咲かずの梅林過ぎ笠置柳生
3月9日(日)
そろそろオイル交換だと思っていたら、蘭さんがいとせわし日々を犠牲にしてニンジャ750をようやく再生にこぎつけていた。掲示板で直ったぜオッシャーッと12の三四郎みたいな雄叫びをあげている。ツーリングいくぜツーリング! と錯乱している。再生に忙しそうなので掲示板に書き込みを控えていたが、それならばと話の矛先を持っていったらあっさり決定、月ヶ瀬に行きましょうとなった。去年、開花前に行ってがっかりだった梅林、今年は3日現在で咲き始め出そうなので、9日には丁度いいかも知んない。その話、乗った! オレたち2人でスターダストブラザースッ、誰にも止められないぜェ。
だがここで問題が。この週は土曜日出勤で、日曜日のみの休みなのだ。そんな日に家のこともしないでツーリングに行くなんて、おお、何という命知らずな、神への冒涜、虎口に入らずんば虎児を得ず、前門の虎後門の狼みたいな状態だ。しかし、久しぶりのオフ会、本年初オフ会、何とかせねば。そうだ、いいこと考えた。ゴマスリ用にまっちゃんの大好物のケンタッキーフライドチキンを買っていこう。前日の仕事帰りにケンタッキーでいまCM中の1000円お買い得パックを買って帰ったら、大喜びで何でもオッケーになった。よかったよかった。
というわけで、お土産に赤福と味噌を買ってこいといわれて6時30分、出発した。ガソリンを満タンにしたら144円に上がってるぜブヒャー。250キロで13リットル。今日は距離が長いかもしれんので口もとまで一杯にしておく。よしいくぜ。19号を名古屋方面に向かい、先週と同じルートで北区西区経由22号線で名古屋駅をかすめて中村区から蟹江、そして弥富に入った。早朝の名古屋市は相変わらずガラガラで、先週と同じ1時間でここまで来ることができた。集合場所はサークルK名四弥富店、駐車場に入っていくと、すでに白赤のCBR1000Fの美しい勇姿がたたずんでいる。その隣にカンケーない青のR1が止まっていたのでそこへ割り込んだ。店から蘭さんが出てくる。やあやあやあ、お久しぶり半年ぶり東北以来であーだこーだ、話が盛り上がるが、今回の蘭さんは意気込みが違う。「長話はやめていきましょう」キラリン!と目が光る。半年ぶりのツーリングに気合入りまくりの様子なのであった。
いつも高速を使うのだが、今回は折からのガソリン代高騰もあり、昨今の経済的事情もあり、日銀総裁の後任決定も難航しているので、下道で走ることにした。先週の下道ルートが結構快走だったので、往復3000円近い節約になるから、それでムーンサルトうな丼でも食った方がなんぼ腹の足しになるか。ルート確認をすませて走り出す。例によって先頭はCB、しんがりがCBR(って2台だけじゃん)23号線を快調に飛ばすのであった。産業道路らしい23号線は、走っている車の多くも産業関係者なのだ。トラックが多いのだ。後扉に色っぽい演歌歌手のポスターなんか貼ってあるのだ。見とれてしまうのだ。しかし、今日は日曜日なので、観光客も多いのだ。ミニバンに家族を乗せて思い出作りに走るのだ。バイクも多いのだ。ハーレーやらスーパースポーツやら、BMWにドカティと、半分くらい外車なのだ。みんな金持ちなのだ。これが格差社会なのだ。
四日市から1号線25号線重複区間を経て、亀谷まで名阪国道に入った。制限速度を大幅に越すピー(自主規制)キロで駆っ飛んでいく。これは快調だ。思った以上に早いペースで来たので、寒かったし、予定外だがちょっと休憩。伊賀サービスエリアに入った。トイレをすませて蘭さん一服、またまた話が盛り上がる。マエダンゴさんは食い過ぎだとか、machikaneさんと温泉オフやりたいとか、もうちょっとやせないと革ツナギがキツいとか、ニンジャがサイコーとか、でもやっぱりCBRの1台にするよとか、まあ、いろいろ話した。
