深まる秋に奥飛騨安房越えて

10月13日(月)

2008年10月、サブプライムローン破綻を発端に始まったアメリカ経済の失速は、急速かつ深刻な株価暴落を招き、市場は混迷を極めることになった。そして、その市場に大きく依存する日本経済もまた、その影響から逃れることは不可避となり、某企業は時価で20兆円の損失を計上し、某保険会社は会社更生法の適用となり、金融不安は俄に広がりつつあるのだった。そして、遂に株価は何年ぶりかに8100円台まで暴落し、いよいよ、政府による景気対策が注目されることになるのであった。しかし、そんな危機的状況にありながらも、相変わらず政治家は政権のことしか考えておらず、もはやこの国の未来はお先真っ暗。この状況を打破するには、やはり国民一人一人の意識改革から始めなければならないだろう。自分ができることは何か、日本経済のためにできることはないか。そうだ! ツーリングに行こう! ツーリングに行けばガソリンを使う。ガソリンにはガソリン税がたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっぷり含まれてるから、その税金が道路工事、経済活性化の要となる公共工事の資金となり、ひいては日本のためになるではないか! ようし、ツーリングに行くのだ!

で、3連休最後の日に前から行きたかった坂巻温泉に行くことにした。5時半頃起きて、天気予報をチェック、問題なしだ。朝飯食って、準備して、皮ジャン上下、インナーは防寒のユニクロヒートテック2枚重ねで行くことにした。まちゃんは眠いから勝手にいけばあーと、ご飯だけやってまた寝てまったが、まあ、朝飯を用意してくれるだけでも感謝しんとな。

実家ガレージから約2ヶ月ぶりにCB1300を引っ張りだし、いざ、エンジン始動! きゅきゅきゅきゅきゅ。あれ? きゅ、きゅ、きゅ、きゅ。あれ? おかしいな、いつものきゅるきゅるずどーんと威勢のいい元気なエンジン始動が全く感じられんではないか。これはまさか、バッテリーが死にかけか? もう一度だ。きゅ、きゅ、きゅ‥‥沈黙。じゃーんじゃーじゃじゃーんじゃじゃじゃーじゃじゃんじゃじゃーん(葬送行進曲)まあ、4年半3万キロ走ってるからそろそろ寿命じゃないかとは思ってたんだけど、困ったな。仕方がないのでブースターケーブルで繋いで始動させることにした。シートを外してバッテリーを探すと、あれ? バッテリーないじゃん。最近のバイクはバッテリーがないのか? バッテリーがあるはずのところにエアクリーナーがある。うーむ、CB1000と同じ、いやそれ以上のポテンシャルを持ちながら、コンパクトで収納も多くなった分、他のところにしわ寄せが来ているのだな。なんと、バッテリーはエアクリナーの下にあった。かくれんぼしてんじゃないんだからさ。なんとか、ブースターケーブルを繋いでエンジン始動、チョークを引いて、何度も何度もセルをまわして、ようやくかかった。やれやれ、しばらくエンジンをまわして調子を見る。何とかなりそうだな。シートを戻して出発する。

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当初の予定を30分遅れて7時半出発となった。まずはいつものコスモ石油でガソリンを満タンにする。リッターは154円まで下がっていた。この調子でどんどん下がってほしいものだ。

ガソリン満タンでもう怖いものはないぞ。エンジンも調子を取り戻したし、一気に19号を走り抜けて、多治見から可児経由で248号線を走り、美濃加茂で41号線に合流するいつものルートで走っていく。天気もいいし、ヒートテックのおかげで全く寒くない。41号線を順調に北上し、いつも必ず現れるのろまな車も今日はいないようで、巡航速度をキープして走っていくのであった。

天気がいいのでバイクも多いが、今日は特にBMWが目立つな。しかもGシリーズの方が圧倒的に多い。柴田モータースさん儲かってまんなあ。足が長かったら、乗ってみたいバイクの1つだな。

前を走るスーパーカブに、下呂の手前で追いついたら、荷台の籠の後ろに「大型トレーラー運転手」と書いてあった。どういう意味なのかは不明です。ご本人の方。もしこれを見たら、どういう意味なのか教えてください。

