とんぼ返りの昔話の里は福地温泉

7月9日(土)

さて、7月である。例年この時期になると、頭を悩ませることになるのがオイル交換の時期と夏のロングツーリングの関係である。約1週間走る夏のロングツーリングは総合走行距離が約2000キロから2500キロになる。この間にオイル交換の時期が該当しなければ、万事丸く収まって、ぴったしパンツ御名算なのであるが、もし、オイル交換の時期が絡んだりすると、ツーリング先でオイル交換をせねばならぬ事態に追い込まれる事になる。貴重なロングツーリングの時間を、オイル交換などと言う日常生活の延長線上で済ませるべき事態で時間を裂くなんて、何たる愚行、ありえないのである。ゆえに、毎年毎年、数字合わせのツーリングに走る事になるのがこの時期なんだが、なんと、今年はチョーヤバい、6月末で次のオイル交換55000キロまで1600キロもあるのである。1600キロと言えば、400キロの日帰りツーリング4回分、300キロでは5回以上200キロなら8回と、もはや天文学的数値、いくら何でもこんなに走るのは無理でしょう。ではどうする? 対策はいろいろあるけど、結局2つしか無い。ロングに行く前に前倒しでオイル交換するか、帰って来てから時期を越えてのオイル交換にするかだ。しかし、ロングツーリングなんだから、何があるかわからん。わからんから万全の体勢であるべきである。となると、前倒しでオイル交換するしか無いな。でも、なるべく走行距離は稼ぎたいな。そこで、今月の温泉博士の伊那と平湯の2カ所に行けば、約800キロ、累計が54000キロを超える。1000キロくらいの前倒しなら良しとしよう。なかなか良い作戦である。しかも、よく見たら、平湯の温泉は、KRR平湯と奥飛騨焼岳、そして福地温泉と、あの辺りのおいしそうな温泉が3湯もあるじゃないか。これはダブルじゃなくてトリプル温泉作戦も可能じゃないか、うっしっし、などとほくそ笑んでたら、まっちゃんが「今日は晩ご飯スシローにするからね」「寿司食いたいって言ってたでしょ」そうだそうであった。寿司食いたいと言ってたな。げ、じゃあスシローなら混むから5時くらいにはいかなかんじゃん。ってことは遅くても4時には帰らなかんじゃん。ってことは、3湯も入れんじゃん。しかし、自分が寿司食いたいと言っておきながら3湯入りたいから寿司は今度にしてよ、などと口が裂けても言えん。おそろしゅうて言えん! わしはまだ死にとうないんじゃああー。で、3湯却下、10時からやってる福地温泉のみに目標を絞り込み、グーグルでは所要時間片道5時間なので、6時くらいに出発すればなんとかなるだろう。

さて、後の問題は天気である。最近頻発するゲリラ豪雨、こいつがくせ者なのだ。いつものように5時に起きて、気象庁のサイトをチェックすると、天気分布予報では、見事なまだら模様、こんな予報を出す方が難しいんじゃないか。となると、何があってもおかしくない、そこで、不本意ながら日帰りツーリングにも関わらず、カッパを持って行く事にした。いつもシート下には温泉セットの他に、常時パンク修理セットとフットポンプが搭載せれているのだが、実際のところ、この20余年、パンク修理セットのお世話になった事は1999年の沖縄ツーリングだけなんだよな。日帰りでは一度も無い。だからこれを降ろしてカッパを積んでった方が良いな。

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ということで、チーズトーストを食って準備してカッパ持って実家ガレージから旗艦CB1300の3連続出撃なのであった。シート下からパンク修理セットとフットポンプを出して、代わりにカッパを入れた。温泉セットも入れた。エンジン一発始動。天気はそこそこ晴れており、今日は暑くなるようで、既にかなり蒸し暑いんですけど、朝からこれでは先が思いやられるのう。

