春の陽気の伊勢参り

３月８日（日）

しかしだね、おかしいとは思わんかね、どうしてこう毎週毎週週末の天気がどうにもこうにもなんともならんのだ？　ふと気がついたら、もう３月になってるじゃん。３月だよ。もう春がそこまでやってきてるんだよ。だというのに、年明けからのツーリング出撃回数が、なんと、この２月末日までで３回だぞコラ。どうなっとるんじゃコラ。われなめてけつかるんかコラ。過去のツーリングデータを振り返ってみても、２月末日までで３回しか行ってないなんて、あんまりないぞ。ちゃんと調べてないけど。自分のサイトをかえりみりゃすぐわかるんだけどメンドーだから見てないんだけど。２０１４年４回、２０１３年６回、２０１２年に至っては９回も行ってるじゃん。あれ、だんだん回数が減ってるな。しかし、とにかく、これは異常事態である。そもそも、昨年の１２月から、もうすでに週末の天気が悪くて全然乗ってられなかったのである。ていうかさ、去年１２月は１回も乗ってないじゃん。ということはだ、１２月から含めたら、この３ヶ月で３回しか乗ってないんだよ。しかも、その３回、知多だの木曽三川だの、ちょこっとウォーミングアップ程度の距離で、マジに走ろうと思って浜名湖を目指したら雨で引き返してきたとか、まともなツーリングが１回もない。せっかく一大決心をして買ったPCXも、全然乗れてない。PCXなんぞ、過去の悪しき習慣、納車後２週間で雨で乗れずのCBR750の二の轍を踏んでまっとる。これではいかん。この、まるで日本経済のようなどん詰まりの閉塞感をなんとかしなければならん。アララミスクだかアノノミスクだかでV字復活の日本経済絶好調なんて表向き入ってるけど実際はいつも通りの一部の特権階級がウハウハなだけで、エタヒニンの一般市民は相も変わらずユキクロだかユナクロだかの安い服を買ってアオンだかエオンだかのショッピングモールのフードコートでうどんすすって満足するしかない日本経済のようなどん詰まりの閉塞感をなんとかせねばならん。クソ、どうすればいいのだ。なにか良いアイデアはないか。考えに考え抜いて、そして閃いたのさ。そう、どうしてこんな簡単なことに気がつかなかったんだろう、ツーリングに行けばいいんじゃん。よし、そういうことで、ツーリングに行くことにした。いや、そうじゃねえだろ、行きたいのに雨で行けんから困ってんだろ、あほか。しかし、この週末、七転八倒の末、どうにか晴れるような天気予報になった。よし、このチャンスを逃すな。逃すなチャンスを今この時がその時かもしれない一番大事なのはその時なのだ。

で、当日朝５時に起きて、気象庁のサイトを確認すると、待ちに待った晴れマークが付いていた。天気分布予報も確認すると。晴れを意味する朱色区域が東海地方を覆っていてくれた。よし、これなら大丈夫だ。行くぜ、行くぜ、絶対に行くぜ。もう誰にも俺を止められないぜ。まっちゃんを起こして、まっちゃん特製マヨタマトーストを食うと、急いで準備して、ウエストバックにケータイやらデジカメやら突っ込んで、革ジャン革パンを持ってきて、着替えて出発なのだ。

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実家ガレージから、前回、雨の転進を余儀なくされた旗艦CB1300SFライアンストーン号を引っ張り出す。親父様が出てきた「ツーリング行くのか」「行くぜ、今日はコーヒーはいらん、饅頭があってもいらん」「饅頭はない。今日は何にもない」「えーなんか買っとけよ、調子狂うなあ」ブツブツ言っても始まらんので、コーヒーも饅頭もなしで出撃したのであった。

まずガソリンである。いつもの１９号線のコスモ石油に行く。そこで、給油機の前にバイクを止めて、いつものようにメール会員割引で給油するのであるが、このところ調子よく一発でパスワードを仕留めていたのに、今日は外れた。どういうことかというと、コスモ石油のガソリンスタンドは３ヶ所あって、そのどのスタンドともメール会員になってるんだけど、それぞれ全部パスワードが違うので、１９合線コスモ石油のメールを選別してそこに記載されているパスワードを入力しなければならないのであるが、メールの表記が１９号線のコスモ石油となってるわけでないので、コスモ石油コスモ石油と書いてるだけの表記から、１９号線のコスモ石油を選別しないかんので、これに非常に苦労するのであるが、長年の勘と度胸で最近はこれだとわかるようになていたのであった。でも今日は失敗した。２回目も失敗した。で、最後も３回目で成功した。ちなみに会員割引価格リッター１２７円である。ちょっと安くなってきたと思ったら、また値上げらしいな。庶民の暮らしは一向に楽にならん。９リットル入った。１５０キロで９リットルか。ちょっと燃費が悪いかな。街中をちんたらちんたら走ってたもんな。こんなもんか。

