暴風に飲まず食わずで猪倉直行直帰
4月7日(日)
気がついたら3月が終わってた。そんで、当然の事だが4月になってた。4月と言えば春である。春だよ、春。長く厳しい寒さの冬が終わって、暖かい季節がやってくる。それが春なのだ。ライダーにとっては待ち遠しい季節、それが春である。春になればバイクに乗るハードルがグンと下がるもんね。あー、早く来い来い、春よ来い。よっしゃー、4月だ春だ、春来たーっ、って全然来とらへんわ。何この寒さ。なんで未だに朝起きたらガスファンヒーター全開なんですか。なんで未だに会社に行くのに冬ジャンバー着用なんですか。なんで未だにあったか鍋メニューが恋しいんですか。なんで未だにみやこちゃんはこたつインなんですか。ついでに私もこたつイン専門だもんね。こたつサイコーよ。冬はこたつでみかん、これが正統派日本人です。
そんなわけで、ツーリングに行く事にした。それでだ、優秀なるサイト訪問者諸君はご存知のよりに、ここ3週間のツーリングは天気にめぐまれず惨憺たる事態になっておる。この惨憺たる状況を、今週こそ打破しなければならない。打破できねば、サクラチル、シナノジハユキフカシになってしまうぞ。あー、それにしても、昔は風情があったね、電報ってのは短い文章に意味を込めてセンスよく考えられてたね。いまじゃ140文字連続投稿の時代だもんな。そういえば久しくやってない温泉なう。もう「なう」は流行遅れなのか。なにしろこの業界は流行廃りが早いからな、えーっと、まあいいや、とにかく、今週は打破が至上命令である。ゆえに、天気予報は週の半ばからしっかりチェック、それによるとどうやら天気はいいみたいだな。よしよし、などと考えつつ安藤裕子を聞きながら、今週末は猪倉温泉温泉博士で決定だな、後は土曜日にするか日曜日にするかだな、と思っていたのであったが、土曜日にまっちゃんが用事があるというので土曜日に行ってこいと言われて土曜日に決定したのであった。
で、土曜日、朝5時に起きて天気予報を最終チェック、ついでに岐阜方面のライブカメラもチェックしたんだが、やはり飛騨地方は雪が残ってるようで、今月号の温泉博士は奥飛騨温泉でいいのがたくさんあったもんで行きたかったんだけど、やっぱり無理っぽい。残念である。週の半ばに春の嵐があったからな。あれすごかったよ。実家もウチもいろいろもの吹っ飛んでっちゃったよ。あれじゃあ飛騨は吹雪になってもおかしくないよな。来週は暖かくなってこの雪が溶けるといいのだが、どうなるかは全く以て五里霧中、一寸先は闇なのであった。
さて、朝飯のウインナーと玉子とトーストを食って、準備して、完全冬装備で準備なんだけどさ、なんで未だに完全冬装備なんですか、4月になったら春装備に軽減してもいいもんだが、天気予報では最高気温12度だもんね。真冬の寒さだよ、完全冬装備でも仕方ないじゃん。ハウスマヌカンのねーちゃんみたいに、季節が春になったら寒くても春物を着て出勤するようなポリシーないもん。ライダーは常にレイヤード多めに着用が基本だもんな。実家に行ってコーヒーのんで薄皮あんぱん2個食った。このあんぱんうまいよね。食ってエネルギー充填120%になったので、ガレージからCBR600RR/ABSを引っ張り出してエンジン一発始動! 前回、原因不明のフロントライト不点灯があったが、今日は朝から煌煌と点いてる。問題ないみたいだな。では暖気を済ませて出発である。
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まずはガソリンだ。いつも残すも石油に向かうのだが、その途中で信号待ち、ふと横を見たら道路に意味不明の記号が書かれていた。とんでもなく横長になったサウジアラビア語みたいなんだが、なんじゃこれ? で、すぐ気がついた。これ制限速度の表示だ。横から見るとこんなに細長いんだね。数字に見えんかったよ。これを進行方向から見ると、普通に制限速度50キロの数字50に見えるんだ。いやー、意外とこういう角度で見る機会がないから気がつかなかった。
