西尾は小京都の夢を見るか
3月18日(日)
先週、かなり暖かくなって、で、今週、また極寒に戻るとの予告先発通り、月曜日の朝のニュースは高山の豪雪を生中継で、おいおい、ようやく山の方に行けるかも知れんなんて楽観的客観的な思索にふけってたのに、三寒四温というけれど、またしても山方面はお預けかよ、どうしてくれようなどと思っていたのだが、それどころでないのがガソリンの価格高騰である。深刻かつ急速な価格高騰は、なんとレギュラー150円突破だよ。ハイオクにいたっては160円突破で、もはや内燃機関の起動が危機的状況なのである。これでは軽い気持ちでツーリングに行けれんではないか。ああそうか、何事も軽い気持ちでやってはいかん、そういいたいわけだな。思えばこのあらゆるものがデジタル化していく現代、特にその変化が大きかったのは音楽の世界、アナログレコードからデジタルCDそして、いまや音楽はネット経由で空から降ってくる時代、小遣いを貯めて買ってきたレコードを毎日毎日すり切れるくらい繰り返して聞く、だからこそ真剣にその音楽と向き合うことが出来たのに、今じゃ軽いノリで聞いてるもんで全然心に染みてこない。あるいは写真の世界、銀塩カメラは高いフィルムと高い現像代がかかる故に、シャッターを押すのにどれだけ神経を集中させて気配り心配り細心の注意で構図を考え絞りを考えたもんだが、いまやデジタル、バシャバシャ撮りまくって、あとでPhotoshopで加工、失敗作は即削除、メディアカードには500枚も撮影できるんだから、パッパラパーと軽い気持ちで写してるもんだからろくな写真が撮れん。そうか、そうだったのか、だから、このガソリン高騰時代、真剣にバイクと向き合い、神経を集中させてツーリングに行くことが大事なのだ。ということで、ツーリングに行くことにした。
いや、実は今週末も週間天気予報では曇り雨だったんで、ツーリングは行けんかなあと思ってたんだけど、土曜日の天気予報では日曜日は回復して晴れるような情報だったんで、こりゃ幸い、行っちゃうもんねーとなったのであった。出撃機はFTRである。前回のツーリングで原因不明のライト不点灯という緊急事態に見舞われたCBR600RRのライトが大丈夫なのか、もう一度確認の為に走ってきたい気もしたが、バイクが汚れるのは困る。また、順番ではCB1300SFなんだが、これも汚れるのは困る。FTRなら汚れてもいいのか、それは差別ではないかという批判があるかも知れんが、諸君は肝心なことを見落としておる。それがガソリン代が高いということである。わざわざ冒頭にその話を書いたのはそういう伏線さ。FTRの圧倒的な好燃費はこの時代の強い味方である。我々にとって実に心強い武器である。ということで、FTR出動。
さて、当日、午前5時に更新される気象庁のサイトにあわせて起床し、最新情報をチェックすると、昨日の夜は晴れになってたのに、今朝は曇りである。うーむ、ビミョーである。どうするかこうするか、などといろいろ考えつつ、目玉焼きトーストを食って、雨戸を開けたらどんより曇り、しかし雨は降っていなかった。ここで思い出されるのはあのカッコいい台詞である。「朝、雨が降ってなければツーリング日和」そう、その通り、では準備して、納戸からFTRを引っ張りだした。まずは実家に行く。だってコーヒー飲みたいもんね。今実家にあるコーヒーは、京都の小川珈琲だもんね。高級品だぞ。増量セールやってたもんでものすごくたくさん買っちゃったから、どんどん飲まんといかんのだ。それに、今回買ってきた京都ブレンドとモカブレンドをブレンドすると、すごくおいしいコーヒーになるので、これは飲んでから行くか、行ってから飲むかという選択になるのであった。当然、飲んでから行くに決まってるじゃん。実家でコーヒーを飲んで、ヤマザキの薄皮あんぱんを食って、うーむ、珈琲にあんこはベストマッチ、これぞあんこ好きの醍醐味、などと感涙しつつ、桃太郎(実家の雄猫)が自分の寝床の近くに置いてある黒いクシタニヒップバックを気になって仕方がない様子を見てニヤニヤするのであった。
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さて、コーヒーも飲んだので出発である。今日の目的地は、温泉博士の小京都の湯である。西尾市にあるスーパー銭湯だな。山の方に行けんし、天気がイマイチなんであまり遠くまで行けんし、他にないのでいつものように消去法で決定した。ルートが302号線1号線23号線と言う幹線道路を使うので、CBRやCBの方が良いかも知れんが、何度も申し上げてるように、諸事情によってFTRなのだ。
