下呂温泉への桜道路はタッチの差

4月21日(土)

気がついたらゴールデンウィークまであと1週間だった。ヤバい。日々日常の忙しさにかまけて、上半期最大のイベントであるゴールデンウィークのツーリングプランがほとんどできていなかった。だってこのところ忙しかったからな。安藤裕子の新譜も聞かないかんし笠井潔の新作も読まないかんしお菓子も食わないかんしテレビも見ないかんし休憩しないかんし一息入れないかんしコタツでウトウトしないかんしホント忙しい。しかし、そんな事は言い訳に出来ないので、とにかくじゃらんネットで、宿を探そうどこに泊まろうなどと考えつついくつかを候補に挙げていたら、なんか昔泊まっとことあるような気がする宿があった。この何十年というものの、あちこち旅行に行ってるもんで、記憶があやふやなところもあるんだよ。例えば九州阿蘇では有名な温泉に、はじめて行ったつもりでいたら、何気なく見返した過去のアルバムにしっかり写真が載ってて、あれ、ここ行った事あるんじゃん全然記憶にないんですけど、なんて事がマジである。何者かがオレの脳に意図的に操作を加えて記憶を消去したんじゃないかというくらい、見事に欠落してるんだよ。そんなわけで、候補に挙げた宿が、昔泊まった事ある宿か、ちょっと調べようと思った。週末にでも実家の書棚に並んでる昔のアルバムを見に行こうと思った。で、週末、今度という今度は雨でツーリングに行けそうにない天気予報だったにもかかわらず、土曜日だけは天気が一時的に回復するらしい。なぜかと言うと、チョー晴れ女まっちゃんがお友達と出かける約束をしていたからなのだ。「やっぱりアタシって最強晴れ女よね」というわけで棚ぼたでツーリングに行ける事になった。ラッキーである。出かける前についでにアルバムもチェックすればいいしな。


さて、当日朝、いつもの通りの5時起床、気象庁のサイトにアクセスして天気分布予報を見ると、三重は雨、愛知は曇り、岐阜は晴れなのであった。当初の予定では、温泉博士5月号の竹島ホテルに行くつもりだった。この竹島ホテル、すでにめっきさんがエストレヤのタイヤ交換慣らしツーリングに行ってるのだ。またしても先を越されてしまったのだ。こうなったら早急に事態を収拾する為にも、速やかに竹島ホテルの温泉に入る必要性があるのだが、しかし、天気予報は三重が雨、ということは愛知も弥富津島など三重に近い地域や、海で繋がっている知多三河渥美などは雨の危険があるから避けた方が良い。永年の経験に基づいた判断である。で、この場合、行き先はやはり晴れの予報の岐阜が良いに決まってる。で、温泉博士の岐阜なんだが、最近、岐阜の温泉博士がしょぼいんだよな。2軒しかない上に、その1つ花白温泉は土日祭日使えない、もう1つは濁河温泉で、これはぜひ行きたい温泉なんだが、陸の孤島みたいなところなんで、それ相応の準備をして行くべきであるから今回は見合わせた方が賢明であり、となるとどこに行こうか、困った弱った、岐阜で飛騨でこれまで温泉博士に掲載された事がなく料金が安くていい湯の温泉、ああ、下呂温泉があった、忘れとった。白鷺の湯に久しく行ってないからそこへ行こう。


で、準備して納戸からFTR223を引っ張りだして実家まで行く。実家で小川珈琲の京ブレンドコーヒーを飲みつつ、フジパンのミニあんぱんを食いつつ、アルバムを出して、昔、泊まったんじゃなかったっけと思った宿を調べたんだが、見つからんかった。見つからんかったのは、昔、泊まったんじゃなかったっけと思った宿が見つからんかったのか、泊まったんじゃなかったっけと思った宿に泊まった旅行のアルバムが見つからなかったのかよくわからん。うーむ、困った、などと右往左往してたら8時過ぎてた。やばい、もう出発予定時刻を過ぎてるじゃん。慌ててアルバムを片付けて、装備装着、バイクのところへ行ってエンジン始動、一発でブルルンと調子良く目覚めたFTR、暖気もそこそこで出発した。

