湯の山の裏山の隠し湯はぬる湯
11月10日(土)
掲示板に書き込みがあったのが2ヶ月くらい前、温泉巡りに飽きたらこちらを参考にしてみてくださいとの情報提供であった。確かに、温泉博士を使うようになってから、入浴料は無料になったが、あー、正確には無料ではなく本代450円はかかるんだけど、それでも安く済んでホクホクなんだけど、行く温泉が大体同じようなところになってきて、じゃっかんマンネリ化してるんじゃないかなんて思ったりなんかしちゃってるんだけど、でも温泉博士でも新しい温泉が掲載されてるんで、そういうときはうほほほーいなんだけど、でもやっぱり温泉博士から逃れられない状況なのは確かなんだよ。そんなおりにされた書き込みは、管理人に大いなる刺激を与えたのであった。早速そのサイトに足を運ぶのであった。新しい温泉を発見するんだぜ! 脱マンネリだぜ! 意気揚々。でもねー、正直言って、東海三県の温泉は、1.その温泉なら知っているよ。2.その温泉は行った事がある。3.それは知らなかったけど、スーパー銭湯じゃん、どうでもええわ。4.知らなかったマジ! に区分けされるんだけど、4番はもうないよ、と言える自信が密かにあったんだよ。だから、どうなのかなーなんて思う気持ちもありました。が、しかし、その情報提供されたサイトから、あちこちリンクをたどってみたら、なにやら謎めいた温泉情報が断片的に伝わってきたのだった。その情報とは、三重県最大級の温泉郷である湯の山温泉、実はあれは表の姿で、裏には誰にも知られていない秘湯があるというものだった。湯の山温泉のウラの湯だと? そんなところに温泉があるなんて、一体どういう事なんだ。このオレ様が聞いた事も見た事もない温泉があるなんて、許せん。おのれ、こうなったら手段を選ばない。なんとしても謎の秘湯の正体を突き止めてやる。すべての諜報機関を総動員しろ。ジェイムズ・ボンドも出動だ。ジェイムス・ボンドはショーン・コネリーがいい。やっぱりゴールドフィンガーがシリーズ最高傑作だよな。あのテーマソングもいいよね。ロジャー・ムーアはマンガだもんな。最新作のダニエル・グレイグはどうなんだろうな。イアン・フレミングの原作はもはや全然カンケー無いよ。こういうのって作者としてどうなんだろう。まあいや、とにかく秘湯の捜索に全力を尽くしたのであった。そして、まさしく24時間態勢で不眠不休で汗水流して砂を噛み泥水を啜りカフェオレを飲んでヤマザキスナックゴールドを食い東ハトあみじゃがも食ってちょっと食い過ぎて気持ち悪い胃薬くれといいつつ世界中から情報収集した結果、その謎の温泉の名前が遂に判明した。その名は、三休の湯である。ふっふっふ、名前がわかればすべてわかったと言っても良いだろう。なぜなら、こっちにはGoogleという強い見方がいるのだ。がはは。で、検索したら公式サイトがあった。公式サイトあるじゃん。よろしい。目的地は決まった。
ということで、ツーリングに行く事にした。週末を前に、必要なのはは細かい作戦設定である。が、ここで問題が発生した。この週末、天気予報は土曜日が晴れ、しかし日曜日は雨なのであった。となると土曜日に行くしかないのであるが、実は土曜日はヤバいのである。なぜか。クスリが切れた。ク、クスリが切れちまったぜ。ヤバい、クスリがないと、き、禁断症状が‥‥「ク、クスリ、クスリくれよ、なあ、たのむよ、クスリくれよ。金ならあるからよォ、たのむよ、クスリ売ってくれよ、だいじょうぶだよ、サツなんかいねえよ、な、だからたのむよ、売ってくれよ。」「処方箋をお持ちですか?」「あ、ハイ、これです。」「では掛けてお待ちください。」「keiichiさーん、keiichiwさーん。」「ハイ。」「keiichiwさんですか、いつもの通り塗り薬と飲み薬ですね。お大事に〜。」こうして禁断症状から逃れることができたのであった。あ、これ、前も書いたよな。そんなワケなんで、クスリをもらってこないかんのだよ。それからだと出発が10時過ぎるんだよ。三休の湯はGoogleMAPで調べたら、片道75キロ、所要時間が2時間30分くらいなんで、10時に出発したら着くのが13時頃になっちゃうよ。帰りが17時近くなっちゃうよ。もうちょっと時間に余裕を持ってツーリングしたいよな。今回は諦めようか。前と同じように、大垣の温泉が温泉博士に載ってるから、全く同じパターンにしようか。不本意だが。不本意、だと、いかーん! 不本意なツーリングなんざしとれっか。やっぱり、行きたいところに行くのがツーリングだぜ。よし、初心貫徹で三休の湯に行くぜ。
で、当日、朝飯はまっちゃん特製のチーズクロックムッシュを食って、それからクスリをもらいに行って、戻ってきたら出撃体制なのであった。今回のマシーンは、目的地が秘湯、そしてそこへ至る道が悪路ということなんで、FTRだ。装備だが、11月ということで、いよいよ冬体制で行くことにする。ユニクロプレミアムコットンTシャツ+ヒートテックTシャツ+ユニクロタートルネック+クシタニエクスプローラージャンバー、そして手袋も冬用にした。
