雪見目指して露天封鎖の富貴温泉

3月13日(日)

またまた昔の話になるんだが、温泉ツーリングに覚醒してしばらく、当時のアウトドア雑誌に冬になると必ず掲載されていたのが雪見の露天風呂温泉だ。深々と積もる雪、寒いが、しかし風流でもあるこの光景を、ぬくぬくと温泉に浸かったまま楽しめる、実に素晴らしい、ああ素晴らしい、こうなったら雪見露天風呂温泉ツーリングに行くぜと決意も新たにしたところで、当時はネットなんて便利なものがなかったから、雪見露天風呂温泉に日帰りで入る事のできる温泉がどこにあるのかわかるわけねーのであった。しかし、当時の同僚が、それなら富貴温泉だと情報を教えてくれた。やはり持つべきものはいい友達ですね。で、さっそく地図で調べて行ってきたのである。残念ながら、雪見温泉というより、残雪チラホラ温泉だったが、それでも満喫できたいい思いでの温泉。それが富貴温泉だった。あれからはや幾年や。もう一度行こうと思いつつ、行けずにいる、残り少なくなってきた温泉データベース補完プロジェクト対象温泉の最後の大物とも言うべきだが、入浴料は当時550円だったのに、今や物価高を反映してか900円だと。まあ、900円くらい払ってもいい温泉なんだけど、温泉博士を使用するようになってからは、温泉は無料で入るものだと変な性癖が染み付いてしまって、どうしても温泉博士で入る温泉がない時の為にとっておこうという事で、ずるずると今日に至ってしまったのであった。が、そんな惰眠をむさぼる日々と決別する時がきたのだ。そう、温泉博士の無料対象温泉に富貴温泉が遂にラインナップされたのである。これはいかようにしてでも行かねばならぬのであった。が、しかし、事はそんなに順調に進まないのであった。先週は、2月の末の春爛漫異常気象は、3月に入って再び極寒のシベリア平原、長野ではまたしても雪、もう大丈夫じゃないのと思っていた長野に雪で断念せざる得なかった。そして、万を期して迎えた今週、今週こそ行くぞと思っていたのだが、何度も申し上げているように、どうしてか我が社は忙しくてさ、車ってそんなに売れてんのか? ノルマは月産80万とか言ってるし、「明日までにあと12箱出来ますか?」「無理です」「じゃ休日出勤ですね」「え、それだけは」「なんですか? 会社来るのいやですか? そうですか、仕方ないですね、そんなに来たくないならずーっと来なくてもいいんですよ」「わー、かんべんして下さいー」「だははははは、おのれ程度の労働力は今時掃いて捨てるほどおるわ! 20余年も乗ってるのにUターンもできん能無しが!」「ほっとけクソ」と言う会話があったかどうかは定かでないが、なんとか休日出勤は回避して当日を迎えたのであった。

当日は朝5時に起きて、いつもの通り天気予報を確認、最高気温予想は17度とかなり暖かくなるようなので、装備は極寒体制でなくても大丈夫のようだ。上はヒートテック+タートルネックシャツ+長袖シャツ+クシタニEX冬用ジジャケット、下はカントリージーンズのみで行く事にする。目的地までの所要時間は約2時間30分、11時からなので8時に出れば余裕で着くだろう。出撃機はFTRだ。去年の12月末以来、2ヶ月ぶりの出撃だな。出撃機の選択はいろいろ迷ったんだが、目的地が木曽の山奥なので、まだ雪道に遭遇する可能性もあるから、雪道でも走破できるマシンの方がいいのと、昨今の急激活深刻なガソリン価格の高騰、レギュラー149円ハイオク160円、マジかよ? こんな価格ではハイオク仕様のCBR600RRは自粛要請、軍団の中でもっとも燃費がいいということで決定、納戸から引っ張りだしてエンジン始動、しばらくぶりだったのでちょっとすったもんだしたが長めにセルを廻したらブルルッッブルルンと目覚めてくれた。良かった良かった。バッテリーがまだ元気だから良かったものの、これでくたびれたバッテリーだったらエンジン始動は不可でした。しばらく暖機をして、その間に荷物準備、今月号の温泉博士をクシタニヒップバックに入れて、デジカメは取り出しやすいように横のポケットに入れた。