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まずはガソリンである。いつもの19号線のコスモ石油である。前回の走行距離が100キロほどなんで、大して入らんが、今日は往復200キロの予定だから入れておいた方がいいからな。口元ギリギリまで給油したら2.7リットル入った。こんなもんだわな。ちなみにレギュラーはリッター147円だった。


ガソリン満タンになったので意気揚々と19号線に出て多治見方面に向かう。天気は予報通り曇りで、雨が降るような気配はないが、これがどの程度回復するかが今回のツーリングのポイントだな。気温は道路脇電光掲示板の温度表示がすでに15度と暖かい。ちなみに今日の装備がコットンシャツにコットンタートルにアクリルセーターに革ジャンと、ようやく重冬装備から軽冬装備くらいになった。手袋は春夏物で、これも白焼けしたのをクシタニ名東店でおすすめの馬油をぬりぬりして新品同様になった手袋をしてった。この馬油はいいよ。おすすめだよ。みんなクシタニ名東店に買いに行こう。何度も言うけど、これはステマじゃないよ。ホントだよ。こんだけ宣伝してるんだから、今度シャイニングブーツを買いに行く時にサービスしてもらえるかな。


多治見市内に入ったら、もう晴れ間が出てきた。想像以上に早く晴れになった。岐阜は晴れとの天気予報がジャストミートだ。素晴らしいぞ。こりゃええぞ。調子よく走って行くのであった。いつもの小泉ルートを行く。先週、満開だった神社の桜は、すでに葉桜になっていた。まあ、当然だわな。おそらく下呂辺りまでは葉桜になってると思われる。下呂が満開、その先がまだ咲いてない、これが予想である。であるからして、下呂で満開の桜をビシバシ撮影するぜ。


小泉ルートで国道248号線に合流する。今回も旧道を走って可児市街地を通過し、川辺で41号線に入った。41号線バイパスの高架の工事が再開していた。予算が確定したんだなきっと。トラ柵の向こう側でユンボやら重機が音を立てて動いてる。しかし、ここの工事も長いよなあ。始まったのはいつだっけ? 10年くらい工事してんじゃないの。子供が成人しちまわあ。

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41号線を北上する。41号は高速幹線道路なんでFTRみたいなバイクだと後ろから煽られたりする事があるんだが、今日は実にゆったりペースだった。これは精神衛生上実に都合がよろしい。FTRで快適な巡航速度で安心して走って行くのであった。葉桜が混じるとはいえ桜がまだ見頃なんで、そんな景色を眺めつつ、気持よく走っていくのであった。しかし、何でこんなにゆったりなのか、高山祭りはもう終わったからにわか観光客が多きわけでもないだろうに、と思ったら、先頭を走っているのがでかいトラックで、それがゆっくり走ってるのであった。地元ではわりと有名な某運送会社のトラックだった。ひょっとして、ドライブ記録機が標準装備なんだろうか。あれが装備されてると、速度超過が全部記録に残るから、帰社後のチェックで怒られるらしいからな。路肩に止めてサボり寝てるのもバレバレになるだろうから、やりにくい世の中になりましたって思ってるんかなあ。などと考えつつ走っていたら、路肩駐車帯に41号線名物のサンエツ運輸トラックが停車してた。運転席がカーテンかかってたんで、ドライバーは中で寝てるな。

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白川茶で有名な白川まで来た。途中の白菊の塔の桜も葉桜になりつつあった。これは想定内であった。そこを過ぎて飛騨川を渡って白川駅を過ぎてしばらく走ると、道の駅白川の温泉の看板があった。その看板は以前は、そこにあった温泉の看板だったんだが、その温泉が閉鎖されて道の駅白川にリニューアルオープンしたのだ。そう言えばそうだった忘れとった。うーむ、どうしよう。下呂温泉まで行かずとも、この温泉に入るのも良い作戦である。入った事ないし、丁度10時ちょっと前なんで、ちょっと待てば入れるし。今日みたいに、アルバム探してて出発が遅くなるなんて事がない限り、こんな10時なんて半端な時間にここにいる事はないと思うので、このチャンスを逃すと、また入れんくなるかも知れんぞ。しかし、しかし、下呂温泉の桜を見たいのもあるのであった。下呂温泉手前の41号線は、この時期は桜道路と言っても良いくらい道路沿いに桜満開なはずなんで、それを絶対に見たいと思って走ってきたので、その当初の目的を曲げるわけにはいかないのであった。初志貫徹、それがテーマである以上、ここで脱線は許されないのである。まさしく断腸の思いで道の駅白川を通過するのであった。

