満願成就転じて水晶山の伊那谷

4月10日(日)

賢明なるサイト訪問者諸君は既にご存知の通り、昨日、すなわち4月9日の土曜日は、サクラ作戦決行の日であった。が、しかし、あいにくの天候は雨、作戦は結構できず、延期となったのであった。延期となってしまった責任は一体どこにあるんだ! 雨男は誰だ! 正直に出てこい! 今なら、先生も怒らないから、正直に名乗り出てきなさい。すいませんぼくが雨男です。前回のソースカツ丼作戦も雨にたたられたんです、だからぼくのせいです。そうか、よく言った、先生はうれしいぞ。いや待てよ、kidさん主催の北山作戦は、オレ行かなかったけど天気が悪かったよな。と言う事は、オレは雨男じゃないんだ。そうだそうだ、これは何かの陰謀だ。誰かがワナを仕掛けたんだ。謀略を張り巡らして、陥れようとしているんだ。あれ? でも、北山作戦は雨じゃなくて雪だったよな。げ、と言う事はやっぱり雨男は‥…。もうダメだ。これでもうオフ会には呼ばれないんだ。Kを誘うと雨になるから、もう誘うの止めようぜ、そうしようぜ、となるんだ。と落ち込んでいたら、どうやら雨が原因ではなく、肝心の桜が咲いていないから延期になったそうです。なんだよ、それならそうと早く言ってよ。一人悶々と眠れぬ夜を過ごしてたじゃないか。ホッとしたらツーリングに行きたくなったので行く事にした。幸い、土曜日の午後から晴れてきて、日曜日は一日晴れの予報、まっちゃんもツーリング行ってきたら、と許可が出たし、大きな顔して行けるのであった。

が、しかし、ここで大きな問題が。このところ順調に週末ツーリングに勤しんでいるので、温泉博士のストックがないのだ。あと残るは、宮の湯、ひまわりの湯、そして片倉館だが、宮の湯、ひまわりの湯は今さら行きたくないし、片倉館は、諏訪まで行くには時期的にまだ早いかなあと地団駄踏んでる感じだし、困った、どうしよう。そこで閃いた。ああ、そうだ、あれがあったよ、あれ。名前がちょっと出て来ないけど、昼神温泉にタダで入れる手形があったよ。有効期限がそろそろ切れるから、行っとかなかん。よし、目的地は昼神温泉で決定。

さて、当日は5時に起きて気象庁のサイトを確認、天気は晴れ、最高気温予想は21度だ。これは装備はこれまでのような防寒では暑くなるの必至だな。なので、グローブは春夏モデルに切り替え、ワッフルシャツは止めてコムサの長袖Tシャツにした。朝飯食って実家へ移動、ガレージからCBR600RRを引っ張りだしてエンジン始動! 快晴の空の下、まっちゃんに見送られて7時半ぐらいに出発した。

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まずはガソリンだ。いつものコスモ石油で給油する。今日のハイオク会員価格はリッター156円、10リットル入った。240キロくらい走って10リットルと言う事は、リッター24キロ走ってるよ。マジSSとは思えん燃費の良さ。いかに廻してないかよくわかる。タイヤを見るともっと良くわかる。(淵の方が全然減ってないと言う事だよ)良いのか悪いのかよくわからんが、まあ、経済的に考えれば良いと言う事にしておこう。

コスモ石油を出て、19号線を多治見方面に走り出す。一気にギュイイイイーンとかっ飛ばしたろうかと思ったら、交番の前でおまわりさんが警邏中だったので、おとなしく走りだした。ちなみに、交番とは、交代で番をすると言う意味だ。覚えておくように。

