季節外れの陽気は岐阜大野

2月15日(日)

これまでの経験によれば2月は1年で最も寒い月である。その証拠に、これまでのツーレポを振り返ってみれば、完全防寒装備レベル5のクシタニツーリングワンピースでも出撃は2月が圧倒的に多いのである。(3月も使ったことあるけど)なのに、なのに、何なんだこの今年の2月の異常さは。寒かったり暖かかったり、この寒暖の差の激しさは人間の体温調整に大きな影響を与えるゆえに、インフレエンザも大流行だ。そして、この週末、気温予想は何と20度近い異常事態、真冬の2月に春が来た、いよいよ世界も終末を迎える天変地異が未曾有の惨劇を人類に襲いかかるのも時間の問題のようだ。しかし、元々ライダーは刹那的な生き物なので、とりあえず暖かいならツーリングに行こうかと全く緊張感ねーな

さて、今回の目的地だが、ちぇーんじういかんが本年のテーマであるからには常に新しい温泉を開拓せねばならんのである。その意味で、いくつか候補に挙がっているうちに特に興味がある温泉が内海にある白砂の湯だ。この温泉、かつては入浴500円くらいだったかな、よく海水浴の後に利用していて気に入っていたんだが、大々的に改装してもの凄い立派なテッコンキンクリート(涙ものの親父ギャクっていうかすでに死語の世界)の建物になって、それはそれでめでたいことなんだが、何と入浴料金1200円になってた。1200円だぞ、1200円、ざけんなよ、なんちゅう価格設定、ビンボー人は海岸でスイカ割ってろってことかい、と逆上的怒りに任せて存在を無視する暴挙に出た訳なんだなあ、若い頃は融通がきかんからいかん。で、時は流れ、某サイトからの情報で今は入浴料750円、裏技使って700円ですぜ、へっへっへ、これはもうイカナイカナイカン(byアサヒドーカメラ)と浮かれていたら温泉大明神machikane氏からさらにレアな情報が、なんと「温泉博士」なる情報誌で無料で入浴できるというのだ! 450円の雑誌で700円がタダだ、くっくっく、おぬしも相当の悪党よのお、早速買いに行こう、と思ってハタと気がついた。前もこんな感じで「酷道を行く」だったか「廃道を行く」だったか、近所の本屋になくて結局名古屋駅の名鉄百貨店でやっと見つけたという難儀な事態になるのは回避したいので、その時、こんな大変ならアマゾンで買えばよかったとつくづく思って、今回はその作戦で行こう。ちょうど2月で有効期限が切れる楽天ポイントがあるのでそれを使って楽天ブックで買おう、早速注文、これで週末までには届いて、温泉パラダーイッスだぜ! オレってあったまいいー

が。

土曜日になっても温泉博士は全然届かん。どないなってんじゃい、楽天ブック! 今時通販で買った品物は翌日到着するのが当たり前だのセサミハイチだぞ。この不景気な時代に黒字だからっていい気になるんじゃねーぞコラ。おのれはマノク商事か(注;マノク商事とは、筆者が小学生時代に通販でモデルガンを買ったら届くのに3週間かかったというとんでもないところ、って誰も知らねーよそんなとこ)

まあ、こんなことになってしまっては仕方がない、作戦を練り直しだ。とりあえず、雑誌がこなければ無料券がないので白砂の湯はお金を払わないかんことになり、それはちょっと面白くないから、白砂は温泉博士が来てからにして、今回はほかの温泉に行こう。どこへ行こう。土曜の夜に切羽詰まってネットで検索、当然、刈谷発の温泉データベース地図バージョンでの検索をかけると、大野温泉なる聞いたことない温泉を発見した。これはいったいどんな温泉なのか、ググっても大した情報が手に入らない。これはもはや自分の目で確かめろ(byマトリックス)ということなのか。ならば行かねばなるまい。

ということで、1524文字の史上最長の前置きで今回のツーリングは幕を開けるのであった。やれやれ。

当日は最高気温が16度の予想まさしく春の陽気、それでも一応、装備は冬型で行くことにした。バイクは外気に直にさらされる以上、体感気温はデータよりも下がるから、油断した服装ではエラいことになるとも限らんからな。暑けりゃ脱げばよし。いつも通りのモーニングコーヒーを実家で飲んで、桃太郎(雄猫6ヶ月)と戯れてから出発した。おっと、いい忘れたが、今回も出撃はFTRだ。CBはまだドッグ入り中です。

19号線からいつものコスモ石油でガソリン満タン、120キロで3リットル、相変わらずな低燃費、でも排気量と馬力から考えると1300対223なんで、燃費は5倍よくないといかんはずなんだが、その計算だとリッター100キロになり、そんなに走るのはスーパーカブくらいだという結論で落ち着いた。

ガソリンスタンドを出て、155号線を小牧方面に向かう。いつもの2月のような刺すような空気の冷たさはなく暖かい。順調に走って、NGK、DICなどお大手の工場の中を抜けて41号線に交差する。交差点にあった高額外車専門店のトウメイモータースが規模の縮小が続いていたが、ついに店じまいしちゃったみたいで、車が全然なくなってた。やはり、このご時世は高額高給車は売れないよなー、でもフェラーリは業績が良いらしいんだけど。トヨタも見習ったらどう? その1階の輸入ショップの前ではカップルが熱い抱擁をしてた。うーむ、若いねー。

41号線を越えてどんどん進んで、一宮市に入る。タマゴ型のけったいな建物は相変わらずの健在で、相変わらず何の建物なのかわからんな。その先の交差点が、道路の拡張工事をしていて、どうやら右折渋滞解消のための専用レーン建築工事のようで、右折待ち渋滞って確かにイライラするからな。改善されるのは歓迎だ。