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予定通り、10時ちょっと前に出発して、まずはコスモ石油で給油である。しかし、この時間はやはり道が混雑するなあ。19号までの道は、通勤ラッシュ時間くらい混雑してて、なかなか19号にたどり着けん。ようやくたどり着いて、いつものコスモ石油に入り、給油機の前に止まる。操作画面はメール会員選択画面だったので、ケータイを取り出してメールをチェックしたらパスワードを入力、これで割引価格だぜ。たっぷり入れてやるぜ給油開始終了。あ、2リットルしか入りませんでした。会員割引4円だぜ。4円もあったらそうとうな贅沢が出来るよな、くっくっくふっふっふ、ってやかましいわ。燃費が良すぎるのもこういうときの感動が半減するのでビミョーである。ちなみに、68キロで2リットル入りました。
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コスモ石油を出たら19号線を名古屋方面に走り出す。気持ちのいい晴天だが、風は強くてピューピューいってる。これは冬の気候の特徴だよな。この木枯らしがたまんねーぜ。くーいい感じだぜーで春日井市内を走って行くと、後ろから若者の乗るHONDAが急速接近してきた。コイイーンとカッ飛んで行きたいところだが、なにしろこの時間になると19号の交通量も多くなっており、法廷制限速度を下回る何とも盛り上がらぬ速度で走って行くしかないのであった。そんな中、車線変更をしながら前へ前へと進んで行くと、若者HONDAも的確に付いてくるのであった。コイツ、出来るな! だがな、べテランライダーの違いを見せてやるぜ。こういう時は、どの車線を選択するかで違いが出るのさ。素早い後方確認で一気に追越し車線に入った。これでブッチギリだぜ。一気に見えなくしてやるぜ。しかし、なぜか追越し車線の方が詰まっているのであった。そして若者HONDAの車線はガラガラなのであった。そして若者HONDAは順調に前に進んで行くのであった。一気に見えなくして(以下、いつものネタなので略させていただきます)
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302号線に入って、そこからはほぼ順調に進んで行く。いつものところでイオンモールMOZOへの入店待ち渋滞に遭遇、これは前もはまったので今回はうまい具合にスルーできた。それにしてもイオン周辺は毎週末にこの混雑、周辺の住民は大変だよな。近所にこれくらいの規模のショッピングセンターがあるとたしかに便利なんだが。毎週どころか毎日行っちゃうよ。財布からお札がどんどん逃げちゃうよ。
甚目寺で県道126号線に入った。あま市を経由して国道155号線に入り、そこから津島方面に南下する。前を走るクラウンが、ハイブリッド車なんだが、マイルドハイブリッドとエンブレムが付いてた。マイルドハイブリッドって何? マイルドがあるんだからストロングもあるのか? キリマンジャロは? ブルマンもあるのか? やっぱりブルマンは高いのかな。「お客様、このクルマはハイブリッドでも特に貴重な数の少ないブルマンハイブリッドでございます」
立田大橋を渡って三重県に出る予定だったが、木曽三川公園周辺が渋滞混雑するとの看板を見かけて、急遽ルートを変更する事にした。こういう時にベテランライダーの違いが出るのさ。立田大橋がダメなら、東海大橋を使うか。素晴らしい状況判断だぜ。県道8号線で東海大橋へ舵を取る。でも、なんかこの道の方向って、逆向いてね? おかしいな、この方向で良いのか、ちょっと不安になってきた。が、脳内ナビのデータを最大出力で検索したら、思い出した。これ大回りだ。しまった。でももう遅いのでこのまま行くしかないな。東海大橋手前で、県道126号線に再び合流、要するに、さっきの道をそのまま走ってりゃ良かったってことだ。
真っ赤なトラスも輝かしい東海大橋、それを渡って海津市に入った。ここで長良川木曽川沿いに堤防を走って行くつもりだったが、考えたらこの道はそのまま木曽三川公園に突入するんで、またしても渋滞混雑の中に突っ込む事になる。まさしく、飛んで火にいる夏のムシだよ。そこで県道8号線をさらに西に進む。やがて、前方に鈴鹿山脈が見えて来た。今日は天気がいいので素晴らしく山がきれいに見える。そして、その山肌に水晶の湯の建物が見えてきた。ああ、この道はあの道だったな。脳内ナビが思い出す。相変わらず絶好調にテキトーなナビである。
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国道258号線に出た。国道沿いの道の駅月見の里の横を通り過ぎる。トイレ休憩に寄ろうと思ったが、大変に混雑している様子なので通過した。そのままどんどん258号線を走って行く。やがて、多度市へ進む県道26号線への交差点まで来た。この時点で12時になっていたんだが、昼飯どうしようかと思って考えたんだが、ちょうどすき家があったんだが、牛丼は先週も食ったんで食いたくないなあ、でもコンビニでパンを食うのは嫌だなあ、ちょっと考えようと思いつつ、どんどん走って行くのであった。いつもの事だわな。大きな多度大社の鳥居をくぐって員弁まで来たら、今度は国道421号線で大安までやって来た。この国道421号線は、八風街道でかの石博峠に繋がる道なんだが、最近、トンネルが出来て、あの酷道ランキングでは上位にランクインする旧道はもう走れんのかな。むかーしむかし、まだ地図上に表記された国道はどんな道でも立派な2車線だと信じる未熟者だったころ、CBR750でこの峠を越えた事もあったよなあ。ようやったわ。若いっちゅうのはマジでエラいこってす。そのうちこのFTRでリベンジしてくれるわ。見ちょれ。