おまわりさんの眼の届かないところまできたのでギュイイイイーンと走っていくぜ。天気もいいし、暖かいし、サイコーだぜ。北山トンネルの電光掲示板は10度だぜ。いよいよライダーの季節がやってきたね。盛り上がりまくって内津峠を越えて多治見に入ったら、いきなり濃霧警報発令のまっただ中だった。なんじゃこのトランシルバニアを彷彿とさせる霧の世界、パタリロ霧のロンドンエアポート編、バンコラン大佐がなぜ麻薬犯罪を憎むのか、そのワケが明らかになるのだ。全然カンケーないのだ。とにかく、びっくりする濃霧だ。まあ、この辺りは霧が出やすいんだよな。ちょっと走ればすぐに晴れてくるだろうと思い、霧の中に浮かび上がるオースタット国際ホテルを横目に、どんどん進んで行くのだが、いっこうに霧は晴れず、よく見たら霧じゃないじゃん、曇ってるじゃん。おもいっきり曇ってるぞ。どす黒い雨雲もいるじゃん。オイ天気予報、ドピーカン晴れの天気予報だったのに、これは一体どうした事だ。ヤバい、これは局地的な春の嵐の予感がするぜ。緊張感漂うツーリングになってきた。が、恵那まで来たらあっさりウソみたいに晴れた。

なんだよ、脅かしやがるぜ。一時は最悪の事態も想定したのに、取り越し苦労だったか。まあ、オレはさておき、このCBR600RRはカンペキな晴れバイク、これまで一度も雨に降られた事がないのだから、この先も雨に降られる事などないのだ、はははのは。と言う事で、マクドナルドが見えてきたので駐車場に入った。情熱の赤いアフファロメオの横にバイクを止めて、お店に入った。一歩違いで先に入ったヤングファミリーが先に注文を始めたが、なんかごちゃごちゃいろいろ難しいことを言って、えらい時間がかかった。こっちは3秒で注文完了なのに、先にやらせてくんないかなーなどと思いつつ、後ろで立って待つ。ようやく注文が終わって、番が回ってきたと思ったら、店員のねーちゃんは「メニューを見て選んでて下さい」と言って奥へ行っちまった。いや、選ぶも何も13番と決まってるんだよ。ゴルゴ13の13だよ。200円をトレイに乗せて、おねーちゃんが戻ってくるのを待っていると、ようやく戻って来たので13番を注文しようとしたら、ばばあがコーヒーお替わりよこせと来やがって、おねーちゃんはそっちに行ってまた待たされた。お替わりばばあの対応を終えたおねーちゃんはやっと戻って来たので13番を注文したら、持ってくのか食ってくのか聞くので食ってくと答えたんだが、持ってくと聞き違えたみたいで、袋に入れ始めたので、食ってきますともう一回言わなかんかった。こうしてようやく13番にありついた。こんなに難航したのは初めてだ。やれやれ、席に着いて飲んで食っていたら、女子高生風の客3人が入って来た。女3人よれば姦しい、というとおり、まあ賑やか、注文したセットを持ってわいわいがやがや席に着いた。うるせーなと思いつつ見てたら、席に着いて彼女らは、「いただきます」とちゃんと言って食い始めた。おおーっ、何と礼節をわきまえ清く正しく美しい少女たちなんだ。おじさんは今モーレツに感動しているぞ。この荒みきった世の中に、一筋の光が見えた。日本は大丈夫だ。まだまだ大丈夫だ。

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日本の未来も安泰だと安心したのでマクドナルドを出てバイクに戻った。19号線を更に北上して行く。どんどん暖かくなってきて、道沿いの桜もほぼ満開、見るものの眼を楽しませてくれる。思ったより山の方も開花してて、今日は最高の花見日和になったな。そして同時にツーリング日和でもある。ハーレー、BMW、ドカといった外車勢の他、今日はトライク軍団も元気に走っていた。国産車ではCB、ダエグ、そしてGPZ900ニンジャも見かけた。珍走もいた。今時の珍走族って、年はどれくらいなんだろうね。意外にええ歳こいたおっさんかもしれんな。おっさんと言えば旧車族も走ってた。すごく昔のCB750が主だけど、どうやってあんな新車同様のピカピカを維持してるんだろう。

途中、あまりにもきれいだったんでバイクを止めて桜の写真を撮った。バス停の近くで撮って、神社の近くで撮った。CBR600RRは車重が軽いので、こういう時に小回りが利く分いいね。やはりこの時期、桜の撮影をなきにしてツーリングは語れんのです。とかなんとかいって、本当は現地に早く着きすぎそうだから時間つぶしもかねてたんだけどさ。

