春の陽気の41号飛騨小坂

3月14日(日)

気がついたら3月も半ばだった。前回のツーリングからのブランクは実に約3週間、いや、別に約じゃないんだけどさ、とにかく新車が納車されたのにブランク3週間って異常事態でしょ、フツーならツーレポの書き出しはこんな感じだよ。『あわわうああ、ダ、ダメだもう我慢できん、切れそうだ、なあ、頼むよ、バ、バイク乗らせてくれよ、頼むよ、金はあんのか? ねえよ、でも絶対用意するからよお、ちょっとでいんだ頼むよ、バカヤロー、サツにバレたらどうすんだ、でけえ声出すんじゃねえ、って変な薬じゃないんだから、って言うくらいの大変な3週間だったよ、毎日毎日うなされてさ、バイク乗りたいのに乗れないゴーモンだよ。先週はクソ雨のせいで乗れず、先々週はコミュファの工事で乗れず、おれってなんて不幸なんだーもうヤダねこんな人生』まあ、こんな展開になるわけだ。で、我侭な事言ってるもんだから当然アイツがお出ましになるわけだよ。『ふぉーっふぉっふぉっ、そその声は老師様! そうじゃな、おぬしは本当に不幸よのう、バイクに乗れん、不幸じゃのう、ちまたにはバイクに乗るどころか、欲しくても買えん人がそりゃー大勢いるがのう、そんな事は考えんでもいいんじゃぞ。おぬしは不幸じゃのう。本当に不幸じゃ。うわわわー老師様私が悪うございましたー』これではまったく進歩のない展開だ。今回は違うぜ。なんせSS宣言したんだからな。スーパースカタンじゃないって言ってるじゃん、何度も言わせないでちょーだい。スーパースローなんだよ。ゆっくりだよ。要するによゆーなわけだ。2010年の合い言葉は『よゆー』ですよ。余裕の優ちゃんですよ。

というわけで、3週間振りにツーリングに行くのであった。目的地は温泉博士でしみずの湯、ここしばらく、飛騨方面は天候が荒れ模様で、雪雪雪、バイクお断り門前払いな状況で、なんせマフラー交換したばかりのCB1300で雪解け水の中を走ってしまった経験がちょっとトラウマになってるんで、まさか新車のCBRを雪解け水に突っ込ませたりしたら、そりゃあもう首チョンパですよって古っ、古過ぎっ。で、事前の調査を十二分に行った上で、最終的な判断がくだされた。決行である。ライブカメラでは宮峠付近は残雪があるようなので高山まで行くのは無理だろうが、その手前の飛騨小坂くらいなら大丈夫だろう。ゆえに、しみずの湯までなら大丈夫と言う方程式が成立するのだ。うーむ、実に美しい。数学とは理論整然とした無駄のない結論への道筋である。

さて、当日の天気予報を見るとなんと、事もあろうに快晴最高気温17度、こりゃあまさしくツーリングに行きなさいと言わんばかりの天気。前日の土曜日はハッキリしない天気だったので、こりゃどうなるかと心配したのが無用の長物だったようだ。さて、こうなると装備が問題である。着込んでいったら暑いかもしれんが、かといってもし寒かったらヤバい、時系列天気予報を参照すると、やはり、午前中は5度から10度くらいのようなので、いつも通りの冬装備で行く事にした。もし暑かったら脱げばいいさ。脱いだものをどうするかは、まあ、その時に考えよう。明日は明日の風が吹く。

準備万端で実家ガレージからCBR600RR/ABSを引っ張り出す。軽いなー。ホント軽い。でも取り回しはやりにくいので道路の真ん中くらいまで出して切り返ししないかんかった。狭いくせに交通量が多い実家の道路ではあまりやりたくないんだが、致し方ない。エンジンは一発始動。高らかなエンジン音を響かせて暖機運転を済ませると、出発進行である。時刻は7時半くらい。しみずの湯が開店が10時半なんで、3時間くらいで丁度着く作戦だ。カンペキだな。3週間振りなんで、初めて乗った時みたいにヘッピリになってエンストしまくるかと思ったら、人間の副交感神経と言うものは実に優秀で、脳みそが感覚を覚えていなくても、体はしっかり覚えてるんだね。クラッチのつなぐ具合とアクセルのひねる具合、ばっちしでまったく問題ない。ポジションも、何じゃこの腕立て伏せ状態! とまたカルチャーショックを再現するかと思いきや、すぐに馴染んでしまった。