さて、石博峠北の交差点で国道306号線に乗り換え、ここからが問題である。目的地の三休の湯はなにしろ秘湯でネットでさえ限られた情報しかない実にレアな温泉である。まちがっても、三休の湯こちら、なんて看板があるわけないので曲がるところの見極めが難しいのである。キャンプ場の近くにあるのでそれを見印に頼って行くしかない。くれぐれも細心の注意を払って四方八方に注意をしつつ、走って行くのだ。繰り返して言うが、相手は秘湯である。看板なんかでテルわけないから注意しろ。あ、看板だ。看板でてるじゃん。
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看板が出ていたので曲がるところを間違えずに済んだ。後は鈴鹿山脈に向かって走っていくだけだ。その道、県道762号線はそこそこ立派な道だったが、キャンプ場のあたりからいよいよ山道になってきた。しかし、FTRにはこの程度の山道どってことないぜ。バイクの選択は間違ってなかったな。これがCB1300だったらビビりまくりだったぜ。
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ウネウネ山道を走って、やがて三休の湯の日曜大工的看板が見えて来た。ようやく着いたぞ。看板の方に曲がると、なんじゃこりゃ、だった。想像してたのは温泉への悪路の道、だったのだが、まずあったのは土木用の土砂取り込み工事現場みたいな空き地だった。そして、柱というか、角材が門柱のように立ってるところから、山の方にその工事現場の土砂置場みたいな空き地が伸びてた。とても温泉に続く道には思えなかったが、角材には「電話してくれたら四駆で迎えに行きます」と書いてあったので、やはりこの先に温泉があるのだろう。それにしてもあまりの凄まじさに唖然としてしまうのであった。何はともあれ、ケータイで写真を撮って送っとこと思ってケータイを出したら、圏外だった。さすが秘湯である。メールも送れん。リアルタイム更新不可。っていうか、圏外じゃ、「電話してくれたら四駆で迎えに行きます」ってのどうすんの? しゃあない、今はとにかく、目の前の道を走破する事を考えよう。
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なにしろ、これは道ではないよ、悪路なんてこれに比べたら実に良く整備された道だよ。この道は、まるで鉱石発掘現場そのものであった。これはかなりキビシいダートで、高度なテクニックを要する道だ。並のオフロードバイクでは走破できないだろう。クルマでも、かなり本格的な四駆、例えばランクル、あるいはローバー、ジープみたいなクルマでないと途中で動けなくなるな。その点、FTRはダートラだ。まさしく、このようなダートを走るのにはうってつけである。後はライダーのウデしたいだ。行くぜ。穴ぼこを避けつつ、急カーブ急坂道上りという実に難易度の高いコースであったが、高度なテクとHONDAバイクのポテンシャルでこの危機を乗り越えたのであった。わずか600メートルのこの道なき道、クリアして遂にわれわれは前人未到の秘湯に到着した。駐車場にはクラウンが止まってた。KawasakiのオンロードSSモデルも止まってた。
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駐車場にバイクを止めた。建物は温泉の雰囲気は全くない、普通の家、ちょっとカントリー風におしゃれしてみました最近の家だった。玄関付近にはベンチとテーブル、天体望遠鏡の小さいのが置いてあった。ぐるりと周りを見渡すと、山々山々山々‥‥たしかに天体観測にはいい環境である。玄関から中に入ると、中はワンルームであった。いきなり受付と売店と食事処と、そして男湯女湯の暖簾。受付で女の人がいたので入浴料600円を払って男湯の暖簾をくぐった。中に入ったらこじんまりした脱衣所は小型ロッカーだった。これはフル装備革ジャン革パンだと入らんな。先客がひとり、ちょうど出るところだった。荷物を突っ込んで手ぬぐいもって風呂場へ行く。こじんまりした広さの風呂だった。体を洗って湯に浸かった。貸し切りだ。ぬるい湯だった。気持ちいい。窓から山が見える。いい風景である。ゆっくり入ってタンノンして出た。ぬるいので長湯できた。脱衣所で服を着てたらお客さんが次々にやって来た。意外に人気なんだな。
バイクに戻ったら、どんどん客が来る。みんなフツー車だった。
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悪路を下って県道に戻る。あとは寒くなる前に暗くなる前に急いで帰った。
本日の出費
温泉 600円
本日のFTR223の走行距離 180キロくらい。
累計のFTR223の走行距離 16000キロくらい。