気圧の谷と勝負156号線高鷲

9月9日(日)

怒濤の8連日激走東北ツーリングから帰ってきて、その最終日あたりの晴れるわ曇るわ雨が降るわ極悪非道な不安定要素過多な天候がそのまま続き、結局8月後半はどこにも行けずに終わったのである。ああ、夏も終わりだなあ、と去り行く季節に名残惜しみつつ、9月になったこの週末、いよいよ行くのは富山村湯の島温泉か、シラビソ高原か、はたまた大白川温泉か。

ところが、不安定な気候はまだ続き、前日まで晴時々曇だったのが朝になって晴れのち雨だと! 何じゃそりゃ。気圧の谷が通過するので天気は不安定、昼から夕方に掛けて雷を伴い強く降るでしょうだと! 冗談じゃないぜ、行く気満々で準備もばっちりなんだから、今さら中止にするきはさらさらない、が、さすがに候補の3カ所はどれも遠いので、夕方の天候の崩れを回避するには目的地を変更せざる得ないのであった。どこにするのか、考えに考えたあげく、行けるところまで行ってみよう、そして温泉に入って帰る事にしよう。って、結局、

なんも考えないんだな。

7時、納戸から約一月半ぶりにFTRを引っ張り出すと、エンジン始動。かかるか? と心配したが、1発始動! さすがHONDAクオリティ、すばらしい、では出発する。今日の装備はクシタニメッシュジャンパとエクスプローラメッシュパンツだぜ。天候は不安定だが暑さは厳しいらしいのでこれでいいだろう。出発してすぐにケータイが鳴る。カメラ忘れとるよ。げろげろ。もどって気を取り直して再び出発。いつものコスモでガソリン満タン、と言っても3リットルも入らなかったんですが。燃費はリッター30キロくらいなのかなあ。

さて、ガソリンスタンドを出て、小牧犬山扶桑を経由、愛岐大橋を渡って22号線を超える。この辺りに、川崎重工のでかい工場があるのだが、今回初めて気がついたのはその東門、巨大です、まるでロードオブザリングの悪玉の根城の城壁みたいだ。なかからトロールとか縦列で行進してきそうだよ。

1時間後に関、156号線に入って北上する。天候は今のところ晴天、しかし、西の空には暗い雲が広がりつつある。東の空は青く、まさしく実にわかりやすい不安定な天候だな。美濃市に入って、前回来たときにまだ工事中だった最新型道の駅がすでに開店していた。なんとか茶屋なんてこじゃれた名前もついているのであった。駐車場は結構混雑している。バイクも何台も止まっているのが見える。後ろに付いてきたビックバイク2台が吸い込まれて行った。

こっちは先に進むのだ。いつも休憩する美並村の道の駅も通過し、大滝レストランも通過してどんどん進む。すると今度は目の前に、建設中の東海北陸自動車道の巨大なアーチが現れた。すげーでかい。ものすげーでかいものが156号線をまたいでいるのだ。こんなもんを造る事が出来る人間と言う生き物はおっそろしい生き物だなあ。さらに進むと、コンクリートの高架が途中まで出来た、やじろべえみたいな状態の高速道路があった。これもすごいなあ。うまくバランスを取りながら造らないと倒れちゃうよな。

いくつもの暗い雲が青空を通過するなか、今のところ雨は降ってこないので、まだ行けるなあと判断しつつ、走っていくのだが、ここら辺に来てメッシュを抜ける風が冷たくなってきて、だんだん寒くなってきたよ。くっそー温泉に早く入りたいよ。ぶるぶるしつつ、2時間後には白鳥に到達した。観光物産センターにバイクを止める。止まるとちょっと暖かい。ホッとしつつ、地図を広げて温泉との距離位置関係を再確認する。この先、最初の温泉が湯平温泉、その次が牧歌の里温泉、そして飛騨荘川温泉となる。どの温泉も多分開店が10時なので、後1時間で行けるのがどこかなのである。多分、1時間あれば飛騨荘川まで行けるけど、多分、道の駅併設のこの温泉は混んでいるだろう。多分、典型的観光施設の牧歌の里も混んでいるだろう。多分、湯平温泉なんてスキーシーズンでもない限り混んでいないだろう。

