らーめんと珈琲の高山は風ありて

6月4日(日)

これまでいろいろなお菓子を食ってきたけど、その中で一番美味しかったものは何かと聞かれたら、迷わずこう答えるだろう。それは小川軒のレーズンウイッチである。ハリエも別所文玉堂もアンリシャルパンティエもたしかに美味しい。だがしかし、あえて言おう、最高は小川軒のレーズンウイッチであると。そんなレーズンウイッチ、かつては知り合いが東京土産にもらったのをおすそ分けみたいな感じでもらって食ってたんだけど、そのルートが断絶してしまいましてそれからは全然食う機会に恵まれなくて、あの味忘れ難しということで、某コンビニやら某有名百貨店やらの似たようなレーズンサンドを買って食ってみたものの、うーん、なんか違うなあ、ちょっと違うんだよなあ、どうにも残念なコレジャナイ感に覆われてしまうので、いや美味しいんだよ美味しいんだけど、でも違うのであった。幸か不幸か最初に食ったレーズンサンドが一番美味しいのだったからハードルはすこぶる高いわけで、やっぱり小川軒じゃないとだめなんだな、小川軒のレーズンウイッチ、どこかに売ってないかなあ、と思ってたら、某有名百貨店の催し物で小川軒のレーズンサンド限定販売とチラシに載ってきたもんだから、これはもう命に代えても手に入れなければと悲壮な覚悟で某百貨店に行って開店前から並んで並み居る強豪を打ち倒しちぎっては投げちぎっては投げ、苦心惨憺の挙句になんとか手に入れて、ワクワクしながらお家に持って帰って食ったら、うーん、やっぱりなんか違う、コレジャナイ感が再び覆い尽くすのであった。ひょっとして、あまりにも渇望するあまりに記憶の中で味がいつの間にか現実以上にハイソなものに昇華してしまったのだろうか、ああ、あの味、何処に、と悩んでも仕方がないので、ググれカスと言われる前に(っていうか、ググれカスって死語だよなあ)ググってみたら、なんと驚くことに、小川軒という看板の菓子屋さんは5軒6軒とありまして、それらが全てオリジナルにレーズンウイッチを販売しているのであった。なんということだ、では、あの味何処の小川軒のレーズンウイッチは5軒6軒ある小川軒のレーズンウイッチのどれなのであろうか、そんなことわかるわけないじゃん、くっそー困ったなーと思ってたら、ネットで有名なヒマな企画で成り立つサイト、某デイリーポータルZに『小川軒のレーズンウイッチの食べ比べてをしてみよう』なる企画がアップされてたので、これはなんとタイムリーな記事と、記事を熟読した結果、どうやら、あの味何処の小川軒は代官山の小川軒だと判明した。よし、ターゲットが決まれば、あとは供給を突き止めるだけだ。が、しかし、基本は生洋菓子ゆえに、地方の百貨店などでは販売していない、もちろん、通信販売もやってない、催し物での出店は都内くらいしかない、早い話は、東京代官山まで買いに来なきゃ手に入らないよ、ということなのであった。よしそうか。それならばこっちも覚悟を決めようじゃないか。バームクーヘンを買いに彦根まで行った。カステラを買いに金沢まで行った。ならばレーズンウイッチを買いに代官山まで行ってやろうじゃないか。もちろん、東京なら新幹線だ。新幹線を手配し、ホテルを予約し、ついでに東京見物してこうと作戦を考えて、構想3年制作費12億円の大作となった。で、東京駅で出口がわからんくなったり、乗り継ぎで神田駅がどこなのかわからず迷子になたり、渋谷駅では乗る電車を間違えたり、いざ代官山駅まで来たら、肝心の小川軒がどこなのかわからずに、iPhoneの地図を見ながら歩いたにもかかわらず、反対方向に向かってたりして、相当、時間をロスしたが、なんとか、時間に余裕を持って出てきたもんで、開店30分前に着いた。着いてビックリだったのは、もっとこれでもかーってくらいに敷居が高そうな超高級洋菓子店を想像してきたんだけどさ、サングラスノーネクタイの方お断りとか、一見さんはお断りとか、ヘンタイライダーはお断りとか、ヘンタイでUターンできないライダーお断りとか、ヘンタイでUターンできなくて、サイドスタンドでアイドリング中にバイク転がすライダーはお断りとか、やかましいわ、そういう近寄りがたいお店かと思ったら、実にフツーの洋菓子店だった。どこにでもありそうな洋菓子店だった。で、開店までまだ時間があるなあ、と思いながら指をくわて店を見てたら、中から見るからにベテランで仕事できますビジバシな感じの年配の女性が出てきて「レーズンウイッチですか? お時間がありませんか?」と聞いてきた。要するに、お土産にレーズンウイッチをお求めにおみえになったのですか、電車のお時間がありませんか、早めに用意したほうがよろしいですか、という神対応なわけだ。いやまあ時間がないわけじゃないけど、もし東京への帰り道も行きと同じくらい時間がかかったら、間違いなく新幹線に乗り遅れるなあ、と思って「時間がないわけじゃないですけど、早めにいただけるなら幸いです」と答えたら「いつもこうはいかないですが、今日は早めに用意できるので、用意させていただきますね」ということで開店30分前にレーズンウイッチを買うことができたのであった。そして、無事、帰宅できたのであった。そして、あの味何処の小川軒のレーズンウイッチに再び邂逅できたのであった。レーズンウイッチサイコー、美味い美味すぎる、くっそースーパーハイテンションになってきたぞ。もうこうしてはおれん、どうしてくれよう、そうだツーリングに行こう! ということでツーリングに行くことにした。

