祝飛騨トンネル開通の白川郷

7月6日(日)

白川郷方面に行く時にいつも走る国道が156号線なんだが、これがまた交通量が多くて、その上、飛騨荘川より富山よりの道のひどい事ひどい事、狭いし急カーブは多いし、ライダーの大敵である漏水トンネル連続とまさしくウルトラマンの必殺技八つ裂き光輪連続撃ちに匹敵する道なんだが、しかもその道をトラックダンプ観光バスと激しい往来はまるで銀座大通りなわけで、バイクで挟まれた時の悲惨さは語るも涙聞くも涙、まさしくこの国道を何とかしなければ、ツーリングライダーの悲願、「安心して白川郷に!」が達成される事はないのであった。が、しかし、ニッポン全国に道を造りまくって幾年や、日本が世界に誇る道路族議員様と、その連合艦隊国土交通省様はやってくれました。さすがこの期におよんで道路特定財源を死守しただけの事がもあり、遂に、ああ、遂に、悲願の東海北陸自動車道、最後にして最大最悪の難所飛騨トンネルが遂に開通したのであった。このトンネルが日本国内で最も工事が難航したトンネルである事は、テレビ番組で見て知ったいたんだが、特に、本道を掘る前に地盤調査のために先進坑として岩盤に挑んだフルシールド型掘削機「天生太郎」が貫通までわずかのところで土圧により停止、シールド部も破壊されもはや修復不能となり、機械の解体が決定したとき、そのオペレータが悔し涙を流して残念がるシーンが印象的だったのと、その掘削機がトンネルの一部として残されたという話を聞いて、これはもう男子の本懐ですよ、開通したら絶対に行かねばならんと心に決めていたのであった。(飛騨トンネルについての明細はこちらを参考)そして、この夏、ついに7月5日、飛騨トンネルを含む東海北陸自動車道、白川郷高山清見間開通! 時は来たのであった。

というわけで、ここ最近の週末天気の悪さは辟易していたが、幸いにも開通するこの週末は天気がなんとか持ちそうなので、これは開通式にも参加して1番乗りとはいかんが20番乗りくらいにはなれんかと計画を練っていたら、なんと、開通は15時だと? 15時に白川郷では帰りが遅くなるではないか、晩飯に間に合わんくなるぞ。駄目だ。くそ、翌6日にしよう。断腸の思いで、20番乗りをあきらめた。で、6日の天気を調べたら午前中は晴れるが午後から雷雨でしょう、とこの時期らしいメッチャクチャな天気予報。これは午前中勝負だな。所用時間を逆算して朝5時出発を決意、必要なら朝4時にでも出発してやるぜ。飛騨トンネルに掛けたトンネル掘りの男たちの心意気に応えるライダー魂を見せつけてやるぜ。決まったらもう寝よう。

当日朝、4時に目覚ましが鳴って起きた。でも、みやこちゃん(雌猫7歳)が夜中に網戸を開けて外に行ったまま網戸が開け放しだったので侵入してきた蚊に食われて3時くらいにもう起きてたんだけどさ。まあ、あい変わらず興奮して眠れんかったのもあるんだけどさ。

飯食って、装備は当然、メッシュ、7月に入って急激に暑くなった気候に対応してメッシュレザー、いよいよ出撃なのである。実家ガレージからCB1300を引っ張り出し、シート下にカッパと手ぬぐいなどを格納するとエンジン一発始動で出発した。道路はガラガラ、さすが日曜日の早朝だ。いつものコスモ石油に寄ってガソリン満タン、なんと、リッター175円(カード値引き後価格)だぞ。15リッター入って3000円弱取られたぞ。バイクの給油って、昔は2000円で十分お釣りが来たんだがなあ。もうホント勘弁して欲しいよ。

文句を言っても始まらんので出発する。今回のルートは行きに156号、白川郷から高速で高山、そして41号で帰ってくる作戦だ。これが最もスマートかつ理にかなって経費も最小で済むのである。すばらしい完璧な作戦だ。自画自賛である。

