奥飛騨にらーめんを求めて(後編) 下島温泉篇
7月20日(日)
というわけで、奥飛騨に高山ラーメンを求めて走るこの作戦、遂に目標を確認、第2段階の目標を胃袋ゲットなのである。(意味がわからん方は前編を読め)そして、その高山方面ラーメンゲット作戦司令長官が宇宙の狼ドメル将軍、じゃなかった、まっちゃんなのである。そのまっちゃんを引き連れての、高山再訪なのである。バイクは当然、タンデム“にょいとらん“仕様の振分けバック付きFTRだ。先週、ソロ仕様のままにょいとらんに出かけて、大根が買えなかっただの、椎茸が安かっただの、ぶーぶー言われたのでな。ソロ仕様では荷物が積めないからだ。その反省もふまえて、前日のうちに仕様変更を済ませて、準備万端で当日を迎えるのだ。
当日、遂にあの高山ラーメンが食えると思うと、やっぱり寝ていられんくて4時半頃起きてしまって、気象庁のホームページの5時更新最新情報を待つのであった。最新情報は晴れ、夕立があるかも、なんですと? 先週の悪夢が思い起こされるが、ここで引き下がるわけにはいかないのだ。一人鼻息荒く燃えていると、しかし、行きたい行きたいと言ってたとうの本人が全然起きてこんではないか。起こしに行ったら「出発は7時半でしょ!?」と怒り出す。馬鹿者、出発は6時半だよ。高山まで何時間かかると思ってんだ。出発は6時半だと言っただろうが! いつもみたいにノンストップで走ったろかこの女! と思ったが、まさか本当に口に出して言うわけにもいかないので、「7時半だとちょっと心配だからもうちょっと早く出よう」と事を荒立てない様に説得するのであった。何しろスポンサー様なんで、財務省様なんで、へそを曲げると地方自治の財政は貧窮困憊なわけなのである。やはり官官接待は需要だ。
その甲斐もあって、朝飯食って準備をして、出発は6時半頃にできた。いつも通り、コスモでガソリン満タンにして、FTRなので大して入らんかったが、航続距離が短いから高山でもう一度給油しないかんのは間違いなく、その際の原油価格高騰の影響が心配されるのであった。まあ、でも3、4リットルの事だからどうってことないと言えばそうなんだけどね。
ガソリン満タンで19号を走る。昨日と同じルートだが、FTRなので巡航速度の問題もあるため小泉経由で248号線はバイパスでなく街道を進み、川辺から41号線に入った。いきなり事故渋滞情報が電光掲示板に表示されて、もう渋滞かと心配したが、問題なく進めた。やはり日曜日という事で、早朝は交通量が圧倒的に少ないな。土曜日はまだ仕事の人もいるので、少ないとはいえ多少の交通量がある。おかげで巡航速度の遅いFTRでも、それほどストレスを感じる事なく七宗までこれた。
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道の駅でトイレ休憩を済ませて、すぐに出発する。天気は昨日と同じで晴れだが、所々で雲が出ている。しかし、それが日を遮って、かえって快適だったりする。昨日ほど寒くなく、かといって暑くもなく、丁度いい温度の中、FTRはひたすら高山目指して走る。途中で、しびれを切らしたミニバンやらなんやらに抜かされ、大排気量スーパースポーツ軍団に抜かされたが、その中でも、特に、新潟ナンバーの日産ティアナの時代遅れなサングラスしてたクソジジイ! テメーだよ、テメー! 抜かす時は側方確認をきちんとして、十分な車間を持って抜けタコ! ぶつかる所だったじゃねーか。
サンデードライバーには困ったもんだとぶつくさ言いながら、それでも巡航速度を死守しつつ、道の駅なぎさに到着した。まっちゃんは「ここ野菜を売ってる所だよね」と目がキラリん、販売所に入るとしこたま野菜を買い込んで、まるで日曜朝市のバローの買出し帰りみたい。こんなに入るかなーと思ったが、意外にも振分けバックの片方に十分入った。うむむ、ラフ&ロード恐るべし、驚異的な積載能力だな。侮りがたし。それから展望台に登ったら、階段が結構怖かった。
