天空の城ラピュタ否飯田城を巡り南信州

4月6日(日)

天空の城といえばほとんどの人が思い浮かべるのは間違いなくあのラピュタでしょうが、私が最近気になっているのはラピュタではなく飯田城温泉なのだ。これまで何度となく飯田方面には足を運んでいるが、その度に153号線沿いにでかでかと現れる看板、天空の城温泉、その度に一体どんな温泉なのだろうか、天空とまで言い切るにはよほどの自信がないとできないだろう、かつて南紀白浜でまさしく天空の温泉と呼べる温泉に入った、また、伊豆においても天空の温泉と呼べる温泉に入ったことがあるが、どちらもかなり高度なところの露天風呂、はっきりってめっちゃくちゃに気持ちがええ。そんな温泉が飯田にあるのなら、これはもはや私的に温泉の歴史が変わると言っても過言ではないでしょう。南紀や伊豆なんておいそれと行けないが、飯田ならすぐそこじゃん。ラッキーじゃん。サイコーじゃん。じゃんじゃん。行くじゃん。いくっきゃない。で、念の為にホームページを検索して情報収集すると、おお、何という温泉だ! まさしく城、そして温泉がかなり高い階にあり、何と建物自体がかなりの高台にあり、飯田市内を見おろす形になっているようだ。施設の内容も、最近流行の、例えば前回行った熊野の郷や、小牧や緑区にある楽の湯のような、近代的な日帰り温泉娯楽施設のように充実している。これは1日ゆっくりしてもいいかもしれん、食っちゃ温泉だぜ、アーユーレデー?などと妄想は膨らむのであった。

というわけで、4月になってようやく清内路峠の雪も消えたと思われるので、遂にと言うかようやくと言うか、目的地を天空の城にロックして、いざ、出撃なのである。当然マシンは旗艦CB1300だ。服装は4月とはいえ信州なので軽い冬装備のレベル3、手袋は春夏用なのだ。気象庁のホームページをチェックすると、中部東海はドピーカン快晴、最高気温の予想が21度、絶好のツーリング日和だ、誰にもおれを止められないぜー。

朝7時に出発、でも朝はまだ寒いな。まずは恒例のガソリン満タンなのだが、さんざん揉め捲った挙げ句に一時的に期限切れで廃止された暫定ガソリン税の効果で、ガソリン代一気にダウンといううれしい状況なのである。昨日スペイシーを給油した旧道のコスモが117円! ここで入れることにした。が、満タン12リットルくらい入れて領収書を見たら119円だった。なんでだよ、1日で値上げかよ、こういうことをやるからガソリン代に対する価格の信憑性が無くなるんだよ。お前ら自分で自分の首締めてんだぞ、スタンドの関係者諸君、反省しろ。

文句を言っても仕方がない、まあ、2円ばかのことだし、まあいいや。天気も良いし、旧道を走って内津々峠のトンネル前で19号線に戻った。キュオーンと駆っ飛んでいくと、前をトロトロ旧型アリストが走っていたのでぶっちぎり、多治見に入って、さすが日曜日の早朝、交通量も少なく快調に走るのであった。ラブラブぴちぴちシルブプレ!ラブラブぴちぴちラッブレッ! と、朝のテレビのCMで聞いた音楽が耳についてはなれん。たぶんこのノリのいい音楽のおかげで調子良くかっ飛んで来れたのかも知れん。が、途中で黒の新型スカイラインに後からぼわれて道を譲った。なんせスカイラインだからな。

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元起まで来てトイレ休憩にした。看板のところの桜が咲いている。地元は満開でそろそろちり始めているが、この辺りはほぼ満開かその寸前ぐらいで丁度いい感じだな。

元起を出て、さらに先をに進む。賤母トンネルをくぐって南木曽大橋を渡り、その先の交差点で256号線にスイッチする。まだ観光客もいない妻籠を横目に、とろい軽がとろとろ走っているので抜かした。いよいよ清内路峠だ。まさか雪が残っているようなことはないはずだが、万が一、4月に入っても雪が降ったとか降らんとかあったくらいだし、どうじゃどうなんじゃ、と自分の勘と度胸を信じて走って行くと、ウネウネぐねぐねの山道は多少濡れているようなところがあるものの、残雪は皆無、ナッシングアットオール! 勝ったぞ、おれは勝ったんだー! 清内路トンネルの前で停車し、料理のポーズをとるのであった。あれ、誤入力だ、勝利のポーズをとるのであった! こんなとこで料理してどないすんねん