6時ちょっと過ぎに出発。まずはコスモ石油に行ってガソリンを入れるんだが、そこまで行く途中で、サングラスをかけたじーさんが自転車でふらふらと道路の真ん中を右側通行、要するにモロに対抗向きで走ってきやがって、クルマとぶつかりそうになってた。自転車は左側通行だろ、困ったもんだ。で、コスモに着いたらガソリンを入れて、リッター138円で13リットルくらい入った。前回300キロ走ってるんで、リッター20以上走ってるな。やはり長距離は伸びるのだ。

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満タンになって重くなったCB1300は19号線に出て多治見向きで走り出す。北山トンネルを抜けて内津峠を越え、多治見に入って今泉の裏道を経由して248号線に出るいつものルートを走って行く。バイパスか旧道か、今回は旧道をチョイスした。最近気がついたんだが、バイパスは確かにかっ飛ばせるけど、結局所要時間は旧道と変わらんか、ちょっと余分にかかるような気がするもんね。そんなわけで、旧道に進む。途中の信号交差点では、女子高生が通学しているんだが、最近の女子高生って日傘をさすんだね。確かに紫外線が強いから日傘は大事だよ。若いからって紫外線を舐めてると、歳食ってから肌にモロ影響するからな。そういう事に気を配るのはいい事だ。まあ、昔じゃあ考えられん事だが。

248号は可児市を抜け、きれいさっぱり跡形も無く消滅したユニー可児店の空き地にはまだ何も無かった。そしてどんどん進んで、川辺町に入って、きれいさっぱり跡形も無く消滅した川辺カヤバ工場の空き地にもまだ何も無かった。かつては繁栄したお店や工場が、今や全くその姿をとどめていないのは、まさしく諸行無常、国破れてサンガリアなのであった。

41号線と合流する。合流地点の交差点、41号バイパス高架工事は、途中で完全に止まっていた。空中でぶった切れたままの高架がなんだかとても虚しい。もしこのまま人類が絶滅して、次世代の文明が発達して、地中からこの高知途中の高架が現れたら何と思うだろうか。空中道路、とかいって世界の七不思議になるやしれん。そう考えると、七不思議の空中庭園なんか、じつは工事途中だったのかもしれんな。マチピチュとかまだ工事中だったんだよ。これが私の新説である。反論のある方は掲示板でどうぞ。

41号線に入ったら、ガンガン飛ばして行く。なんせ、片道200キロ、5時間かかるところを4時間で走ってやろうって作戦だからな。ガンガン行くぜ。ガンガン行くつもりが、例によってスローペースなクルマを先頭に数珠つなぎなのであった。先頭は黒のトヨタBbであった。若者向きのこのクルマに、なぜか全然不釣り合いな高齢運転者クローバーマーク、とっても安全運転で、後ろのクルマ軍団はしびれを切らしているのであった。なんとかクローバーBbをかわして進むと、続いて現れたスローペースは荷台がダンプみたいにがばーとなる仕様の軽トラだった。しかし、軽トラのじいちゃんは、後ろの渋滞に気がついて路肩によって進路を譲るのであった。こういう気配りが出来る運転手は素晴らしいね。そして更に進むと、今度現れたスローペースは大型トラックであった。でもなんかよく見ると様子がヘンだ。すると、トラックの前にハーレーがスローペースで走っているのが見えた。大型トラックがぬかそうとしてもなかなか対向車がいて抜かせんのだ。ハーレーが道路脇の駐車帯に入ったので、ようやく抜かして進む事が出来たが、あのハーレーなんであんなに遅かったんだろう。買ったばっかでオッカナビックリで走ってたのかな。ええ歳こいたおっさんが乗ってたから、昔の自動に二輪付き免許で、流行ってるからとハーレーに手を出してはいいが、いざ運転すると大変だった、という感じか。難しいからね、ハーレーの運転は。オレも試乗したけど、エンジンの固まりにまたがってるみたいで、スロット廻さなくても前に進むし、ブレーキ付いてないし、全身マッサージしてるみたいだしさ。好きな人はあれがたまらんのだろうけど、オレみたいな未熟者には扱うのはとても無理でした。