まずはガソリン給油である。いつもの19号のコスモ石油にバイクを止めて、ハイオク満タンにする。ちなみに132円、170キロ走って9リットルちょっと入った。およよ、リッター20キロ切ったな。いよいよSSの本領発揮になってきたようだ。

ガソリン満タンで19号に戻ると、多治見に向かう。天気は快晴、カンペキに快晴、雲一つない青空。でもまたちょっと寒い。まあ、寒いと言っても電光掲示板の温度表示は4、5どなんで極寒の頃に比べればマシではある。冬装備で正解だな、オレってあったま良いーなんて自画自賛しつつ、内津峠を越えて多治見に入る。ちなみにまだ慣らし期間なんで、巡航速度がイコール制限速度、当然ガンガン抜かされてます。ZZR1400とかGSX-R1100とかドカに抜かされるのは仕方がないにしても、APEに抜かされたときはちょっとショックでした。しかも、交差点でAPEに追いついて、信号が青になって発進の時、何を緊張したのか、エンストしそうになって、アクセル煽ってしまい、ブォーンと実に不自然になってしまったが、APE氏は気がついただろうか。コイツ、へったっピーなんて思われたんじゃないかと思うと夜も寝られません。元世界チャンピオンの竹原さんに人生相談したほうがいいだろうか。

248号線は、いつもならバイパスをカッ飛んでいくんだが、なんせ慣らしなんで、カッ飛べないから旧道を走っていく。マグドナルドがあったのでコーヒーブレイクタイムにしようかとも思ったが、ちょっと早すぎないかえ? ということで次のマグドナルドが現れたらにしようと思った。でも、この先、マグドナルドはなかったでした。

川辺で41号線に合流する。41号線の美濃渋滞回避バイパス路線の高架の工事は、久しぶりに来たと言うのに全然進行したいなかった。やっぱ不景気だからか。年度末なんだからもっと大々的に工事してるかと思ったんだが、ちょっとしんみりしちゃってる感じ。

さて、41号線である。制限速度60キロだが、そんなのは表向きな話で、みなさん当然ピー(自主規制)キロくらいで走ってるわけなんですが、なんせ慣らしなんで、制限速度で走ってたら、もうね、目の敵みたいにガンガン抜かされますよ。そりゃあね、遅いですよ、どう考えても遅い、でもね、もうちょっと愛があってもいいんじゃないのか? 本当にこんな大波必要なのか? ぽちゃん。うん、これくらいで十分なんじゃないのか? フツーならくそったれとなるところだろうが、2010年の合い言葉は「よゆー」ということで、どうぞどうぞ、急ぐ方はどうぞ、お先にどうぞ、いやー、オレっておっとなーと自画自賛なのであった。なんか自画自賛ばっか。

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七宗の道の駅でトイレ休憩する。川沿いの遊歩道には梅が咲いていた。梅は咲いたかーさくらーはまだかないな、ぽん。トイレの手を洗った後の温風で乾かす機械の温風で、かじかんだ指先の感覚が戻ってきた。なるほど、こういう使い方もあるのだ。道の駅を後にして、ここから山岳地帯に入ったら寒い、寒い寒いぞ。何ちゅー寒さ。最高気温だけで軽装にしてたら、部隊はここで全滅していたぞ。なんにしても備えあれば憂い無しだな。

あんまり寒いんで、白川のサークルKでなんか暖かいものを飲む事にした。ホットドリンクのコーナーを見たら、いまテレビでCMしてるジョージアの缶コーヒーがあって、それが安かったので買った。飲んだら、こりゃうまいぞ。これお気に入りにしておこう。日当りのいいところで暖まりつつコーヒーを飲んで体温を回復したら出発だ。以前、ここに来た時に工事中で完全に足場でおおわれていた橋が、きれいにペンキ塗り替えで新築みたいに変わっていた。

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そこから相変わらずの制限速度慣らしモードで走って、トラックやら営業車やら軽自動車やらに抜かされながら、進んでいく。ここまで来ても辺りに残雪は見当たらず、心配は杞憂であったようだ。風が多少出てきたが、それほど気になる強さでもない。もっとも心配された花粉症もまだ始まる気配もない。ラッキーじゃん。ドライブイン飛山で2回目の休憩しようと思ってたら、ちょっと特異な美的センスをお持ちの一団が集会を開いていらっしゃったので、これはまずいと通過した。