白樫でおりると途中で混むので五月橋のインターまで行って、そこから県道4号線で名張川沿いに月ヶ瀬梅林にむかう。はたして、開花状況はどうだ! なんて期待するまでもなく、入り口付近から怒濤の枝ばかりの木々がずらりと並ぶのであった。玉砕じゃ。今回も全く咲いとらんじゃん。話にならんじゃん。去年バイクを止めたところまで来て、同じところにバイクを止めたら、蘭さんに「こここの前止めて苦労したのに」と怒られた。そういえばそうでした。1年もするとすっかり忘れてるな。方向転換して、駐車場にバイクを止める。売店の方に行き、蘭さん饅頭を買って食った。1個もらった。食いながら虚しく、つぼみのままの梅林を眺める。まあ、でも、いい風景だから心が洗われるようだ。ぎくしゃくした現代人のストレス生活にうるおいをもたらすような美しい風景をみるのだ、饅頭をぱくつきながら。それにしても相変わらずここはバイクが多いな。YZFやらCBRやら、スーパースポーツが多い。このワインディングでギュイイイイーンと走りまくっている。
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さて、饅頭も食ったので、いつまでも未練たらしくここにいても仕方がない。温泉に移動だ。バイクにまたがり、来た道を戻って橋を渡り、82号線を走って月ヶ瀬温泉にたどり着く。バイク用駐車スペースにバイクを止め、温泉の建物の方に行くと、一個団体が突入していくところであった。げげ、めっちゃ混雑してるじゃん。実はネットで事前情報収集では、ここはいつも混んでるらしいので少しは覚悟してきたが、蘭さんとともに中に入ると一気にモチベーション低下。もうこんな混雑した温泉に入りたくねーよ。蘭さん、さすが察したのか「どうします?」やめかしだー。まだ10時だし時間もあるので作戦Bで行くぜ。笠置温泉だ。目標を変更して笠置温泉に行く。バイクに戻ってルート確認、蘭さんも同意し作戦B決行である。
来た道を戻って県道4号線笠置街道を笠置に向かう。ツーリングマップルには普通な道で書いてあるが、もちろん、こんな山奥の県道、若い番号とはいえ、それ相応の道なのであった。ウネウネくねくねの山道をヘコヘコと走り、柳生の里の交差点を曲がると、道はさらに細くなった。こりゃ県道というより、ただの近所の私道だろ、と言いたくなるほどの狭い道。そこを無効からこっちからかなりの車が行き来するのである。うーむ、この現状を直視すると、やはり地方道路財源の暫定課税措置は必要なのかもしれんなあ、と少しだけ思うのであった。でもそれでも144円は高いぞ。
難儀して山越えを完遂すると、笠置温泉いこいの湯に着いた。温泉施設というより、町の公共施設みたいな、公民館とか文化センターみたいなところに温泉があるような感じだった。空いている駐車スペースにバイクを止め、建物の方に歩いていく。でっかい鉄筋コンクリートのビルディングみたいな、あまりあじけのある建物ではないな。温泉というよりプールの施設みたい。
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正面玄関まで来たら、自動ドアが2カ所あり、入口と出口になっていた。こんなふうに厳密に決定することで何がしたいのであろうか。どっちが入口でどっちが出口でもいいじゃないか。グラスの底に顔があってもいいじゃないか。文句を言っても始まらないので入口から入って、下駄箱にブーツを突っ込む。ここの下駄箱は小さいのしかないので苦労した。発券機で入浴券を買う。800円だ。ここはタオル付きだ。ラッキー。受付で券を出し、下駄箱の鍵とロッカーの鍵を交換する。温泉はその反対側に入口がある。鉄製の大きなスライドドア、やっぱり温泉というよりプールみたいだな。これは男湯で、女湯はもう少し離れたところにある。扉を開いて中に入るとロッカーの番号を確認して鍵をさして開ける。中にはタオルが入っていた。なかなか便利だが、受付で渡した方が楽じゃないのか? 縦長の大きめなロッカーなので荷物は余裕で入った。タオルをもって風呂場に行く。
