こんな近くに秘湯を守る会が板取

7月1日(日)

先週のにょいとらんで、実は候補に挙がっていた温泉があったのだが、パン屋優先で却下されちまった。しかし、今週はまっちゃんもその温泉行きに乗り気なのだ。イケイケなのだ。となると当然のことながら、天候は急速に回復、週末またしても晴れてきたのだ。さすが晴れ女。

で、問題の目的の温泉、板取にある「神明温泉すぎ嶋」と言う。某温泉ひよこさんのブログで、かなり前に紹介されていた温泉なのだが、どうしてもにょいとらんでなければならないのだ。なぜか。それは費用の問題である。温泉自体はそこそこの入浴料だが、料理が高い。料理は懐石である。だからして当然高いのである。故に、昔でいうところの大蔵省同行でなければ、予算的に無理なのだ。温泉だけ入ってくりゃいいじゃんという選択肢もあるのだが、何せあの秘湯を守る会会員の温泉の、ウェブを見るといかにもな雰囲気の造りの建物に懐石とくれば、食いたくなるのが人情である。いいお湯につかってうまいもん食って、人生幸せを感じることも有意義ではないか。毎回コンビニおにぎりでは、そんな貧相な食生活ではやはり情操教育上問題があるのではないか。うーむ、なんだか全然意味が分からん。

ということで、まっちゃん公認の上でのこの計画、お昼の懐石は要予約だそうなので、前日の夜に電話で予約しておく。完璧だ。これで間違いなく、温泉と懐石を古き良き温泉宿で堪能できるのだ。すばらしい、すばらしいったらありゃしない、あーこりゃこりゃ。(コンタロウ)

というわけで、朝も5時くらいに目が覚めちまった。天気予報をもう一度気象庁のページで確認すると、晴れのち曇りとのこと。まあ、早めに出て早めに帰ってくれば大丈夫だ。以前、板取に行った時は約2時間かかっているので、にょいとらんとなると、巡航速度約50キロ、後ろから軽トラックにも抜かされるマイペース状態で、約3時間かかると思われる。開店は11時なので、8時頃出れば大丈夫だな。昼が豪華なので朝はこじんまりと食っておいた。納戸からFTRを引っ張り出してエンジン始動、出発である。いよいよ7月夏本番に、服装は完全夏型、メルコーのズボンコムサのジャンパーと普段着で靴もブーツやめて普通の靴にした。FTRならこんな軽装もよしとしよう。

昨日借りたDVDをツタヤに返して、コスモ石油でガソリン満タン。129円だが、新聞によりますと、2日以降にまたガソリン値上げがあるようで、いよいよ日本経済に与える影響も深刻なのであった。FTRの今回の給油は3リッターちょっと。ホンマに助かります。コスモを出て19号を横断し、桃花台を経由して犬山へ向かう旧41号を走って蝉屋で曲がり、扶桑のジャスコを通り過ぎて愛岐大橋を渡る。時間がまだ早いせいか、日差しが弱いせいか、道路の電光掲示板の温度は25度くらい、結構涼しいくらいなので走っていても快適だ。21号を横断して関に抜け、156号線に入った。2車線になったとたんに後ろでイライラしていたマツダロードスターにギュイーンと抜かされた。オープンで走っているのでさぞ気持ちいいだろうなあ、こういう日は。

美濃に入って、板取に曲がる交差点にあるサークルKで休憩を取る。この隣で大規模な工事が行われているが、どうやら道の駅のようだ。この付近には道の駅がなかったからなあ。でもこういうのって、いろいろしがらみや利権抗争がドロドロ汚い世界なんだろうなあ。あーやだやだ。だから道の駅は嫌いだ。

プリンを1個食ってカロリー補充、この先山道に入るので、コンビニもないからな。長良川を渡る橋を越え、鮎解禁の釣り人も通勤ラッシュのごとく川に投入しているのであった。みんなすげー竿、100メートルくらいありそうなのでぶいぶいいわしてます。

山道をウネウネ上って行くと、国道256号線にぶつかる。洞戸村を抜けて板取村方面に走って行く。しばらく走ると、道の両脇にいろとりどりのあじさいが現れた。おお、なんということだ、これが有名な板取のあじさいロードだ! 

ものすごいあじさいの大群、見るものすべてあじさい、青と紫が圧倒的に多いが、たまに白や桃色があるな。途中で、いい感じの橋があったので時間も余裕があるからよってみた。脇道に入って橋の方に行き、路肩にバイクを止めてあたりをうろうろした。板取川には釣り人が縦横無尽に走りまくり、川岸には四駆が止まってファミリーキャンプに興じる家族連れがバーベキューを楽しんでいた。