東京から帰ってきた翌日だが、ハイテンションだもんで全然疲れとらんもんで、イケイケゴーゴーだもんで、いつも通り朝5時に起きちゃって、準備して、まっちゃん特製オムレツトキヲスペシャルを食って、さあ行くぞ、まっちゃん「気をつけてねーアタシもう一回寝るから」と見送られて実家新型ガレージに向かった。今日の出撃機は旗艦CB1300SF、ライアン・ストーン号である。4月半ばから約1ヶ月半ぶりの出撃だ。ゴールデンウイークではCBR600RRが大活躍してくれたんで、そろそろ旗艦にもお出ましいただこうか。新型ガレージから引っ張りだしてエンジン一発始動! HONDA最強のインラインフォアが覚醒する! 響くエクゾースト、雄叫びをあげるぜ! 行くぜ、もう誰にもオレを止められないぜ! 天気もいいし、見ろこの青空、もう誰にも雨男なんて言わせないぜ! 

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まずはガソリンである。いつもの19号線沿いのコスモ石油に行くと、いつもの給油機の前にバイクを止めた。反対側の給油機ではHONDAのトラディショナルモデルGB250クラブマンが給油してた。クラブマンもかっこいいね。それを横目に、わがHONDA最強CBに給油する。レギュラー満タン、280キロ走って13リットル給油、前回は19号線を奈良井までロングレンジで走ったから燃費がいいな。リッター119円で、まあ、それなりの価格ですね。もうちょっと安くなるといいんだけど。

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満タンでずっしり重たくなったCB1300SFで19号線に入ると、多治見方面に向かう。内津峠を越えて多治見市内に入り、今泉短縮ルートを進んで、旧248号線を走って行く。今日は掃除の日のようで、大勢の皆さんが掃除道具を持って町内を掃除してた。可児市街を抜けて川辺町から41号線に合流するいつものコースだ。いつものコースだが久しぶりなんで、ちょっと変わってた。とりあえずコンビニが幾つか潰れてた。これ前も書いたかなあ。

41号線をかっ飛んでいくぞ。ここ連日の季節外れの猛暑日が続いて、今日の装備をどうするか迷ったけど、メッシュレザーはさすがに早いと思って通常のフルレザーで来たんだけど、いやーそれでもちょっと寒いぞ。中にTシャツ1枚は軽装過ぎたかなあ、もう一枚着てくればよかったかなあ、などと思ったがもう遅いので、気温が上がるのを待つのみである。昼頃には暑くなるはずである。タブン。
しかし、それにしても天気がいいぞ。真っ青な空に白い雲ってまるで夏のような空だな。ただ風が強いので、その点だけがちょっと走りにくいな。体感温度が低いのもこの強い風の影響だろうなあ。空気も乾燥してるから爽やかなんだが、しかし、やっぱり風が強いのがちょっと困る。