飛騨金山を通過し、道の駅ピアチェーレも通過、どんどん走って、道の駅渚でトイレ休憩、カスタムハーレー軍団が止まっていた。ハーレーも多いよね。みんなお金持ちだよなあ。

トイレを済ませてさっさと出発。その先の美女街道への分岐で枝道にそれる。宮峠は絶対に走りたくないからなあ。某巨大掲示板の岐阜スレでも話題になっていたけど、やっぱりみんな走り辛いようなので、自分がヘボイだけかと思っていたけど、そうじゃないとわかってちょっと安心したよ。

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先を進むと、道の脇の田んぼにはコスモスが満開できれいだった。秋だね。写真など撮って、美女街道に入った。快調に飛ばしてトンネルを抜けると、158号線に入るのに、工事が終わって新しい道が通れるようになり、ちょっと変わっていて、そこで道に迷った。なんとかカンと度胸で158号線に入ることができたが、あの辺り今後は要注意だな。

158号線は観光客の車ばかりだ。他県ナンバーも多い。3連休で乗鞍に遊びに来たんだろう。三河、三重、大阪、さらに宮城までいたよ。ミニバンが多いが、後ろに布団を敷いている車もあったぞ。以前、うちにもミニバンがあったとき、それをやったことがあったよな。まっちゃん後ろの布団で寝てばっかりいた。はっきり言って失敗だった。あ、うるさくないから成功だったのか?

他県ナンバーのスローペースに合わせるわけにはいかないので、登坂車線で一気に抜き去る。スピードメーターが跳ね上がり、前傾姿勢をして駆け抜けるギュイーン! おお、しかし、そんな横をBMW2台が抜かしていきやがった。速い! さすがアウトバーンで鍛えられた足回りは違うぜ。

乗鞍手前まで行くと、ちょっとだが山は色づいていた。秋だねえ。思ったほど寒くないのでこの装備は正解だったな。さらに走って平湯峠を越える。極寒の平湯トンネルは今日はそれほど寒くなかった。峠を越えて平湯温泉郷に入る。この辺り最大の温泉施設、ひらゆの森も駐車場は既に満車、人気のほどが伺えるな。しかし、今日の目的地はさらに山奥なのだ。安房峠を越えるのに、トンネルを使うか旧道を走るか、交差点で止まってカンガルー。600円もするじゃん。高いじゃん。旧道を走ろう。即決で平湯を通り越して旧道の山道に進むのであった。

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結構なウネウネ山道で、600円払ってトンネルくぐった方がよかったかと後悔したが、高度を上げるにつれて、少しずつ赤くなり始めている峰が、実に美しい光景を見せているのであった。ああ、こっちを走ってよかった。写真を撮りたいが道が狭くてバイクが止められん

上り詰めたところで、峠の茶屋があった。閉店していた。ここはたしか、CBR750で来たことがあるぞ。マグカップをお土産に買ったんだよなあ。トンネルが出来て交通量が減ったから商売にならなくなったのかなあ。今は静かにたたずんでるのであった。

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山を下りて、ものすごいヘアピンカーブをいくつもこなしていくと、突然、車がいっぱい路上駐車しているところに出た。みんな山の方の写真を撮っている。酷いやつは三脚まで立てて撮ってる。お前等みんな通行のジャマだぞ。ちょっと周りを見ろ。こんな狭い、しかも急カーブが続く道で何やってんだ。モラルの低下はここにも見られるのであった。

そしたらその先に観光バスが止まっていた。げろげろ、どうなってんだここは! と思ったら、中の温泉だった。おお、これが噂に聞く、安房トンネル工事の影響で移転した温泉か。かなり大規模な建物で、新築できれいだった。観光客がいっぱいいて、商売繁盛な様子だ。ここもそのうちに来よう。

トンネルの出口と合流し、上高地への分岐点の交差点に差し掛かる。上高地方面の道は警備員が2名体制で防衛線を張っていた。今や上高地は選ばれたものしか訪れることが出来ない聖地となってしまったのだ。でも、別にそんなに行きたいと思わないんだけど。

