期待しまくりの美濃カレーは何処
10月17日(日)
何しろ漫画「美味しんぼ」でも至高vs究極で1冊まるまる使い切り、そのタイトルも「カレー戦争」と単刀直入な対決篇、そうなのだ、日本人にとってカレーとは、それくらい深い食いもんなのである。ちなみに現在、一番うまいカレーと思うのが実はウチの奥さんのカレーなのさ。いや、マジ、手前味噌ですけどホント。うまいんだよ。他にうまいと思うのは、ハウスのカレーマルシェ、ビンディのカレー、五島軒のカレー、ココ一番のカレーもうまいと思う。まあ、それくらい、カレーは一般的にうまい食いもんで、当たり外れが少ない分、マジでこれ美味い! と絶叫するくらいうまいカレーはこれまで出会った事はない。で、美濃カレーである。いつから始まったか知らんが、いわゆるご当地名物を新たに作って、地方の活性化に一役買おうという作戦なんだろうが、その是非はともかく、美味いもんが食えるならそれに越した事はない。かつて、ライダーの間で伝説となったパスカル清見の「ライダー丼」の様に、いつか食わねばならん必須メニューである事は間違いない。が、なかなか食いにいけないんだよなー。理由は簡単、場所が中途半端なんだよ、美濃周辺ってのはいつも通過地点になっちまうもんで、昼名の時間には早いか遅いかどっちかなんだよな。その上、最近は昼飯がコンビニパンばっかりで、お店に入ってわざわざ食うなんてメンドーな事しないし、考えられるのはにょいとらんで行って食うのだが、にょいとらんの場合、食いもんの決定権はタンデムシートにあるもんで、カレーなんか家で食うもんで、外で食うもんじゃないのが信条のタンデムシート占有者が、美濃カレー作戦に積極的に同意するのは有り得んのが実情である。うーむ、困った。そう思っていたところに、メールが来た。今を去る事5年前、2005年6月25日に二ケツで走ったたかさごの湯と日本一の大車輪、その悪友からのメールで、また二ケツでどっか行こうぜだと。何が悲しくて男同士でタンデムツーリングなんか行かないかんねん。タンデムシートに乗せるのは、やっぱりボ○ンな女の子に決まってるだろ。しかし、そこでハタと閃いた。ヤツとなら美濃カレー食いに行けるかもしれん。美濃付近の温泉と美濃カレーを食いにいくプランを提案すると、それはいいそれで行こうとヤツは乗り気である。よし、決定だ。日時も決まり、いよいよと言うところで、当日はあいにくの雨。中止となってしまった。その後、順延させた計画は、お互いの日時が合わず、1週間後が半月後、1か月後となり、そして半年、そして1年が経過して、そして1年半が過ぎようとした頃に、ようやく新たな日時が決定した。出発日は10月17日であった。遂に、美濃カレーの全貌が明らかになるのだ。
と言う事で、当日は昨日に引き続き4時半起き。何かマジでジジイ化してねえか? 天気予報確認、曇りのち晴れだそうで、明るくなってきた空は薄曇り状態、こりゃ寒くなりそうなんで、そう簿は軽く冬体勢、革ジャンの下はユニクロのヒートテックタートルネックシャツを着用した。荷物を振り分けバックに突っ込んで、準備万端だ。時間があるので実家でコーヒータイム。やっぱり朝は寒いねーなどと話していたら、桃太郎が文字通り丸くなってた。もう寒いらしい。みやこちゃんも丸くなってたもんな。もうこたつを設置しなかんかもしれん。
コーヒーブレイクを済ませて出発する。ヤツの家に直行すると、ピンポンを押す前にもう出て来た。行く気満々だな。あれ、革ジャンはどうしたんだ? 買ったんだろ、この前自慢してたじゃん。ああ、あれはな、2年前に買ったんでな。2年前に買ったからどうだって言うんだよ。いや、2年前に買ったからゴニョゴニョ。何か他人には話せないのっぴきらない事情があるようなので、深く追求しない事にした。とりあえず、お互い恐妻家なんで、あれ、何か言いました? 聞こえないなー、えー、愛妻家なんで、そのあたりに事情があるようだから、同胞と言う事で。
さて、ヤツの家の前を出発して、まずはガソリン給油。いつものコスモで満タン。140キロ走って3リットルちょっと入った。かなり伸びたな。ヤツは燃費いいなーと驚いてた。まあ、ぶん回さずにゆっくり走ってるからな。その後、本日のスケジュールの説明と質疑応答を行う。おやつ100円以内が決まりだけど、100円以上になっちゃったけどいいですか。なんだと? まあ、持ってきちまったのは仕方がないや、って小学生かお前ら。とうことで、スタンドを出て41号線を目指して小牧方面に向かう。
