博士は無料文化遺産的温泉の浅間

6月12日(土)

暑くなってきたぜ! マジ、急激に暑くなってきたなオイ。我が家はどいつもこいつも寒がりの低血圧ぞろいだもんで、いまだ居間にはこたつが鎮座してたんだが、遂に撤退していただく事になった。通年、ゴールデンウィークの頃に撤退するんだが、今年はホント、寒い日がいつまでもあったよな。暑くなったり寒くなったり、まさしく異常気象だぞ。デイアフタートモローみたいになる前に、ツーリングに行くぜ。だれにもおれを止められないぜえ。

ということで、週末の天気予報は土曜日が行楽日和というので、ツーリングは土曜日に行く事にした。週の半ばに不良品を1万個ほど造っちまったんで、また納期が間に合わんとか言われて土曜出勤になったらどうしようとビビりながら週末を迎えたのであったが、出勤要請はなく、無事、お休みとなった。もし休日出勤なんて言われたら、別の意味で終末だったな。

で、目的地なんだが、不作の今月温泉博士の中で、唯一、こりゃ行かないかんぜよと竜馬ばりに言わせる温泉があった。それが浅間温泉琵琶の湯だ。その歴史何と400年! 北斗神拳の歴史は3000年だからそれには及ばんが、400年前に松本城主が建築した温泉旅館らしい。そんな温泉に無料で入れるなら、行かないわけにはいかないのであった。グーグル地図でルート検索すると、下道で片道177キロ。日帰り圏内だ。所要時間は約5時間、朝6時出発11時着、12時に向こうを出れば17時に戻って来られる作戦。うーむ、これはパーペキである。(パーペキとは、パーフェクトに完璧、の略語で、昔の上司の口癖)

さて、当日、4時半くらいに起きちまって、5時にはネットの気象庁のサイトで天気予報を確認すと、最高気温が30度だ。これはもう、メッシュレザーが出番でしょう。先週のCBR600のツーリングでフルの革ジャンを着ていったら死にそうに暑かったんで、もう次はメッシュだなと思ってはいたが、なんせメッシュは時期を誤ると死ぬほど寒い。なんせ基本は梅雨明けから出番がセオリーで、そういう意味ではまだ早い、四字熟語で時期尚早。ちなみに「じきしょうそう」と読む。三省堂国語辞典第二版参照。ちなみに「さんせいどう」と読む。しかし、フルレザーの限界気温は25度、最低気温が22、3度ならもう間違いなメッシュで行かないと、フルレザーでは脱水症状を経験するはめにならんとも言えん。ここは迷わず、メッシュで行く事にした。ただし、朝は寒いのでそれは我慢しなければならん。

そんなこんなで、朝飯を食ってメッシュレザーでバッチリ決めたら実家ガレージに移動、CB1300スーパーブラックパール君を引っ張り出すとエンジン始動、モリワキサウンドを響かせるであった。某サイトで話になってた排気漏れ、ちょっと心配になってマフラーのつなぎ目を確認する。なんせ素人のつけたマフラーだからさ。しかし、それらしいところはなかったので安心した。

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予定よりちょっと遅れて出発する。まずはコスモ石油でガソリン満タン、260キロくらい走って12リットルくらい入った。長距離を走るとやっぱり伸びるな。カードをレシートを取って、さあ行くべと思いつつ、ちらっとレシートを見たら6783円と印刷してあった。6783円だと! マジかよ! なんで12リットルでそんな価格になるんだ!? リッター500円以上するじゃん! マズいぞ、こんなにガソリンが高くなったら、もうツーリングに行けんじゃんと思ったら、前に給油した人がレシート取り忘れたみたい。まったく人騒がせなヤツだぜ。もう1枚あって、そっちはちゃんと1519円だった。リッター128円、なんか、えらく安く感じるな。