22号線まで来た。本当はこんな高速巡航の幹線道路をFTRで走るのは気が進まんのだが、このところこの道を走ってないので、たまにはいいか。一番左の車線をおとなしく走るのであった。最近とんと見かけなくなったステーキのあさくまがまだ健在だったのに驚いた。レストラン松葉もまだ健在だった。どう見ても昭和初期の風情が残るドライブインもまだ健在だった。栄枯盛衰のこの時代に、まだまだ生き残る強者はいるのだ。見習わなければ。

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22号線から21号線に入る。極めて順調、暖かいし、気持ちいい。この天気だからバイクも多いぞ。ハーレー、ドカティ、SRXなど、オフロードバイクの集団も見かけた。

木曽川長良川を渡ったところで、県道23号線に曲がる。その交差点には交通事故の情報提供を呼びかける立て看板があったが、事故(もめごと)と書いてあったのが面白かった。いや、おもしろがってちゃいけないんだろうけど、もうちょっと書きようがあたんじゃないかとも思うんですけど。

県道23号線はやがて国道157号線になり、し尿処理が追いつかなかったモレラ岐阜が見えてきた。その手前で国道303号線に曲がる。ここからがちょっとわかりにくいのだが、目印になるパナソニックの工場が見えてきたので、適当なところで曲がった。そしたら思ったより細い道で、うねうね走っていったら、廃線の横に出た。おお、これはひょっとして、とバイクを止めて地図を確認する。今回は道に迷わないように、大野温泉のホームページからアクセス地図を印刷して持ってきたのだ。それによると、線路の掲載はない。しかし、ツーリングマップルには載っている。当然だわな、2002年度版だもんな。この線路は平成17年に廃止された、すなわち、2005年だな。だから2002年度版には掲載されているが、最新のアクセスマップには掲載されていないのだ。これが事件の真相です。

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印刷したアクセスマップには看板があるようなことが書かれていたので、そっちの方に走って行くと、果たして、おおきな大野温泉の看板があった。よっしゃー、あとは案内通りに行くだけさ。3度目の正直だぜ、これまでのような道に迷った道に迷ったを繰り返さないのだ。

案内板の先には、だだっ広い田んぼ畑の中、ボロッちい建物があった。ちょうど、西部警察のクライマックスで犯人グループと大門軍団がバンバン撃合いをするようなアングラな建物だったが、それが温泉だった。とりあえず、いい味出てるような気はする。いきなり第2駐車場と書いてあるんだけど、建物の目の前が第2駐車場って、第1はどこよ? バイクを駐輪場に止めて建物の方に歩いて行く。入り口には妙にモダンでこぎれいな「大野温泉」の看板があり、ここがやっぱり温泉であることを物語っている。どう考えても西部警察のクライマックスで爆破されそうな建物なんだが。

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中に入ると、温泉というより、公民館か体育館のノリの学校の下駄箱みたいな下駄箱があって、ブーツは当然入らないので上に乗せ、その隣にある発券機で500円入浴券を買った。それを持って中の受付に行こうとしたら、下駄箱の横にでかい温泉分析表があったのでチェック。本当にここでわき出してる温泉なのかよくわからんが、とりあえず、白湯ではないようだ。表にタンクローリー車が止まってるんだけどさ。

受付で券を渡すと男湯へ。暖簾をくぐって脱衣場に入った。温泉というよりプールのそれに近い脱衣所で、まあ、プールも併設しているから当然なんだろうけど、今は温泉風呂のみなんで、でも、500円でプールも温泉も入れるのは安いのかなあ。夏休みは子供でごった返しそうだな。ロッカーキーははじめからついている無料タイプで、大きさは並。荷物を突っ込んでお風呂場へ移動する。

内湯はそこそこの規模だった。客もちらほら、きっと地元の人たちなんだろう、お風呂セットをブラブラさせてる。入って左側の洗い場で体を洗って、奥の内湯にまず入った。熱めなお湯だったので、入るのにちょっと我慢が必要だったが、やがて体が温度に慣れるとぷはーと天界天界なのであった。でもちょっと消毒臭いかな。内湯で暖まったので露天風呂へ移動した。周りが田んぼばかりだからか、囲いはあるものの、背が低いので圧迫感はない。上を見たら青い空なのが気持ちいい。でもちょっとお湯が熱い。あまり長湯は出来ない。出来ないが入ったりで足りを繰り返して最後にもう一度内湯に入ってから出た。

脱衣所で扇風機にあたってクールダウン、服を着てホールに出る。意外に広くて使い勝手が良さげな休憩スペースがあるのでそこでちょっと休んだ。

さて、お昼をどうするか、食堂があるが、メニューが見えないので値段がわからない。うどん800円とかとんでもない価格設定だと困るのでやめて建物を後にした。

帰り道には牛丼の吉野家があるので、そこで昼飯にしようと思い、来た道を戻る。が、走っているうちに、なぜかコロッケパンが無性に食いたくなって、吉野家はやめてコンビニに入った。そこで牛肉コロッケパンとお茶を買って、駐車場の縁石の上に座って食った。うまかった。暖かいのがいよいよ暑いくらいになってきたので、そろそろ帰ることにしよう。

で、ちょっと大回りして帰ってきた。

本日の出費

温泉 500円

コロッケパン 135円

お茶 137円

本日のFTRの走行距離 105キロくらい

累計のFTRの走行距離 9500キロくらい

 

 

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