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通過して、やったぞ、誘惑に勝ったぞ、と雄叫びを上げつつ走って行くと、腹が減ってきた。で、41号線飛騨のオアシス、デイリーヤマザキに寄る事にした。ここで買うのは決まってるぜ。店内でサンドイッチを作ってますの店なんで、サンドイッチを買うのさ。先週はチキンカツサンドだった。今週は、先週どうしようかこうしようかと迷ったハム玉子サンドを買うのだ。迷わずチョイス、缶コーヒーと共に買って、バイクに戻って食った。うまかった。でもチキンカツの方がボリュームがあったかなあ。 食ってる間、41号線を何台もバイクが走って行った。BMW、Z2風のゼファー、タンデムのカタナ、オフロードバイクが何台か、みんな元気よく走って行く。予想外に天気がいいからな。


食ったし腹ごなしできたので再び出発する。FTRの快適巡航速度で走って行ったんだが、ゆったりペースのトラックはいつしか消え、単独でたらたら走っていると、そう、後ろから煽られるわけですよ。いきなりレクサスに抜かされ、スバルB4、それからワゴンRに抜かされた。ワゴンRは遠慮がちに抜かして行ったよ。

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やがて、本日のメインイベントの1つ、桜道路にやって来た。先週来たときは、まだ全く咲いておらずつぼみだった。あれから1週間、丁度満開春たけなわのはずだ。期待に期待して走って行くと、桜は満開に咲いていた。満開に咲いていたのだが、ああ、満開なのだが葉桜が始まっていた。おお、何てこったい、ここまで見た桜がほとんど葉桜が始まっていたんで、ちょっと危惧していたんだが、ああ、ここも葉桜初まりか。何とも残念、想像以上に早かったなあ。おそらく水木あたりの陽気が良かった頃に一番見頃満開だったんだろうなあ。タッチの差って言うんだよなこういうのを。まあ、いまでも満開って言えば満開なんだけど、どうにも、さきっちょの葉桜が気になるんだよなあ。あのさきっちょだけ新緑色なんだよなあ。なんか、セクシーブロンド美女が頭頂部だけちょこっと黒髪になってて、なんだよ、ブロンドは染めたブロンドかよ、っていう残念感といえばわかってもらえるだろうか。いえ、別に黒髪が悪いなんて言ってませんよ。欧米美女はブロンドに限るなんて言いませんよ。そりゃ、セクシー美女と言えばブロンド、ブロンド美女と言えばファラ・フォーセットの定理は、同世代ならわかっていただけるともうのですが、ケイト・ジャクソンもいいんですよ。あの何と言うか、知的なセクシーさって言うんですか。黒髪の美女もいいと思うんですよ。ジャクリン・スミスもいいと思うんですよ。でもやっぱりシェリル・ラッドもいいなあ。ああ、もう誰が一番かなんてわかんないよう。

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下呂に着いた。そこそこ観光客が闊歩してた。信号が青になったので進もうとしたら、おばはんが全然お構いなしに横断歩道を渡って横切って行きやがった。おばはん、そっちは信号赤なんですけど。渡ってから気がついたおばはん、一人で笑ってたが、事故ってたら笑いごっちゃすまへんで。観光地はこのようなことが多々起きるので気をつけましょう。それから道に迷う事なく白鷺の湯に着いた。脇の細い道の坂を降りて駐車場に入ってバイクを止めた。