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道の駅を後にして、いよいよ高山入りである。今回は宮峠越えを避ける事ができないので、仕方がないのであの酷い道をそろそろとゆっくり走って下ったのだが、幸い、後続車両が少なかったので助かった。それにしても、この酷い道は何とかならんのか? FTRのオンオフ両用のブロックタイヤは特にハンドルを取られる傾向が強いような気がする。なんとかせえ。
難所を越えて、遂に我々は目的地高山に到着した。高山ラーメンの聖地、インディジョーンズ最後のラーメン状態だ。バイクを陣屋前の、いつの間にかバイク置き場状態の広場に止めると、昨日、場所を確認したお店へ向かう。が、回転が10時半なのでまだちょっと早かったから、その前に、まっちゃんが集めている干支の置物の店に行って、来年の牛の置物を買った。それから暑い中、ちょっと他の店も見て時間をつぶし、ようやく時間になったので目的の店、坂口屋さんに行った。
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店の前にはすでに行列が、と思ったら全然ガラガラだった。そりゃそうだ、10時半からもう昼飯食おうというやつはそうおらんだろうからな。店の前に「うっしっし丼」のメニュー紹介があったので、まっちゃんにこれ食いたいと提言する。まっちゃんは高山らーめん、その後で飛騨牛握り寿司を外で食う事にした。外で食った方が安いから。そういう事で店に入ったら、当然一番客なので、どこでも好きな所で座って、と言われて座敷の中庭が見える特等席に座って注文した。そしたら、さすが人気のお店、どんどん客が入って来て、まだ11時前だというのに半分くらい埋まってしまった。どうやらこのお店、かなりメディアでの露出が多いようで有名どころなんだな。いかにも高山の雰囲気が漂う店内といい、メニューといい、観光客の心をつかむにいいお店だ。ほどなく料理が運ばれてきて、食ったらどっちもうまかった。満足して店を出ると、外の売店で飛騨牛の寿司を買って食った。これもうまかった。満足して、食ったらやはりデザートである。まっちゃんが同じ通りにあるお茶のお店がいいというのでそこへ行った。2階の席で、通りが見おろせるのが面白い。デザートを食って、これもおいしかったので実に満足である。このように、まっちゃんとツーリングに来ると、食い物に関しては非常に充実しているので言うことなしであるな。
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さて、高山らーめんも食った事だし、いわゆる、ミッションコンプリーツ! なわけだが、ここまで来てやはりあのパン屋を見逃すわけにもいかんでしょう。そうです、トランブルーです。幸い明日も休みなので、明日の朝のトーストがトランブルーの食パンだったら、人生はとても充実したものだと言えるでしょう。というわけで、いつの間にかバイク専用駐輪場広場に戻ると、バイクを出発させてトランブルーに行った。そこで食パンなどを買って、ちょこっと食って、おいしい! と感動して高山を後にした。
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次は温泉だ。高山周辺の温泉どこにしようかと思ったが、一番めんどくさくないひめしゃがの湯にした。近いし安いし帰り道だし。で、41号を戻って飛騨小坂で下島温泉の方に枝道を入る。午後なので混雑してるかと思ったが、その通りで駐車場はほぼ満車だった。でも、この車、中には釣りの人もいるようで、看板には「釣りの人は奥の方に止めてください」「帰りに温泉に入るように」などど書かれていた。釣りの人は注意するよーに。
