下呂新名物トマト丼をドーン
3月16日(日)
某掲示板に書かれた一行、「トマト丼って知ってます?」これが今回の事件の始まりだったのさ。
トマト丼だって? いったい何だいそりゃ。トマトのどんぶりということは漢字から想像できるが、具体的にどういうものなのか、単純にご飯にたっぷりのトマトがどーんと載せてあるだけのものなのか、はたまた他に何か細工がしてあるのか、インターネットでググってみると、意外にも話題になっていようで、ニュース記事にもあるし、食ってきたという情報もいくつかあり、それを読んでみると、どうやら牛丼の上にトマトを載せたようだった。下呂がトマトの名産地なので、それを使って何か名物ができないか考えた合掌村の「菅田庵」の人が考えたらしい。一体どんな味になるのか、全然想像がつかないので。これは実際食ってみなければなるまい。
というわけで、3月も半ばになってようやく冬からの脱却が始まったような気候になりつつある昨今、それに伴って起動してきやがった花粉症の症状がまあウザイのなんのって、今年は特にひどいのだ。しかし、そんなものに負けてはいられない。近所の薬局で買ってきた鼻炎薬を飲んで、目薬さして鼻の穴に花粉ガードを塗りたくって、完全防備で出発である。
今回の出撃はFTRなのだ。先日、CB1300と共にオイル交換を完了させたが、CBのフロントタイヤがスリップサイン出てるじゃん! ということでタイヤ交換まで待機状態なのである。まあ、それでも順番から言うと今回はFTRなのだけども。
前回はエンジンがかからず往生こいたが、今回はさすがに最近エンジン始動したし、とにかく温度が暖かいためか、一発始動。さい先良いな。問題の服装だが、最高気温18度が予想されるので、さすがに真冬装備では暑い、上着はEXジャンパーではなく、革ジャンにして、手袋も春夏用のものにした。
いつものコスモでガソリン満タン、19号線を多治見に向かう。天気は晴天快晴、雲ひとつない真っ青な空。これまでの、走るたびに突き刺さるような冷気は感じられず、いよいよ春の到来だな。まさしく一日千秋の思いで待っていたのだよ、一日千秋の思いで春を待つってのも変な話だが。内津峠の電光掲示板はこの時点ですでに8度だった。トンネルを抜けて多治見、小泉、可児を経由して川辺で41号線に合流する。途中、パチンコ屋が「新女性店長就任!」と大々的に宣伝していたが、なんかカンケーあるのか?
41号線を、FTRはその最大巡航速度で走っていく。先頭の軽自動車がスローペースなので、決して速くない最大巡航速度でも何とかなるが、後を走るハイエースがイライラしているのがバックミラー越しに手に取るようにわかる。そしたら、前を走るおっさんのファミリアが反対車線に出て抜かしていった。その瞬間、反対車線にはぶっ飛ばしてくる外車がパッシング! 危なく正面衝突だったぜ。みなさん、危ない運転にはくれぐれも注意しましょうね。
ところが、七宗を越えたあたりから、んなことと言っとる場合かという状態になってきたのであった。そう、この41号線の七宗から白川間は夏でも涼しい超低温地帯なのだ。ゆえに、一日千秋の思いで待った春が、さようならーとどこかへ消えてしまったような八甲田山なのだ。寒い。むっちゃくちゃ寒いぞ。しまった、やっぱり冬装備にするべきだったんだ。春夏グローブの中で指先は冷えきっていく。駄目だ、緊急退避として道の駅美濃白川へ逃げ込む。トイレをすませて、日の当たるところでたたずんでいると、ようやく解凍された。
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気を取り直して先を進む。低温地帯を抜けたことで、事態はとりあえず回復の兆しを見せる。なにぶん、天気は快晴なのだ。日が当たっていれば寒くはない。そんな気候だからバイクも多い。ハーレーのソロ、ドカとカワサキの走り屋仕様、なんか銘柄がよくわからんオフロードバイクなど、皆さんまさしく啓蟄のごとく、うじゃうじゃわき出してきております。
10時ちょっと過ぎに下呂温泉に到着。この前と同じ公共温泉白鷺の湯では芸がないので他の温泉を選択することを予定していたが、この寒さで一刻も早く温泉に入りたいばかり、何も考えずに白鷺の湯に直行なんである。
