尖石は見つからず縄文蓼科

11月14日(日)

思えば温泉博士も毎月欠かさず買い始めてはや幾年や、先日、その利用状況をデータベース化したんだが、その結果、ツーリング経費削減にかなり貢献している事が判明した。この調子で、温泉博士をもっともっと有効に活用して、この先の見えない時代、もはや末期的状況のカン政権、行き詰まるガイコウ、そしてとどまる事を知らぬエンダカ、日本経済はもはや余談を許さないところまで来ているのだ。(ようするに、余計な話をしている暇はないと言う事ね)そう、温泉博士でこの時代を乗り切らねば。とは言うものの、だがしかし、一方で別の問題も浮上した。それは、実は温泉博士の無料対象温泉は、結局のところ同じような温泉が巡り巡って繰り返されとる。ゆえに、はじめの頃はおおーっと驚き喜んで入ってた温泉も、何度も繰り返されたらちょっと飽きてくるじゃん。まあ、無料で入れるんだから文句を言うなよと言われれば確かにそうなんだけどさー、問題はそこの安住してしまう精神状態なんだよ。人間は元々安定を好み、変化を疎ましく思うんだが、しかし、変化がなければ進歩しないぞ。そう、どこぞの社訓ではないが、現状維持は逮捕なのである。(要するに現状に甘んじてる進歩しない連中は逮捕するって事ね)そこで私も考えた。今月号の無料温泉で、行けそなところで残るは三重のあさひの湯か岐阜の鷲が岳温泉なんだが、二つとももう行った事がある。行った事のない温泉を探すと、三重では志摩の国温泉、岐阜では羽島温泉、長野では尖石の湯だ。このうち、志摩の国温泉は営業時間が15時からなので時間的に無理で却下、羽島温泉はかんぽの宿の温泉なんで、ちょっと面白みがないので却下、そして尖石の湯だが、ここはネットで検索するとなかなか良さげな温泉で、露天風呂オンリーかけ流しのかんりワイルドな温泉らしい。しかも通常は入浴料金1000円とべらぼうな価格設定、ここにしようと決定、早速地図をググったら、片道203キロだった。往復406キロだった。場所は蓼科ほとんどあの麦草峠付近、でら遠いじゃん、無理だ。仕方がない、やっぱり近場の鷲が岳かあさひの湯にしよう。その方がラクでいいしなー、あー、でもこんな妥協してると、またあいつが現れるかもなー、ふぉーっふぉっふぉっふぉ、そその声は老師様! ふぉーっふぉっふぉっふぉ、妥協していいんじゃぞ、妥協して近くをツーリングすればいいんじゃ、そんな遠くへ行っても疲れるだけだからのう、そうじゃ、いっそ、もっと近くの温泉にしたらどうじゃ、ラクでええぞ。ワクワク感もドキドキ感も緊張感もなくても、楽な方がいいんじゃろう、おわー、私が悪うございました、またしても現状に安住してしまうところでした、新しい温泉を求めて飽くなき挑戦をしなければ人間堕落してしまうのだ、いざ行かん、尖石の湯!

ということで、尖石の湯に行く事にした。でも、この日が短い時期に往復下道を走るのは時間的に無理なんで、帰りは高速を使う事にした。イタイ出費だが、飽くなき挑戦の為なんだから致し方ないぞ。

で、当日、朝4時半に起きて5時の気象庁の天気予報最新版をサイトで確認、曇り時々晴れだとさ。降水確率は10%、決して良い天気ではないが雨は降らないようで、最高気温が16度、寒そう。空を見ると、どんよりとした雲が覆ってるのでイマイチテンション上がんない。なんか行くの止めようかなーと思ったところで、超高速クルージングバイクを駆って年間2万キロ走破のまさしく真のツーリングライダーさんの名言「朝雨が降ってなければバイク日和さ、それがツーリングライダーってもんだろ、途中で雨が降って来たらどうするかって? どうしようもないさ」くうー、チョークール、でらかっちょえーじゃん、を思い出して出発する事にした。予定では6時出発だったんだが、このような葛藤があったのでじゃっかん時間が遅れて6時40分くらいに実家ガレージから旗艦CB1300を引っ張り出してエンジン始動、出撃なのであった。