19号線に出て、多治見方面に走り出す。思ったとおり、ちょっと寒い。寒いのは想定内だが、それより何でこんなに天気が悪いんだ。時系列天気予報は晴れマークばっかだったぞ。だというのに、見あげればなんだか雲行き怪しい雲が空を覆っているのであった。局地的に天気が悪くなって、まるで夕立が来るような雰囲気なのだ。いや、夕立は夕方に来るから夕立で、今はまだ朝だから、夕立じゃなくて、あさだ‥‥ぴーーーーーーーー(自主規制)だな。

しかし、土岐を過ぎて瑞浪に入った頃には青空が回復してきた。これで一安心だな。しかし、道路脇の電光掲示板は温度表示が20度前後で、ビミョーな気温、メッシュではちょっと寒いのであった。寒いのだが我慢して走るのであった。我慢して走るのでペースはちょっと遅めなのであった。後ろからスゴい勢いで走ってきたミニバンがいたので道を譲ったら、運転手はサングラスといい髪型といい、フィンガー5のアキラ君みたいだった。アキラ君は制限速度を遥かに超えるスッゲー高速で突っ走って行くのであったが、前が詰まってきて結局タラタラ一緒に進むしかないのであった。

恵那に入って、いつものマグドナルドでモーニングコーヒーを飲もうとしたが、毎回同じマグドナルドでは芸がないので、今日は中津川のマグドナルドにしようと思ってそこはパス、どんどん先に進む。MGのオープンカーが走ってて、運転手はかっちょええ白髪のじーさんだった。でらダンディじゃん。ああいうじーさんになりたいもんだ。オレも年を食ったらオープンカーに乗るんだ。その後もよくオープンカーを見かけた。それもちょっと古いのばっかり。ロータススーパーセブンとか、Z以前のフェアレディとか、どこかで旧車のオフ会でもあるのだろうか。

とかなんとか言ってるうちに、中津川のマグドナルドまで来た。さあ、モーニングコーヒーだと思ったら、マグドナルドは足場が組まれて工事の幕がかかってた。「ドライブスルーは営業中」とデッカい看板があった。ドライブスルーでコーヒーだけ頼むんかい、ってそれ以前にバイクでドライブスルーって聞いたことないわい。

モーニングコーヒーの夢破れてサンガリア、仕方がないのでセブンイレブンに寄って缶コーヒーを買って飲んだ。この時期になると、ホットドリンクの品揃えがないんだよなー。もうちっと暑くなると、冷たいのを飲むようになるから問題ないんだが。まったくもって6月は中途半端な月だ。

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セブンイレブンを後にして、19号をどんどん進んで行く。山岳地帯で日影に入るとでーらー寒いでかんわ。やばいなー、これほど寒いとは、やっぱりフルレザーで来た方が良かったかなあ。なんてったって、今日はパンツもシルキードライのメッシュ、通気性はすこぶる全開、ホントに最高気温30度になるんかいなと心配していたが、木曽路を抜けて塩尻に近づく頃には、急速に気温が上昇し、だんだん寒さが和らいできた。塩尻の手前でトイレ休憩で道の駅に寄った。バイクに戻ったら、隣にミニバンが止まっていて、後ろの座席から身を乗り出してガキが2人、こっちをじっーと見てた。なにガンつけてんだよ、このクソガキがと大人げなく睨み返してやったら、手を振って「気をつけてねー」と言われた。うっ、なんて良い子なんだ。大人げない対応した自分が恥ずかしい。手を振り返したかったが、片手運転で転びそうになるとヤバいので、ホーンを鳴らしてかっこよく走り去るのであった。今頃きっと少年たちは、ボクも大人になったらあんなかっこいいライダーになるんだ! と誓っているに違いない。

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塩尻に入った頃には丁度いい気温になってきた。こうなると、やっぱりメッシュで来て正解じゃん。オレってあったま良いーとS&B納得のカレーなのであった。納得のカレーおいしいよね。安いし。塩尻は高出の交差点で左に曲がって更に19号を進んで行く。ちなみに、この道を直進して国道20号に進むと、あの忌まわしい角材乗り上げ事件の現場である。恐ろしい、あの思い出すのもはばかられる惨劇の現場なのだ。あー、でもアレからはじめてだよなこっち方面、もう1年くらい経っちまったんだ。早いなーホント月日の経つのは早い。