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バイクを下の駐車場に止め、温泉に正面まで行くと、相変わらず大人気の無料足湯、どいつもこいつも無料なものばかりに群がりやがって、そんなに大勢の輩が入ってる足湯なんて、循環なんだから水虫ばい菌だらけだぞ。300円払ってちゃんと温泉にはいれ。玄関に入ると、受付は女の人だった。発券機は相変わらずクセがあるようで、つよーく押しても駄目だ。女の人が「ごめんねー、これ、ちょっとコツがいるのよーん」とボタンのかなり左上を押すと、券が出てきた。もうこんな発券機使わずに、フロントでお金をもらったら? 発券機に世話しないかんような1日300人も来るような温泉に見えませんが。
2階の脱衣所で荷物をロッカーにつっこみ、階段を下りて風呂場に入る。洗い場で体を流して湯船に浸かる。熱っ! 冷えているのでお湯が熱いぜ。徐々に体を慣らして、ゆっくりとはいった。気持ちいいー。ここの温泉は露天も何にもないけど、雰囲気がいいから好き。先客のひとりは出て行ったのでほとんど貸し切り、のびのび入った。たんのんした頃に、続けざまに客が入って来たのでそろそろ出ることにした。温泉の建物から出ると、体も暖まったせいか、体感気温がかなり高めになっていた。よしよし、これで安心して次の目的地に行けるわい。
次はいよいよ、今日のツーリングの最大目標、トマト丼である。事前に収拾した情報によると、店の名前は菅田庵、場所は下呂温泉合掌村のすぐそばだ。が、しかし、地元のくせに、ろくに下呂に来たことがないので、下呂に合掌村があったなんて知らず、どこにあるかもわからん。町の中心部まで出て、観光案内板を見ると、川沿いに坂を上っていくとあるようだ。よっしゃいこう。
町の中心部の川沿いの道を走ると、ホテルやお土産屋が乱立し、観光客がうようよいるので危なくて超スローペースで進まざるえない。ぜんぜんおかまいなしで子供が飛び出してくるもんだから危うくフルロックブレーキになるところだったぜ。
41号線の下をくぐって反対側に出ると、さらに急になった坂を上ったところに合掌村があった。そして、菅田庵はその隣にあった。バイクを駐車場の空きスペースに止め、店に方に行く。ここら辺は急な坂が多いので、FTRだから良かったものの、CBだったらひやりものだな。
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店内に入ると、時間が早いせいか客は誰もいない。女の人が出てきて、ひとりですと言うと、奥のテーブルを案内してくれた。大きなテレビがNHKの春からの新番組の宣伝をしている。トマト丼を注文する。テレビを見ながら待つと、しばらくしてけったいな形のお盆に乗ってトマト丼が来た。
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これがトマト丼だ。これぞ新下呂温泉名物なのだ。といっても、旧下呂温泉名物がなんだったのかわからないんですけど、まあ、それはいいとして、運ばれてきたトマト丼を観察する。山菜がふんだんに含まれた牛丼の具の上にさらに生の新鮮なトマトが角切りになって乗っている。そばもついているが、器がミニというよりマイクロミニな、スカートの丈の話ならうはうはなんだが、そばの器がマイクロミニではちょっと寂しいな。そして漬物。さっそく食ってみる。ぱくぱく、うーん、まあ、それなりの味ということで・・・。
食ったらお店を出た。来た道を戻って、中心街まで行くと、ホテル水明館の近くでバイクを止める。その近くのお土産屋で、味噌とご飯に混ぜる十穀を買った。この前もここで買ったんだよな。まっちゃんが喜びそうなお菓子でもないかと思ったが、いかにもお土産―と言う感じのものばかりなのでやめた。
店を出ると、あれれ、急激に天気が悪くなってきているではないか。雲がぐおーっと北の空から侵略してくるぞ。今日は一日快晴でなかったのか? 気象庁のくそったれ、またウソつきやがったなー。ウチの柱時計の天気予報が下り坂になっていたから、ちょっと懸念してたんだよな。しゃあない、帰るか。
あとは41号線をひたすら走って帰ってきた。
本日の出費
温泉 300円
トマト丼 840円
お土産 1115円
ガソリンはカード
FTRの本日の走行距離 190キロくらい
FTRの累計の走行距離 7200キロくらい