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コスモ石油を出て１９号線を名古屋方面に向かう。さて、今日の目的地であるが、山は相変わらずダメなので、雪と塩カルの２ヶ所責めで悶絶してしまうからダメよダメなのよーということで、平野部に行くのであるが、知多方面も行った、浜名湖方面も行った、ということで、今日は三重方面に行くのである。しかし、今日は、なんと、名古屋大規模マラソンの日なので、名古屋周辺は早めに突破しておかねばならん。何年か前にもこういうのやってたよな。その時のルートを踏襲して、同じように環状線３０２号を走って国道１号線まで行く作戦である。朝のうち交通量も少ない１９号線をかっ飛ばしていく。勝川で３０２号線に乗り換えてガンガン走っていく。今日は最高気温予想が１７度でほとんど春の陽気なんで、装備に悩んだけど、とりあえず走ったら寒いだろうと思って冬装備できたんだけど、やっぱり走ったらちょうどいいくらいになった。ちなみに、革ジャンの下はピースマコットン＋ヒートテック＋ライトダウン＋ウインドストッパの４重装備である。革パンの下はヒートテックももひきである。お昼くらいになって暑くなったら脱げばいいな。

３０２号線をガンガン走ってくと、赤信号で赤いコンパクトカーに追いついた。運転手は眼鏡っ娘であった。初心者マークがついていたのであった。おいおい、こいうの後ろについたらタラタラ走るんじゃねーの、初心者マークが一丁前に追い越し車線走るんじゃねーよ、と思っていたら青信号になった途端に赤いコンパクトカーは猛ダッシュ、一気に加速して引き離しにかかった。クソッ、油断したぜ、この眼鏡っ娘、ただもんじゃねえ、赤いコンパクトカー、そうか、赤い彗星だったんだ。しかし、世界最強のHONDAがこんな眼鏡っ娘に負けるわけにはいかねえ、目にもの見せてやるぜ。そしたら、次の交差点で赤信号で引っかかって止まった。赤い彗星は行っちゃった。フッ、以下略だぜ。

他には、６０年代のアメリカの古き良き時代のシボレー（テールにバットマンみたいなウイングのついてるクルマ）が走ってたり、クルマバブル全盛期のコンパクトカー２ボックスカーの代表格コルサだったっけターセルだったっけが走っててさ、しかもナンバーが名古屋７７ですぜお客さん、７７ナンバーが現役で走ってるとは、こいつあ驚いたな、ということがありました。

そんなこんなで３０２号線は大規模マラソンの影響もなく順調に進んで国道１号線までやってきた。国道１号線に入ったら、以前、ポカリの湯だったっけ？　スーパー銭湯があったところに大平タイヤセンターの新店舗が建設中であった。あのタイヘイタイヤセンターときたもんだあーの実に昭和の匂いがプンプンするテレビCMで有名な、大平タイヤセンターだよ。儲かってるんだな。そこからどんどん走って、県道で曲がって国道２３号線まで乗り継ぐのである。国道２３号線に合流すると、この道もまた流れが良くて順調に進んでいくのであった。天気もいいし、流れもいいし、サイコーだね。

気持ちよく走っていたら、後ろから甲高いエグゾーストが響いてきた。そして、次に瞬間、国道を流れるトラックやクルマの間をぬうように、モタード軍団が現れた、KawasakiのDトラッカーを始め、YAMAHA、HONDAのモタードが集団でアクロバティックな走りで国道を駆け抜けていくのであった。あぶねーなーお前ら、そのうち事故るぞ。天気がいいからバイクも多くなるだろうと思っていたが、その次に現れたのがSS軍団、SUZUKIのGSX-RにYAMAHAのR1やらHONDAのCBR1000RRなど、５、６台の軍団が、これまたクルマとトラックの間をぬうように前へ前へと走り抜けていくのであった。あぶねーなーお前ら、そのうち事故るぞ、気をつけろよホント。などと、上から目線で言ってるけどさ、意外にああいうライダーが同世代の全員おっさんだったりするのであった。っていうか、ほぼ間違いなく、同世代おっさんだよな。今時の若いライダーがあんな高いバイク乗れねーよな。