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そう言うわけで、小牧から犬山を経由して、通勤の毎日渋滞で1時間くらいかかる道が、日曜日の早朝はわずか10分で通過、その先、41号線に合流してかっ飛ばす。交通量が少ないのでガンガン走れるのだが、某サイトのライダーさんみたいに捕まっては元も子もないのでそのあたりは注意しつつ走るのであった。見上げれば曇、灰色に染まる空は、すると丸く赤い太陽が、輪郭だけを妙にはっきりさせて浮かび上がってきたのであった。まさしくこの世の終わりか、いやツーリングの始まりだ、行くぞ。なんか不気味だけど。

美濃加茂から156号線に入って順調に飛ばす。道の駅も通過、とにかく時間を稼がねば。午前中勝負だから、まずはなるべく早く白川郷に着きたいのだ。しかし、そう思っていたとたん、これまで先頭を走っていた業者ワンボックスが速いのでストレスなく進んでいたが、横道に入ってしまった。そして、その先に現れたのが浜松ナンバーのRVだった。これがまた遅いのである。遅すぎる。のんびり窓から腕なんか出して危ないし。くそ、早よ走れ。悶々とついていくのだが、結局白鳥まで来てしまった。

ここで100キロ地点なので、道の駅白鳥でわずかな休憩を取る。トイレをしようとしたが、場所がわからん。隣の芝生では、セントバーナードが、飼い主にフリスビーを投げさせて遊んでいた。犬はああやって遊んでやらんとストレスがたまるから飼うのは大変だな。

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道の駅を後にして、またしてもかっ飛ばす。ここまで所用時間約1時間半は、そこそこ早いな。山間部につきものの朝靄も晴れてきて、空にたまに青い色がのぞくようになってきた。日も時折差す、少し温度が上がってきたようだが、電光掲示板は23度から4度あたりを表示していた。しかし、この先は高原地帯、温度は下がる方があり得るな。

果たして、高度が急激に上昇する高鷲付近からひるがの高原に入ると、温度は一気に降下した。電光掲示板は18度だよ。さぶっ! メッシュレザーはこういった温度差には対応できないのであった。まあいいや、もうちょっとしたらまた暑くなるはずだ。どんどん行ってみよう。

調子よく走って、いよいよ、御母衣ダムを越えて156号線の暗黒地帯漏水トンネル連続カーブ地帯に突入した。でも、さすがに日曜日のこんなに朝早い時間には、トラックもダンプも観光バスもいなかったのですこぶる快適だった。ってことは早く来ればトンネルなくても良いってことじゃん。やばい、今回のプロジェクトを根幹から揺るがしかねない発言をしてしまった。

今の無しね。ちょっと、やり直し。

えー、調子よく走って、いよいよ、御母衣ダムを越えて156号線の暗黒地帯漏水トンネル連続カーブ地帯に突入した。さすがに日曜日のこんなに朝早い時間には、トラックもダンプも観光バスもいなかったので問題なく走れたが、いつもこんな早い時間に走れるわけないから今日は特別だ。だからやっぱり飛騨トンネルは必要なのだ。

