紅黄金色に染まる連山平湯
10月28日(日)
世間を騒がせている赤福偽造問題でにわかに脚光を浴びているのが福餅だ。ようするに赤福のパチモンなんだが、赤福がないので代わりに売れているらしい。正直言って赤福が好きな者としては、赤福なき後、この福餅を食うしかないようなので、ここは一発、二見沢の本店まで行ってみようかと思い、まっちゃんに聞いてみた。「福餅食いたいよね。」「別に」「なんだよ、じゃあ何が食いたいんだよ」「特にないです」(ネタ古っ)というわけで、福餅却下、で、テレビを見ていたら平湯方面はすでに紅葉が時期らしい。間もなく訪れる冬の前に、平湯辺りは最後のチャンスかもしれないので行くことにした。
前日までは台風の影響で大雨なのであった。天気予報では日曜日は晴れ行楽日和というのだが、にわかに信じがたい状況なのである。しかし、しかし、なんと、日曜日は見事なまでの晴れ。久々の晴れ。まさしく、ビュテホーでパーヘクトなエーブリーデー(by木村カエラさん;何せ呼び捨てだと怒られるからな)なのであった。
当日は朝5時半に起きて実家ガレージからCB1300SuperFourは6時半に出発する。装備は日中暖かくなる天気予報を信じて、靴下やグローブは春夏装備、しかし、革ジャン下は冬装備レベル3である。もし暖かくなったら脱げばいいしな。グローブが冬型で行って暖かくなったら汗かいて目も当てられん。
さて、いつものスタンドでガソリン満タン、136円相変わらず高いが、この先もっと上がるようなので本当に勘弁して欲しいよ。
19号線に出て、いつものコースで多治見から248号線で美濃加茂まで走り、新太田橋を渡って41号線に合流する。天気は快晴で雲ひとつないが、さすがに朝早い時間なので寒い。やっぱり冬用グローブにすればよかったと後悔するが今さら遅いのであった。41号線をどんどん進んで行くと、昨日までの雨で湿った山の木々から水蒸気が立ちのぼってもやになってきた。そのもやのなか朝日が乱反射するようでちょっと不思議な光景が繰り広げられる。
8時過ぎに金山でトイレ休憩を取る。バリバリチューンドのWRX、シビックsi、ロードスターが止まってミーティングしていた。これからどこの峠を攻めるか検討会議をしているようだ。トイレから戻ると、決定したようで順番に統率されたチームらしく41号に流れるように出て行くのであった。後に続くと、チューンドマシン軍団は岩屋ダムの方に曲がって行った。イニシヤルDみたい。
こっちは引き続き41号線を北上する。順調に進み、宮峠を避ける美女街道を走って飛騨丹生川に入る。板橋ラーメンのドライブインで再びトイレ休憩する。ようやく暖かくなってきた。天気予報通り、行楽日和になりそうだ。
ドライブインを出て、いよいよ平湯に向かう。158号線は快適な道でかっ飛ばせるのだが、今日は天気もいいし、観光客の車が列をなしているのでのんびりペースで進む。やがて遠くに白く雪を冠した乗鞍岳が見えてくる頃、辺りの山々の色が劇的に変化して行くのであった。まさしく、赤く赤く、そして黄金色が広がる、まさしく、美しく燃える森(by東京スカパラ)状態、素晴らしい、素晴らしいぞ、素晴らしすぎる。こんなきれいな秋の山は久しぶりに見るなあ。標高を上げて行くとその勢いは増し、道に沿って流れる渓流に陽が差して、そのキラキラした光に赤や黄色に染まる木々が絶妙なコントラストを繰り広げるのであった。どんどんペースが落ち、所々でバイクを止めてゆっくりとその光景を楽しむ、うーん、大人のツーリングだぜ。自転車走ってきた人が声を掛けてきた。なんでも昨日の雨で高山で足止めをくらっていたらしい。登りがきつくて大変だと言ってた。
平湯峠の長いトンネルも今日は寒くなかった。トンネルを抜けると、秋の山が全開で広がっていた。観光客の車が路肩に止まり、みんな熱心に写真撮影にいそしんでいた。長い下りを経て、平湯温泉のターミナルに到着する。が、今日は観光客が多いせいか、駐車場が有料になっているようなので、平湯の森の駐車場に戻ってそちらに止めた。温泉はターミナルの方に入るつもりだったので、そこから歩いて移動する。