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まずはいつものコスモ石油でガソリン満タン、往復400キロなんで、途中で空中給油が必要だが、それをどこで行うかは走りながら考えよう。260キロ走って12リットル入った。量が少ないので割引スロットは回らんかった。がっくり。スタンドを出て、19号線を北上する。日曜日の朝なんで道はガラガラに空いている。空は山の方まで完全に雲っている。そして気温だが、意外に暖かい。途中、内津峠に意味もなくいくつも並んでいる電光掲示板の温度表示は11度から12度だった。防寒レベル3の体勢で来たが、十分に対応できるな。

予定より40分遅れなんで、ちょっとペースを上げて走っていくと、後ろから真っ黒けの低く構えた正体不明な車が追い上げて来た。おお、あれは! 鋼鉄のハイエナ!(ドーベルマン刑事参照)と思た直後にギュイーンと抜かされ、一気に走り去って行った。車の種類はBMWだったけど、ホントに鋼鉄のハイエナみたいな車だった。きっと乗ってるのは40代のおっさんだな。少年ジャンプを喫茶店で読みまくった世代だぞ。気持ちはわかるがマジでんな改造するとは、別な意味で痛車だな。

中津川から木曽路に入ると、一気にペースダウンとなった。ここから信号が激減するのでペースアップするところなんだが、前が詰まって全然だめだ。前を走るのは宇佐見石油のタンクローリー、いわゆる移動タンク貯蔵庫ってヤツだが、その前に何台か車が見えるので、そのさらに前の車が遅いみたいだな。一体そんな遅いのはどいつなんだクソ、と思って走っていたら、山道のカーブの見えるところで先頭車両を確認、大型トラックだった。よっぽど精密な機械を運んでいるのか、めっちゃ遅い。制限速度マイナス10キロくらいのスローペース。この時間を短縮したい時に何やってんだ。思わずQ砲をぶち込んで素粒子に還元してやろうかと思ったが、射程距離が届かないので断念した。登坂車線でスローペースな車をパスしてどんどん先頭の遅いトラックに接近する。後ろを見ると既に長々と渋滞の列ができていた。これはヤバい。このトラック渋滞を回避する為にすべての休憩ポイントをスルーして来たので、もう後には引けないぞ。本来は空中給油の予定だった出光もスルーし、寝覚の床付近の登坂車線でスロートラックを捕える。ようし、Q砲用意、発射! 命中だ! 後は全速で離脱するぞ!そして一気に引き離すんだ! いや、引き離してはいかんのですけどね。ホントは内部に侵入して、ボズコーンの秘密装置を回収しないかんのですけどね。

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そんなわけで、邪魔者は消えたので19号線を快調に北上する。途中、相変わらず正体不明な食堂SSを横目に通過、今回も調査に踏み込めなかったが、近いうちに必ずここを調査しないかんな。しかし、SSは何の略なんだろうか? まさかスーパースカタンの略ではないと思うけどさ。塩尻市内に入って20号線にスイッチする。この路線は快調に走れるが、ネズミ捕りも多いのでペースを落とした。まさかこんな早い時間にやっているとは思わんが、と思いつつ走って行くと、果たして、やはりクラウンアスリートのパトカーが路肩に隠れていやがった! ふっ、そうはイカの何とかだぜ、長野県警さんよお、オレ様を捕まえようったって、ムリだぜけけけ。ほくそ笑んで走って行くと、塩尻峠から諏訪湖が目前に出現した。おお、いつ見ても素晴らしい眺めだ。しかも、今日はガスがかかっててなんとも幻想的な雰囲気ではないか。毎回毎回思うんだが、バイクを止めるところがないから写真を撮れないのが残念だ。まあ、無理すれば止めれん事もないけど、他の車に迷惑だしな。

こうして諏訪市内に入った。このペースで行けば、当初の予定時間に目的地に着けると思われた。しかし、人生そんな計ったように行くはずがないのであった。このあと、驚くべき事実が明らかとなる! じゃーん。

—ここでCM—

こうして諏訪市内に入った。このペースで行けば、当初の予定時間に目的地に着けると思われた。しかし、人生そんな計ったように行くはずがないのであった。このあと、驚くべき事実が明らかとなる! 