桃花台アピタ付近では、右往左往のあげくに全線開通させたあげくに、あえなく廃線になったピーチライナーの残骸高架がまだ残っていた。あい、オレたちが若い頃に悪さしたあの高架がまだあるぜ。そうだな。お互い若かったな。ムチャをやったもんだぜ。若気の至りってヤツだぜ。などど、青年漫画誌の三流アクション漫画の登場人物みたいな台詞をかわしつつ、青春の金字塔を横切るのであった。
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小牧から犬山に抜けて41号線に合流する。ここから飛ばすぜ。飛ばすのか、気がついたら落ちてたって事もあるからたまに後ろを見ろよ。落っこちたって止まらない、走り出したら止まらないのがライダーだぜ。誰にも止められないぜ。ぎゅいーんと41号線をぶっ飛ばすのであった。
なんだかんだで、41号線から248号線、そして156号線にスイッチして、道の駅にわか茶屋に着いた。トイレ休憩して出てきたら、国道を旧車族が爆音を立てて走っていった。なんだありゃ、とヤツが言うのでありゃ旧車族だ。ああ、カミナリ族みたいなもんか。まあ、そんなもんだが、乗ってるのはええ歳こいたおっさんばっかだぞ。なるほど、いつになっても昔が忘れられん輩とはいるもんだ。そうだな。いつになってもレッドツェッペリンだディープパープルだイエスだと言ってるオレらも変わらんかもな。
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さて、この道の駅を出たら156号線を離れ、県道81号線で板取村を目指す。そういえば、板取村はオレらが林間学校に行った村だった。そう、あの林間学校の夜の忌まわしき事件、恐るべき「幽霊ノック事件」が思い出されるのであった。ギャー怖いよー暗いよー。でもあれ、結局、ノックしたのはセンコーだったんだよな。脅かすなよクソセンコー。
目的地の板取川温泉に近づいたら、のぼりがあって、看板も出ていた。でも、その看板は矢印が「板取温泉↑→」となってるんですけど、どっちに行けばいいんだよ。
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わからんので直進した。直進番長なんだな。そしたら、温泉の建物が見えた。そして、矢印の意味もわかった。あれは、どっちに行っても結局ここに出るみたいだ。なんだよ、悩みまくってがっかり。
温泉に着いた。ヤツはへとへとだった。後ろに乗ってるだけで何へとへとになってるんだよ。ライディングはスポーツだぜ! その通り。タンデムシートでもスポーツだぜ、オレ、ハングオンしてたもんね。タンデムシートでハングオンしてどないすんねん。温泉に入った。寒かったもんで暖まるなー。昨日みたいにぬる湯でなかったので助かった。内湯から露天風呂へゆっくり入って、2008年秋以降、アメリカの金融不安や欧州の財政危機で一時的に円が買われている実情と、外資系のヘッジファンドはJGBを空売りするファンドをもっているので、国債の需給が崩れると一斉に国債を売り始めるかどうかについて懸念される事案についてもいろいろな意見交換をかわした。その結果、鶏ちゃん定食がおいしそうだと言う事になり、今度は鶏ちゃん定食を食いにいこうと結論が出たところで、そろそろ出ようかと温泉を出た。
温泉を出たら、出口でキャピキャピの女の子4人組がキャピキャピとお風呂上がりのほかほか顔で出てきた。いやー、若い女の子は花があっていいのう。元気だし、男負けとるがな。
温泉を出たら、いよいよ今日のメインイベント、美濃カレーである。この1年半の準備期間、あらゆる手だてを尽くして情報収集にあたったが、その結果、結論として出たのは、美濃カレーはいろいろある、と言う事だ。そこで、どの美濃カレーにするのか、吟味に吟味を重ね、熟慮に熟慮を繰り返し、慎重に精査した結果、「風見鶏」「アルピーヌ」「マルエツ」の3店舗に絞り込まれた。ここから最終の1店舗を決めるわけだが、それについての緊急会議を開催する予定だったのだが、忌憚ない意見を交わす予定だったのだが、いかんせん2人ともすごく腹が減ってきて、まあ、この際何でもいいから早く食えるところにしようぜ。そうだな。じゃあ、一番近い「アルピーヌ」だな。決定である。
