橋梁工事越すに越されぬ木曽長良川で津

11月28日(土)

前回のツーリング以降、週末に限ってどうにも天候が不安定な日々が続いたわけで、行くべきが行かぬべきか、それが問題だ、などと大げさに悩みつつ、その何かにつけて物事を否定的消極的に捕えがちな性格で人生を損してきたのか、その慎重で思慮深い性格でここまで生き延びてこられたのか、「歳をとったという事は、生き延びたって事だぜ」(byワイルドセブン)どっちなのかはさておいて、この2週間、行かない事を選んでいたんだが、幸いにも他の方のツーレポを拝見すると、雨に降られた様子で、パンツに染み込んだ雨が冷たいとか、寒いから温かいそばを食いたいけど意地で新そばのざるそばを食ったとか、それを見て行かずにラッキー、と思いつつも、この天候でも出撃する行動的なライダーに見習わないかんなーなどと思いつつ、はや年の瀬も迫る11月末、クリスマスソングもやかましい街並に、またしても週末天気は崩れますとも予報に、ホントに今年はついとらんなー、最後の最後まで天気には見放されとるなー、まさしく、天は我々を見放した! ひええええうぎゃひゃわほほほー(服を脱ぎ出す)おわおええうはうわはははははー、みんなー、お湯に入れー(だったかな、忘れた)神田大尉! 貴殿を倒したのは何だったのだ! 雪の嵐か、おのれの未熟さ故か! (これも台詞違うような気がする)なにがすごいってさ、「八甲田山」のキャストだよな。八甲田山ロープウェイに登るたびに見てびっくりトメびっくり(byくるねこ)なんだが、そうそうたる顔ぶれだよ、でもやっぱり一番格好いいのは誰がなんと言おうと高倉健だよな。格好良すぎる。「野生の証明」も良かったし「ブラックレイン」も良かったな。でも「ブラックレイン」は松田優作も良かった。最近息子ががんばってるけど、弟の方は天下一探偵の印象過ぎてさー、「ライアーゲーム2」見ててもなんか違和感があるんだよな。

えーっと、何の話してたんだっけ?

あ、そうだ、天気が悪い話なんだよ。そんでこの週末天気は悪いが土曜日はなんとか持つというもんで、この土曜日は歯医者も予約がないので行ける事は行けるけど、夜にはライブに行かないかんもんで、弾丸ライナーで行かないかんのだけど、まっちゃんが行ってくればーと許可が下りたもんで、最近流行の朝駆けで行く事にした。

で、問題は目的地なんだけどさ、毎回お世話になってる温泉博士、今月号はこの夏の日照時間が足りなかったのか知らんがチョー不作なんだわ。一番良く行くのは岐阜方面なんだけど、なんと今月号はわずか2湯、しかも三峰に牧歌の里ってまたかよお前、ってくらいな常連さんなんで、もうええわな感じ。牧歌なんてもう2回行ってるだろ、温泉博士の無料で。さすがに3回も行くのはちょっと失礼だろ。で、長野方面は北部に集中してるもんで遠くて下道日帰りちょっと無理、高速はイーテーシーがないから使うの悔しいもんでダメだし、となると静岡の奥浜名湖の温泉か三重の湯の山、津の温泉しか選択肢がないわけ。というわけでお、なんかあんまり盛り上がらんのだよなー。そんななかでも津の温泉はなんかB級な雰囲気があって洞窟があるらしいので行っても良いかなあと思い、消去法でそこに決定したんだ。ググって調べると距離は97キロ推定所要時間2時間47分だそうで、約3時間とみても7時出発10時着温泉に入って11時発帰路について14時帰宅の計画を立てた。素晴らしい、完璧な計画だ。ポワロもびっくりな灰色の脳細胞がビンビンだぜなんて自画自賛してたら、その津の温泉、正式名称は「白山温泉 麿洞温泉涼風荘」ってなんかちょっと怪しげな、あまり聞いた事のない温泉の名称だけどさ、調べたら11時からだってよ。なんだと? じゃあ10時に着いてもやってないジャン、ざけんなよバロー、もっと早くやれよ、朝7時くらいからやってほしいよな、朝駆けライダーとしてはこの辺りは強く主張したいね。仕方がないので他の温泉を検討したんだが、湯の山温泉も11時からでおんなじじゃんか。どうやら温泉旅館は日帰り入浴を11時からくらいに設定しているのは申し合わせ事項のようだ。仕方がないので計画は1時間ずらして8時発11時着12時発15時帰宅とした。これでも余裕にライブには間に合うはずだ。余裕の優ちゃん。

