新春早々木曽駒高原ショックの立ちゴケ

1月13日(日)

免許証の更新の時期になっていたので、平日仕事な一般のサラリーマンは土日に行くしかないわけで、更新のはがきに「混雑するので平日に来んかてコラ」と書いてあっても、まさか免許の更新のために有休くださいなんて、この労働力い捨て時代に言える立場なわけないので、混雑しても日曜日に行くしかないんだよ、くそったれ。しかも、土曜日がお休みってのはどういう了見なんだよ。免許の更新なんぞ24時間営業で対応しろよボケ。コンビニで出来るようにすりゃ良いんだよ。あ、そうしたら免許の更新やってる人の仕事が無くなるか。最近やっとわかったんだが、免許の更新は免許の更新という仕事を作るためにあるんだよ。車検も車検という仕事を作るためにあるのだよ。そして、そういう余計な仕事をたくさん作って、失業率を押さえ、社会を安定させる。これが日本的社会主義の姿なのだ。失業者が増えれば治安も悪くなるのはアメリカを見れば一目瞭然。

で、免許の更新に行こうと思っていたのだが、その日曜日が、当日になって晴になった。天気予報は曇雨だったので免許の更新のつもりだったのだが、この天気であるのでツーリングに行く事にした。

でも寒いらしい、最高気温7度らしい。となると、装備は最強クシタニツーリングワンピースの登場である。目的地は、前回、23号町中道路でストレスがたまったので、やっぱり山に行こうという事になり、でも高山は雪なので41号は駄目だ。19号で御岳の方に行く事にした。南木曽温泉くらいまでなら行けるだろう。

というわけで、8時頃、実家ガレージからCB1300を引っ張り出し、エンジン始動、出発である。いつものコスモでガソリン満タン。今日も141円だ。ちまたの噂ではもうガソリンの価格が下がる事はほとんど無理らしい。それならいよいよ税金を下げてもらいたいもんだ。外国にタダでやる事が出来るなら、税金下げるくらい大した事じゃないだろ。

19号線に出て走って行く。天気はいいぞ。青空が広がるのであった。でも寒い。電光掲示板は1度だ。ここで1度とは、この先、どこまで下がる事やら。多治見に入った辺りで指先がかじかんできて、土岐の辺りまできたら指先の感覚が無くなり、瑞浪の辺りで指先が痛くなってきた。これはまずい。信号で止まるたびにエンジンに手を当てて暖をとるのだが、水冷エンジンってのはこの手があまり効果ないのだよ。空冷だとすぐ暖かくなるが、水冷は暖かくなるまで時間がかかるので信号待ち時間ではいまいち暖まらん。でもやらんよりまし、なんとか指先の感覚がかじかんだくらいまで戻る。

こんな感じで走って行く。遠くの雪を冠った山々がとてもきれいに見える。冬のこういう風景はいいねえ。今日は天気がいいので山の稜線がよく見える。

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どんどん走って、元起まで来た。トイレ休憩をとる。クシタニツーリングワンピースの完全装備は暖かいがトイレが大変。なんせ3重シールドである。苦労してゲートをオープンしても、この寒さで縮こまっているのでまた引っ張り出すのが大変だ。なんとか用を済ませて、自販機で暖かい紅茶を買って飲む。日が当たってくるとそれほど寒さを感じないな。

元起を出て、この先は凍結が心配なのでペースを落として走る。山の陰の道はまだ昨日までの雨が残っているようで、色が違うな。でも凍結まではいかないみたいだ。順調に進んで、南木曽温泉への分岐点まで来た。わりと早いペースで来たので、まだ時間があるし、思ったより雪もないので、もっと先まで行ってみよう。ここまで来たなら、狙いは木曽駒高原の温泉、秀山荘温泉だ。某温泉データベース管理人さんのお勧めなのだ。いやがおうなく期待は盛り上がるのであった。

温度がどんどん下がる。電光掲示板はマイナス2度まで下がった。雲もかかってきていよいよ厳しい環境になってきた。最強装備できたから体感的にそれほど寒くないんだが(まあ、指先は冷えるけど)道路わきの残雪も多くなってきて、時折走っている車の松本ナンバーはみんな屋根に雪を載せている。木曽駒の枝道に入れるかどうか心配になってきたが、行って駄目なら戻れば良いさ。

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とかなんとか言ってるうちに、木曽駒高原への分岐点についた。右折して山道に入る。すると、なかなか開けたリゾート地帯のようだ。キャンプ場みたいな森林公園や、もっと進むと、会社の保養所が何軒を並んでいる。新日鉄、西濃運輸、名古屋銀行など、一流どころの会社ばかりだな。夏は賑わうのだろうなあ。