湯平にしよう。決定したので出発。30分で着いた。湯平温泉は結構ローカルな温泉なので、意外と朝早くからやってるかなあと思いつつ、温泉の建物の前まで行ったが、無情にも「準備中」のでかい看板が立っていた。開店は10時からだと。仕方がない、後30分待つ事にした。駐車場には車が4台、みんな開店を待っているみたいだ。おいおい、そんなに人気な温泉だったのかよ。まじかよ。しかも1台はポルシェだよ。キリン以来ライダーの永遠のライバルだよ。ポルシェで温泉とはチョー渋いぜ。あー、オレもポルシェ欲しい。ポルシェで温泉巡りしたい。アオシマのポルシェなら持ってたんだけどなあ。(注釈 アオシマとは車で有名なプラモデルメーカー。当時、戦車はタミヤ、飛行機はハセガワ、そして車はアオシマと言われていた。もちろん、サンダーバードは今井科学工業だぜ。特にまるいマークの時代のイマイが最強。)

あまりにも人が待っているためか、開店時間が繰り上げされました。

5分くらい。

温泉のおばちゃんが「どうぞー」と叫んでる。そこで早速、建物に入って発券機で入浴料500円を払い込んで券を受付に出してブーツを脱いで下駄箱に乗せると奥の温泉に行く。1番乗りだーと思ったら、おっさんがいたので2番乗りであった。ロッカーは100円リターンだが、めんどくさいのでキーはそのままで、脱いだものを突っ込み、手ぬぐいもってお風呂場へ行った。体を洗ってお湯に浸かると、おお、前から入りたかったぬるぬるお湯じゃん。ちょっと冷えていた体に心地よい。ぷはーと緩んだねじみたいになっていると、次々と入浴客が入ってくる。結構混雑してきて、うーん、多分スキーシーズンじゃないから空いているなんて予想した自分が

アホだった事がバレバレなのであった。

露天風呂もたんのんして出る。休憩スペースが狭いのが難点なのだが、今のところはまだ空いていたので座れた。休憩していると、怒濤の集団入浴客が押し寄せてきていた。それも爺婆でなく、若者の集団であった。最近の若者は温泉を嗜むのかえ? まったく、若いもんが昼間から温泉でまったりしてんじゃないよ。

温泉を出たら天候が崩れる前に帰る事にする。156号線にもどり、白鳥でコンビニによっておにぎりとお茶を買ったお茶は伊藤園のおーいお茶濃い味が125円だったのでそれにしたらすげー苦いお茶だった。なんか、急須に残ってたお湯で渋みまでしっかり出た感じ。テレビで松島奈々子が「苦い恋より甘い恋」って宣伝してるのになんじゃこの味は、と思ったら、奈々子はキリンだったよ。伊藤園はマックのムービーですの中谷美紀だったな。

不本意だが腹ごなしもすんだので帰路を急ぐ。郡上辺りまでは良かったが、予報通り、美濃まで戻ってきたら、黒い雨雲がぐおおおーっと広がってきて雨がぽつぽつ落ちてきた。くっそー、新しい道の駅に寄ろうと思っていたのに無理だな。断腸の思いで通過し、愛岐大橋を渡りきったあたりから青空が広がってきた。それでも扶桑では道が濡れており、通り雨にやられたようだ。その時間にここでなくてよかった。

なんとか雨に降られる事もなく帰って来た。

本日の出費

温泉 500円

お茶とおにぎり 125円110円

ガソリン 500円くらい

FTR本日の走行距離 200キロくらい

FTR累計の走行距離 5960キロ

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