天気がいいからバイクも多いぞ。国産バイク外国バイク取り混ぜて多数いろいろ、反対車線を走って行くバイク、後ろから追いかけてくるバイク、たくさん走ってたけど、一時期並走してたライダー3、4台のグループ、信号で止まった時に会話が聞こえてきたけど「いやー寒いっすよ」「寒いねー」「寒いなー」かなり軽装だったから、やっぱりこのところの真夏日を想像して装備してきちゃったんだろうなあ。

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まあそんな感じに、ちょっと寒いけど、まあそれなりに快適な気持ちいい走りで、飛騨金山から下呂を越えて道の駅なぎさまでやってきた。そこでちょっと休憩する。表示される電光掲示板の温度は15度、今変わって16度だった。この時期の16度では寒いわなあ。

とにかく寒いからあったかいものを食いたいなあと思って、高山市街地までやってきた。あったかいものといえば高山名物中華そばである。恒例のお店もいいが、今回はやはり新店舗開拓したいなあということで、とりあえず、いつものコースで陣屋を目指すと止めるところがないので、バイク専用駐車場がある空町駐車場に向かった。時間がちょっと遅いので、満車だったらどうしようと思ったけど、心配は杞憂であった。まだ空きがあったので、 CB1300SFを止めた。そこから歩いて古い町並みを散策して、中華そばの店を探した。古い町並みも久しぶりなんで、こんな店あったっけ? というような店がいくつかあって、新しい店なのかな、賑わってた。特に飛騨牛握り寿しには行列ができてた。10人、20人くらい並んでた。外国人の観光客も多かったよ。ちなみに、例の大人気ハンバーガショップには行列はなかったが、受付は終了しました、みたいな貼り紙がしてあったから、今日の分は完売になたってことなのかな。

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古い町並みを越えて、大通りに出たら中華そばの店があったのでそこに入った。行列こそなかったが、中に入ったらほぼ満席だった。ラーメンを注文した。ランチタイムは無料でライス付きだそうです。ラッキー。ちょっと待ったらすぐできた。高山中華そばらしい細麺で実に美味そうだね。早速食ったらうまい。コクがあるのにあっさりだよ。ご飯もうまい、特に漬物がうまいぞ。あっという間に食っちゃった。満足である。

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続いて、コーヒータイムにしよう。やはり、以前から気になってる、駐車場近くのお店に行こう。歩いて行くと、ちゃんと開店してた。この前はまだ営業時間前だったもんな。よし、迷わず入るぞ。古民家風の建物で、普通の家におじゃまするみたいだな。誰もいないのでやってないのかなあと思って、引き戸を開けて「コーヒー飲めますか」と聞いたらきれいなおねーさんがいて「どうぞ、靴は脱いでくださいね」といわれたのでブーツを苦労して脱いで上がった。で、カウンター近くの席に座った。メニューを持ってきて説明するので、とりあえず苦い系のコーヒーがいいと言ったら、オリジナルブレンドを勧められたのでそれを注文した。一杯一杯挽いてドリップするから時間がかかるらしい。しばらく待ったら、ポット付きのコーヒーがやってきた。ポットでコーヒーなんて初めてだな。コーヒーカップは当然ウエッジウッドですよ。正統派ですよ。ポットからカップにコーヒーを注ぎ、一口飲んだらそのソリッドな口当たりに目がさめるようであった。シャキーーーン。続いて口の中に広がる芳醇な香りと爽やかな味わい、ほんのりとした苦味が実にクリアなのであった。おおーこれは素晴らしい、美味しいコーヒーである。ゆっくりと味わって飲むのだった。実に贅沢な時間を過ごさせてもらいました。また来ようと思います。っていうか、高山に来たらここでコーヒーを飲むことに決定。満足して出た。

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いやーうまいラーメンにうまいコーヒー、満足したんで帰ることにする。

帰り道ようやく少し暑くなってきた。

本日の出費
中華そば 650円
珈琲 480円

本日のCB1300SFの走行距離 300キロ
累計のCB1300SFの走行距離 15634キロ

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