こうして8時ちょっと前に出発した。天気は快晴、青空が広がり暖かい。

まずは19号まで出ていつものコスモ石油でガソリン補給。カード会員価格でリッター143円、3リットルちょっと入って460円、120キロちょっと走ってたのでリッター約40キロ、ガソリン高騰時期には頼もしい高燃費だ。満タンにしたので出発。19号線を北上する。

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それにしても今日は暖かい。毎回問題となる指先の冷える感覚がきつくない。そりゃ冷たいけど、それほどひどい冷えではない。やっぱりバイクは暖かい時に乗る乗り物だな。内津峠に複数乱立する電光掲示板の温度表示は5度から7度、ところでいつも思うのだが、この辺りの電光掲示板温度表示、何でこんなにたくさんあるんだ? 1カ所あれば十分だと思うんだが。

多治見土岐瑞浪と19号を順調に進んで行く。途中に、いつも気になってるコスモサイエンスパーク無重量研究センターの看板があったんだけど、なんか文字が剥がされちゃってるみたいなんで、閉鎖されたのかもしれん。レンホーちゃんに仕分けされたのか。

瑞浪の19号、バイパス道路を走って行くと、読み方のわからん梵語みたいな文字の陸橋があるとこらへん、辺り一帯全面田園風景だったのに、いつの間にか田んぼは全部埋め立てられ、宅地化が着々と進行していた。あらー、この道は開放感があってよかったのに、あと2、3年もすれば新興住宅密集地になってしまうのだなあ。

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そこから片側2車線だった19号は対面通行の1車線になって、恵那に入るとまた片側2車線になって、通常ならそこのマグドナルドで休憩するのだが、今日はやたらと混んでる様子。駐車場はほぼ満車、ドライブスルーは行列のできる法律相談所と化しており、これは、ここはスルーして中津川のマグドナルドに行った方がいいと判断、通過した。

さて、FTRはもともとダートラなんで、ぶん回せば結構走るんだが、でもやっぱり乗り馴れてる大排気量社に比べると非力なんだけど、その分、ぶん回してかっ飛んでるぜ感覚はあるのがいい。いいけど、やっぱり幹線道路は辛い。ダウンジャケットのKawasakiゼファーに抜かされ、よくわからんブランドの赤灰色のライディングジャケットのCB400SP2に抜かされ、最後は真っ赤なドカティに抜かされた。勝てたのはスクーターだけだった。

とかなんとかひとり公道グランプリを開催してるうちに中津川のマグドナルドに到着した。ここもそこそこ混んでるが、恵那ほどではないので駐車場にバイクを止めて中に入った。いつものコンビセットを注文して、席に着いてコーヒーで手を暖めつつ、ソーセージマフィンを食う。少し離れたところの席にミニスカートのおねーちゃんがひとりでコンボセットを食っているのが見えて、ひとり朝マクドかっちょえーと思ってたら、よくよく見ると、小学生か中学生だった。なんだよ、最近のガキはませてんなー。なりだけは一人前だな。あんな娘を持つおとうさんは大変だよ。

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食ったらついでにトイレを済ませて出発する。走り出したらすぐに南木曽17キロの看板発見、逆算すると10時30分くらいに着きそうだな。ちょっと早いな。しまった、マグドナルドでもうちょっとゆっくりしとれば良かった。しかたないゆっくり行こう。ということで、途中、元起に寄り道した。見晴らしのいいところでバイクを止めたら眼下に鉄道の鉄橋が見えた。スキー場の看板には滑走可能の文字があり、まだバイクでは御岳方面は進行不可のようだった。

南木曽方面への交差点で、19号から256号線にスイッチする。ちなみにこの付近の気温は電光掲示板によると9度でかなり暖かい。さらに、雪道のノーマルタイヤは道路交通法違反だとでかでかと看板があり、256号線ではこの先凍結雪道なのでノーマルタイヤでは不可と看板があった。ヤバいかな。清内路峠はまだ雪があると思った方がいいみたいだな。