よし、これならオッケー。

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というわけで、7時30分、予定を大幅に短縮して白川郷の入口に到着した。普通なら4時間かかるのを2時間半で来た事になるな。早く出ると早く着くなあ。これからは毎回5時出発にしようかな。でも、勝手に行けばあーと言われそうだからやめよう。飛騨トンネルも必要だしな。白川郷の自慢の合掌造りの家々の間を抜けて、時間が早いのでまだ観光客もいないし店もやってないのでとても閑散としているなか、何と、朝7時から営業している素晴らしい温泉があるのだ。それがこの白川郷の湯、って名前まんまなんだけどさ、そこへ行って駐車場の空いてるところにバイクを止めて、ようやくここで一息つけるのであった。手ぬぐいを持って温泉の方に行くと、ここは旅館の温泉を立ち寄り湯で解放してるようで、だから朝早くても大丈夫なんだな。どっちかというと朝早めなツーリングを好むのでこういう温泉は良いですねえ。たまに開店前に着いちゃうととても身を持て余すというか、時間が余って困るからなあ。でも本当にやってるのか? 玄関から中に入って、温泉入れますかと一応確認すると入れるとの事なので、ブーツを脱いで下駄箱に入れてフロント横の発券機で入浴料700円を払って券を買う。フロントに渡して男湯は手前すぐだった。脱衣所はそんなに広くないが、旅館の温泉なんだからこんなもんかな。100円リターンのロッカーに荷物を突っ込み、多少、寒かった事もあっていそいそと風呂場に移動すると、洗い場でシャワーを浴びた。きもちいー!(アクエリオン風に)いやー、白川郷までかっ飛んできたんで、緊張しまくっていた筋肉がほぐれる感覚がたまらんな。体を洗ってお湯に入ると、わりと浅い風呂なのでゆっくり入る事ができた。ジャグジーがゴボゴボいってるので、お湯に流れがあってふにゅーと入っていると知らないうちに身体が傾いてくる。いっそジャグジーのところに入った方が落ち着くのでそこでゆっくり入った。しばらくしたから露天に移動する。露天、といっても外に面する壁がないだけの内湯なんだが、でも、これって外から丸見えじゃん。橋のあたりから完全に丸見え。女湯はどうなんだろうか? うーむ、実に興味深い案件である。誰か調べてくれ。

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十分にたんのんしたので出た。出たが、ここは旅館なので休憩スペースもあまりない。混雑時は困るだろうなあ。この温泉は早朝利用に限るな。フロント前の椅子に座って休憩してたら、BMWの純正ライダーバックを持った同年代くらいの人がチェックアウトしてた。ウン万円も払っていたから、やっぱり観光地の旅館代は高いのだ。その人とちょっと会話を交わして、「この辺りのお勧めありますか?」なんて聞かれた時は困った。あんまりそう言う事考えて走ってないからなあ。

温泉を後にして、せっかく来た合掌村を散策するかとも思ったが、お店が全然やってないのでは面白みもないのでやめ、いよいよ本日のメインイベント、飛騨トンネルを目指すのであった。緑色の高速道路のインターチェンジ案内標識に従って合掌村から国道を北上する。合掌村からすぐかと思っていたらかなり走ってようやくインター入口の交差点まで来た。そこからさらにインターまでかなり走って、ようやく料金所までたどりついた。ETC専用レーンに車がどんどん吸い込まれていくので、通常料金レーンはガラガラだ。安心してチケットを取り、ゆっくりウエストバックに入れた。いよいよだぞ行くぞ。合流地点で方向を間違えないよう岐阜方面に向かい、遂に東海北陸自動車道に突入した。

できたてのほやほやの高速道路はやはりきれいだ。問題の交通量だが、開通直後はかなり渋滞したようだが、この時間帯と、方向が白川郷から逆になるためか、対向車線に比べても少ない。制限速度が70キロに設定されているのでそれにあわせて走った。中央委分離帯がないのがやはり心配だし。外かなんとか言ってるうちに飛騨トンネルに入った。おお、これが飛騨トンネルか、日本で2番目に長いトンネル、かの青函トンネルよりも難しい土壌を制して人間が勝利した飛騨トンネル、オペレータが涙を飲んだ掘削機「天生太郎」がこのどこかに眠っているのだ。その使命を志半ばで停止してしまった「天生太郎」しかし、見よ、今ここに飛騨トンネルは難攻不落の飛騨の山腹のをぶち抜いて、見事に貫通したのである。おお、感動の極地・・・でも走ってると、別にただのフツーのトンネルだね。まあ、そんなトンネルごとにズゲー違いがあるわけないしな。それにしても長いなー。ご丁寧に、でっかくトンネルの壁に10キロ、9キロ、8キロとカウントダウンが入ってるんで、どれくらい走ったかわかるんだが、それにしても長いのう。日本2位だけの事はあるわい。なかなかトンネルが終わりそうにないので、時間まで音楽でお楽しみください。では、曲はザバンドアパートのエリック、どうぞ! ちゃらちゃららーん

