風呂は湯の温度が低いので半身浴は実はちょっと寒かったりするけど、ここは男だけでなく、偶数日は女の子も入るので、あっぱらぱーではいかにもやばい。(ちなみに万座温泉の露天風呂極楽の湯は女湯もあっぱらぱーですが、悪用厳禁)ゆえに視界が妨げられるのはしかたがないな。うーん、しかしもったいない。

こうして内湯と露天風呂を交互に入って(寒いもんで)御岳の展望と温泉を十分にたんのんして出た。

風呂から出て、休憩スペースでお茶を飲んで一休みする。テレビのトーク番組の波瀾万丈で尾崎亜美やってた。しまった録画しないかんかったな。まあいいか。一休みして、腹が減って来たのでどうしようかと思ったが、ここの食堂は11時からで、まだやってないのでしかたがないので他を当たることにした。温泉を後にして、建物を出ると、とりあえず御岳の写真をぱちぱちと撮影。付近のレジャー施設周辺でも撮影。そうこうしていると隣に止まっていたSUZUKIがキュオーンとかっ飛んでいった。うむむ、こうしてはおれん。行くぞ。

来た道を戻って、開田方面に曲がり再びうねうね山道を登る。途中、御岳がすばらしいビューポイント発見、バイクを止めて撮影、そうしている間、何台もバイクが通過して行く。やはり今日は絶好のツーリング日和なのでバイクも多いなあ。

361号線に出て、木曽駒の里方面に走って行く。ところで、中日新聞の写真はどこから撮ったのだろう? 全然わからん。361号を進むと、そば屋が軒並み混雑していた。だいたい行ったことがあるところなので、今回は新規開拓をしたいなあ。どこにするか考えつつ走っていると、地蔵トンネルまで戻って来てしまった。これは駄目だ。一度止まって地図を確認する。どうやら高山方面に行った方がいいようだ。ツーリングマップルには高原食堂がそばと載っている。ここにしよう。というわけで来た道を戻る。クオーンとかっ飛ばす。遅い車はぶち抜いて疾走する。くー、いいかんじだぜえ(Cコンタロウ)

高原食堂は大混雑の様子だ。車もバイクも駐車場はほぼ満車で、こりゃなんだか入りにくいなあ。もう少し先に行ったら、穴場のそば屋があるんじゃないだろうか。そう思ってどんどん走って行くと、あっという間に岐阜県との県境まで来てしまった。長峰峠だ。すごい見晴らしの良いような場所だったが、全然展望も開けないし、そば屋峠の茶屋は既に廃業して幾年の月日が流れて国破れてサンガリアになってしまってるし、なんだよこりゃ。高山方面からのバイクがガンガン通過して行くし、誰も止まらないし、がっかりだよー。

文句を言っても始まらないので戻ることにした。まあ、これだけ風光明媚な環境を走ってこられたので気分的には満足だから、そばが駄目ならまた帰りにコンビニおにぎりでも良いや。それか、こんな天気のいい日はおにぎり持参でどこか見晴らしの良いところで食った方がうまいぞ。今度はそうしよう。

そう思いつつ、戻って来たらぽつんと食堂があった。あ、ここでいいや。ここにしよう。砂利の駐車場がちょっとビビったが、バイクを止めて店の中に入った。テーブルは満席で座敷しか開いてなかったので、仕方なくブーツを脱いでちょっと苦しいけどあぐらをかいて、ざるそばを注文する。テレビで天気予報をやっていたのでそれを見ながら待った。ちょっと待った。だいぶ待った。かなり待った。あれ、よく見ると、既に満席のテーブルもまだ誰も料理が来ていない。こりゃ注文を受けてからそばを切ってるのか? だとしたら期待できるかも。わくわくして待つと、その直後に怒濤のごとく料理が運ばれて来た。テーブルも座敷も一気に料理がそろった。どういう準備してんのかよくわからんところだな。で、肝心のそばは、う、これわ、一見してすぐにわかったが、念のため食ってみよう。なんせ、ここは開田、長野、そばのメッカ、そばがどこで食ってもうまいはずなのだ。それは間違いない事実のはずなのだ。ああ、それなのにそれなのに、涙が出るほどまずいそばだった。こんなまずいそばは久しぶりだ。18歳で社会人になって、初めての職場の社員食堂のざるそばを食った時のことを思い出した。あのまずいざるそばと同じだ。でもあれは180円だった。これは800円だ。800円だぞ。吉野家の牛丼が2杯食える。モスバーガーが2個食える。ココイチのチキンカレーが食える。その貨幣価値が、ここではこれかよ。スーパーで3袋100円で売ってそうな生そばじゃんこれ。しかも量だけは多い。食い終わったら胃にもたれてきた。ナニが悲しくてそば食って胃にもたれないかんの。よっぽど粗悪なつなぎを使ってるとしか思えん。これはあかんわ。本当に、あかんよ。こんなそばを開田高原で食わせられるとは、日本の技術力の低下が問題になっている昨今、一流企業の製品欠陥が次々に明るみに出ているご時世、ついに長野のそばにもその波が押し寄せてきたのだね。日本も住みにくくなりました。

この国の行先を憂いつつ落ち込んで店を後にし、砂利の駐車場にビビりながら361号線に戻った。道沿いにあるそば屋はどこも満員、外で待ってる客もいた。うーむ、満員に臆せず突き進むべきであった。ひとつ勉強した。特に有名なそば屋はゴールドウイング軍団に占拠されていた。あれだけGL1800がそろうと壮観だなあ。サイドカー軍団ともすれ違った。サイドカーも良いねえ。置くところに困りそうだけど。開田高原名物、極寒の地蔵トンネルを抜けて、さびー、おまけにいつのまにグルーミング舗装になってんだ! びっくりしたがや。ずいぶん昔にお邪魔した幻のそばのお店は駐車場がガラガラだったが大丈夫か? 工事の片側交互通行を抜けて19号線に出た。

帰りは途中で大桑の道の駅によって休憩、今話題のコーラゼロを飲んだ。

自販機で買ったんだが、150円なのに200円入れたら80円のお釣りが戻ってきたぞ。多分、設定を120円のままで直すのを忘れてんだろうな。道の駅の自販機の担当の方、これを見ていたら早急に修正した方が良いと思います。

そばはまずかったが30円儲かったのでラッキーだった。

さて帰ろう。

帰りの多治見の大渋滞は暑くて死ぬところだった。

本日の出費

ガソリン カード

温泉 600円

そば 800円 お茶120円 コーラ120円

本日の走行距離 320キロくらい

CB1300の累計走行距離25000キロ突破 要オイル交換

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