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そんなこんなで、まあ、それでも思ったより早い時間に257号の分岐点まで来て、そろそろ観光客が増えてきた馬籠妻籠を通り過ぎる。1ヶ月前はまだ雪が若干残ってた山道にも雪はまるで残っていなかった。この温度だもんね。雨も降ったしね。でも太平峠方面はまだ通行止めなのかな。そこからウネウネの山道を登り、清内路峠まで来た。途中、工事中の未舗装悪路が出現し、おまけに雨のせいでドロドロぐちゃぐちゃ、発狂しそうなくらいバイクに泥がとんで汚れた。チクショー、何でこんな事になってるんだ。舗装しとけよ。サイアクだよ。ブータレこきながら先を進むと、ブラインドコーナーで車が止まってた。おばさんが山菜採りだかツクシ採りだかやってるみたい。でも止めると事はもうちょっと考えて欲しいもんだ。

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清内路峠を越えて山を下ると、昼神温泉郷である。やっぱりちょっと時間が早かった。一番早い開店時間は10時30分だが、10時10分くらいに着いてしまった。観光センターの駐車場にバイクを止めて、どの温泉旅館に行くか手形を確認する。観光センターから手形を買って出てくる客を眺めつつ、確認したらここで待ってても仕方がないので、時間が早いがそこへ行く事にした。

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すぐ近くだった。駐車場にバイクを止めて旅館の方に行こうとしたら、旅館の係員が声をかけてきたので、手形で温泉に入れるか尋ねた。すると、係員は、今日みたいに団体客が多い忙しい土日に来るんじゃねーよボケ、そんなビンボー人用の手形なんか使えるわけねーだろ、さっさと帰れタコ、というような内容の事を丁寧に言われた。カッチーンときたが、そうですかとバイクに戻って旅館を後にした。で、そのまま昼神温泉から脱出、153号線で飯田方面に向かった。しかしさー、どうにかならんもんですか。このテの無料だの何だのというサービス、土日は使えませんとか忙しい日は使えませんとか、そんな詐欺みたいな商売ならはじめから止めといて下さい。ヒジョーに気分が悪い。特に、この手形、1000円払って買ってるんですよ。無料でもらったサービス券というわけじゃないんだ。お得ですよと売りつけておいて、いざとなったら使えませんって、いったいどういう了見なんですか? まあ、だいたい昼神温泉ってのは、大した歴史もないくせに老舗高級旅館気取ってるところが多いから気に食わん。くそ、おぼえてろ、今に目にもの見せたる。

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昼神温泉を脱出して、どうしようかと考えて、実はこんな事もあろうかと作戦Bを用意してあったのでそっちに切り替える。ツーリングに熟練したライダーは常に2重3重のバックアップを用意しているものだよ。その作戦Bとは、水晶山温泉だ。聞いた事がない温泉なんで、ちょっと行ってみようかと思ってたのだ。153号線から県道64号県道234号線で行くのだが、本当にこの道で大丈夫なのかと思えるほど、山村道だった。じーちゃんが山で芝刈ってばーちゃんが川で洗濯してそうなのどかな田園風景が広がっている。そんなところに温泉があるのか。心配になってきたが、道の横に、手製の看板発見、その看板に案内されて半信半疑に進むと、目の前に突然、巨大な一大観光地が出現した。「南信州ケフィアランド伊那谷道中」と書かれたでかい塔が建っているではないか。おお、あれが水晶山温泉だ。バイクを滑り込ませるのであった。

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広い駐車場は半分くらい埋まってた。なかなか人気の施設みたいだな。産地の売店やらあり、温泉は奥の方に大きな看板が出てた。その近くにバイクを止めて、温泉セットを持って歩いて行く。営業は11時からで、時間はちょっと早かったが、中に入るとどうぞどうぞと言われたので、ブーツを脱いで入った。下駄箱にはショートブーツがギリギリ入った。ロングブーツは入らないので2カ所使うしか無いようだ。下駄箱の鍵は自分で持ってるシステムなんで、2カ所使っても問題ない。ちなみに無料。100円玉も必要なし。フロントに手形を見せると判子を押してくれた。温泉までの行き方を丁寧に説明してくれた。かなり大掛かりな建物なんで、中で道に迷いそうだから、よく聞いてそして温泉に向けて歩き出した。階段を下りて1階に、そして大きな鯉のいる池をぐるりと廻るようにして、休憩広間やゲームセンター、レストランを越えて一番奥の方にあるのが温泉だ。