塩尻から松本までの19号線は、街の中なんでいろんな店が並んでて賑やかしい。サイゼリアやガストやすき家があったので、昼飯は選び放題だな。毎回毎回コンビニでは面白くないから、たまにはちゃんとしたもの食おう。でも長野なんだからやっぱりそばだよな。そば屋さんも何軒かあったので、温泉に入ったらそば屋で昼飯にしよう。

松本市街に入り、交通量が増えて流れが悪くなってきた。そんな中、そろそろ正確な場所を確認しないといかんので、どこかコンビニでも止まろうかと思いつつ、どんどん進んでしまっていると、浅間温泉美ヶ原温泉の案内看板を発見、なんだ、地図なんか確認しなくても行けるじゃん。この案内看板通りに行けば浅間温泉に着くぜ。というわけで、地図見るのやめてどんどん進んで行くのであった。何と言っても地図見るのが嫌いと言うか、メンドーなんでさ。っていうか、バイクに乗ってると止まるのがメンドーだよな。

案内通りに進むと、さすがに長野県の主要大都市だけあって、西友もあるし、イトーヨーカドーもあるし、ジャスコもあった。で、ジャスコのペットネームはカタクラモールだった。カタクラモールってなんかスゴいネーミングだな。土地の名前なんだろうけど、あまりにストレート、もうちょっとチャラチャラしたネーミングにしても良かったと思うんだけど。しかも、キャッチコピーの「ジャスコと55のグッドショップ」グッドショップってまんまやん。もうチョットひねりの効いた言葉がなかったもんかねえ。まあ、いらんお世話の焼き団子ですね。

さて、都市部で気温も上昇してきて、だんだん丁度いい温度から暑くなってきた。暑くなってきたのでそろそろ温泉に着いてまわんと困るなあと思っていたら、案内表示のとおり右折したところに「浅間温泉」のでかい歓迎看板がでーんと出現、おお、こういうのがあると温泉街な感じがいやがおうにも盛り上がるじゃん。あと琵琶の湯を探すだけだな。こればかりは地図を見ないかんかなあと思いつつ、前の車が曲がって行くのでつられてそっちに曲がったら、目の前に琵琶の湯300メートルの表示があった。なんか今日はとてもついてるな。止まらんでもわかるじゃん。ラッキー。そっちの方に曲がって行ったら、フツーに住宅地だった。マジか、ホントにこっちでいいんか。これはいかなことにもおかしいだろ。こんなんウチの近所と同じじゃん。こんな生活感あふれる土地に400年の歴史を持つ松本城主が造った歴史的文化的にも価値ある温泉旅館あるんかよ。半信半疑で細い住宅路を進んで行くと、琵琶の湯があった。着いたのだ。

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まったくの住宅街にこつ然と出現する温泉旅館、もうちょっと温泉街らしいのを想像していたんだが、イメージ違った。でも着いたんだからまあいいや。駐車場にバイクを入れようとしたら、未舗装砂利だった。げろげろー、なんせ生まれてはじめての北海道ツーリング恐怖の悪路三国峠越えCBR750走破以来、砂利道にはトラウマがあってのう、バイクで入りたくないんだが、他に止めるところがないので、なるべく入口付近に止めた。やれやれ。シート下から温泉セットを出して、いよいよ、文化遺産的歴史的温泉に向かうのであった。