カッ飛びライダー軍団が嵐のように通過した後、現れたのがジョーであった。そして、クラウンのパトカーであった。今日は大規模マラソンの日だから、警察が多めに出回ってるみたいだな。気をつけて走って方が良さそうだ。安全運転で行こう、と思ったら、道路脇では哀れな犠牲者が覆面に捕まっていた。覆面まで出張ってるのか。これはもう厳戒態勢だな、心して走っていかねばならんな。実際パトカーや白バイジョーは多かったよ。４、５台見かけたよ。

ジジイになってきて、トイレが近いんで、コンビニでトイレ休憩してたら、ファッション誌のモデルみたいな可愛い女の子が、ファッションモデルみたいな女子力の高いふわふわのキャピキャピのファッションの可愛い女の子が４人組でコンパクトカーで来ててさ、なんだろうなあ、あなた方、その顔と体とファッションセンスなら男なんかよりどりみどりだろうに、なんで女の子４人組なわけよ？　っていうかさ、クルマの中でコロッケとかあんまんとかパクパク食ってんじゃないよ、なんかガックリだよ。しかし、そんな光景を眺めてる汚いおっさんライダーも、カンペキにヘンタイだよなってやかましいわ。

国道２３号線は途中、鈴鹿で渋滞したが、その後は順調に進んで、トイレ休憩を２度ほど挟んで、いや、マジでトイレ近いわ、伊勢までやってきた。三重方面に行くと思って走ってきただけで、どこまでいくか考えていなかったけど、天気が良いのでここまできてしまった。こうなったら、もはや伊勢神宮に行くしかないな。そして、伊勢うどんを食うのである。そうと決まったら、案内表示に合わせて、伊勢神宮内宮に行くのであった。

内宮が近づくと道路は混んできて駐車場待ちクルマが渋滞になってた。しかし、この伊勢神宮はバイクに優しいのである。クルマは駐車場待ちの渋滞でも、バイクは優先的にはいらしてくれるのである。そして、おかげ横丁にすぐ前に駐輪場があるので、そこへ無料で止められるのである。素晴らしい、なんという素晴らしさ、高山市ももうちょっとこういうところを見習えっての。

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バイクを止めたら、さっそく伊勢うどんを食おうと思ったんなだけど、いや、もうすごいよ、この人だかり。さすが世界に誇る伊勢神宮ですよ。もう人人人。押さないでください押さないでください物を投げないでください状態であった。この人ごみの中に突撃して伊勢うどんを食うのか、ちょっと臆する気もあったが、しかし、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ、と自身に言い聞かせて突撃するのであった。しかし、ものすごい人ごみなのであった。じいちゃんばあちゃんん軍団に完全に押されてしまって、このままではおかげ横丁まで辿り着けん、クソ、どうすればいいのだ、と完全に行き詰まっていたら、伊勢うどんの看板が下がっているうどん屋の客引きのばあちゃんと目があって、ばあちゃん「伊勢うどん？　伊勢うどん食べれるよ、席もすぐ用意できるよ」猛烈なアタックなのであった「お一人様？」「あ、は、はい」「お一人様ごあんなーい」なんせ、主体性がないもんで、流される性格なもんで、戦中戦後の激動を生き抜いてきたツワモノばあちゃんにはかなわないのであった。

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席について伊勢うどんを注文したら、あっという間に出来上がりで持ってきてくれたので食った。おお、この太い麺に濃い汁、何より胃腸に優しい茹で具合、柔らかくそれでいてコシがある、これぞ伊勢うどんであった。あっという間に食っちゃったよ。４５０円払ってから気がついたけど、大盛りサイズ６００円ってのがあったんだな。しまった、それにすりゃよかった。まあいいや、今度はそれにしよう。お店を出て、相変わらずの人混み、渋谷スクランブル交差点状態の中をもがき流れて、団子屋さんまでなんとかたどり着いて、団子を１本食ったら、よし、ミッションクリアーだ、脱出だ。

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ここから脱出する。緊急離脱で急いで人混みの中をかき分けてバイクに戻った。赤福かへんば餅を買って帰ろうかと思ってたが、この人混みでは無理である。事態が収拾つかなくなる前に離脱する。エンジン始動、全開でこの圏内から離れるぞ。次から次へと押し寄せる観光バス軍団や、ツーリングバイク軍団をかわして、内宮から離脱した。国道２３号線を来た道を戻って猛スピードで走っていく。でもジョーに捕まらない程度の猛スピードで走るのだった。

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帰りは行きと違って渋滞しまくりだった。でも久しぶりにたっぷり走れてよかったよ。

本日の出費
はちみちレモン　１２３円
粒コーン　１２４円
伊勢うどん　４５０円
団子　１１０円
セブンカフェ　１００円
缶コーヒー　１１４円

本日のCB1300SFの走行距離　２７０キロ
累計のCB1300SFの走行距離　５９００キロ超えたくらいかな

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