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で、まずはガソリンである。守山方面から行くので、そっち方面のコスモ石油に寄った。トリップメーターが260キロになってたけど、なんか触って数字がおかしくなってるな前回は岩村で給油してるから、そんな距離な訳無い。でも、どれだけ走ったか覚えてない。あれ、どうだったっけ、まあいいや、給油しとこ。満タンにしておくのが一番間違いないからな。そしたら1リットルちょっとしか入らんかった。げ。なんだよ、給油しんでもよかったんじゃん。
さて、右往左往したが、とりあえずこれでよしということで、備えあれば憂いなし、満タンだったら安心なので、大船に乗ったつもりで走り出す。全席マイナスイオン設置のパチンコ屋のある交差点を曲がり、庄内川を渡って守山区に入る。そこから竜泉寺街道を走って小幡で環状線302号に合流した。前を走ってる軽自動車は沖縄ナンバーだった。すごい、この週末、沖縄から観光に来たのだろうか。ぜひ名古屋のうまいもんを食って行ってくれ。手羽先とか味噌煮込みとか、ひつまぶしとか、いろいろあるでよ。特におすすめは小倉トーストだぞ。うまいぞ。
302号線は混雑も無く順調に進む。所々に現れる電光掲示板には、名古屋高速だか環二だかの渋滞情報が表示されている。しかし、302号は順調である。この道はなかなか気持ちよく走れるな。おっと、気持ちよく走れるからと言って飛ばすのは御法度だぜ。ゆっくり行くぜ。ゆっくり走って前の車に追いついたら、おおっ、前の車のリアにどくろマークのステッカーが貼ってある。これは何だと思ってよく見たら、ワンピースのどくろマークだった。知ってるよね、ワンピース。びゅーーーんと格闘ゲームのキャラみたいに手が伸びる主人公の話。海賊のマンガ。我々の世代はどくろマークと言えばキャプテンハーロックだが、今の世代はワンピースなのである。大人気ベストセラーだもんね。まあ、ハーロックの方がカッコいいけどな。なんたってあの名台詞がカッコいいんだよ。「男には負けるとわかっていても行かなければならない時がある」これが男の生き様さ。要するにこういうことだ「男には怒られるとわかっていても買いたいものがある」あれ? 違う? 違いますか?
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しかし、302号線って快適に走れるけど道路沿いになんにも無いからつまらんな。防音のためのシールドみたいな遮蔽壁が延々続く光景はなかなかシュールだぜ。その壁が途切れて時折、街が見える。大手スーパーがあったりする。それにしても空は相変わらずどんよりで、今にも降ってきそうな様子だ。降ってきそうなんだが、降ってこない降ってこない絶対に降ってこない、と呪文のように唱えると、本当に降ってこないような気になるのであった。これがポジテブシンキンってやつだぜ。
ようやく1号線までやって来た。1号線は激烈に渋滞してた。こんな激烈渋滞でもスリムボディのFTRなら全然へっちゃらですり抜けが出来るのさ。スイスイと渋滞路を脱けて進んでいく。この時によくわかるのが、周りに気を配ってるドライバーと、全然見てないドライバー。紺色の三河ナンバーのHONDAストリーム、オメーのことだオメーの。ハイビームライトが後ろ来たら路肩側を開けて通せよ。全然後ろに気がついてないぜ、どうしようもない。それに比べて名古屋ナンバーのグレーの日産フーガはすぐに気がついて大きく路肩側を開けてくれた。やはりこのクラスの高級車に乗ってるドライバーはこれくらいの度量が欲しいもんですな。
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渋滞は競馬場の交差点まで続いて、そこからはガラガラ、順調に走れた。ここの交差点がネックのようだ。交通量に対して、信号交差点の時間が短すぎるとこうなるのだ。国土交通省はこういうところをもっとマメにチェックして円滑かつ順調な交通となるよう日々研鑽して欲しいものです。あ、だからといって得意の有識者により第三者委員会を立ち上げて検討する必要は無いぞ。委員会とは胃袋が12個あるのに頭は1つしかないバケモノである(マーフィーの法則)