風呂場は広く、湯船も大きく、天井も高いので開放感がある。洗い場が隔離されていないのでさらに広く感じる。体を洗って、内湯に入ると、ぬるぬるの気持ちのいいお湯だった。こっちの方はこの手のお湯が多いな。ぬるぬる大好きですよ。あれ、この前も言ってたな。露天も入った。しかし、露天風呂は桜湯の薬湯で温泉ではなかった。つまらんので内湯に戻ってのんびり浸かった。そこでまた話が盛り上がった。マエダンゴさんは食い過ぎだとか。いろいろ。
ほどよくたんのんしたので上がる。脱衣所でちょっと休みつつ、装備を装着して男湯を出た。自販機のところで椅子があったので座って水分補給する。ポカリスエット500ミリリットルを飲んだ。蘭さんがそんなに飲めないというが、やっぱりお風呂あがりには水分をしっかり補給せねば。
温泉に付近の観光案内図があり柳生の里のことが書いてあった。CBR750時代に来たところなのでその話をすると、蘭さんが行きたいと言い出した。それならぜひ行ってみよう。我々は温泉を後にして、柳生一族の陰謀を明らかにすべく、柳生の里に向かった。またしてもウネウネの私道のような県道を走って、向こうから来るでかいミニバンとすれ違うのによりによって上りの鋭角ターンのところでするもんだから転ぶところだった。もう転ぶのはいやです。
柳生の里の交差点を右に曲がると、遠くに十兵衛杉が見えた。また健在だった。落雷があって枯れてしまっていたから、もう朽ち果てたかと思いきや、さすが十兵衛、なかなかしぶといヤツよのう。ふぉっふおっふおっ。いえいえ、お代官様にはかないませんよ、ふぉっふおっふおっ。
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花菖蒲園の付近に陣屋などがあるのでそれを見ようと先を進む。あたりに駐車場があり、500円だの何だのと書いてあったが、こんなところで駐車料金を払う気なんか全くなかったので、道路の路肩にあった付近の案内図のところにバイクを止めて歩いていくことにした。しかし、神社があるだけで陣屋跡はわからなかった。歩いていったら、普通の人家に出てしまった。戻って、観光バスのじっちゃんばっちゃんが山の上の立派な神社仏閣に歩いていくので、あっちの方が良いのではないかということになり行ってみた。しかし、すげー階段が続いているではないか。「え、あれ登るの」登るの嫌いなんだよなー。蘭さん行く気満々なので仕方がない付き合うのであった。しかし、登っても大したことはなかったのであった。池も干上がっているのであった。がっかりしてバイクに戻り、赤福買って帰ることにした。
かくして我々は柳生一族の陰謀の謎を残したまま、この山奥の人里離れた村を後にしたのであった。
帰り道にドライブインによったら、赤福はなく、代わりに福餅があった。知ってるよね、福餅。赤福ににてるヤツ。赤福が営業停止になったら急激に売れて、偽装してたもんでびびって自分で偽装してまーすと言っちゃった福餅です。どっちもにたようなもんだけど、赤福があるならやっぱり赤福が良いのでやめた。蘭さんが意地になって探し出してやる! みたいになっていたので、なきゃないでいいよ、と落ち着かせた。どうせ名古屋駅にも金山駅にも売ってるもんだしさ。
帰りも下道を走って、4時ちょっと前に弥富まで戻ってきた。朝集合したサークルKの向かいのサンクスで最後の休憩を取り、そこで解散となった。お疲れさまでしいた。
それから名古屋市内は快調に走れたが、春日井市内の方が大渋滞だった。5時半過ぎに帰って来れた。
本日の出費
温泉 800円
お茶など140円×2120円
パン110円
ポカリ150円
本日のCB1300の走行距離 310キロ
累計のCB1300の走行距離 31390キロくらい オイル交換だ。