橋を後にして先を進むと、目的地の温泉はすぐだった。大きな看板があってわかりやすい。駐車場には既に何台もの車が止まっていた。営業は11時からだからまだ10分くらい前なのにもうこんなに車が止まっているんだな。予約して正解だぜ。バイクを止めて温泉セットを持つと建物の方に向かった。入り口には「秘湯を守る会」の巨大な提灯がこれみよがしにぶら下がり、中に入ると左に囲炉裏、右によくわからない歯車が置いてある。奥に進んで中庭にはきれいな小川が流れており、ここでもあじさいがうじゃうじゃ咲いていた。本館にと到達すると、古き良き温泉旅館の赴き情緒たっぷりな雰囲気が満悦状態です。大きな玄関には大きなつづらがでーんと配置してあり、タイムスリップしたみたい。靴を脱いでピカピカに磨き上げられた板の間をととととっと歩いて受付に。11時からですので、座っておまちくださいと言われ、囲炉裏のところで待つ。イヤー本当にいい感じで、このままここで暮らしたいね。ちょっと待ってたら受付が始まったので名前と注文したものの確認。同じ名字の人がいて、その人は高い方の予約をしていた。われらは安い方の懐石なのでちょっとくやしい。温泉か食事かどちらを先にするかだが、腹が減ってきていたので、先に食事にしよう。その場合11時半からなので30分待たないかんが、まあ、こんな雰囲気のいい待合所でゆっくりするなんて、そうそうできることでないからよしとしよう。ということでぼさーっと30分待った。

11時半に仲居さんが呼びにきた。同じ名字があるので高い方か安い方か確認すると、遠慮がちに安い方との確認が取れたのでついていった。奥の方に案内されて、畳がまぶしい大きな広間に入るとこれでもかとテーブルが並び配膳されていた。一番手前の席に座ると、既に先付けが並んでいた。飲み物はどうされますか、お茶でいいです。早速食い始めるのであった。刺身がうまい、ものすごくうまい。この酢みそみたいなのがうまいし刺身自体もうまい。続いてメインが来た。ご飯とみそ汁、そして岩魚の唐揚げ、ポン酢でお召し上がりください、揚げたてで見るからにうまそうなのだ。頭から全部食べられるそうなので、一気に頭からがぶりといってやったぜ。おお、うまいうますぎる何といううまさ、ずいぶん前に琵琶湖の方の温泉でこのての魚の唐揚げを食っていたく感動したことがあったが、それを彷彿させるうまさだ。ごはんもすすむざ。うれしいことにご飯もボリュームたっぷりで料理に関しては満点、これで一番安い懐石なんだから、高いのは一体どんなだろうか、今度は高いのをぜひ食ってみたい。

食ったら温泉である。温泉は食事をした広間の途中にあったT路を曲がってずずーっと奥に進むとある。ここにも「秘湯を守る会」のでかい提灯があり、手前男湯奥女湯である。のれんをくぐって脱衣所に入ったら、もちろんロッカーなんぞなく、棚にかご、貴重品ロッカーがすみにあるのだが、使っている人はほとんどいないみたい。かごに荷物を突っ込んでいそいそと風呂場に行く。おお、古き良き温泉旅館にふさわしい風呂だった。大きさもちょうどいいくらい、大きすぎず小さすぎず、10人ぐらいで満員になる湯船、まずは体を洗ってその湯船につかるのであった。お湯はアルカリなので普通なお湯だが、気持ちは最高っす。露天風呂が空いたようなので移動する。うーん、見晴らしは全く駄目だが、鬱蒼と茂る木々の中にある湯船には、温泉入浴とともに森林浴も出来るような気持ちよさ。実にすばらしい。

十分にたんのんしたので出た。出たところにある休憩所には瓶入りコーラの自動販売機があったので当然買って飲んだ。うまかった。食事も温泉もすばらしいこんな温泉がこんな近くにあったとは、温泉通のつもりでいたが、まだまだ、未熟者でした。

料金を受付で払って温泉を後にする。天気は曇ってきていて、日差しがない分涼しい。来た道をどんどん戻っていく。途中でタラガ峠をぶち抜くトンネルの工事があいかわらず行われていた。いつ全面開通になるのだろうか。開通すれば6分で郡上に抜けることが出来るらしい。

山道を降りて美濃まで戻ると、デザートになんか甘いものが食いたいなーと思い、この辺りではお気に入りの甘味処によることにした。うだつの上がる町並みに入って、いつものように銀行の駐車場に止める。歩いてお店までいくと、表に張り出されたメニューには、大好物のわらび餅の文字が! 注文決定、わらび餅だ! 店内に入って早速注文、まっちゃんは白玉アイスを注文した。しばし待つと、係の女の子が持ってきてくれた。最近入ったばかりで緊張してるのか、この女の子話し方が棒読みなのが面白い。わらび餅は細かい氷の上に乗って、きな粉と別になっていてきな粉をつけて食うのだ。では食ってみる。うう、うまいぞ! これはうまい! 今日はうまいものばかりで最高だぜ。

食って満足して、帰りはユニクロによってTシャツ買って帰ってきた。

本日の出費

ガソリン カード

温泉と懐石 6600円(2人分)

コーラ瓶入り 100円

プリン 126円

甘味 1030円

本日のFTR走行距離 160キロくらい

FTRのこれまでの累計走行距離 5660キロくらい

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