豊明のマクドナルドで休憩ポイントの予定をしていたのだが、今朝飲んだコーヒーがうまかったし、あんぱんを食ったのであまり腹が減ってない。どうしようかと思っていたら、マクドナルドまで来てしまった。とりあえず、駐車場に入ったんだが、このマクドナルド、なんか土地の造成がヘンテコで、奥の方に斜めの駐車場、坂になってるわけよ、坂になってる駐車場なんだよ。バイクが最も苦手な坂、こんなところにバイクを止めれんなあと思って、店の周りをぐるっと回ったら、その道がドライブスルーの道で一方通行、そのまま再び1号線にはじき出されてしまった。なんてことだ。あー、もう一回戻って駐車場に入る気がしなかったから、まあいいか、スルーだなということでそのまま23号線の分岐点まで走って行った。
23号線への分岐点は、うろ覚えだったが、カンと度胸でここだ! と思ったところを曲がったら、幸いそこが正解だった。そしてその23号線だが、別名知立バイパスと呼ばれるだけのことはあって、どこぞの信号機だらけで渋滞ばかりしてる某19号バイパスとはえらい違いの高架型超高速幹線道路、FTRではちと荷が重過ぎたかと後悔しまくりなのであった。そりゃFTRだってダートラ、速く走ることにかけてはそれなりの戦闘力を持っているのだが、それは例えばタイトコーナーの続くワインディングや、悪路の山道、あるいはストップ&ゴーの多い市街地の話で、こんな高速幹線道路はやはり大排気量大型バイクにはかなわないのである。うしろからミニバンやらハイブリッドカーやらトラックにガンガン抜かされつつ、ようやく安城西尾インターまでやってきて、下道に降りることが出来た。やれやれ。今度はもっと戦闘力のあるマシーンでリベンジに来るからな。おぼえとれクソ。
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そこから今回の目的地まではすぐだ。県道12号を走って米津橋を渡り、渡ってすぐの交差点を曲がってさらに進むと、おしろタウンシャオが見えてくる。シャオはいわゆるパワーセンターだな。一時期はやったよな。複合小売店集合施設とでもいうのか、それぞれのカテゴリーのお店が集まって集客量を上げる商法。その中に小京都の湯もあるわけだ。駐車場に入って、奥の方に行くと、小京都の湯の建物があった。その前に駐輪場があったので、これは幸い、屋根があるところにバイクが止められるぜ、とそこの空いてるところへFTRを入れた。なんだかんだで、結局ここまでノンストップで来てしまった。予定通り、約2時間かかった。では小京都の湯に入ろう。
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ヘルメットをホルダーに括り付けて建物の方に行く。中に入ると、典型的なスーパー銭湯だった。下駄箱にブーツを入れてフロントへ行く。きれいなおねーちゃんが「いらさいませえ」と愛想よく迎えてくれて実に気分がいい。温泉博士を出してハンコをもらう。下駄箱のキーを預けてロッカーのキーをもらう。バーコード付きのキーだから、館内の食事なども全部これで管理するタイプだな。「お風呂は2階です、ごゆっくりどうぞ」と言われて階段を登って2階に行った。男湯ののれんをくぐって脱衣所に入る。いかにもスーパー銭湯らしい整然としたきれいなロッカールーム、風呂というよりプールの更衣室。自分のロッカーに荷物を突っ込んでお風呂場へ移動する。洗い場シャワー、それほど冷えてないがそこそこ冷えてた体が生き返る感じ。それから体を洗って、まず内湯の湯船につかった。ふえー、気持ちええ。でもこれ白湯なんだよな。どこが温泉なんだろう。しばらく浸かって、体が温まったので露天風呂に行ってみた。露天風呂は目隠の壁が囲んでいたが、そこに大きく「下呂温泉」と貼り出してあった。説明をよく読むと、ここは人工温泉で下呂温泉の湯を再現してるらしい。まあ、たしかに下呂温泉みたいな感じもしないでもないけど、そもそも、アルカリ単純泉ってのは無味無臭のさっぱり白湯と変わらんから人工温泉ですと言われてもなんだかなあ。うーん、でも温泉は温泉だから温泉なのだ。よしとしよう。いやよくないぞ。だいたい、なんで小京都なのに下呂温泉なんだ。おかしいだろ。せめて京都付近の名湯にするべきじゃないのか。ああダメか、京都に名湯は無かったな。