というわけで、散々苦悩して決定したこの計画、毎晩髪の毛を振り乱して苦悩してたので、まっちゃんに「そんなに悩まないかんのならもうバイクは減らさないかんねー」「2台も3台もあるから乗らないかんと考えるんだがね」「動かさんと動かなくなるんならもういらんわバイクなんか」などとキビッしい意見が相次いだ。「だいたい、4台も必要あるんですか? その理由を説明してください」「4台と言っても2台は原付だし、実質的には2台で、この台数は統計的に見てさほど突出した数値では‥…」「質問に答えてください、4台も必要あるんですか?」「ですから、それぞれ仕様用途がありますので決して重複しているわけではありませんし、オンロード長距離用と、オンオフ両用タンデム用と目的別になっていますから‥…」「あー、いいですか、ここは技術を語る場所ではないんです、この4台分の管理費用維持費用の予算を検討する場所です」「えー、あのー」「4台も所有して家庭にリターンが実感出来ないのでは困るという事です」「あー、ですから」「ではバイク廃止」「ちょ、ちょっと待ってください、私の話も聞いてください!」くっそー、この国のバイク大国としての威厳は失われた。

それで、当日、いつもなら7時に出発するんだが、そんなわけなんで8時に出発するのであった。出撃機はFTR。前々回のにょいとらんで始動性の問題があって、その次の鷲が岳後にプラグとバッテリーを新調したんでその案配を確かめたいのもあるし、CBとFTRをちゃんと交互に動かさないとまた動かんくなるといかんし、そうなればバイク廃止! なんてことにならないとも限らんからな。納戸から引っ張り出してエンジン始動、約1ヶ月半振りにだがさすが新調したバッテリーは元気がいいので、ちょっと長めにセルを回したらエンジンは元気よく目覚めてくれた。本日の最高気温は16度から17度、風がちょっと強いらしいので服装は冬体制、クシタニ最古参の赤のEXジャンバー、カントリージーンズ中はユニクロのフリースとヒートテックである。当然冬グローブ装着で8時ちょっと前に出発した。

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まずはコスモでガソリン満タン、19号を名古屋方面に向かう。多少雲があるが青空が見えるので天気は大丈夫だな。晴れの予報でも曇ってた日もあったから心配してたんだが。それよりも想像以上に暖かいのがびっくりだ。電光掲示板は12度を示している。7時と8時ではこんなに温度差があるのだな。たしかに、一番気温が下がるのは日の出直後の6時7時だから、それから日が照ってれば8時くらいにはそこそこ温度が上がるわけで、これからは8時出発くらいの方が良いかもしれん。

そんな事を考えながら19号をカッ飛んでいく。すると、おいねこ鞄を背負った黒い原付野郎がびーーーーんと走ってやがるのでぎゅいーーーんと抜かしたった。そしたら信号待ちで追いつかれた。またぎゅいーーーーんと突き放したが、勝川辺りで混んできてまた追いつかれて抜かされちまった。くっそー、負けてなるか、意地になってまた抜かし返してやったら、ヤツは降参して空港の方に曲がって行きやがった。へへ、口ほどにもないヤツだぜ。オレにケンカを売るのは10年早いぜ。