交差点を曲がってトンネルをいくつかくぐると、いきなり坂巻温泉の看板、矢印がでていた。およよ、吃驚して急制動、そして建物の前にバイクを止める。が、かなり急な坂道になっているのでここにおいていくのは心配だな。まっすぐな所を探したが、ないようなので仕方ない、トンネルの近くに壁に寄せて止めた。ここが一番平っぽいからな。11時30分、約4時間かかって坂巻温泉到着。

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タオルを持って旅館に入る。誰もいない。インターフォンがあったので鳴らすとおっさんが出てきて、温泉に入りたいと告げると、500円です、露天は右手奥の階段降りて、内湯はほにゃらららら(何を言ってるかわからんかった)と愛想なしで説明してくれた。お金を払って、露天風呂に行く。廊下を歩いて一番突き当たりまで行くと、野天風呂の表示があった。なんだかお勝手口のような扉にサンダルが置いてある。本当にここかよ、と思いつつ、扉を開けると眼下に露天風呂が見えた。左手には分析表が掲示してある。温泉から出たらしい青年が何人かわいわいがやがやと階段を上って来る。「いま4人出ますから、空きますよ」そう言われる。タイミングよかったようだ。階段を下りると露天風呂の全ぼうが明らかになった。本当に野天風呂だ。簡単な棚に脱衣籠、後は岩風呂があるだけ。あたりの木々の落ち葉が浮いているのが、いかにも野天だ。風呂のまわりがびしょ濡れなので、靴下や皮パンを脱ぐのが大変だったが、なんとか籠に荷物を突っ込んで、いよいよ入る。おお、いい感じ、源泉温度が高いので、この前入った有名温泉みたいに寒くないぞ。底には砂利が敷き詰めてあるので気持ちいい。見晴らしも最高にいい。ちょうど紅葉の始まった木々を楽しみながら、まさしく天界気分満喫なのであった。そのうちみんな出て行ってしまったので、貸し切りになった。最高です。ひとりでぬくぬく、思う存分、景色とお湯を楽しんだのであった。長湯してのぼせるくらい入った。

そろそろ出よう。名残惜しいが腹も減ったしな。お湯から上がると、体を拭いて、革ジャン革パンを着るのが大変だったが、何とか装着完了し、温泉を後にした。フロントまで戻ったが誰もいないのでそのまま建物を出た。

バイクに戻って、エンジン始動、セルが元気よく廻ってちょっと安心。トンネルに挟まれた位置から安全確認をするのは難儀だったが、幸い、車通りが途切れたので発進した。さらに続くトンネルを抜け、奈川ダムで県道26号線に曲がる。先週、奈川新そば祭りでそばを食い損ねたので、今回はソバをご相伴にあずかろうという魂胆だったが、県道沿いのソバ屋さんはどこも満車、満員、外で客が待ってるところもあるくらいだ。うぐぐ、これはまたしてもガッチャマンめ、じゃなくて、またしても食い損ねるのか。

結局、奈川を通り過ぎてしまった。こうなったら19号まで出て、そこでなんか食うか。ペースを上げるぜ。フルスロットルでハングオンしながら無数のコーナーをトレースする。最高だぜ、誰にも俺に追いつけないぜ。そしたらかなり前にドライブインで止まっていたバイク2台が後ろに現れた。あれ、なんで追いつけるんだ? こんなに全開で走ってるのに、なぜだ! あ、俺が遅いのか。しかも、あっさりと抜かされました。横浜Cナンバーの荷物満載バイク2台! 帰りを急いで事故るなよ。

ようやく19号に出た。サークルKがあったので入って、そこでまたいつものパターン、パンと紅茶を買って飲んだ。まあいいか。ソバはまた今度にしよう。帰路につくことにする。

帰りの19号は、相変わらず渋滞が多かった。中津川恵那、そして多治見の渋滞は本当にうんざりだな。これからは19号で行って41号セ帰るようにした方がいいかもしれん。

帰ってきて、レーシングワールドにバッテリーを見に行ったら32800円もした。困ったな。

 

本日の出費

温泉 500円

パン紅茶 105円140円

ガソリン カード

本日のCB1300の走行距離 370キロくらい

累計のCB1300の走行距離 37500キロくらい

 

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