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七宗を通過して、白川まで来た。サークルKで休憩にする。前回のツーリングでコンビニで全く見かけなかったダブルエスプレッソだが、ここにはしっかり列んでた。あった良かったと買って飲んだ。夏はやっぱりこれが一番だ。掲示板によせられた情報では、有効活用してたマクドナルドの200円メニューが値上げになったそうで、今後はマクドの利用も考え直さないかんくなってきたな。でも冬になったらやっぱりマクドを使うんだろうけどさ。

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コンビのを後にして更に41号線を北上する。41号線に沿って流れる川だが、益田川だっけ? この川面に白い湯気みたいなのが出てて、すごく幻想的だぞ。冬に朝によく見かける光景だけど、こんなに暑くても起こるんだな。一体どうしてこんな事になるのだろうか。不思議な事だ。金山まで来たら、ダムの近くでもこの現象が起きていたので、バイクを止めて撮影したけど、写真でわかるかなあ。

金山の飛山でトイレ休憩して、いよいよ空は青くなってきて、暑くなってきて、ひょっとしたら今日はイケテル日なんじゃね? ツーリング日和? 久々のツーリング日和に来ちゃったって感じ? フテ寝しなくてよかったよ。やっぱ走り出しちまえば何となるもんだ。もちろん、なんともならん日もあるだろうけどさ。

金山からは順調に進んで、コイーーーーンとモリワキエグゾーストを響かせながらカッ飛んで行くのであった。道の駅渚でまたまたトイレ休憩にする。温度は26度、ここまで来るとそこそこ涼しいかな。トイレに行ったら、少年野球チーム一個師団がいて、大渋滞なのであった。引率の先生が「ちゃんと手を洗うんだよ」「気分悪い子いないね」「駐車場を走らないの!」とやかましいジャリどもの管理に必死だった。大変だよなあ、事故でもあったら責任問題だからな。気を使う仕事だよ。お疲れさまです。

道の駅を出て久々野で美女高原方面枝道に入る。このルートは悪名高い宮峠を迂回するので個人的には大変気に入ってるのだ。山を登る快走路を進み、飛騨ふるさとトンネルをくぐり抜ける。トンネルは寒かった。ここでこんなに寒いんだから、平湯トンネルは極寒だろうな。今朝蒸し暑いとか言ってたのがウソみたいに寒い。トンネルを出て山を下りる。この辺りから道がややこしくてよくわからんのだが、勘と度胸で走って行く。いくつも神社やお寺があって、歴史文化あふれる地域を走って行くのは、実にツーリング気分がいいな。天気もどんどんよくなってきてるぞ。

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158号線に出た。乗鞍上高地方面に向かう。途中、ハイランドホテル風の建物があって、ここってレストランだったっけ? と思いながら前を通りかかったら、クルマのBMWの展示試乗会を期間限定で開催してるみたいで、広い駐車場にはBMWがいっぱい列んでた。こんなところで開催する意味がよくわからん。

丹生川に入って、市役所の前を通ったら、名物の巨大鍋が姿を消していた。あれどうしたんだろう。廃止されたのだろうか、それともどこかに貸し出ししてるとか? 貸し出しすると言っても運ぶの大変だろうしな。などと考えていたが、時計を見ると10時まであまり時間が無いのであった。いかんぞ、ペースが遅いぞ。ペースアップで158号線をカッ飛んで行くのであった。ツーリング日和ということで、この辺りからバイクとすれ違う事が多くなってきた。BMWやハーレーがやはり多い。HONDAの最新型CB1100には3回すれ違った。それも全部色が白だった。白が人気なのかな。白カッチョイイよな。評判の芳しくない新型のCBR250ともすれ違った。そういえば、最近900ニンジャを全然見かけなくなったような気がする。以前はよく見かけたけどな。あんなうじゃうじゃ見かけたのにみんなどこに行っちゃったんだろう。