こうして、順調にしみずの湯までやってきた。41号線から大きな看板のある枝道に入ってすぐ、しみずの湯に着いた。駐車場はまだガラガラだが、気の早いお客さんが何人か来ていて、車の中で待っている。開店までまだちょっと時間があるのでゆっくり温泉セットを出した。温泉セットは、このCBR600RR/ABSのためにオーダーされた「パンツのゴムひも作戦仕様」だ。説明しよう、CBR600RR/ABSには荷物を載せるスペースがない。荷掛けフックも左右1カ所しかないのでツーリングネットさえ使えない。積載するためのバックを固定するのは、リアシートを外してベルト固定するタイプしか使えないのだ。そこで、この作戦はその方法を逆手に取り、リアシートにパンツにゴムをリング状にしたものを取付け、巾着袋をそのゴムで固定する、いわばコロンブスのタマゴ的発想で編み出された作戦なのだ。これで、大掛かりなシートバックを用意しなくても、日帰りツーリング程度の荷物は積載できるわけだ。ちなみに、巾着袋も専用の温泉仕様特別バージジョンがフルオーダーで用意された。カンペキだな、うーわははははは。

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ヘルメットをロックで繋いでから建物の方に行く。丁度開店時間になったようで、館内放送の音楽が始まった。玄関をくぐると、ブーツを脱いで上がる。やたらと「下駄箱の鍵を受付に持ってきてください」と書かれた紙が掲示してるんだけど、そんなにみなさん下駄箱の鍵をかけないのであろうか。ブーツを持って下駄箱に入れようとすると、ああ、そうだった、ここは背の高い下駄箱がないのだ。仕方がないので2つの下駄箱に一足ずつ入れて、鍵を2本もって2階の受付まで行った。

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受付で温泉博士にハンコをもらい、下駄箱の鍵を渡すと「ブーツですか?」と言われたので「ハイ」と答えてロッカーの鍵を1つもらった。男湯の方に移動して、脱衣所に入って指定されたロッカーのところに行った。縦長のロッカーだが、中にはハンガーがないので革ジャンが吊るせないからこの縦長の意味が全然ないような気がするんだが。荷物を突っ込んでお風呂に行く。体を洗ってお湯に浸かると気持ちええー。冷えた体が暖まるわい。天界天界。

温泉を出たら飯である。実はここの玄関に特製しみずの湯カレーが完成して特別価格500円となっていたので食おうと思っていたのだが、温泉から出たら暑い、外も気温がいよいよ上昇してきて暖かい、この状況でカレーを食って汗をかいて走ったら、それが原因で急激な温度低下、そして風邪引いてダウンなんて事が起きたらエラい事だ。そして、今日の晩飯がカレーだったりしたら目も当てられんぞ。シャレにならん。と言う事でやめた。

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温泉を後にして、あまりに天気もいいし暖かいので道の駅渚まで足を伸ばした。この気候なら高山辺りまで行っても大丈夫なようだったが、このバイクで宮峠のキョーフのでこぼこ道を越す勇気がなかったのでここで引き返す事にした。ちなみに、気温は13度と表示されていた。暖かいなー。ようやく春がやってきたよ。これからバンバン走れるな。

来た道を戻り、途中、サークルKでパンを買って食った。それから道の駅白川でお土産の鶏ちゃん味噌味を買った。この鶏ちゃんも、温泉セット巾着袋にぴったり入るのだ。パンツのゴムでしっかり止めたら万全だぜ。ベンチに座ってちょっと休憩、ちなみにバイクは他に、BMW、トライアンフ、ハーレー、Kawasakiゼファー、VFR、ゴールドウィングサイドカーなど、この暖かさにつられてみなさん出てきてます。でもやっぱりおっさんばっかりです。

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ここまできて、走行距離が累計500キロを超えたので、エンジンはもうちょっと回してもいいかな、ということで、ここからは少しピー(自主規制)キロまで速度設定を上げまして、帰って来た。いやー、まだタコメーターの下の方しか使ってないけど、それでもうすでにこのパワー、末恐ろしいマシンだぜ。かなり体も馴染んできたし、これまでは乗せられていた感じだが、ちょっと乗れてこれたかな。とにかく、コーナーがすごく安心して曲がれる。フツーにすーっと曲がれる、こりゃすごい。腕が上がったと勘違いしそう。それくらい曲がれる。実に楽しい。

で、家に帰ったらまっちゃんが一言「そういえば、今日はホワイトデーだけど?」げ、やばい。何にも用意してなかった。どどどどうしよう。あ、そうだ「鶏ちゃん買ってきたよ」「ホントだ、やった!」めでたしめでたし。

本日の出費

缶コーヒー 103円2本

パン 105円

鶏ちゃん 360円2個

本日のCBR600RR/ABSの走行距離 265キロ

累計のCBR600RR/ABSの走行距離 570キロ 慣らし終了まであと430キロ

 

 

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