感心しつつ、コスモ石油に着いた。さて給油である。なんせこのバイク、ハイオク仕様である。生意気である。ハイオクは高いので、なるべくケチっていれようと思った。で、給油口までいっぱいに入れたら7リットル入った。133キロで7リットル、おしい20キロ切った。まあいいか。ちなみにハイオク価格はリッター163円である。バケモノ的価格である。7リットルで1000円越えである。参ったな。
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コスモ石油を出て19号線を名古屋方面に向かう。結構交通量が多いのである、時間がちょっと遅いからな。猪倉温泉までは約3時間かかるので7時出発10時到着を予定していたのだが、まあ、人生いろいろあってさ、出発は8時過ぎになっちまった。決してトイレで踏ん張ってて時間がかかったわけではないぞ。決してコーヒー飲んであんぱん2個食ってから3個目を食うか食わんかで悩んで時間がかかったわけではないぞ。結局2個までにしといたんだけどさ。オレって自制心がるよなー、バキッ!(まっちゃんに殴られる音)
そんなわけで、交通量が多くて時間がかかりそうなんで、いつもの名古屋市内ルートは止めて、302号線で1号線まで走る事にした。市内コースは先週FTRで走ったしな。ルートは決定、あとはそこそこのスピードで19号を走り、勝川で302号線に入った。すでに名環二は四日市あたりで渋滞が発生しているとの情報が表示されていた。下道も混雑しそうだな、思ったより時間がかかるかも知れんと冷静な判断をしつつ、302号線の多い交通量の流れに乗って走っていくのであった。41号線のアンダーパスを過ぎた辺りから多少、流れが良くなってきた。後ろから黒い車が接近して来たので、すわ、覆面かと緊張が走ったが、追越しされたら、単なる黒いセダンだった。それも、80年代一世を風靡していたいわゆるマークII三兄弟の一番人気のないチェイサーだった。それがしかもマットブラックに全塗装されたチェイサー、ドライバーのセンスは限りなくミリタリーである。芸術は爆発だなどと思いつつその車を見送ったら、今度は後ろからバイクが急速に接近してきた。さっき交差点で見かけたKawasakiのGPZ900RNinjaだ。しかも渋いシルバーメタに当然アンダーは外して集合管装着チューンドモデルである。追越し車線から颯爽と抜いて行った。ヘルメット越しに挑戦的な視線が送られてきた(ような気がしただけ)、なるほど、やる気か? いいだろう。GPZなぞすでに過去の遺物であることを思い知らせてやる。このHONDA最新テクノロジーの集合体であるCBR600RR/ABSがな! すぐに見えなくしてやるぜ! 後方確認を素早く済ませて追越し車線へ車線変更、一気にアクセルをひねる。甲高いエキゾーストがこだまする! GPZはひらりひらりと走行車線と追越し車線を巧みに切り抜けて走って行く。あっという間に見えなくなった。はえー。‥‥フッ、言った通りだろ、見えなくしてやったぜ。
302号線はやがて1号線と交差するオーバーパス高架橋まで来た。そこで1号線にスイッチする。1号線を三重方面に走って行く。ここも交通量が多いな。それなりのスピードで進んでいく。天気はそこそこ晴れ、雲が多いが青空も見える。電光掲示板温度表示は8度を示していた。その割に寒いのは風があるからだろう。ここまで来て、海岸にかなり近づいたせいか、風がかなり強めに吹いてきている。風が強いのは春の季節の特徴だが、ライダーにはあまり歓迎できない自然現象だな。特に、CBRみたいなフルカバードフォルムのバイクは横風にすこぶる弱いのだ。走ってて横に引っ張られたり、止まる時にふらついたりする原因にもなる。危険とまでは言わんが、なんかちょっと気になるストレスがかかる。小さなストレスが継続するストレスは大きなストレスより大きいらしいからな。あれ、なんか変な事言ってる? 大丈夫だよね。
