三度目の正直の草津は最高の湯煙、最高の雲海(前編)

6月3日(土)


 まさしく3度目の正直、その言葉がぴったりと当てはまる今回のオフ会なのであった。最初の高山は天候不順で中止、そしてその後の関越突撃企画もまた、天候不順で中止、実は日照時間が歴史的に少なかったというおまけつきの大失敗なのであった。そもそも、関越突撃企画は、「おぎのやの釜飯を食うオフ会」として冗談半分で言い出したら本当に話がすすんで、どうせなら草津温泉に行こう、行くなら泊まりで、キャンプもあるよとどんどん話は大きくなり盛り上がっていき、しかし、結果はまさしく竜頭蛇尾なのであった。このままでいいはずがない。我々はリベンジを誓った。そして、そのリベンジ篇が今回決行されるのであった。


 目的地のおぎのやまでの距離を考えて朝6時出発を提案したら「起きれるかなー」と蘭さん。で、ぎりぎりの7時に変更した。連日ハードな仕事で参っているようなのでいたしかたあるまい。こっちは当日、5時に起きて飯食って準備して6時には出発した。セルフガソリンで満タンにして、19号を走って小牧東インターに入る。そこからすぐが集合ポイントの内津々PAだ。6時半に着いてしまった。なんだかんだいって、きっと蘭さんいるんじゃないかと思ったが、やっぱりいなかった。2輪用スペースに停車して、トイレに行った。まさかなーと思いつつ、携帯をチェックすると、着信があった。なんじゃ? 蘭さんからだ。まさか、途中で事故にでもあったのか・・・慌てて電話したが出ない。うーむ、心配していると再び携帯が鳴った。「あ、蘭です、今出るとこなんすよ。」何ですと?(某化粧品CM風に)追いつきますから先に行って下さいとのこと。まあ、CBR1000Fなら、20分くらいの遅れは1時間もしないで追いつくだろうけど、待っててもいいよ。いいです、先に行って下さい。ではそういうことで。7時になったので先に出発した。20分の遅れ、こっちが100キロで蘭さんが140キロくらいで追いかけてくると仮定したら、どこで追いつくでしょう? かーん、駄目だ。応用問題苦手なんだよなー。そんなことを考えて走っていたら、恵那SA付近でギュイイイイイイーーーーンと赤白のCBRがバックミラーに映ったと思ったら、0.04秒後には隣まで接近していた。手を挙げて合図する。すげー、一体何キロで飛ばしてきたんだ?


 そこから並走して、駒ヶ岳のSAに入った。改めて挨拶を交わし、今日は天気もよくなりそうなのでいいねー、バイク多いねー。駒ヶ岳きれいだったので蘭さん写真を撮る。こちらは今回の新兵器、ビデオカメラを駆使してあたりを撮影した。

CBR1000F@蘭さん


 出発する。時間が迫っているのでかなりハイペースで飛ばした。中央自動車道は制限速度、実は80キロなんですよ、みなさん、知ってました? でも実際はピー(自主規制)キロからピー(自主規制)キロで走っているのであった。覆面が現れたらどうしようかと思いつつも、そんな巡航速度で走っていく。まあ、 元々高速走行を本領として設計されたCBR1000Fにとってはどうってことのない散歩のような速度だが、フェアリングのないCB1300に取っては必死である。石にかじりついて出しているような速度なのである。全くもって、なぜこのバイクのスピードメーターが260キロまであるのか、わけがわからん。


 中央道から長野道、そしてこれが最重要ポイントの上越道へのジャンクション通過だ。ここはプー時代に旅行できたので知っているからなにごともないように通過できたが、知らないと絶対戸惑うよな。だってさ、出口に走っていくと、上越道に入るんだよ。なんでこんな紛らわしいことをするのだろうか。是非教えて欲しいものだ、日本道路公団さんよ。え、日本道路公団はなくなったの? で、何になったの? ネクスコ? なんじゃそりゃ。どうしてそういうわけのわからない社名にするのかなあ。えらい人の神経がよくわかりません。


 トンネルを抜けると、いきなり雲だらけの天候に急変した。長野県の晴天快晴の空が群馬県に入ったとたんあっという間に変ったぞ。一体何事? と思えるくらいだった。日本の屋台骨の山脈を一つ越えるとこの調子だ。天気というのは本当にわからないものだ。