守山から北区へ抜けて西区へといつもの名古屋市内中心部回避ルートを走って行く。街路樹のイチョウが程よく色づき、見事に黄色くなっていた。これはきれいで走っているものの目を楽しませてくれるなあ。バイクを止めて写真を撮ってたら、沿線でお店を出してる人が、一生懸命歩道に舞い落ちたイチョウの葉っぱをかき集めて掃除してた。まあ、掃除は大変そうだな。お疲れさまです。

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秩父通り、康生通り、上更通り、本陣通りと走ってきて中村区名物大きな鳥居にところまで来た。工事中の名古屋赤十字病院が完成していた。立派な病院だ。これだけ大きな病院があるのはこの辺りの人は安心なんだろうかなあ。最近の医療事情を見ていると、デカイだけで中身がない病院が多いような気もするが、この規模で救急の受け入れ拒否なんかしようものなら顰蹙もんだぞ。

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中川コロナの交差点で1号線にでる。大きな電光掲示板は「カイジ」の予告編がやってた。その先にはスーパー銭湯「ポカリの泉」がある。ここはすでに営業しているぞ。そうだよ、風呂屋はこうじゃなくちゃなあな。朝から入るから気持ちいいんじゃん。更に進んで23号線に合流する。ここでいつものサークルKで休憩だ。時刻は9時過ぎ。ちょっと予定より時間がかかってるなあ。トイレを済ませて、温かいカフェオレでも飲もうと思ったら、ここのお店は甘くないボスカフェオレがなかったので普通のブラックコーヒーを飲んだ。あきかんを捨てようと思ってゴミ箱を見たら、テレビで話題になっていた、かんとビンを分けて入れるようになってるけど、中で一緒になるゴミ箱だった。

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本当に、これって分ける意味がないな。テレビではエラい人が「分別意識を持ってもらうため」なんて言ってたけどまさしく詭弁だよな。こういう「問題意識を持ってもらっただけでも成功」とかいう理屈って本来の目的が達成出来なかったときの実に、一見、実にいい事のように聞こえる実行した事に対する正当化の言い訳だよなあ。ちなみに今ではほとんど見る事のなくなった公衆電話ボックスISDN仕様もあります。

さて、いよいよ23号線を三重県入りだと思った走って行ったら、いきなり道が詰まってきた。この交通量の膨大な幹線道路、まさしく中日本と西日本の主要都市を結ぶ大動脈である23号線が渋滞するのはよくある事なんだが、今回は様子が違う。びくともしない。一体なんじゃと思いつつ、ここがFTRのいいところ、スリムなボデイは楽々すり抜け、今や巨大な臨時駐車場になりつつある国道23号線を走って行くと、同じようにすり抜けするXIR1200に追いついた。2台でスリスリすり抜けて行くと、徐々に状況が明らかになってきた。車線縮小の看板、工事中の看板、ははー、これは23号線道路工事か、まあ、年末も近い事だし仕方がないなと思いつつ、更に進むと、その工事の全貌が明らかになった。それはにわかには信じられない光景であった。

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目の前に広がるのは進行方向対向車線あわせて4車線の23号線は、片方の2車線だけに縮小さえているのだ。そしてその先には、東海地方が世界に誇る揖斐川長良川木曽川の三川を跨ぐ大橋の赤く巨大な鉄橋におおわれた白いベールとその周りに起立する膨大な足場、そしてひっきりなしに行き来するダボパンを履いた男たち。そう、そうなのだ、これはこの最近、ひっきりなしに言われてきた、高度経済成長時期の橋脚やトンネルの建築物が耐用年数限界点を迎えつつあり、いつ崩れてもおかしくないと言う恐ろしい現実に対する対抗策工事だったのだ。工期はなんと2010年4月末まで。これはとんでもない事態だぞ。この大動脈が詰まっては、われわれ一般市民には三重県方面に行くのがめっちゃメンドーな事になるちゅーこっちゃんか。案内看板には、高速道路を使った方が速いような事が書いてあったが、確かにそうだけどさ、やっぱりお金がかかるのはいやだよ。まいったなー、じつにまいったぞ。この先、冬になって岐阜方面山方面にツーリングに行けなくなると、方向としては三重県や静岡県の海沿いに行くしかなくなるんだが、その貴重な選択肢である三重方面に行くのが非常に困難な状況という事ではないか。やんなっちゃうなー。