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看板の表示通りに進むと、遂に、目的地の秀山荘温泉に着いた。バイクを止めてヘルメットを脱いで建物をよく見た。日帰り入浴営業中の看板が出ているが、ここ、やってんのか? という印象。でも自動ドアは開いた。中に入って、「こんにちは」と何度も呼ぶが誰も出てこない。困った。よく見ると、呼び鈴があったので押してみた。ピンぽーんと音がして、ちょっとしたら女の人が出てきた。女将さんかな。「温泉入れますか?」と聞くと「うーん、どうしよう、掃除しようと思ってたんだけど、まあいいか、入れるよ」いたってゆるい返事です。いいですねー、このゆるゆる加減。いかにも俗世間を離れた山ン中です。バイクを止めるところを聞いて、閉めてある喫茶店の前と言われたが、傾斜があって止められんので、玄関前に止めさせてもらった。

女将さんの案内で温泉に歩いて行く。山荘らしい入り組んだ建物の構造で、何度も角を曲がって、階段を上がって大浴場に到達した。当然一人、貸切なのである。うほほほーいと脱衣籠に装備を突っ込んで風呂場へ。

げ。なんじゃこりゃ。

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このお湯は何じゃ。真っ赤ではないか。目にしみる赤茶色の湯ではないか。これはものすごい効能のありそうなお湯だな。体を洗ってお湯に入る。ちょっとぬるめだ。かすかに鉄の匂いがする。手ですくってみると、赤茶色の湯の花が手に残る。下の方を触ってみると、湯の花が沈殿しているようで、すくってみると手が赤茶色になった。うーむ、さすが東海中部甲信越の温泉を完全制覇した方のお勧めだけあるな。病み付きになりそう。

ぬるいのでゆっくり入れた。久しぶりにゆっくりと温泉に入ったな。体がぽかぽかしてくるのがわかる。やはり温泉はぬるめにゆっくりだ。

十分にたんのんして出た。入浴料500円を払って、女将さんに生姜飴をもらって食いながらバイクに戻る。すると、何やら感じる視線。その方向には・・・。

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「あいつ、にゃんだ?」と言わんばかりのネコネコネコ。うーむ、かわいい。

温泉を出発して少し下ったところで、木曽駒高原ショッピングセンターがあった。お土産の味噌を買ってバイクに戻る。店の前の道が坂なので注意してUターンしながら駐車場を出た。

そこで転がった。

人間、見る事が出来ても見たくない事実には目を閉ざすようで、この数秒間の記憶が途切れた。

気がついたらCB1300はアスファルトの上に横になっていた。

それを見ながら、ああ、これはきっと夢だな。悪い夢を見ているに違いない。と思った。

もうすぐ目が覚めるぞ

ほら覚めるぞ、覚めろ、頼む覚めてくれー、これは夢だ夢なんだー。

こんなバカなアホなー! うそだー、うそだよー、これは夢なんだよー。

いやー、現実というのはいつも残酷だ。夢じゃないのであった。

がっかりだ。

仕方がない、起こすか。久しぶりの巨体起こし、重たいなーくっそー、起きなかったらどうしようと思いつつ、悪戦苦闘の末、バイクを起こした。ウインカーが破損してミラーやグリップエンド、マフラー、クランクケースに傷がついた。幸い、ブレーキレバーが曲がったりタンクに傷がつく事はなかった。

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しかし、自分ではベテランライダーと思っているライダーのハートはいたく傷ついた。だって、Uターンで立ちゴケだぜ。Uターンの立ちゴケって、モロ初心者じゃん! 中型免許取り立ての19歳くらいの学生ライダーがUターンで立ちゴケと言えば、まだ微笑ましいけど、40過ぎの20年以上ライダーやってるおっさんが、事もあろうにUターンで立ちゴケだよ。穴があったら入りたい。ああ、もう駄目だ。皆さんこれまでたくさんのアクセスありがとうございました。keiichi_wはもう駄目です。千代の富士が貴乃花に負けて引退を決意したように、私も引退します。さようなら。また会う日まで。

エンジンは何事もなくかかったので出発した。

あー、やんなっちゃった、もう帰ろ。

畜生、バイクを修理して出直しだ。

待ってろ雪山御岳、釜沼温泉、天神温泉。

本日の出費

ガソリン カード

温泉 500円

お茶など 130円105円83円

味噌 682円

CB1300の本日の走行距離 250キロくらい

CB1300の累計走行距離 30500キロくらい

 

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