 合流時刻の11時に後30分のところで、もう一度トイレ休憩をとり、蘭さんが時間余裕ないですよと急かす中、日本の避暑地、軽井沢方面、碓氷峠に入る。ここでさらに状況は悪化した。なんと、まさしく五里霧中、もの凄い濃い霧の中に突入したのだ。全員ノクトビジョン装着、敵の接近に警戒せよって感じだ。おいおい、この先大丈夫かいな。それでもどんどん進んで、ようやく目的地のICに着いたのが11時だった。料金所では、まっちゃんに買ってきたもらった、バイク雑誌に紹介されていた便利グッズが役に立った。これはビニールパックにチケットとお金を入れてそのまま渡し、おつりも領収書も入れてパックごと返してもらうというもの。これはいいよ。便利です。


 さて高速を降りて一路、おぎのやに向かう。そして予定時間を15分ほど遅れてやっとこさ着いたのであった。駐車場の入口付近にV45マグナが止めてあった。あのバイクは! そうだ、あれがkazuさんのバイクだ! 「はいはい、奥に止めてなー」駐車場の整理のおじさんに言われて、我々は駐車場の奥に移動した。そこで改めて挨拶した。蘭です、keiichi_wです。kazuさんはHONDA最強のフォースV4エンジンを搭載した、最強のアメリカン、ハーレーとは全く異質なドッラッグ風のマシンを愛馬にしているとは思えない温厚そうで知的な感じの人でした。マグナにはツアラーらしく、ペットボトル用金具が標準装備されているのが素晴らしい。年季の入った皮ジャンは本物のバイク乗りの証拠である。

V45Maguna@kazuさん


 とにかく、目的の釜飯を食わねばならない。早速みんなでお店に入ると、計画通り釜飯となめこ汁を注文した。しかし、蘭さんはこれ一個じゃ足りないよおむすびセットを追加して買っていった。最近太り気味とか言ってるんだが。さて席に着いて早速食う。kazuさんは食べるの久しぶりだそうで、地元の人って結構そうなのかも。こっちはスーパー店員時代に駅弁大会でよく食ったが、冷たくなったのしか食ったことがなくて、あまりおいしくなかった。まあ、はっきり言ってまずかったんだが、初めてここで出来立てを食ったらもの凄く美味いじゃん。それ以来、おぎのやは出来立てを食うに限ると決めたのだ。そしてなめこ汁、これがまた美味い。蘭さんは足りないと言ってたが、意外に食うと分量があっておむすびいります?と言ってた。Kazuさんによると、ここでは釜飯を食うのが正解だそうで、他のメニューはピー(自主規制)だからやめといた方がいいよ。
 さて、食ったから計画では鉄道村なんだが、天気が悪いし寒いので温泉に入りたくなってきた。ということで予定を変更して草津温泉に向かうことにした。先頭は当然地元草津を知り尽くした男、kazuさんが行く。ガソリンを満タンにして出発だ。


 流石ジモティー、何だかよくわけのわからない道をどんどん走っていく。途中で、名古屋ハウジングセンターみたいなおっしゃれーなお家がいっぱいあるところや、どうしてこんなところを曲がるのだろうかというような道をひょいひょいと走ってく。おお、何だあの彼方に見える山は? まるで未知との遭遇のラストのマザーシップが現れた山みたいだぞ。上の方は雲がかかってよく見えないな。うーむ、残念。


 マグナが止まった。どうやらここは押さえておかなければならないところのようです。バイクを降りてあたりを見ると、風光明媚な木々があふれているぞ。(日本語おかしい)これはビデオだと思って機会を出して撮影開始。あれー。二人とももう先に行っちゃってるよ。おーい、待ってくれー。急な階段を下りて渓谷の方に歩いていく。橋が架かっていてそこから谷を流れる川を見ることができる。おお、素晴らしい。まるで高千穂峡みたいじゃん。しかし、悲しいことにここはダムの底に沈む運命にあるのだった。全く箱もの行政の弊害はいつこの国からなくなるのだろうか。こんな美しい渓谷をなぜ沈めるのか。