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で、タラガトンネル(全長4571m、日本一長いかもしれんらしい)をくぐり抜けてウネウネ山道越え橋を渡って相生の交差点で156号線に合流、郡上八幡まで飛ぶ鳥を落とす勢いで走り、「アルピーヌ」に到着した。到着したけど、なぜか国道側から入ったら、駐車場には車がないし、コインランドリーだし、マジでやってるのかよ、もう潰れてんじゃねーの、と心配したが、よく見るとここは裏口だった。表に出るとでら立派なお店だった。
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ライダー御用達なのか、バイクが何台も止まっていた。中に入って席に着くと、第一波の客が食い終わって次々に出て行く。その光景を見ながら、メニューを吟味し、一番スタンダードなポークカレーを注文した。それからカレーがくる間、ねこの話で盛り上がって、お互い猫語で会話してたらカレーが来た。猫語で会話してたので怪しまれたかもしれん。やばいな、普通でも怪しげな風貌の連中なのに、それがこともあろうに猫語で会話してたら、もうカンペキにアブナい人たちだよラリッてるよ。しかし、お店のおねーさんもそのあたり接客業が長いみたいでよく心得ていらっしゃる。見て見ぬ振りをしてカレーを置いて去っていった。いいにおいがするうまそうなカレーである。であるが、ご飯を盛った皿と、カレーを盛った皿があるんだけど、これってどうやって食べるの? カレーをご飯にかけるのか、ご飯をカレーに入れるのか、はたまた別々に食べるのか? 他の人はどうやってくてるんだ? しかし、奇しくも、カレーが来てるのはオレたちだけ。他の客は第一波と入れ替わりに入って来た第二派の連中ばかりで、まだメニュー見てるよ。ヤツは、どこかに取り説があるはずだ、と言い出し、メニューをまた見直しているが、書いてありそうにないので、もうこうなったら諦めて自分で決めた。この場合、ご飯にカレーをかけるのが普通かもしれんが、ご飯の皿にカレーをかけると、カレーの皿とご飯にカレーをかけた皿とカレーで汚れる皿が2種類生まれる事になる。それでは洗い物に洗剤を使うのに余分に使う事になり、ひいては地球環境の汚染につながる。それを回避するには、カレーの入った皿にご飯を入れれば、カレーの汚れがついているのがカレーを盛った皿だけになり、洗い場での洗剤の使用料が半減する。これによって地球環境への悪しき影響を少しでも削減できる。よし、この作戦だ! やっぱオレって天才だよな。カレーの皿にご飯を入れて食った。美味かった。ヤツも美味いと言ってた。まあ、これだけ腹が減ってりゃ、何でも美味いわな。
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ちなみに、今だから言えるけど、美味い事は美味いけど、わざわざ美濃カレーなんてたいそうな名前を付けるほどのもんじゃないと思います。
食ったらコーヒーを飲もう。エスプレッソが美味そうなんで、ここでコーヒーを飲もうと思ったが、ヤツが、コーヒーは持ってきてるんだろ、と冷静に言うのでああ、そうだったと思い出した。やはり持つべきものはともだ。誤った道に進むのを止めてくれる。これが友情だぜ。
お店を出て、バイクに戻って出発。156号線を南下して、道の駅美並でコーヒータイムにした。あずまやが空いてたので、そこでジェットボイルで湯を沸かす。時間かかると思ってたらしいヤツは、ジェットボイルの超高速湯沸かしに驚愕し、そして絶賛した。しかし、これ不良品なんだよな。着火機能が死んでるんだよ。交換してもらってまた壊れた。だから、基本設計がダメなんだよ。根本的に欠陥商品だね。ジェットボイルを買った人はみんなこうだと思うよ。コーヒーが入ったので飲んだ。ヤツが持って来た100円を超えちゃったお菓子を食いながら飲んだ。そしたら、川下りのレジャーを趣味にしている方々がたくさんいて、新型の市販前モデルのテストをやってるぞと大盛り上がりだった。全然興味のないオレたちはふーんとそれを見ながらコーヒーを飲むのであった。
飲んだら後は帰るのだ。来た道を戻って帰って来た。帰って来たらヤツは家の前でくたびれてふらふらで、バイクから降りる時に転びかけた。うーん、そんなに疲れるもんか?
今日の出費
カレー 850円
温泉 600円(ヤツのおごり)
ガソリン復路の現金給油 500円くらい
本日のFTRの走行距離 180キロくらい
累計のFTRの走行距離 12730キロくらい