露天から御岳見えるか木曽駒高原

11月13日(日)

賢明なるサイト訪問者諸君なら既に気がついていると思うのだが、温泉博士で無料で入れる温泉を今月はまだ海津温泉でしか使っておらず、このままでは一湯のみに終わってしまう事態が懸念され、緊急に対策を練る必要性にかられた管理側は、有識者で構成された第三者委員会を開催するに至った。現場サイドからの切実な意見としては、今月号の温泉博士の日帰り圏内対象温泉は、稲葉さん消去法でもなんともならんですよ状態に陥っており、結論から言えば、今回は一湯のみで事態を収拾させたい考えであった。温泉博士の代金450円に対して、海津温泉は入浴料500円、対費用効果としてははなはだ金額的に小規模ではあるが、とりあえず赤字転落は免れており、それ故にいたずらに事態を撹拌する事になる委員会の動きを牽制したいようなのであった。が、ここで委員会を含む管理側が、これまで非公開だった事実を公開したのである。それは、今月号の温泉博士は実は2冊購入しており、なぜ2冊購入したかというと、今月号は笹戸温泉が対象となっていて、笹戸温泉のランチがおいしそうだったので食いたいから、にょいとらんで温泉+ランチ作戦を計画したのであるが、実は11月はランチやってないんだよーんと、笹戸温泉公式ブログに公表されており、計画はあっさり頓挫してしまったのである。10月のうちに行っておけばよかったなどと言っても後の祭りであった。これは管理側のあまりに杜撰な計画と非難されても仕方がなく、民間企業だったらとうにランチを諦めて温泉だけでも入りにいって、最低限のコスト処置を考えるはずだが、やはりお役所仕事の管理側は、事実を隠匿し、2湯以上入れば元は取れると考えていたらしいのであった。この事実の公表に議論は白熱した。そして責任の所在が曖昧のまま、とにかく、温泉博士でもう一湯入って来れば事態は収まる故、早い話が、昨日ツーリングに行ったけど、今日も行ってもいいかなーまっちゃん、いいじゃんいいじゃん。

という事で、家の工事もやってる最中にも関わらず、2連ちゃんでツーリングに行けるのであった。よほほーい、オレってついてる。で、昨日はCBR600RRだったから今日はCB1300で行こう。オレ様のCBR600RRに対抗して、最近ZX10Rを買っちまった某ライダーに負けないように、2日連続でCBR600RRで行くのもいいかなあと思ったが、でもやっぱりCB1300にした。来週KCBMだしさ。で、行き先だが、いろいろ考えたけど結局木曽駒ホテルしかないのでそこにした。コケた因縁の場所だし、何が悲しくてローリー温泉に入らなかんの、などと思ったが、公式サイトを見たら、露天から御岳が見えるらしい。マジ? 御岳見たいよ、温泉から見たい。絶対見たい。という事で決定したのであった。

いつものように朝5時の気象庁のサイトで天気予報を確認すると、岐阜の方は午後から天気が崩れるようだ。長野は新潟よりの方が天気が崩れる。今回の目的地付近は大丈夫なようだ。最高気温も20度越えで、昨日と同じようなお出かけ日和ツーリング日和になるだろう。朝飯はチーズトーストを食って、クリームパンも食って、その他いろいろ食ってお腹いっぱい。昨日と同じ防寒装備で上下ブラックの革ジャン革パンでビシッと決めて実家ガレージからCB1300SFを引っ張りだす。今日は、途中でマグドに寄るつもりなので実家コーヒーはなし、まっちゃんに見送られて出発した。

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まずはいつものコスモ石油でガソリン満タン。前回の諏訪湖ツーリングで300キロ走って14リットル入った。なんか最近どんどん燃費が良くなってきてるような気がする。気のせいかな。それとも単に、長距離が多くなったからか。まあいいや、重くなったCB1300にまたがって、19号線に出たら多治見方面に向かう。

今日は昨日みたいに霧のロンドンエアポートではなかった。やれやれ、またしても濃霧に遭遇したらたまらんぜよ、などと思いつつ、晴れた青い空の下、殿様乗りのCB1300はカッ飛んで行くのであった。内津峠北山トンネル付近では、こっちはピー(自主規制)キロで追い越し車線走っているのに、走行車線からぎゅいーんとクラウンマジェスタに抜かされた。それからアウディA10にも抜かされた。お前らいったい何キロ出してんだよ。こっちがピー(自主規制)キロってことは、そっちはピー(自主規制)キロってことだろ。ここは高速道じゃないぞ! などと言っても速度超過しまくるあまりほめられた走り出ないのはどちらも同じなのであった。おまわりさんごめんなさい。