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温泉の建物に行く。中に入って発券機で入浴券を買う。350円。入浴券を係の人に渡してブーツを脱いで階段を登ると男湯ののれんをくぐって脱衣所に入った。荷物をロッカーに突っ込んで手ぬぐいを持って階段を下りてお風呂場に入る。洗い場で体を流して湯に入る。久しぶりである。丁度いい湯加減である。気持ちええなあ。タンノンしたら出た。でて脱衣所でクールダウンしてる間、分析表があったので読んだ。そしたら、循環しています加温しています加水しています消毒しています‥‥って書いてあった。下呂温泉は日本三名泉のはずなんだが、そうだよね、確かそうだったと記憶があるんだ。ちなみに他の2つは、まずはキングオブ温泉の草津温泉、あの街の中の東京ドーム10個分くらいの巨大な湯畑からどばどば怒濤のごとくながれまくる源泉の熱湯、これぞまさしく三名泉にふさわしい、そしてもう1つが有馬温泉、マグマに到達する活断層から吹き出す源泉は3種類、その勢いは月まで届かんばかりの熱湯、これぞまさしく三名泉にふさわしい、そして我が下呂温泉は‥‥循環加温加水消毒で三名泉って、これでいいのか下呂観光協会。

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バイクに戻って出発する。ここで給油しておかないと、無補給では帰れないので下呂市内のコスモ石油で給油した。セルフだったがリッター154円もしやがった。


帰路についたが、どうにも桜に欲求不満だったので、途中の天山桜を見に行く事にした。41号線の名物桜といえば、臥龍桜、苗代桜、そして天王桜なんだが、このうち天王桜だけは見た事がないのだ。なんで見た事がないかと言うと、41号線からかなり奥に行かなかんみたいだもんで、めんどくせーと思って行かなかったんだけど、今日は時間もあるし、桜道路の桜がイマイチだったんで、こっちで挽回しようと思ったのである。でも、この辺りほとんど葉桜だからあまり期待できんけど、それでも行くのである。


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天王桜は、かつて喫茶店ブルートで、閉店して売家の看板がついてて、最近はその看板が無くなった、廃屋風の建物の手前を枝道に曲がって、高山線の下をくぐって、41号線に対して川向こうの道に出る。そしてその細くなったり広くなったりする山道を走って行くのだが、山道と思ってた道は実は国道256号線だったぜ。さすが3桁国道だな。途中、工事案内の立て看板や観光案内の大きな看板があった。天王桜も載ってた。そこからさらに山の中に進んで行く。ところどころ桜の樹があり、ほとんど葉桜始まりかけの満開状態だった。こっちでええのかなあと思いつつ、走って行くと、看板発見、案内通りに走って行くとウネウネ山道を経てちょっとした集落に出た。わけがわからないまま走って、すると工事通行止めに行き当たった。迂回路が表示されていたのでそっちに曲がって、何カ所かY字道があったが、よくわからんのでてテキトーに走って行ったら、かなり走ってまた通行止めに行き当たった。なんか全然道がわからんのですけど。ひょっとして、途中で見かけた立派な神社みたいなところの桜がそうだったのかなあ、と思ってそこまで戻ったんだが、結局、それは違うみたいだった。そこまで来てコンセントレーションが切れた。もう帰ろか。ということで、来た道を戻って41号に出た。


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41号を南下する。葉桜なりかけの桜の時期にもいい事があるのだ。風が吹くと桜が散ってその中をバイクで走るのはこの時期にしか出来ないファンタステックな体験である。BGMは当然あの曲だよ、桜舞い散るほにゃらららららーほにゃららーらーらー(歌詞忘れた)あれだ、あの鈴木えみとだれだっけ、今風のちょっと頼りないイケメンが出るPVで有名な曲だ。


で、帰って来た。帰って来て気がついたんだが、非常食にスニッカーズを標準装備しておいたんだよ。そうだよ、高温でぐにゅぐにゅになってたよ。

本日の出費
サンドイッチと缶コーヒー 278円
温泉 350円
缶コーヒー 120円

本日のFTR223の走行距離 210キロくらい
累計のFTR223の走行距離 14600キロくらい

 

今回から原稿をPagesで作成しました。

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