宿木付近から急速に高度が上がってどんどん涼しくなってきて、ヘアピンカーブをぶいぶい言わせて走って行くと、片側交互交通になった。何じゃと思ったら、反対車線の道路がごっそり崩落してた。こりゃ復旧に時間かかるぞ。上高地でも土砂崩れがあったもんな。あっちは観光主要道路だから突貫工事で開通させたみたいだけど、最近の雨の降り方は異常だもんね。どこで崩落が起きてもおかしくないよ。

崩落復旧工事現場を過ぎて更に高度を上げ、いよいよ問題の平湯トンネルに突入した。急激に低下する気温、夏から冬に急速冷凍、メッシュレザーから凍てつく寒気が通り抜けてこりゃたまらん、急いで脱出せねばと思ったら、問題はそれだけではなかった。忘れていたが、この平湯トンネル、漏水が滅茶苦茶多いんだった。気がついたら路面は川だった。ほとばしる水しぶき! げろげろー、バイクが汚れるじゃねーか、くっそー、ここ最近の豪雨のせいで漏水もポイント2倍デーだよ、スギ薬局だよ。こんなところCBR600RRで来てたら発狂してたよ。

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なんとかトンネルを抜けて10時ちょっと前に平湯温泉に入った。そこを通過して、ちょっと細くなったウネウネの山道を進み、クマ牧場の近くまで来たら、道路脇にでかい福地温泉の碑が建っていた。何とか10時に間に合いそうだ。福地温泉に方に曲がると、まずは巨大なホテルが出現、これが温泉博士にもあったホテル焼岳だ。列車がホテルの前にあるのはカラオケ列車でカラオケが出来るそうだ。ここの温泉は12時からなんで、今回はパス、先を進み、橋を渡って遂に福地温泉に到着した。朝市の駐車場にバイクを止めて、屋根が無いからもしゲリラ豪雨が来たらびしょ濡れだな。しかし、空を見ると雨の降る気配は全くないので、おそらく大丈夫だろうとヘルメットも置いて行く事にした。シート下から温泉セットだけもって、坂を降りて行く。T字路に突き当たり、左に朝市会場、観光客がちょろっといた。右に温泉だ。奥まったところにぼろい建物があり、そこが温泉なんだ。

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温泉の入口は賑やかに飾り立ててあった。地元青年団の人がいらっしゃいと声をかけるので、中に入ってブーツを脱ぎ、温泉博士を出してハンコをもらった。温泉はそこの奥ですと言われてそっちに行くと、「男湯」ではなく「紳士用」と表示がしてあった。何かトイレかと思ったよ。

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脱衣所はカゴと貴重品ロッカー、ボロいけど秘湯の雰囲気ムンムンで実に素晴らしい。脱いで荷物をカゴに突っ込み、風呂場へ移動する。トタンの屋根に湯気抜きの穴といい、相変わらずマジな温泉だね。身体を洗って湯に浸かる。他に誰もいないので貸し切りだ。気持ちいいねー、湯加減も丁度いい。ちなみに源泉温度90度だったかかなり高いので、源泉の垂れ流しになってる樽は手を入れると「ひでぶ」となります。たまごを入れると温泉たまごになるのだろうか。ぷへーと湯に漂っていたら、チンボツしそうになったのでタンノンしてでた。出たら汗がぷはー、扇風機も無いのでわずかな自然の風でクールダウン、服を着て建物を出た。

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バイクに戻って、バイクを見たら、平湯トンネルの影響でホイールも下回りもフェンダーも泥跳ねがひどい。明日オイル交換して洗車決定なのであった。そうと決まったら帰ろう。帰りは道がすいてて順調に帰ってこれた。途中、金山のデイリーヤマザキでは、チキンカツサンドのボリュームたっぷりなのがなんと158円で売ってた。スゲー食いたかったが、夜はスシローなんで諦めた。白川の道の駅で鶏ちゃんを買って帰って来た。

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帰って来たら下界は灼熱の荒野だった。

本日の出費

エスプレッソ 168円

お茶 125円98円

あんぱん 116円

本日のCB1300の走行距離 370キロくらい

累計のCB1300の走行距離 54200キロくらい

オイル交換です。

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