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おおお、いきなり正面に立派な門構え、まるでバビロンの城門のようではないか。ここをくぐって入るのだなと思ったら、その手前、左に受付があった。じゃあこの大げさな城門は何なんだ。歴史の重みを感じさせる横開きの戸をガラガラと開けて中に入ると、受付の女の人が、こちらから下駄箱の方から上がって下さいというのでそこでブーツを脱いで上がった。下駄箱にはロングブーツ用の背の高いところもあったが、それでも入らなかったので一番上に乗せた。そして受付で温泉博士を出してハンコをもらい、温泉はあちらの奥です、ごゆっくりと言われて受付と反対方向、玄関から入って左に進む。すぐに大きな窓から中庭がのぞけて、そこにはそれは見事な松の木があった。それはそれは立派な松、ほれぼれするような造形美、さぞや庭師さんがリキをいれて手入れしてるんだろうなと思わせるもので、これだけでも来たかいはあったぜ。だがそれだけでなく、建物は年代を感じさせる木造のいい味が出てるので、見てるだけでも気分が落ち着くのであった。やはり日本人には木のぬくもりが好きみたいだ。畳の廊下を進んで、歴史的文化遺産がガラスケースに飾ってあるのを見ながら、一番奥まで来たら温泉だ。

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階段を下りて脱衣所、客が2、3人いた。ロッカーも古い木製で、今時珍しい金属板の鍵のロッカーだ。いやー、もうこういう所泣けるね。でもドレッサーなんかはリフォームしたみたいで最新型だな。サイズはちょっと小さめのロッカーに荷物を突っ込んで、風呂場へ移動する。こじんまりとした内湯だ。体を洗って入ると、適温で気持ちいい。片道177キロの体の疲れと緊張感がふーしゅるるーと流れていくようだ。ふにゃふにゃになって湯に浸かっていたら、もっと小さな湯船に気がついた。そっちに行ってみると、水風呂みたいだ。あ、ひょっとしたらこれは源泉風呂かもしれんな。きっとそうだ! ありがたやありがたや、冷たいけど入っておこ。でもよく見たらサウナがあった。ってことはこれタダの水風呂じゃん。なんだよ、もうちょっとで騙されるところだったぜ、ってどこにも源泉風呂なんて書いてねーよ。クソと思いつつ、露天風呂に行ったら、檜の立派な湯船じゃん、こりゃあいい、いっぺんに機嫌が直ってザンブと入るとタンノンするまで入ってた。やっぱり木のぬくもりはいい。全然露天風呂でも開放感なしだが、この檜風呂というだけで良いな。うーむ、こういうところで1週間くらいなんいもしないで滞在するってのもいいかもね。

タンノンしたんで出た。暑くなったんで扇風機で十分にクールダウンしてからメッシュレザーを着た。いやー、やっぱりメッシュにしてきて正解だったな。フルレザーだったらもうこの時点で着ることができんかったよな。

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バイクに戻って、砂利の駐車場から引っ張り出し、舗装路まで来てからエンジン始動、出発した。来た道を戻って、次はお昼だ、そばだ、とお店を探したら、意外にないんだな。1軒あったが、大きな水車が廻る立派なお店で、車がいっぱい、混んでそうなんでやめた。国道に出たらあるかと思いきや、全然見当たらんな。困ったな。おかしいな。ふと時間を見ると12時ちょっと前、一番混んでる時間になってしまった。すき家もガストも満員じゃん。

結局、塩尻まで戻って、国道19号と20号の分岐点交差点の高出まで来たんだが、この交差点、来たときと違って戻るのは大変だった。19号を走る交通量が多いので、右折待ち車両がハンパなく多い、その上右折信号が短い、さらに反対車線でおまわりさんが検問やってるときたもんだ。ここの交差点を通過するのに20分かかった。暑くて死ぬところだった。

もうそば屋はあきらめてセブンイレブンに入ってパンを買って食った。ちょっと食ったら落ち着いたんで、後はのんびり帰ろうと思いつつ、19号を南下すると、それからあるわあるわ、うじゃうじゃそば屋さんがあった。くそ、もうちょっと我慢すれば良かった。

悔しいので帰り道の駅で開田そばと五穀味噌をお土産に買って帰った。そしたら、久しぶりのお土産にまっちゃんが喜んだ。めでたしめでたし。

本日の出費

缶コーヒー 110円

パン 135円

カフェオレ 144円

ウーロン茶 100円

本日のCB1300の走行距離 360キロくらい

累計のCB1300の走行距離 48800キロくらい

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