終章

４回目の北海道ツーリングは、結局、天候に恵まれずにその幕を閉じた。

行程の大部分が雨または曇りだった。晴れ間が出たのは２週間のうち２日だけだ。

天候に恵まれなかったツーリングといえば、真っ先に思い出すツーリングがある。

91年の四国ツーリング"Hurricaine In Hurricaine"だ。

あのツーリングも、１週間の行程で晴れたのは初日だけ、後は全行程でカッパ着用だった。

途中で台風にも遭う散々なツーリングだった。帰ってきたら天候は回復し、毎日晴れる空を恨めしく思ったもんだ。

しかしどうだろう、そんな最悪なツーリングだが、最も印象的なロングツーリングとしては、すぐに思い浮かべるひとつになっている。

もう２０年近い昔の話なのに。

どうやら人間の脳みそは、順風満帆な事より、苦労惨憺した事のほうが記憶は鮮明に残るらしい。

そういう意味では、今回のツーリングはどうだろう。

「北海道ツーリングといえばさ、大変だった事があったよ、２週間ずーっと天気悪くてさ、もう散々だったよ。」

なんて、得意げに語る日が、何年後かにあるかもしれない。

いや、きっとあるだろう。

でもさ。

やっぱりもうちょっと晴れてほしかったよーん。