1号線から23号線にスイッチするため県道66号に入る。先週、この辺りをFTRでウロウロしたんだ。なかなか面白いツーリングだったよな。今日はまっすぐ走って23号に出るのだ。23号との交差点まで来た。ここのフェンスにはでかでかと「ゴミを捨てるな」と掲示してあるんだけど、その看板が全く意味をなしていないくらいゴミだらけなんだよ。ひどい状況だよ。エロ本やコンビニ袋の菓子や弁当かすが捨ててある。それだけならまだしも、フェンスにはご丁寧にペットボトル500ミリリットルサイズが、フェンスの編み目にぶっ刺してあるのだよ。それが結構な数なんだよ。横着なヤツがたくさんいるなあ。しかし、ぶっ刺してある高度から考えると、一般車輛じゃないのは明白で、トラックみたいに運転席が高い位置にあるところから刺したに違いなのである。トラック運転手のには猛反省を促したいものである。
23号線に出たらペースを上げる事が出来るかと思いきや、あまりペースが上がらんのであった。途中、ゴミだらけの駐車場に辟易した温泉ドライブインのあるところで、バイク軍団が終結していた。オフ会かな。どんどん走って行くと、道路脇でバイクがズラッと5台並んで止まっていた。ライダーが集まって何事か話し込んでる。何かあったか? 忘れ物したとか、メンバーが足らんとか? どっちにしても23号線なんて交通量が多い道路であまり長い事止まってない方がいいと思うよ。
長島から桑名、桑名から四日市へ、四日市から鈴鹿へ23号線は進むのであるが、予想以上に時間がかかっているのであった。目的地の猪倉温泉は11時に着く予定だったが、このままでは無理っぽいな。恒例のマクドナルド朝メニューだが、23号線三重方向車線側にある貴重なマクドナルド岸岡店に寄る予定をスルーに変更する。どうせ実家でコーヒーとあんぱん食ってお腹減ってないからいいや。帰りに食おう。マクドナルドのクーポン券でたまには普通に食ってもいいしな。しかし、クーポン券は持ってきてない事に気がついたのであった。がーん。しまった。仕方がない、何か他のもん食おう。
市街地で混雑、その間の田んぼの中を走る幹線道路の23号線ではわりとかっ飛ばせるので、カッコーンと走って行くのであった。でも途中で、ホワイトライダースのジョー発見、緊急減速なのであった。結局、ペースは上がらんのであった。
ところで、23号線の沿線には大きな工場が多いんだけど、工場の周りにはなぜか桜が多いのでありまして、その桜がわさわさと咲き始めているのであった。なかなかいい感じになってる桜もあって、こりゃいい撮影ポジションだよ、などと思ったんであるが、いかんせん、会社の敷地内では勝手に入るわけにいかんもんで、撮影できないのであった。まさしく断腸の思いで、バイクの上から走りながらの忙しい花見になるのであった。
さて、津市内に入った。いつぞやに新年早々オフ会でウナギを食った新玉亭のある津である。新玉亭のウナギ、おいしかったよなあ。またウナギのオフ会やりたいなあ。やってくんないかなあ。あくまで他力本願。
津から163号線に入る。この道は榊原温泉や青山高原に行く時の道で、なおかつ、とてもわかりにくいところなんで、意外によく覚えてるんだよ。続けざまに交差点が2カ所あるけど、奥の交差点で右に曲がるんだよ。そうすると津新町駅がある、その周辺はかつては我が世の春を歌った商店街が、いまや時代の波に逆らえぬシャッター街と化している典型的現代風景を鑑賞できるのだ。しかし、以前より格段に過疎ってきてるよ。なんとも地方の疲弊は想像以上に進行しており問題は深刻ですよ、檜山先生。
163号線を進むと、それまでの都会の街の風景は消え、いなかの山と河の風景に変貌する。榊原温泉の辺りでは桜祭りみたいなのやってた。ここは以前、案山子祭りやってたな。祭りが好きな土地柄のようだな。地元の人は大変だ。誘導員の人が大勢立ってた。そんな中を通過してどんどん細い山道に入って行く。あっれー、こんなすごい山奥だったっけかなあ。なにぶん、久しぶりに来るもんで、とにかく覚えているのはとんでもなく辺鄙な山奥ってことだけで、だとしたらこの道でいいんだろうけど、それにしてもすごい山奥なんだけど、天気も怪しくなってきたし、雲いっぱいでてきたし、寒いし風強いし、どんどん不安になってきた。そしたら、いきなりトンネルの前で看板発見。ああ、思い出した。ここ曲がったところだ、すっげー狭い道を入ってくんだ。ここだここだ。おおっ、思い出したぞ。
