急激な冷え込みの日に飯田街道
11月17日(土)
しかし、ライダーと言う生き物は実に馬鹿である。11月に入って、そこそこ暖かい日が続いていたのだが、この週末急激な冷え込みが予想され、平年より2度ほど気温が低いとのこと、体感温度とは実に相対的なもので、普段から寒いと別にどうってことないのだが、そこそこ暖かい日々になれたところで、急に冷えるのはきつい。きつくてたまらないのだが、それでも走りたいのは走りたいのである。寒かろーが暑かろーが、走りたいときは走る、それがライダーなのだ。なんも、こんな寒くなる日に行かんでもえーがね。そんな声が聞こえるが、何度も言うがライダーという生き物は馬鹿者である。腹がタンクにつっかえてきても、安くておいしいデカ盛りのご飯がやめられない馬鹿者、何度も何度も思い入れがあると言ってはオークションでぶっ壊れたバイクを買っては直す馬鹿者、おいしいカステラがあるというので、通販で買えばいいじゃんとの声も無視して、わざわざ金沢まで行く馬鹿者、いやー、この愛すべき馬鹿者ライダーたちに乾杯。
というわけで、天気予報を何度見ても、今日は冷える、寒いを繰り返されて、こっちも意地になって行くのであった。防寒装備はいきなりレベル4だ。ユニクロヒートテック+クシタニゴアウインドストッパー+クシタニ防寒前掛けである。手袋は当然冬型、これだけ重装備なら大丈夫だろう。
朝7時半頃に実家ガレージから半月ぶりのCB1300を引っ張り出し、エンジン一発始動で暖気にちょっと時間がかかったが、天気も良さそうなので上機嫌で出発する。
いつもの通りにコスモ石油でガソリン満タン、ガソリンの価格上昇には歯止めがきかず、今や142円である。しかも、会員価格でこの価格。他ではもう150円越えが聞こえるのであった。いよいよ、おいそれとツーリングに行けない時代が来るのであろうか。恐ろしい恐ろしい。そうなる前にたっぷり走っておこう。
19号線に出て、からだが寒気に慣れるまでゆっくり走る。内津々峠の電光掲示板は気温5度をさしていた。なんだ、大したことないじゃん。気温0度でも走ってたんだから、こんなくらいヘイチャラさ。うーん、でもやっぱり寒いな。ちょっとー、表示間違ってんじゃないの?
多治見に入ってアウディA6やらレクサスLS650に走行車線から抜かされてしまった。そうかよ、そんなに遅いかよ。寒いので巡航速度が若干低めな設定になっております。とはいえ捕まったら免停確実な速度なんですけど、最近の高級車は本当に性能がいいから、どんどんスピードが出るのだな。
瑞浪のあたりから1車線になると、先頭が遅いトラックでぺースが一気にダウン、大きな工場が改装工事をしているようだったが、看板が外されているところを見ると、もしかして閉鎖されたのかもしれんな。おやつ村付近のゲーセンもいつの間にかつぶれてるし、なんだか景気の悪い話ばかりだ。
恵那の辺りでは車線の拡張工事が大々的に行われており、渋滞が続くのであった。ここら辺は最近はほとんど常時渋滞なので早く4車線でスムースに走れるようになるといいな。
南木曽への国道256号線に入って、山にちらほら紅葉が見えるようになってきた。妻籠を越えて、南木曽温泉を通過し、大平街道への分岐点でいったんバイクを止める。さっきの道の駅でトイレしとけば良かったなあと後悔したが後の祭りである。
CIMG3354 posted by (C)keiichi_w
清内路峠を越えて、長い長いトンネルをくぐり、前を走っているじいさんばあさんの他県ナンバーセダンがとろとろ走ってる後に付いた。まあ、観光にきたんだろうからとろとろでも仕方ないなーとついていく。しかし、後の青デミオはイライラしまくり。遂に対向車線に出て抜かして行った。ぶつけられんよに気をつけろよ。
もし寒くて我慢できなかったら避難しようと考えていた、昼神温泉に着いたが、大丈夫そうなので通過する。153号線に出て飯田方面に走る。そろそろおしっこが我慢できなくなってきたので、セブンイレブンに入った。トイレと暖かい紅茶を飲んで一息入れる。からだが冷えきっているようで、小刻みに震えているのがわかる。寒い時人間のからだが震えるのは、細かい振動をさせる事で血行を悪くさせないようにしているそうです。どっかで聞いた話だが本当かなあ。ところでこのセブンに隣に、ワンちゃん用のシャワールームがあった。1回500円だそうで、こういうものの供給需要があるとは驚きだ。
CIMG3358 posted by (C)keiichi_w
地図を確認して、出発する。151号線に乗り換えるための県道に入ると、ずいぶん昔に社員旅行できた道だった。水引記念館があって、水引家紋入り3800円安いよーと看板が出ている。ふと家の2階を見ると、巨大なサンルームがあって、その中には干し柿がこれでもかと滝のようにぶら下がっていた。ものすごい規模の干し柿軍団、すごいすごすぎる。他にも、庭にサンルームがあって、そのなかに怒濤の吊るし干し柿軍団満載が何軒もあるのであった。地元は林檎の名産地らしいが、林檎狩りどころじゃないぞ。東北で林檎が買えなかったから、ここで買ってもいいなと思いつつ、お金がないのでやめた。
151号線に入ると、今回の目的の温泉、湯里湖の看板があった。おお、久しぶりにくるけどまだ健在なんだ。良かった良かった。まあ、この温泉ブームにつぶれるとは思わんが。が、しかし、果たして、そこには変わり果てた湯里湖の姿が・・・。