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トンネルを抜けると清内路村だった。どんどん高度を下げるのだが、やたらと片側交互交通の工事中で、おいおい、ガソリン暫定維持税廃止で工事は中断してるんじゃなかったのかよ、19号線なんて、東諏訪のあたり、ケーズデンキの辺りの4車線化工事が途中で中断していたのに、これは岐阜と長野の予算割りの違いなのか。3カ所に渡る片側交互交通の臨時信号機で1カ所目1分30秒2カ所目2分3カ所目1分20秒の待ち時間を食いつぶし、ようやく昼神温泉郷に入ると、観光バスがにぎやかしい、国道沿いの大きなホテルの駐車場にはずらーっと大型バイクが並んでいたが、大規模マスツーリングが開催されているみたい。いいなー。

昼神温泉を抜けて153号線に入るとさっそくいつも目にしている天空の城の看板に遭遇、今日は行ってやるからな見ちょれー。気張って走って行くと、このエリアの見所、国道153号線沿いは左右を見事な山々に挟まれ、その奥にはまた雪を冠ったアルプスがうっすらとにじんで見えるのであった。そのアルプスの山々は蛇行する国道に沿って大きく迫ってきたり遠くに旅愁を感じされるのであった。ここに住んでいる人たちは、毎日こんな素晴らしい風景を見て過せるのだから良い。でも、慣れてしまえばどうって事ないかもな。たまに来るからいいのだろう。限りある命だから人は一生懸命生きるのさ。おれってカッコいー。

実は目的地の天空の城はかなりわかりにくいところにあるのだ。事前にググって地図やマップファンで確認してきたから大丈夫だが、それでも心配なのだ。とにかくこの256号線を真っ直ぐ走って、高速の下をくぐって、飯田駅付近まで来るのだ。さすが飯田駅付近は駅前が活気あふれる町並みで、きれいに並んだ格子模様の道路がわかる。本町2、3丁目の交差点を右折なのだが、思った通り通過していた。でも大丈夫、格子模様だから来た分戻ればいいのだ。そうやって戻ったが、行き着いた先は市役所?小学校?オイ話が違うぞ。ここをまっすぐ行けば着くはずだが、行ったん止まって考える。まあ、とりあえず奥の方に見える神社のところまで行ってみるか。

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行ってみたら、天空の城の看板が立っていた。神社の裏手の高台のところにへばりつくように建築されている。メテオラか。早速、入口まで行くと、受付は10時半からだった。現在時刻9時半。1時間待ちかい。どうするベエかと思いつつ、神社の前の桜がきれいだったところまで戻った。そこは何かと思ったら、立派な建物で、飯田美術館だった。しかも、そのきれいな桜は結構有名な桜らしく、観光客がひっきりなしに出入りし、みんなカメラを構えてぱしゃぱしゃ撮影に勤しんでいるではないか。これはいけません。参戦せねばなりません。バイクを美術館の駐車場に止めると、カメラを構えてぱしゃぱしゃ撮るのであった。しかしそれにしても見事な桜じゃ。カメラ小僧ならぬカメラおじさんたちが立派な一眼に大きなレンズをつけたのをこれ見よがしに構えて構図に悩んでいる。圧倒的にデジタル一眼が多いが、中にはまだNikonのマニュアル銀塩という強者もいて、それがまた結構若者だったりするのが面白い。

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こうして時間をつぶして10時半、日帰り入浴の入口に行くと、フロントマンが玄関を開けてくれた。中に入りブーツを脱いで下駄箱に入れようとしたら、背が低いので入らない。仕方がないので下駄箱の上に置いて、発券機で800円を支払い券をもって受付に行った。そしたら下駄箱の鍵がいると言われ、入らんからと答えると、スリッパを取り出して鍵だけくださいというのでそうした。交換でロッカーの鍵をもらい、左手奥に進む。フロントの人がこちらですと案内してくれた。なんかややこしい館内で、継ぎ足しに継ぎ足しを重ねたようで、段差も多いし、それにとても古いのであった。古いと言っても、わびさびを感じさせる古さではなく、ただ単に古いというだけの古さ。あまりかんばしくねえな。途中で宿泊客との合流地点があり、そこからはスルッパを脱ぐというめんどくさー。階段を下りたらロッカールームだ。宿泊客用の脱衣籠がのった棚と日帰り客用の鍵のかかるロッカーが半分ずつある。ロッカーは縦長2段で今日の装備くらいなら十分入った。