多治見市内に入って、スピードが落ち着いたところで、前に走ってるウンコ色のダイハツタントに追いついた。そしたらこのタントが、めちゃくちゃ挙動不審なのであった。右へ左へふらふらするし、変なところでブレーキを踏むし、酔っぱらってんのか、それとも道に迷ってるのか、いずれにしてもこのような車の後ろにくっついて走るのは危険と、ベテランライダーは判断、車間距離をとったのであった。そしたら後ろの車が、何タラタラ走ってんだよ、と言わんばかりに煽ってきたので困った。

しばらく走って、恵那のマグドナルドまで来た。ここでコーヒータイムにしようかどうしようかと思ったが、朝いろいろ食ったもんでまだなんにも食う気がしないので、もうちょっと先まで行く事にした。それからしばらく走って、あっさりと中津川のマグドナルドまで来た。しかし、やっぱり、朝いろいろ食ったもんでなんも食う気がしなくて、朝メニューのマフィンとコーヒーを楽しみにしてたのに、残念ながら見送りとなった。ちょっとがっかり、などと思っていたら元起のあたりまで来て急に腹が減ってきた。なんか食いたい。しまった、やっぱりマクドナルドの朝メニューでなんか食っとけば良かった。今更言っても後のまつりである。

くっそー、と思いつつ、19号線は木曽路は全て木曽の路であるってあったり前じゃん、木曽路は山のなかであるというとおりに山道をウネウネ走って行くのであった。マクドナルドがダメならセブンイレブンさ。セブンイレブンでなんか食ったる。固く決意をみなぎらせて、ガンガン走って行くと、長野県に入ったらだんだん雲行きが怪しくなってきた。全体的に重苦しい雲が空を覆い始めて、だんだんだんだん寒くなってきた。電光掲示板の温度表示は11度10度9度と順調に降下しており、おいおかしいだろ、土岐の温度計は15度だったぞ。だんだん昼に近づくにつれて温度も上がるのが普通だろ。しかし、日が射さない世界は寒くなる一方なのであった。これはどこかでホットな飲み物が必要だ。

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ようやく大桑のセブンイレブンまでやってきた。よーし、ここであったかいものを飲んで食うぞ。そうだ、あんまんを食うぞ。もうあんまんがおいしい時期なんだね。あんまんあんまんと歌いながら、バイクを店に前に止めて颯爽と店内に入り、トイレを済ませて安売りしてるホットカフェオレとあんまんを食おうと思ったそのとき、そうだ、ここは飲み物だけにして、その分昼ご飯を豪華にした方がいいのではないかと閃いた。温泉に入って、とんぼ返りで中津川に戻れば、吉野家牛丼270円もすき家牛丼250円もガスト定食390円も選び放題だぜ! あんまんとカフェオレで220円出すなら、そっちの方がいいじゃん。圧倒的にコストパフォーマンスに優れる、これは実に革命的なアイディアだ。それ採用、ということで、ここはカフェオレだけにした。で、買って店の前で飲もうと思ったら、なにこれめっちゃくちゃ熱いじゃん。上あごやけどした。なんでこんなに熱いんだろ。やっぱりまだホットはあまり売れないんだね。このようにライダーの感覚は一般のそれに比べて若干ずれている。

セブンイレブンで多少日が射してきたので、日向ぼっこでちょっと暖まったら出発した。目的地の木曽駒高原ホテルの曲がる所がいまいち良くわからんので気をつけて走って行く。御岳付近まで来たら、最近できた道の駅木曽福島は駐車場に車がいっぱい、観光バスも止まってる繁盛ぶりだった。最近、長野県の19号線の道の駅にかける情熱は凄まじいものを感じるな。この分では岐阜をも凌ぐ、道の駅大国になるやも知れんぞ。

木曽駒高原の入口に当たる交差点、出光とそばの水車家がある交差点、ここで曲がっていいのかどうかよくわからなかったのだが、道沿いにはしっかり「木曽駒高原ホテル」の看板が出ていたので、ここで間違いないと安心して曲がった。この先のとあるポイントで悪夢の立ちコケ事件が発生したのは2008年の事であった。忌まわしい事件を風化させないように、残されたものが語り継がなければならないのだ。やがて現れたのは木曽駒高原ショッピングセンター、そう事件現場である。そこは事件の事などとうに忘れて買い物客でにぎわっていた。うう、こんなことでいいのか、どうしてくれよう、そうだ、帰りに味噌買ってこーっと。

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細くなってきた山道を登って行くと、こんなに来て大丈夫かなあと不安になってきたところで看板があった。それからこまめに看板が出て、全く道に迷う事なく行けそうだな。もみじがきれいに赤くなり、イチョウの木が黄色く染まった山のなか、ゆっくりゆっくり山道を登って行く。大排気量車で来たのがちょっとヤバかったかな。まるで青山高原リゾートの山道を彷彿させるな。向こうから車が来るとすれ違うのが大変だった。途中で「熊出没注意」とここは北海道かよ、と思わせる看板もあった。でも怖くてバイクを止められなかったので写真はない。