チャラリーチャラチャラチャンチャー(トッカータとフーガ)
湯里湖、閉鎖。
CIMG3372 posted by (C)keiichi_w
管理会社の真新しいこぎれいな看板が悲しい。錆だらけのタンクやらボイラー、温泉スタンドのシャッターは下りたまま、のび放題のセイタカアワダチソウが風に揺れるのであった。玄関には天然温泉の認定マークと、誰も読む事のない郵便物が散らかっている。ああ、なんて言う事だ。これが市場原理社会の成れの果てなのだ。街の本屋が、巨大資本の複合書店に取って代わるように、田舎のドライブインが、官民一体で押し進める道の駅に取って代わられるように、結局、小さな温泉は大きなクアハウスクアガーデンに取って代わり、消えて行くのだ。日本社会においてリスクヘッジとは何なんだ。責任者出てこいくそ。
仕方がないので、その隣のコスモスの湯に行った。曲がるところに大きな「そばの城」なるそば屋があった。今度行ってみよう。
CIMG3363 posted by (C)keiichi_w
コスモスの湯はその先にあった。ここもかつて湯里湖に入った頃に入ったのだが、こちらは健在でした。やはり村営は強いのである。駐車場にバイクを止め、温泉セットをもって建物に入る。ブーツを脱いで下駄箱の背の高いところに入れて、入浴券を買う。400円、安いな。男湯に入って、さすが地元密着型村営温泉、ロッカーは有料貴重品用のみで、脱衣かご対応です。盗難注意、被害にあってもカンケーないから貴重品ロッカー使えよと掲示がある。お客も少ないし、まあいいだろうという事で、カゴに荷物を突っ込んで、お風呂に移動した。自動ドアじゃんびっくりしたー。
入ると同時に一面に立ちこめる湯煙と消毒臭、これはいかんわ。市民プールにきたみたいだがね。がっかり。とりあえず体を洗い、湯に入ると湯自体はいい感じだな。ぶくぶくのバブルが一面に上がって気持ちがいいな。露天風呂は寒いので、内湯で充分暖まってから行く事と書いてあるので充分暖まってから行った。いやー、素晴らしい開放感あふれる露天風呂です。天気がいいからなおの事感じるのだろうが、遠くの山がちょっと紅葉しかかってる山が手に取るように見えるのである。こりゃいいや。ゆっくり入ってたんのんする。
充分たんのんして出た。暑くなったきたので休憩所で少し休む。休憩所も広いのでなかなかいいぞ。
腹も減ってきたので温泉を出て、途中にあったセブンイレブンでおにぎりを買って食った。新感覚おにぎりだというので期待して食ったが、単に丸い形なだけでどこがどういう風に新感覚なのかわからん。食っている間、セブン前の国道をツーリングのバイクが通過する。CB750FC、BMWGS、VMAX珍しいところでブルドックなど。寒くてもみんな走ってるな。日が照ってきてだいぶ暖かくなってきたがな。
CIMG3378 posted by (C)keiichi_w
食ったので再び走り出す。まだ時間があるのでどこかに寄り道しようかと思いながら、151号を戻って、水引会館のある県道から153号線に帰ってきた。そのまま昼神温泉を横目に、紅葉のいいところがないかとゆっくり走って探したが、あいにく撮影ボジションに恵まれたところはなかった。そのまま走って、大平街道の分岐点まできたところで、そういえば黒おでん食ってないよなー、食いたい食いたいと思ってたんだよねー、この機会を逃したら、また来年になってしまうなー。よし、行こう。右に曲がって大平街道に突入する。
が、えらい事になっていた。ものすごい落ち葉の洪水状態。カーブでスリップしないかとヒヤヒヤ。高度を上げると、だんだん落ち葉が細かくなってきているのか、まったくの別物なのか、細かい粉粉が層を成しているのだ。こりゃヘタすると転けるぞ。最も苦手とする上りペアピンで、その粉粉が異常に大量に形成されている箇所ではほんとに転けそうだった。しまった、こんな事なら来るんじゃなかったと後悔しても後の祭りである。かくなる上は前進してなんとしても黒おでんを食うのだ。まだか、峠はまだかー。
CIMG3382 posted by (C)keiichi_w
ようやく峠に着いた。視界が開け、信州の紅葉に彩られた山々は傾きかけた日に美しく輝いているではないか。しばし見とれ、写真を撮ってから峠の茶屋に入った。「おでんください」お客は誰もいなかった。外にはいっぱいいるのに。おでんはすぐきた。おお、相変わらず黒いな。この黒さがいいのだ。過去には、かの、ツーリングライダーのバイブルとも言われた旅愁あふれる雑誌「OUTRIDER」にも紹介されたこのおでん。いつまでもこの黒さを失わないで欲しいものです。いただきます。うまーい、うまいぞ。熱いぞ。体が温まります。ここにきてこれを食わずに帰るなんて、はっきり言ってアホやぞ。
CIMG3391 posted by (C)keiichi_w
信州の山を見つつ食った。満足してお店を出る。バイクに戻ってそろそろと気をつけながら山を下りるのであった。
後は19号線に渋滞に悩まされながら帰ってきた。
本日の出費
ガソリン カード
温泉 400円
お昼 105円105円125円
紅茶 140円
おでん 450円
CB1300本日の走行距離 260キロ
CB1300これまでの累計走行距離 29650キロくらい
もうすぐ3万キロ