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ここは男湯と女湯が入れ替わるのだ。今月は男湯は洞窟風呂だぞ。洞窟だと聞くといやがおうにも盛り上がるぜ。暖簾をくぐって脱衣所に入る。そして、分析表が眼に入ったので見たら、源泉は満願成就の湯だった。ああ、ここは以前は満願成就の湯だったんだ。オーナー会社が変わって、名称も変わったわけだな。そうか、そういう事だったのか。満願成就の湯はそのうちに行こうと思ってたところだから、丁度いいな。ロッカーは縦長の大きなもので実に使い勝手が良い。ライダーの大荷物も余裕で入る。これはいい温泉だぞと、上機嫌で今の君は〜ピカピカに光って〜と歌いながらパンツを脱いでたらケータイがぴろぴろりーんと鳴った。メールが来てた。Tさんだった。「ヘイ! おんぽいの湯に来てるぜ! これからウルトラシャッフルするぜ! そしてなんたらかなんたらに寄って帰るぜ! まいったか!」と楽しそうだった。なんたらかんたらってパン屋の名前でどこだったっけ? 何かうすらぼんやりと思い出して、ああ、帰り道によれるな、と思った。取りあえず「こっちは伊那谷だぜべイベー」と返信しておいて、取りあえず温泉に入った。身体を洗ってまずはなかなか広い内湯、ぬるぬる湯がサイコーに気持ちいいね。天界じゃ。ぽへーと溶けそうになってたら、洞窟温泉を思い出して、そっちに行ってみた。真っ暗な入口、ここに入ればいのだろうか、そろそろと奥に進むと、薄暗い中ぼんやりとお湯が見えた。更に進むと、おお、洞窟の中に温泉がなみなみと湯をたたえているではないか。どぼんと入って気持ちええー。誰もおらん貸し切りだった。タンノンして内湯に戻った。最後は露天風呂だ。鯉の池かと思ったら露天風呂だった。天気も気候もいい風景もいい露天風呂でサイコーだった。しかしここも貸し切りだった。うーん、なんか満願成就の湯が終わってしまった理由がわかるような気もする。

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タンノンして脱衣所に戻ったら、客が何人かいた。地元客なのか常連さんなのか、その会話に、ここは空いてるから良い、とか、前も空いとった(満願成就の湯の時も、の意だと思われる)あんまり人気がないみたいだな、その方が空いとっていい、など聞こえてきた。やっぱり満願成就の湯が終わった理由がわかるような気がした。でもいい温泉なんだから水晶はがんばって欲しいなあ。湯も建物も接客も良いんだから、場所がいまいちわかりにくい、アクセスしにくいのをなんとかすれば大丈夫だよ

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温泉を後にして、当初の予定では153号線を南下して帰る予定だったが、Tさんとランデブーをもくろんで、もう一度清内路峠を越えて19号線に戻った。途中でケータイメールを送ったが、返事がなかったもんで、もうスルーして帰っちゃったかなーと思たが、天気もいいし、もうちょっと走りたかったもんで、阿木川ダムの近くのパン屋まで行ってみた。そしたら、店の看板の前に、漢前仕様のCB1300SBがでーんと止まってた。おお、こんなナイスタイミングな事もあるもんだ。ヘルメットを地面に置き忘れてるのが気になるが、なんにしろ良かった良かった。これでだーれもいなかったらニーチェのように虚しいところだった。バイクを止めて店の方に行くと、ベランダの席にTさん夫妻がいた。こうしてランデブー作戦は成功したのであった。そしてわれわれは、いちごデニッシュと飲み物をいただきながら、新古典派経済学の主張する客観的絶対量の増減が期待効果を最大限にするか、あるいはそのリスクに対する唯一の期待精度と判断できるかという問題に対するカーネマンの分析について議論した。結論としては、やはり単焦点レンズが最高に良いというととになり、会はお開きとなった。われわれは再会を約束して分かれた。

Tさんと別れたあとは、19号線に戻ってひたすら走って帰って来た。多治見はホント渋滞するなあ。

本日の出費

マクドナルド 200円

コンビニパンとコーヒー 273円

いちごデニッシュとコーヒー 670円

本日のCBR600RRの走行距離 250キロくらい

累計のCBR600RRの走行距離 5200キロくらい

水晶山温泉の情報

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