凍結路面も何のその極寒の下呂温泉

2月16日(土)

突然ですが、3大名泉と言えば? まず1番は何と言っても、草津温泉でしょう。これは誰にも文句言わせんぞ。草津温泉こそ、キングオブ温泉なのだ。温泉の中の温泉、街のど真ん中にあんなでかい源泉の湯畑が湯気をもうもうと登らせている温泉なんか他にないし、歴史も古いぞ。続いて2番。これもいろいろあるけれど、やっぱり別府温泉だろう。温泉大陸九州を代表するにふさわしい、いや、西日本を代表するにふさわしい温泉である。街全体が温泉街だからな、あそこは。そこそこ温泉好きに、ここまで文句はないと思う。問題は次だ。3番目の温泉だ。これは異議があるかもしれんが、うーん、たぶんかなり異議があると思うが、でもやはり下呂温泉を外すわけにいかんでしょう。確かに、他にもいい温泉はいっぱいあるよ。四国の道後温泉、関西の有馬温泉、東北の温泉も北海道の温泉も、いい温泉がいっぱいある。でも、中部の人間としてはやはり下呂温泉なのだよ。

で、その下呂温泉に行こうと思うのだ。このところの激しい降雪で、41号線の状況が今ひとつで、高山なんぞ近寄ることもできないのだが、下呂くらいまでなら大丈夫だろう。毎回毎回19号線では芸がないので、ここは一発、下呂目指して走るべ。今回のバイクはFTRだからもし万が一雪があったもなんとか対応できるんじゃないかな。タブン。

久しぶりの、というか、本年初の出撃のFTRを納戸秘密基地から引っ張り出す。約2ヶ月ぶりな上、この寒さ。「この冬一番の寒さです」と、毎朝、メーテレどですかのねーちゃんが言ってくれてる位の寒さなので、エンジン始動性は著しく低下していると思われるのだが、果たしてどうだ!

きゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅる・・・ちょっと休憩・・・きゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅる・・・ちょっと休憩・・・きゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるきゅる・・・きゅ・・・る・・・きゅ・・・沈黙。

駄目だ。

バッテリーが死んだ。

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仕方がない、車からブースターケーブルで接続、なんとかセルを回しまくりでなんとかかかった。いやー、難儀した。

では出発。予定より30分遅れてしまったが、まあ、下呂だから近いから大丈夫だろう。19号線に出てコスモでガソリン満タン、3リットルしか入らんかったので割引チャンスのスロットルは回転しなかった。なんだよ。貧乏人に冷てーな。

本日の天気予報は昼まで晴れるがそれから曇ところにより雪なのだ。早めに帰ってこないかん。そういうわけで、今のところ快晴に近い天気なので気持ちが良いと言いたいところだが、毎日毎日「この冬一番の冷え込み」なだけあって、もうとにかくすごい寒いのですよ。ハンパじゃない寒さなのですよ。FTRは巡航速度が遅いので完璧防寒が多少やわなんだが、上クシタニエクスプローラージャンパ、下がカントリージーンズなのだ。しかし、何が寒いって冷たいって、指先が冷えるのはいかんともしがたい。内津々トンネルの手前ですでに指先感覚麻痺、薬指と中指は痛いんですけど。ハンドルカバーが本当に欲しくなってくるよ。グリップヒーターとか。バッテリー弱いでだめか。

多治見から可児経由で川辺に出て41号線に合流する。前を走るのは下呂温泉小川館の営業車じゃないか。このままついていけばいいことあるかもしれん。なんでや。でも信号で置いて行かれた。その信号待ちででエンジンに手を当てて暖めていたら、青になったのに気がつくのが遅れて、後のトラックにクラクションならされた。すいませんねえ、長野ナンバーの(有)佐藤運輸さん。焦って走ってぶつからないでね。

寒くてたまらんのだが、3週間ぶりのバイクなので気分的にはハイになっていた。ゆえにあまり指先の神経まで気が回らなかったんだが、七宗まできたところでさすがに指先の感覚がおかしい。このままほかっておいたら凍傷になって指が自切するんじゃないかと心配になったきた。出発から1時間も過ぎたので休憩にした。七宗の道の駅に止まる。ここの道の駅はトイレの前にバイクを止められないのであまり使い勝手が良くないんだよな。駐車しないでくださいと看板があるが、そんなの無視した観光客の車ががんがんに路上駐車(って言うのかこの場合?)してるよ。これはどう考えても設計ミスだな。ちょっと離れたところにバイクを止めてトイレだけ済ませる。日が当たっているので、止まっていればめちゃくっちゃ寒いところまではいかんな。