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256号線は雪はほとんど残っていなかった。路肩に多少あるくらい。富貴温泉の看板があり、あと6キロで着いちゃうのでどう考えても11時前だな。しかたがない、ホテルのロビーで待たされもらおう。

いよいよ256号線から温泉までの山道に入ると、ここまでまったく雪がなかったのでCBRで来ても良かったかなあなんて思ったのが、やっぱりFTRで大正解だったと思い直す事になる。そう、雪が残ってた。シャーベット状の雪が、山道の日が当たらないところにしっかり残ってた。FTRだからかまわず走れたが、これがCBやCBRだったらビビって引き返すところだったぜ。ここは作戦勝ちだな。やっぱりオレってあったまいー。

ウネウネ山道を走って、10時30分に富貴の森ホテルに到着した。駐車場にバイクを止めて、ホテルの方に歩いて行く。なかなかどうして、立派なホテルだ。床浪荘お新館だそうで、できてからまだ日が浅いのかな、モダンでそれでいて古き良きイメージがある、アタリのホテルだ。日帰り入浴の営業時間までまだあるので、ホールで待たせてもらおうと中に入った。フロントの人に温泉博士である旨を伝えると、ハンコをくれたら入れますのでどうぞと言う。ラッキーじゃん、早く来ちゃったのに入れるぜ。こういうフレキシブルな対応をされると好感度ぐーっとアップだね。奥の下駄箱でブーツを脱いでスリッパに履き替え、階段を上って2階に。そこから廊下を歩いて一番突き当たりが温泉だった。

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誰もおらん。貸し切りじゃん。脱衣籠に荷物を突っ込んで、早速風呂場へ。おお、いい感じの内湯だ。前面ガラス張りで外の景色がよく見える。身体を洗って湯に浸かる。ちょっとぬるぬる感のあるお湯で気持ちいい。こりゃあええ、こんなホテルで長期滞在して毎日温泉に入ってボーっとしていたい。そしたらもうひとり入ってきた。ホールにいた別の客みたいだ。その人は同じように身体を洗って内湯に入り、すぐに露天風呂に行った。あ、くそ、先を越された。まあいいや、もうちょっとしたらこっちも露天風呂に移動するぜ。そう思っていたら、その人はもう内湯に戻って来た。なんかカラスの行水みたいな入り方をする人だなあと思いつつ、いよいよ露天に行こうと、外への扉を開けて、石畳の階段を降りて行くと、目前に現れた露天風呂を見て、ああ、だからすぐ戻って来たのかと納得した。露天風呂にはブルーシートが覆いかぶさり、何個ものブロックと大きな石で厳重に封鎖されていた。マジかよ。レインボーブリッジは封鎖できなかったが、露天風呂は封鎖されちまったぜ。ここの露天風呂はサイトを見てかなり良さげなんで、楽しみにしてきたのに、何てこった。ガックリだぜ。900円払ってたら抗議したいところだが、無料なんで文句も言えんな。仕方がないのでまた内湯に戻り、ちょっと不完全燃焼だが出る事にした。出たらクールダウン、服を着て脱衣所を出る。掃除機をかけてる案内してくれた人にありがとうと声をかけて建物を出た。

バイクに戻って山を下りる事にする。せっかく信州に来たのでそばでも食うかと思ったが、やってるのかやってないのかわからないような店ばっかりだったのでやめて19号まで戻り、道の駅母賤で味噌のお土産を買った。それから帰りにコンビニでパン食って帰って来た。

帰りに恵那で給油したらリッター147円だった。高っ。

雪道を走ってしまったので洗車しないかんな。それにオイル交換もしないかん。

本日の出費

マクドナルド 200円

カフェオレとナイススティック 230円

本日のFTRの走行距離 180キロくらいだと思う

累計のFTRの走行距離 13100きろくらいなかあ

富貴の森ホテルの情報

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