このやり方ってでーらー評判悪いのにまだ続けてるアホ番組あるよな。

諏訪から茅野で152号線にスイッチし、一直線だったはずなんだが、そのあたりで道に迷った。訳の分からん五叉路がいきなり現れて、どっちに行けばいいのかわからず、案内板の茅野の表示がある方に進んだのだが、どんどん道が狭くなって、そしていきなり駅前に出て、駅前にはSLが展示してあって見たい!でら見たいと思ったんだが、止めるところが見つけられず、なんせ駅前だもんな、通過しちまって、そして、そこからわけのわからん道をぐるぐる回って、ヤバい、マジヤバい全然道がわからん、どこかに止まって地図を見た方がいいぞ、と思って走っていたら、わけわからんなりに152号線に出た。ラッキー! 152号線に入って、まずは尖石遺跡を目指す。尖石の湯はその近くのはずだ。152号線から脇道に入って走って行くと、左手に縄文の湯が見えた。よし、この道で間違いない、順調だ、もうたどり着くのは時間の問題だなと思われたその時だった。行けども行けども、尖石の湯を運営しているたてしなエグゼブデブがない。案内看板を見ても、他の施設は載ってるが、目的のがない。どんどん進んでいくと、いつの間にか、以前、麦草峠に行った時の道になってた。これは来すぎてると判断、どうにもやりにくいUターンをして戻るが、なんど案内板を見てもたてしなエグゼブティブが見つからない。交差点で適当に右に左に回って、あたりをとにかくしらみつぶしに走って行くが、ない。ないないない。あるのは個人の別荘ばかりだぞ。道を探しながらとろとろ走ってたら、ポルシェに抜かされた。くっそー、金持ちばっかなところだからなあ。でっかい別荘ばかりあるし、土地も広いし、こんな時代でも持ってるヤツは持ってるからなあ。オレだって宝くじが当ったらポルシェ買って別荘買ってやるよクソ。バイクだってCB750FCの程度の良いのを見つけて買ってやる。後はねー、VFR1200とねー、それからーバキドテグシャ(まっちゃんに…以下略)

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いよいよ時間が押し迫って来て焦り始めたら、更に事態は悪化した。おしっこしたい。それも今すぐにしたい。漏れるー! ヤバい、この歳で漏らしたら末代までの恥さらしだぜ。必死に我慢してトイレを探すが、この辺りには何もない。あるのは田んぼと林と風光明媚な山岳風景のみ。いやー、のどかで良いですなあ、天気が良いともっと良いんでしょうなあ。この時期は野焼きの時期なんですかな、煙がもうもうと辺りを覆って、それがガスのようで幻想的ですなあ。いやー、ずっと見てても飽きませんなあ。ってそんな悠長な事言ってる場合じゃないぞ。いよいよ黄信号から赤信号が点灯、漏れるかもしれん、ダメだ、こうなったら立ちションするしかない! どこかにバイクを止めて立ちションだ! もしかしたら巡回中のパトカーに見つかって逮捕されるかもしれないが、漏らすよりはマシだ。革パンがしょんべん臭くなるよりマシだ。悲壮な決意をしたら、目の前に観光客向けの牧場が現れて、トイレがあるのが見えた。速攻で突入、長々とネイチャーコールタイムなのであった。

やっと落ち着いたよ。もう、一時はどうなるかと思った。やれやれ、落ち着いたので場所を確認しよう。シート下の地図を取り出そうと、シートを外した。そして、そこでオレは…恐ろしい体験をした。いや、体験をしたというか、まったく理解を超えていたが、あ、ありのままを今起こった事を話すぜ。「オレはシートの下に温泉セットを入れたと思ったら、いつの間にか無くなっていた」何を言っているかわからねーと思うが、オレにも何がなんだかわからなかった。坂道のUターンとか、立ちゴケしそうになったとかそんなチャチなもんじゃねえ。もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ…。うん、それは単に入れ忘れただけだと思う。

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げろげろーマジかよ! ウチを離れる事200キロ、ここまで来て温泉博士も手ぬぐいも地図もなしかい! 絶体絶命だ。

しかし、人間追いつめられると意外に冷静になるもんだ。よし、もうじたばたしても無駄なんで、尖石の湯は諦めよう、作戦Bを決行する。縄文の湯に入るのだ。手ぬぐいは現地で調達する。決定。牧場を出て、縄文の湯まで戻った。