それでも、同じように高山見物して昼飯食って温泉、と考えている人が多いのかどうかはわからんが、我々とほぼ同時に入館する客も多かった。というわけで、館内はそこそこ混雑していた。入浴料2人で1200円を払って入る。脱衣所も風呂上がりのおっさんや夏休みらしくガキでごった返していて、熱気ムンムン、男の熱気ムンムンは勘弁して欲しいな。ロッカーに荷物を突っ込んで風呂場に行く。体を洗って汗を流すと気持ちがいい。内湯は赤く染まって鉄分が豊富な感じのお湯に入ると、体中の血液の循環が感じられて気持ちいい。バイクの操作で固くなっていた身体の筋肉がほぐされていくようだ。内湯でも大きく開いた窓の近くだと、気持ちのいい風が入って実に快適なのである。ホントぐにゃぐにゃなのである。ぽわーんと湯に浮かんでいると、身体の左が沈んで行くのだが、これって重心が歪んでいるという事なのだろうか。WiiFitでも重心が歪んでるとよく言われるからちょっと心配。露天風呂に移動したら、雲行きが怪しくなってきたので、そろそろかえった方がいいかと思い、風呂を出た。休憩所でまっちゃんを待つと、延々30分くらい待たされた。女の風呂は長いのであった。
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温泉を出たら、予定よりかなり時間を食ってしまったのでさっさと帰ろうとしたんだが、まっちゃんが名勝巌立峡に行こうと言い出したので、まあ、天気も回復してきたし、この際だから行くかという事になり、バイクでひめしゃがからさらに山奥に進んだ。
クネクネウネウネの細い山道を登り、やがて視界が開けたと思うと、そこには信じられない光景が待ち受けていたのであったー! じゃじゃーん。
ここでCM。
こういう、盛り上げてCM、そしてCMあけにまたはじめからやるって手法は評判悪いんだよ。テレビ局の人、もし読んでたら今後はやらんように。
CMあけ
クネクネウネウネの細い山道を登り、やがて視界が開けたと思うと、そこには信じられない光景が待ち受けていたのであったー! じゃじゃーん。そこにはまるで山を鉈でぶった切ったような断崖絶壁がそびえ立っていたのである。その断崖絶壁もすごいが、となりの急斜面の山に滑り降りるように設置された中部電力の水力発電のパイプラインもすごいな。よくあんなとこに作れたもんだ。人間の土木技術はすごい。
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案内図を見ると、三ツ滝というのがあるようで、見に行く事にした。遊歩道をどんどん山奥に歩いて行くと、またしてもインディジョーンズ状態な密林と川の流れ、そこへ作られた鉄骨の遊歩道は古代文明の名残か?(って治山工事だよ)足下が滑るから気をつけてちょーだいとの注意書きも横目に、さらに奥地奥地へ足を踏み入れる事、何分後、これ以上奥へ進んでは危険だ、これ以上は神の領域なのだ! と叫んでいたら、マイナスイオンが17250個ですよー!ととっても平和なホワイトボードがあって、ああ、道理で涼しくて気持ちがいいはずだ。もうここに住んだ方がいいんじゃないかとさえ思いつつ、奥の方に三ツ滝が見えた。水量がかなり多くて迫力の滝が、3段に流れている。急斜面を登る鉄骨の階段を上がると、その迫力はますます増大し、自然の力の偉大さをまざまざと見せつけられるのであった。我々と同じように、観光客は皆感動の渦に巻き込まれて一生懸命ケータイで写真を撮ってた。そんなかにハイヒールでこの山道を登ってきた女の子がいて、すげーコンジョーしてんなあ。別の意味で感動させてもらった。
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マイナスイオンが充満した滝を後にして、駐車場に戻ったら駐車場のマイナスイオンは5000くらいだった。それでも家や会社よりは多いんだろうが、滝の所の1万7千とか見ると、やっぱり山奥で暮らした方がいいのかと思ってしまう今日この頃です。
さて、いろいろ見たし食ったし、思い残す事もないので帰ることにする。こんな時間まで高山周辺にいたのも久しぶりだな。日が長いのでこういう事ができるのも夏のいい所だ。ようやくちょっと涼しくなってきた41号線を帰路についたのであった。
遅くなったので晩飯は可児の回転寿司屋で食った。
本日の出費
ガソリン カード
昼飯お茶など たくさん遣った(まっちゃんの財布)
温泉 1200円(2人分)
FTR本日の走行距離 300キロくらい
FTR累計の走行距離 8420キロ