タオルをもって温泉に移動する。入ってすぐにかけ湯があるが、これが源泉だそうで、掛けまくった。そして洗い場で体を洗う(って意味ねーじゃんかよ)洗ったら大きな内湯にゆっくりと浸かるのであった。全画面ガラス窓の外は飯田市の風景とその向こうのアルプスの山々が望むことができる。これは素晴らしい光景だ。でも開放感はないな。そこで、露天に行ってみた。露天は小さかった。っていうか、なんか無理矢理作った感じがしないでもないのですが、手作りの転落防止用の柵がとってももお寒い諸事情を語っているのであった。でも、まあ、ぎりぎり合格点かなあ。何しろ湯が熱くてあまり長湯できないので早々に上がった。しばらく扇風機を使ってクールダウンしてから革ジャン革パンを装着、休憩所に行って一休みする。なんか飲もうと思ったら、自販機の飲み物は価格設定が独自なものとなっており、買う気が無くなった。もう出ることにした。ホームページから想像していた温泉とは全然違っていたのでちょっとショック。もっと近代的な健康ランドみたいなのを期待していたのが、地味な古い温泉旅館でした。ここでゆっくりするつもりだったのが、これでは時間が余ってしまうなあ。こうなったらソースカツ丼でも食ったるか? そばの城に行ってそばでも食いまくるか?

天空の城をあとにして、来た道を戻る。1軒めに遭遇したセブンイレブンが混雑していたので2軒めのセブンイレブンに入って、午後の紅茶を買って飲んだ。地図を開いて今後の行動を再検討する。もう一度清内路峠を越える気がしなかったので、時間もあるし、権兵衛トンネルを使うことにした。その途中でソースカツ丼の店があったらそこに寄って食うことにした。

決まったら出発だ。256号から153号線へ乗り換え、飯田インターの前を通過し、飯田市内を走り抜ける。この辺りが一番繁華街のようで、サティ、ジャスコ、かっぱ寿司、しまむら、ブックオフ、ツタヤと国道沿いに乱立している。そのせいもあって交通量が多く、ペースはかなり遅いのだった。それでも普段あまり目にしない光景、背景がアルプスの雪山に繁華街という光景を結構楽しめたので良かった。

飯田を抜けて松川、駒ヶ根と街を抜け、伊那までくると桜はまだ咲きかけで、かの高遠の公園の桜はまだまだのようだった。ソースカツ丼の店が見つからず、このまま権兵衛トンネルに向かった。昼も過ぎているし、昔ほど食欲旺盛でもないので、この状態で飯田名物てんこもりのソースカツ丼を食ったら胃が破裂してしまうぞ。残念だがまた今度だな。

権兵衛トンネルは、以前、ソースカツ丼ツアーで来たときに走って以来だが、うろ覚えの記憶でなんとか曲がるところを間違えずに行けた。とてもじゃないが、あんな巨大長大なトンネルに通じる国道に思えない細い裏道みたいな国道361号線なのであった。市街地を離れると、広い田園風景になり、所々で牛がいたり、畑で作業する人がいたりと、実にのどかだ。何度も言うが、背景に雪山、これが本当にいいのだ。ああ、ここが寒くなかったら住みたいくらいだな。でも冬は寒いからいやです。

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権兵衛トンネルはかっ飛びで行こうと、登坂車線でも譲らないとろい軽自動車を登坂車線から追い抜いて俄然猛スピードで突き進んだら、前方にとろい大型トラックがぬり壁みたいに出現、いきなりスピードダウンなのであった。おいおい、こんないい道をストレスたまりまくりじゃん。くっそー、満たされない青春時代のように悶々としつつ、19号線に出たところで再びセブンイレブンで停車、ここで軽いお昼を取って、あとは一気に帰ってきた。

しまった、飯田名物の赤飯饅頭を買いそびれたぞ。

本日の出費

温泉 800円

お茶など 125円84円105円

CB1300本日の走行距離 330キロくらい

CB1300累計の走行距離 31900キロくらい

 

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