で、延々、何十分もかかってようやく飛騨トンネルを抜けた。抜けてすぐにPAがあったので入った。そしたら、こじんまりとした単なる駐車場のPAだったのでがっかり。せっかく日本2位なんだから、飛騨トンネルおかきとか売ってるかもしれんと思ったんだが、世の中そんなに甘くないのう。仕方がないので先を急ぐ。飛騨トンネルが終わったから、もう普通の高速道路かと思ったら、またトンネルに入って、そこを抜けたらちょっと空がのぞいて再びトンネルに入って、そこを抜けたらちょっと空がのぞいて再びトンネルに入って、そこを抜けたらちょっと空がのぞいて再びトンネルに入って、そこを抜けたらちょっと空がのぞいて再びトンネルに入って、と、これを何回も繰り返した。後で地図を見て確認しようと思ったんだけど、考えたら昨日開通したばかりの道が地図に載ってるわけないじゃん、アホー。というわけで、何カ所のトンネルを抜けたかわかりません。あしからずご了承ください。まあとにかくトンネルだらけという事で。

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ようやくトンネルの連ちゃんから抜けたら出口だった。飛騨清見インターである。とんでもない高架道路をカーブして料金所まで行く。ここから飛騨道路?高山への有料道路が近道のようだが、これ以上有料道路は走れんので下道をいく事にする。料金所でお金を払う。事前にネットで調べていたので1000円とわかっているのだよ、1000円札を用意したら「500円です」何ですと? なんと、今は開通記念で半額なのだそうで、おいおい、それならそうと早く言ってよ! だったら行きも帰りも往復走れば良かったじゃん、くっそー、今度もう一回走ったる。

高速から降りて、見上げると、飛騨清見インターの高架具合がよくわかる。それにしても人間とはとんでもなくすごいものを造る生き物なのだなあ。あんな高いところにコンクリートと鉄骨の塊でよく造ったもんだなあ。

下道の158号線を走って高山市内に向かう。前を走るRVは、長い下り坂で反対車線が登坂車線と2車線になっているところを、自分の方の車線が2車線だと勘違いして平気で対向車線を走ってるので非常に危険だと判断して距離を取って走った。せせらぎ街道との分岐点を通過して、あいかわらずでかい真光の本部を横目に、高山市内に入った。

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時刻は9時半、予定より早いが昼飯にしよう。高山と言えばトランブルー。トランブルーのパンを食うのさ、腹一杯食うのさ、腹減ったので。店の前のいつもの位置にバイクを止めて、あれ、全然混んでないぞ。まだやってないのかと思ったらやってた。で、中に入ってパンを選んで買って、またしても店の前で食った。ええ歳こいたおっさんが店の前でパンを食い散らかしてる図はあまりみっともいいものではないが、この際、致し方ないという事で。食い終わったらもうちょっと食いたかったので、10分ぐらいしたら焼きたてができるとかいってたのでもう一回店に入って、食い過ぎになるかもしれんと思ったが、焼きたてのパンを買って食った。やはり食い過ぎた。思った通りの展開だった。この後、高山名物中華そばを食って帰る予定だったが、中華そばもう食えません。レインボーブリッジ封鎖できません。断腸の思いで断念するのであった。

あとはまっちゃんに味噌とわらび餅のお土産を買って帰ってきた。

汗だくだ。

 

本日の出費

ガソリン カード

温泉 700円

高速道路 500円

パンお茶など 1500円くらい

 

CB1300本日の走行距離 350キロくらい

CB1300累計の走行距離 33850キロくらいかなあ

 

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