こうして、幾多の苦難を乗り越えて、突如として木曽駒高原ホテルが目の前にでーんと出現した。ホテル前の駐車場は車いっぱいだ。思ったより人気のホテルなんだな。ゴルフ場がホテル前から見えるが、ラウンドしてる客が何組もいた。やっぱり人気なんだな。それにしてもこんな標高の高いところにあるゴルフ場ってかなりテクニカルじゃないのか。よくやるねゴルファーの皆さん。

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駐車場にバイクを止めて、御岳がチラッと見えたのでそっちに行ってみたが、ホテルの建物が邪魔で見えんかった。という事は、ホテルは全室御岳ビューかよ。すげーいいホテルじゃん。中に入って、日帰り入浴は11時からなので、ロビーで座って待つ。そこに丁度、木曽駒高原観光開発の50年の歴史とでかい年表があったので、暇だったしおもしろかったので全部読んだ。日本のレジャーの栄枯盛衰がよくわかる年表だった。

11時なったので入れますよーとフロントの係員に案内されて、温泉博士にはんこをもらって、温泉は地下一階ですからエレベーターでどうぞ、と言われてエレベーターで地下に降りた。そしたら広いホールがあって、どこが温泉だと一瞬迷ったが、よく見たら小さい表示が出てた。そっちに行くと、男湯女湯の、とっても素っ気ない立て札があった。なんか寂れた飲み屋がある下町裏街道みたいで、全然温泉らしくない、盛り上がらん。ぶーぶーいいながら男湯に入る。

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脱衣所は典型的なゴルフ場のお風呂だった。ラウンドしてきた汗を流すあのお風呂だね。やたらと手ぬぐいとバスタオルがあって、アメニティも十分用意してあって、ロッカーは貴重品用のみ、あとは脱衣かごだった。一応、分析表もあるけど、ローリーなんでこれ意味ないだろ。ちなみに源泉は二本木の湯だった。脱衣かごに脱いだ荷物を入れて、風呂場に行く。やたらと勢いの強いシャワーで体を洗って、ちょっと痛いくらいじゃん、壊れてんじゃないの、と思ったら、調整すれば弱くなる事に最後に気がついた。

まず内湯に入った。そしたらガラス越しに御岳が見えた。お、こりゃいいじゃん。露天のほうがもっと良く見えるかも。早々に内湯を出て露天風呂へ移動すると、岩風呂と樽風呂があり、樽風呂のひとつが実に湯温も丁度いいし、御岳が白樺並木の向こう側にあんばいよく見えて、絶妙なのであった。素晴らしいぞ! これは素晴らしい! 温泉に入ったまま御岳が見えるとは、ありそうでなかったこんな温泉、もうこのままここにずっと入っていよう。

ぽわーんとずーっと入っていたが、他に客がいない貸し切りなんで、岩風呂も一応確認しておくか、気に入らなければ樽に戻ればいいしな、と軽い気持ちで岩風呂へ移動した。岩風呂も御岳が見えるのでいいが、湯温がちょっと低いな。やっぱり樽風呂の方がいいから戻ろうとしたその時! 貸し切りだと思っていたら、別の客がいたのであった。ヤツは常連だ! 身のこなしでわかる。ヤツは迷う事なく樽風呂に入ったのであった。しまったあ! 樽風呂を取られたあ! なんたる大失態だ! 悔やむに悔やみきれない失敗であった。くっそー、ヤツはしばらく腰を落ち着ける気満々だぞ。くそう、残念ながら我らの負けだ。

もう一度樽風呂に入れなかったのは残念だったが、まあ、タンノンしたからいいや。脱衣所に戻って装備装着、さあ、いよいよ吉野家牛丼270円もすき家牛丼250円もガスト定食390円も選び放題だぞ。味噌を買って、ついでに新そばが出てるから、道の駅で新そばも買って帰ろう。食いもんのお土産があればまっちゃんは上機嫌だからな。オレってあったまいいー、そしたらケータイが鳴った。まっちゃんだった。「メール見ました?」「あ、み、見てない」「そうですか。ちょっと、いろいろ工事で大変なんですけど」「え、た、大変?」「帰ってきていただけますか」「すぐ帰ります」何故丁寧語なんですか、まっちゃん、丁寧語のまっちゃん=チョー不機嫌、ハンパなく不機嫌、世界恐慌レベルに不機嫌、これは最悪の事態である。味噌買ってる場合じゃないぞ。何もかも放り出して速攻で帰った。木曽駒高原から2時間で帰ってきた。コースレコードだな。


本日の出費

カフェオレ 110円


本日のCB1300の走行距離 260キロくらい

累計のCB1300の走行距離 58000キロくらい

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