ターミナルは商売繁盛していた。観光客がひっきりなしで出入りしている。温泉は3階なので階段を上って行く。受付の発券機でお金を入れて券を買い、係の人に渡して中に入った。ブーツが下駄箱に入らないので上に乗せておく。男湯は向かって左側だ。脱衣所でちょっと小さめなロッカーに装備を押し込み、風呂場に行く。体を洗って内湯にまず入った。結構熱いな。全面ガラス張りからは穂高の山々が見える。しばらく入ってから今度は露天風呂に移動した。実はこの温泉、ずいぶん昔に入ったことがあるのだが、露天の記憶が全然ない。どうだったけ? おお、思い出した。こんなだったな。露天風呂はロマネスク風の洋風のギリシャ神殿みたいなあまりセンスのない造りだ。お湯はぬるめなので、ここは実は掛け流しなのかもしれない。(後で調べたら全館掛け流しでした)露天風呂自体は露天のスペースに比べると異様に狭いんだが、この広い他のスペースでどうしろって言うんじゃ? しかし、生で穂高の山を望めるロケーションは絶品だ。お湯もぬるいのでゆっくり入ることが出来る。のんびり浸かっていると、観光バスの一団と思われる方々が入ってきた。狭い露天はあっという間に満員になったので、タイミングを見計らって出る。脱衣所で体重を量ろうとしたら体重計が使えなかった。装備を装着して、ちょっと暑いな。休憩所で一休みだ。しかし、腹が減ってきた。1階のレストランでなんか食おう。パンのいい匂いがしたのでそれにつられて降りて行くと、パン屋さんは行列だよ。だめだ。あきらめてレストランに行くとここも行列だよ。すごい、人人人・・・、さすが行楽日和だな。売店のねーちゃんも血走った目でレジたたいてるぞ。
ターミナルを出て、バイクに戻る。丹生川の方で昼飯にしよう。だんだん暑くなってきたので一枚脱ごうかとも思ったが、走り出したら寒くなるかもしれんのでそのまま出発した。途中、平湯峠でバイクを止めて辺りの写真を撮る。それにしても観光客の車の運転はひどいな。登坂車線に路上駐車している松本ナンバーの四駆、おめーだよ。邪魔なんだよ。路肩に勢いよく突っ込んできてUターンかますカルディナ、おめーだよ。オレをひき殺す気か。
丹生川まで戻って、ちょっと狙っていたとろろご飯の店に行くが、がーん、表にはすでに行列まちだよ。残念ながらあきらめよう。近くにあったタイムリーでおにぎりとお茶を買い、昼飯にした。それにしても本当にいい天気だ。こんな陽は外でおにぎり食うが正解だと負け惜しみお言いつつ、ねぎみそ味のおにぎりが126円だった事にショックを受けるのであった。
食ったら、まっちゃんに頼まれていた味噌を買いにいく。道沿いにテントで店を出している、「こうじや」という味噌屋が以前から気になっていたので、今回はそこへ行った。テントの後には工場があり、工場直売のようだ。これは期待できる。バイクを止めてテントに行くと、店番のおっさんが、こっちがあっさり系、こっちがこってり系と説明してくれた。お勧めは田舎味噌、このあたりはこの田舎味噌だよというので、それにした。オマケもつけてくれたのでラッキーだった。シートに下に無理矢理突っ込んで出発。158号線を戻るのであった。
しかし、あまりの陽気の良さに、なんも考えずに走って行ったら曲がるところを間違えて、高山市街まで行ってしまった。仕方がないので高山から41号線に入って帰る事にする。そのとき、ぴーんと閃いたのであった。そうだ、それならパン屋さんのトランブルーに寄ってこう。というわけで、目印のショッピングセンターで曲がってトランブルーに行った。昼過ぎという時間もあってか、超混雑しているが、店の前にバイクを止めて突入する。今回は新製品と食パンを買った。前回のようにつぶれないように、今回はシート下ではなく、ネットを出してシートの上にくくりつける。素早く混雑から脱出し、41号に戻ってホテルαの横のタイムリーで紅茶を買ってパンを食った。
食ったら帰る。
帰りは美濃加茂辺りが大混雑だった。
帰ってきたら、やっぱりパンはひしゃげていた。
本日の出費
温泉 600円
味噌 630円
紅茶お茶おにぎりなど 500円くらい
パン 1000円くらい
CB1300本日の走行距離 370キロくらい
CB1300累計の走行距離 29400キロくらい