それなら、そうだ、西では有名どころの有馬温泉とか、ああ、ダメか、有馬は湯が奇特過ぎて人工温泉では再現できんな。じゃあちかいところで南紀白浜温泉はどうだ。それくらいにしろよ。っていうかさ、そもそも、何でここが小京都なワケ? 小京都を名乗るくらいなんだから、もうちょっと風情のある街並にして欲しいよな。城端を見てみろ。あそこは小京都と名乗ってもいいところだぞ。善徳寺なんとそりゃもう立派だ。それに比べて、ここの混沌とした有様はまるで大須商店街か秋葉商店街。個人的にはその方が好みですが。とにかく、なぜ西尾が小京都なのか、その辺りをはっきりさせてもらおうじゃないか。よし、帰ったら検索だ。
ということで、タンノンしたら出た。出て、クールダウンして服を着て、脱衣所を出て休憩スペースで休もうか、何か食おうか、どうしようか、まずは食事処の様子を見に行ってみようと、1階のレストランに行ったら、11時にも関わらず客は全然いなかった。これってどうよ。なんかメニューも見たけど高いし、それよりこの周りにいろいろお店があったから、そっちで探した方が良いんじゃないかと思った。それスッゲーいい考えじゃん、おれってあったまいいーと思って、フロントでロッカーのキーを返して下駄箱のキーをもらい、建物を出た。さて、どの店の何を食うかと思って外へ出た。雨が降ってた。ザーザー降ってた。マジ? マジ降ってる? なんですと? 何で降ってる? 降っちゃダメだ降っちゃダメだ。しかし降っているのであった。
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よし、冷静に考えよう。まずはこうなった原因を探る。そしてその原因を突き止めたら、その原因を排除し、この先その原因が発生しないように対策を練る。そしてそれを水平展開する。これが我が社の不良品撲滅方法です、ってちがーう! そうだ、まずは何か食おう。それだ! それが一番いい作戦だ! 幸い、ここにはいろいろ店がある、よりどりみどりだぞ。その時、女の子2人組がマクドナルドの紙袋を持って歩いていくのが見えた。おお、ここにはマクドナルドもあるぞ。そうだ、まっちゃんにもらったマクドナルドのクーポン券、時間の関係で、いままで朝メニューしか食えんかったが、こうなったらビバリーヒルズバーガー食ったるぜ。行くぜ、誰にも止められないぜ。シャオの店内に入ってマクドナルドに突き進む、そしてそこでハタと気がついた。あ、クーポン券って持って来たっけ? あれ? どうも記憶が無い。財布を開けてみたら、無かったでした。そういえば、こたつの上に置いたままだ。がーん、がびーん、どびーん、すべて終わった。天は我々を見放したか。そのうちサイト訪問者諸氏からも見放されるよ。
がっくりと膝をつき、もはや生きる気力も失せてしまった。そのとき、心に響く言葉が‥‥”May the forth be with you”(by OTONA TUTAYA)ダースベーター「強いフォースを感じる」プロトン爆弾がX翼戦闘機の発射管から打ち出され、排気口に吸い込まれる。そしてその直後、ついに帝国軍の悪の象徴デススターは木っ端みじんに粉砕されたのだった! そうだ、マクドナルドがダメならセブンイレブンがあるじゃないか。セブンイレブンに急行だ。そして、セブンイレブンでパンとコーヒーを賈って飲んで食った。これでちょっと落ち着いた。落ち着いたらバイクに戻った。そして、帰りのルートを検討した。この雨の中をカッパなしで走るのに、やはり高速幹線道路を走るのは危険である。県道をつないで走った方が賢明である。そのルートを検討した結果、県道12号から45号76号そして57号を走るルートに決定した。地図を持ってきてよかったよ。やはり頼れるのは脳内ナビより紙の地図。そう、ここでもアナログのよさが再認識させられたな。
12時になった。雨が小雨になってきたので意を決して発進する。ヘルメットを冠り、エンジン始動、屋根の下からFTRを引っ張りだして、小雨の中走り出した。
安城で雨がやんだので、ずぶ濡れは回避された。
なんとか2時間で帰って来れた。
で、問題の「なぜ西尾が小京都と呼ばれるのか」ですが、すんません、わかりませんでした。知ってる人教えてくんでごめんなさい。
本日の出費
パンとコーヒー 196円
本日のFTR223の走行距離 100キロくらい
累計のFTR223の走行距離 14280キロくらい