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回復したので出発。ちょっとペースを上げようかと思ったら、七宗から白川間の日陰地帯、何と道路凍結気味なのであった。げろげろ-、やばい危険が危ないぞ。白く凍ったアスファルトが、沈黙の牙をむいているのであった。すってんころーん何てことになったら、もう最悪の事態を絵に描いた状況ではないか。立ちゴケどころの騒ぎじゃないぞ。十分に気をつけて走ろう。後から車が煽ってくるのかと心配したら、後の車も凍結路にビビってスローペース。たぶん他県ナンバーなんだろうなあ。その後に車が数珠つなぎだ。

本当に寒いのだよ。凍り付きそうなのだよ。道路のわきには黒く汚れた残雪、山は白く雪で覆われて、どう考えてもバイクの似合うシチュエーションではないのに、それでも走ってるバイク乗りって本当にどうしようもなくバカだな。もう死ぬすぐ死ぬと言いつつ、もうやめて帰りたいとか、やっぱり家でこたつに入って福田麻由子の写真でも見とれば良かったーなんて思わないのが本物のバカライダーである。全く自慢にも何もならん。

バカライダーは途中でバイクを止めてはエンジンに手を当てて暖をとりつつを繰り返し、11時ちょっと前になんとか下呂温泉に到達した。

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歓迎下呂温泉。この看板、よく見てるんだが、今日は本当にうれしいよ。おとーさんはうれしいよ。やっとここまできました。

41号線から下呂市街に向かい、街中を抜けて温泉中心地へ入った。有名な川沿いの露天風呂が見おろせる橋を越えて、今回の目的の温泉、白鷺の湯を探す。久しぶりにきたのでさっぱりわからん。カンと度胸で曲がって曲がって、看板があったのでラッキー、間違ってないじゃん。薬局のところを曲がってようやく到着。

公衆浴場だが意外にオシャレーなデザイン。こんなんだったっけ? よく憶えていないなあ。この前きたのがかなり昔の話だもんな。で、建物の前には足湯があってかなり繁盛しております。バイクを裏の駐車場に止めて、寒さのあまりがガジガジに凍り付いた体を、油切れした機械みたいにぎくしゃくさせつつ温泉に向かった。

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自動ドアなんだよ。中に入って、受付のオヤジさんが発券機を示す。300円入れて、えーっと、と機械を見ていたら「大人のボタンを強―く押してください」と言われた。「強―く押します」でも反応しない「もう一回強―く押します」でも反応しない。うぐぐっなぜだ? フロントのオヤジさんが出てきてくれてぐいっとボタンを押すとことんと入浴券が出た。うぐぐっ、さすが大正開湯下呂温泉、オヤジさんすげーっス。自分かんどーっス。

2階に上がるのだ。ここの温泉は脱衣所休憩所が2階にあって、湯船はその下にあるのだ。脱衣所はガラガラだった。ロッカーがあったが使わずに棚に荷物を突っ込み、階段を下りて風呂場に入る。いかにも公衆浴場的な飾り気のない風呂場がいい感じなのだ。かちんこちんに凍り付いた体をシャワーで解凍して、程よいところで温泉に浸かった。ぷふぁー。きもちええ。天界天界。この極上の一時を過すために寒い中をバカライダーは走ってきたのだ。

たっぷりたんのんしたので出た。温泉だから体の芯までポッカポカだよ。これでもう寒くないぞ。湯冷めしないから帰りまで冷えないもんね。

外へ出た。ぴゅー。あっという間に冷えた。

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バイクに戻って出発。せっかく下呂に来たからお土産を買おう。下呂と言えば水明館、その隣の土産屋で味噌を買った。空を見上げると急激に雲が広がりつつある。しかも、寒そうな雪雲予備軍だ。やばい。雪が降る前に帰ろ。

必死こいて帰ってきて、内津々トンネルを抜けたので一安心したら、吹雪だった。

おいおい、何だって? なんで岐阜の山間部で降られずに、戻ってきて降られるのさ。ものすげー吹雪なんですけど。びしょ濡れなんですけど。

本日の出費

温泉 300円

お茶など 242円

ガソリン カード

お土産 1200円くらい

本日のFTRの走行距離 190キロくらい

累計のFTRの走行距離 7005キロくらい

 

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