 さて、日本国の行く末も憂えるが、我々としてはそんなことより温泉である。先を急ぐぞ。相変わらず天候ははっきりしないが、雨が降る様子もないので順調に走っていく。そしてついに草津に入った。まず道の駅でトイレ休憩をする。ここの道の駅、建物もしゃれているがトイレもしゃれている。「さわやかなトイレ」だそうで。なんてったって「さわやか」である。期待して入ったが、どこがどんなふうに「さわやか」なのかはよくわからなかった。修行が足りないようだ。


 この先は冷えますよ。ふっふっふ。


 草津を知り尽くした男kazuさんはそう言った。蘭さんは薄いジャケットなのでもう一枚きたが、こっちは何もないので皮ジャンだから大丈夫でしょう。でもkazuさんの服装は、下もしっかり着てるからやっぱり知り尽くしてるわ。


 道の駅を出て、どんどん走っていくとウネウネと山道をのぼりのぼりのぼってのぼって、いかんせん雲が多い、霧のように覆い尽くしてあたりの展望はほとんど望めないぞ。うーむ、残念。


 結局雲の多いまま、白根山に到着した。駐車場にバイクを入れる。料金は100円。払って、さてどこまで行くのかと思ったら、蘭さんが銀河系遥か彼方14万8000光年先をさした。あの湯釜があるところまで行く。山の頂。げろげろ。まじっすか。まじであんなところまで行くんですか。えー、ぼくはここで待ってていい? ってもう行っちゃったよーん。仕方がない、ついてこ。ひーひーふーふー、いやー、ソロで来ていたら絶対にこんなところ登らないぞ。このままでは心臓が暴発してしまう。もう駄目だ・・・沖縄はまだですか沖縄は・・・決死の思いでようやくついた。山の真ん中に湖のようにきれいな青い湯釜があった。こりゃきれいだ。いやー、心臓にむち打ってここまで登ってきたかいがあったぞ。ビデオ撮影して山を下りた。山道には避難所があって、ここが活火山であることを物語っていた。


 湯釜も見たので、やっと温泉だぞ。来た道を戻ってホテルに向かう。草津の中心部に近づくにつれ、観光客がうじゃうじゃ溢れ出してきた。屈指の流石温泉観光地だな。湯畑の横を通過、相変わらずもの凄い湯量だな。かけ流し100パーセントをささえる豊かな湯量だ。素晴らしい。


 今日の宿、ヤングイン高松に到着した。ヤングマンじゃないのにヤングイン高松とはこれ如何に。外見は昔の合宿場みたいな感じだ。宿を選択した責任上、ハズレだと困るな。バイクをピロティの下に止めていると、駐車場の係の人が来た。ここに止めていいか聞くと良いとの答え。荷物を持って入口に行くが、どこかわからない。唯一ある扉は開かない。仕方がないので係の人に聞くと、何と、ここから右の方に登った本館のフロントで受付しないかんらしい。やれやれ。予約をした責任上、私が行くのが筋でしょうな。てくてく歩いていくと、本館高松は立派なホテルで、うむむ、臆すことなくでんでんとフロントに行った。そこで受付して、ねーちゃんの説明を聞いた。こちらが外のカギ、こちらな部屋のカギでございます、スリッパは青がお部屋用、茶色が外用でございます、うんたらなんたらと説明書きを渡してくれた。「わかりました?」と心配そうに確認されてしまった。そんなに情けない顔をしていたのかなあ。


 ヤングインに戻って、ねーちゃんに言われた話をそのまま伝えた。多分大丈夫だな。外のドアを何とか開けて、部屋番号3302だから3階だな。なかも年季が入ってるな。3階について部屋に入る。蘭さん、こりゃいいよー第一声にちょっとほっとした。確かになかなかいい部屋だ。広さも十分、ベットもフカフカっぽいぞ。アメニティも充実しているしな。


 ホテルも良かったことだし、これで安心して温泉に行けるな。温泉用の軽装に変身して、いざいかん、草津温泉公共風呂。Tシャツに短パンでは寒いかもしれないが、温泉に入るんだから大丈夫だろう。では行くぞ。