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こうして予定よりかなり遅れて猪倉温泉に到着した。風が強いのでバイクがデングリ返ると困るなあと思い、なるべく風の当たらないところにバイクを止めて温泉セットを持って温泉の建物の方に歩いて行く。ここらへんの桜はまだ全然咲いてないな。寒いからなあ。建物に入って、ブーツを脱いで100円リターン下駄箱に入れようとしたら、背の低いのしかないじゃん。仕方がないので寝かせて入れた。フロントで温泉博士にハンコをもらい男湯ののれんをくぐる。
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脱衣所はそれなりの広さの縦長のロッカー、荷物を突っ込んで100円リターンでカギ持ってお風呂場へ移動する。シャワーで冷えきった体を解凍してから洗って、湯船に浸かった。ふええええー生き返るわい。ヌルヌルお湯で気持ちええ。内湯でタンノンして、露天風呂はどうだ? と思い、露天風呂の様子を大きな窓ガラス越しに見たら、やっぱりすごく風が強そうなので止めた。ここは以前来た時も露天風呂が風がキツくて寒くて死にそうだったんだよなあ。歴史は繰り返される。
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タンノンしたので出た。クールダウンして装備装着、脱衣所を出た。そして下駄箱に横向きに入れたブーツを出して履いて建物をあとにした。バイクに戻ったら、心配していたがデングリ返ったりしてはいなかった。ほっとしたよ。このせいであまり落ち着いて入っとれんかったもんな。さて、山を下りて何か食うか。ヘルメットをかぶってエンジンスタート、駐車場を出ようとしたら別のバイクが止まっているのに気がついた。BMWのGF2台と、HONDAの新型のNX700だ。NXは初めて公道で見るよな。なかなかこうして見るとカッコいいよね。
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来た道を戻って23号線まで戻ると、風はますます強くなってきた。ほとんど台風並みになって来た。お店ののぼりは引き千切れそうにはためいて、街路樹は弓のようにしなって折れそうだ。看板がピューピュー風切り音を立ててるし、カーブミラーや信号機の柱がぐらぐら揺れてる。ちょっとこれはヤバいんじゃないの。この辺りから一刻も早く脱出して、風が弱い地域まで移動しよう。23号線でコンビニに寄る予定だったが、この暴風ではコンビニでパンを選んででて来たらバイクデングリ返ってた、なんてリア王並みの悲劇に遭遇した暁には、ひとりジャーマンスープレックス状態するしかないぞ、ということでコンビニ寄るの中止。とにかく、名古屋市内まで戻ろう、風が強いのはおそらく海岸に近いこの辺りだけだと予想して、必死に23号線を戻って行った。しかし、風は全然収まらないばかりか、前方、名古屋市街地方面には不気味な黒い雲が覆いつつあるのだった。ヤバい、これは降ってるかも知れん。っていうか、降ってるぞこれ絶対。先週と同じパターンだ。こうなっては市街地に入るのは愚の骨頂である。市街地を迂回する302号線、来た道を戻る作戦に変更した。そして302号線沿いにコンビニはなかった。そして結局、何も食わずにノンストップでかえって来ちゃったよ。
惨憺たるツーリングであった。
これで明日穏やかなツーリング日和になったら怒るでホンマ(やすし風に)。
本日の出費
なにもなし、直行直帰だもんね。
本日のCBR600RRの走行距離 240キロくらい
累計のCBR600RRの走行距離 8500キロくらいかな