やんなっちゃう状況はその先ずーーーーーっと、長良川大橋木曽川大橋を渡っても続いて、一体全体なんでこんなに渋滞が続くのかまったくワケがわからない、四日市競輪場には「予告渋滞」とでかでかと看板が出てたけど、なんで渋滞になるのか、その説明書きがいっさいないのでさっぱりわからん。三重県内に入るとこの23号線はとたんに路肩が狭くなるのでスリムなFTRでもすり抜けはできないので、ノロノロのろのろと渋滞路を進むしかないのであった。このままでは時間内に目的地に着く事がができないかもしれない。湯の山温泉への分岐点が近づき、決断を迫られる。この不慮の事態の対処として、目的地を緊急変更するのか、それとも、当初の目標をあくまで目指すのか、さあ、どっちにするのだ? 渋滞は一向に解消される様子もない。ダメこりゃ、湯の山に変更するか。しかし、その時、あざ笑う声が聞こえてきたのだ。ふぉーっふぉっふぉっふぉ! お主はまたそうやって目の前の困難から逃げるのじゃな。ふぉーっふぉっふぉっふぉ。そうやって一生逃げ惑う人生を送るが良い。そうやって逃げてばかり居て、そのうち何もかも失って気がつくのじゃ。おのれの愚かさにな。ふぉーっふぉっふぉっふぉ! そ、そうだ! その通りだ。老師の言う通りだ! そうだ!そうだ! オレたちは逃げてはいけないんだ! 絶対に目的にまでたどり着くんだ! 変更しないぞ。最初の目的地を目指すんだ! ありがとう老師、あなたのおかげで道を誤らずにすんだんだ。ありがとう、ありがとう老師! ところで老師って誰だよ。

結局、四日市市外を抜けてようやく渋滞から開放されたのであった。まったくもって予想外の大渋滞、これでロスタイム30分以上を費やしてしまっているので、この先は猛ダッシュダッシュダッシュなのであった。

で、そのかいあって11時15分頃になんとか目的地の温泉に着いた。何だかとっても辺鄙なところにある温泉宿だった。辺鄙と言うと秘境みたいな印象があるけど、(ないか)そういう意味の辺鄙ではなくて、何と言うのかなーフツーに田舎の田んぼばっかなところにぽつんとある温泉宿だった。何でこんなところに温泉宿を作ったんだろ、というような温泉宿。

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温泉博士がなければ絶対による事はないだろう温泉。こういうのがあるから温泉博士は止められんな。宿の前にバイクを止めて中に入ると、受付の女の人に温泉博士を見せて入れますかと聞くとどうぞどうぞと言ってくれたので、玄関でブーツを脱いで上がった。ハンコをもらって温泉の場所を聞くと、奥の方にいくと扉があるのでそこから外に出て階段を上ったところだそうで、その通りに行ったら、階段の上には「湯処森の泉」と看板がある建物があった。最近できたばかりのようで、他の建物に比べてきれいだな。スリッパを脱いで上がると入口のところに貸切家族風呂洞窟温泉があった。貸切家族風呂だと? ってことは、一人は無理ってことかい! いや無理じゃあないだろうが、予約がいるみたいだし、料金ウン千円だぞオイ。がーん、洞窟温泉を楽しみにしてきたのに、入れんじゃんかよー何だよークソ。がっくり。仕方がないので普通の温泉に入るのであった。普通の温泉は、天井がサンルームみたいになってて、大きなヤシの樹みたいな樹があって、まあ、それなりに雰囲気のある温泉であった。お湯も良かった。でも洞窟ではなかった

12時に出た。帰りは一気に走って帰って来た。意地で予定時間の3時に帰って来た。老師! おれはやりましたよ。だから老師って誰だよ。

本日の出費

コーヒー 103円

本日のFTRの走行距離 193キロ

累計のFTRの走行距離 10883キロ

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