 まず1湯目が、小さい公衆便所みたいな温泉だが、まさしく小さい。3人も入れば満員こだよ。ここはパスして次。kazuさんが泊まってみたい宿1番のてい字旅館の横を通って湯畑に出た。観光客だらけで写真も撮るのも大変だ。その先にある白旗の湯に入ることにした。無料だ。うれしいね。がらがらと壊れそうに立て付けの悪い戸を横開きにして入った。いきなり脱衣所と風呂がいっしょこたにあった。あまり大きくない内部に2つの湯船、客は5、6人いた。まあまあな混み具合です。早速入ると熱っ。熱すぎる。たらいで湯をかけて何とか体を慣らす。ようやく慣れてきたのでゆっくりと湯船に浸かった。はふー。気持ちいい。においがいいな。この硫黄臭がたまんねえ。温泉にきたーって感じだ。本当に素晴らしい。熱い温泉に何とか粘って入っていたが、そろそろ限度なので出た。蘭さんは早々に出たようだ。温泉を出て、やっぱり温泉に来たら温泉まんじゅうでしょう。地元草津の誇る温泉まんじゅう、ちちやにした。坂の上のちちやに入って、バラ売りもしっかりしています。白90円茶色80円だ。違いがよくわからないので両方食うことにした。3人揃って各1個買って、店の隅にある休憩場で食った。うまい。うまいよこれ。まさしく、うまいでいかんわ。でも、いい年こいた汚こいライダー3人がまんじゅう食ってる図ってのはあんまりいいものではないな。ちなみに白はこしあん茶が粒あんである。どっちがうまいかなんで野暮な話はなしだぜ、アディオス。
 次に地蔵の湯に入った。ここは最近改装したのでぴっかぴかである。どこぞの温泉のように、始めから古く見せかけるような滑稽なまねをしていないのは正々堂々としていていいな。流石三大名泉。ここは混雑してた。kazuさんは脱衣所の方まで床がびしょぬれだったとマナーの悪さに怒っていた。草津を知り尽くした男は言うことも違うぜ。それから中心部から離れた温泉に行った。長寿の湯である。ここもまたいい感じのところで、まさしく町の銭湯のような温泉だった。観光客は誰もいなくて地元の人が一人だけ入っていたのでゆっくりと入ることができた。ここも熱かったけど。


 そろそろ飯にしよう。kazuさんお勧めの洋食屋さんは長寿の湯のすぐ近くだった。まわりのいい感じに寂れた風景に浮きまくっている、まるで六本木か西麻布にありそうなオッシャレーなお店だった。これはいいぞ。いざ行かん。荒れなんだこの貼り紙? 本日予約のお客様のみです。まじかよー。仕方がないので他を探す。湯畑に戻ってそのあたりで飯屋を捜した。意外にないので困ったな。結局530円どんぶりにした。530円でどんぶりものが食えると言う、何だか怪しげな店だったが、まあいいだろう、カウンターに座ると、注文する。舞茸丼他人丼ほか。多分飲み屋さんも兼ねているのでしょう。一品料理もどきもあるようです。今回は予算の関係でどんぶりのみとさせていただきました。人がいいのか悪いのかよくわからないおばさんが手際よく料理をやって、持ってきてくれた。食った。美味いですよ。ちょっと味付けが濃いけど、おいしい。飛び込みで選択した割にいいせんいったな。まあ、次回からは1泊2食付きを選択するようにしよう。食ったら最後は大滝の湯に行った。ここが一番大きい温泉で、ここだけは有料だ。800円なんだが、なんと、我々高松に宿泊している客には割引があるのだ。通常800円が720円だ。割引額は80円すばらしい! ブラボー! って、なめてんのか。たった80円の割引って、安くなったというよりケチな割引しやがって、の印象の方がはるかにでかいような気がします。これは経営陣の猛反省を促す必要があるな。大滝の湯は普通のこちらにあるような温泉だったが、最後に入ってここでゆっくりしてからホテルに戻った。


 雨が降ってるのであった。


 まあ、明日には止むさ。全く根拠のない確信を持って部屋に戻った。蘭さん、晩飯が少なかったので腹が減ったとおみやげに買った温泉まんじゅうを食い始めた。おいおい、最近太り気味とか言ってるんだが。 それだけでは足りず、買い出しに出かけた。kazuさんもビールを買いにいっしょに出かけた。しばらくして帰ってきた。蘭さんはカップヌードル、かっぱえびせん、kazuさんはビールにおつまみ買って来た。それからはこれまでのツーリングの話で盛り上がった。熱く語り合う夜は更けていくのであった。

怒濤の後編に続く

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