駐車場にバイクを入れて、手ぶらで建物に入った。入口でブーツを脱いで、下駄箱の一番上に乗せる。だって入らんもん。そして受付の前にある発券機で入浴料400円を払って券を買う。受付でヒマそうにうつらうつら居眠りしてたオバンに券を渡して手ぬぐいを200円で買う。イタイ出費だが、幸い温泉名の入っているしっかりした手ぬぐいだった。それを持って長い廊下の一番奥まで歩いて行くと男湯女湯の暖簾がかかっていた。男湯に入る。狭い脱衣所には客がいっぱいだった。こじんまりした100円リターンロッカーがある。以前は100円玉は不要の無料ロッカーだったようだが、諸事情で100円リターンになった事が貼紙に書いてあった。大人の事情ってやつだ。そこに荷物を突っ込んで、お風呂へ移動する。体を洗ってお湯に浸かるとやれやれなのであった。いやー、なんか波瀾万丈で刺激的なツーリングだな。やっぱりこういう想定外の事態が起こるとエキサイティングじゃん。尖石の湯に入れんのは残念だが、それでも鷲が岳や朝日の湯にしないでこっちに来て正解だった。ほとんど休憩なしで走りっぱなしだったのでゆっくり入った。それから露天風呂にも行った。ちょっとぬるかったので早々に内湯に引き上げた。ちなみに露天風呂には落ち葉防止の為に網シートが張ってあり、台無しだったよ。なんでも、温泉が循環なんで、落ち葉が機械に入って故障するらしい。そんな話初めて聞いたわ。

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内湯に戻ってタンノンしてから出た。時刻は既に12時半を回っていた。13時には諏訪インターから帰路につかないとヤバい。だって今日の晩ご飯は鶏ちゃんだもんね。早く帰ってたらふく食うのさ。というわけで温泉を出て脱衣所でちょっとクールダウン、装備を装着して、休憩スペースで休憩しようと思ったが畳の部屋はジモティが占拠してるので、中には電子辞書持ち込んでレポート書いてる大学生風の女の子もいたぞ。家でやれよ。スタバとかでもたまに見るけど、カッコいいと思ってるのかなあ。

温泉を出て、バイクに戻って出発する。来た道を戻って、途中、ファミマを発見したが、交差点で反対車線は最悪なので通過、その次にセブンイレブンがあったのでそこに入って、いつものダブルエスプレッソショコラとコロッケパンを買って食った。温泉入ってちょっと暑かったので冷たい飲み物がおいしい。今日は暖かいので良かったな。食いながら店の前の美知を見てると、ビーナスラインと看板があった。この道もビーナスラインなんだ。

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食ったら諏訪インターに向かう。すぐにファミマがあった。反対車線側だが、入れそうな位置だった。しまった、今頃遅いよ、もうパンを食っちゃったよ。またしても宇宙戦艦ヤマトグッズを逃したなー。さらに走って行くと、峠の釜飯で有名なドライブインおぎのやがあった。なんと、こんなところにお店があったんだ。これからは群馬まで行かんくてもここで食えるじゃん! 今度はここで食おう。でも激混みの様子だった。

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諏訪インターから高速に入った。最初に諏訪PAがあったのでここを走るのはそんなにある事じゃないので止まってみる事にした。諏訪湖がきれいに見えるかもしれん。入ったら混んでた。駐車場もほぼ満車、バイク駐輪場は満車であぶれたバイクが周辺にところせましと止まってた。仕方がないので端の方にバイクを止めてトイレを済ませて売店をのぞいて、それから展望所の方に行った。なかなかいい見晴らしだが、今朝のガスはもう消えてしまったのでフツーな感じだった。ちょっと残念。諏訪温泉の看板があって、そういえばここは日本全国でも珍しい温泉のあるPAだったことを思い出して、入りたいなーと思いつつ、時間がないので断念する。だって鶏ちゃんだもんね。バイク駐輪場には、CB750FBがいて、なにやら一生懸命車載工具で直してた。古いバイクだから調子が悪いのかな。直ったみたいで車載工具を仕舞い始めたので人ごとながらホッとする。売店でお土産を買おうかと思ったが、レジが長者の列だったので諦めてバイクに戻って紅葉がきれいだったので写真を撮って出発した。そういえばどこも紅葉はきれいだったよ。今年は寒暖の差が激しかったから紅葉がきれいなんだな。

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諏訪PAを出て帰路についた。途中で調整してたCB750FBがカッ飛んで行った。

家に着いたら、ガレージに温泉セットが置いてあった。

本日の出費

お茶とあんまん 136円100円

温泉 400円

手ぬぐい 200円

コロッケパンダブルエスプレッソショコラ 110円168円

高速道路 3500円

本日のCB1300SFの走行距離 410キロ

累計のCB1300SFの走行距離 51860キロ 間もなくオイル交換

 

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