峠を迂回したら渋滞路の笹戸

3月23日(土)

先週、人類最大の危機に陥れた最強の敵、花粉。その花粉に、最新鋭鼻炎薬アレジオン10は完全勝利をおさめた。いやマジこのアレジオン、デラよー効くわ。伊達にロボットアニメみたいなネーミングつけとらんよ。新世紀アレジオンとか機動戦士アレジオンとか伝説巨神アレジオンとか十分に通用するもんな。敵襲来、パターン青、花粉です!アレジオン初号機とのシンクロ率が低いので起動できません! そして幾度の戦いの後に戦死するものも出てくるんだよ。ガルマ・ザビはなぜ死んだ!? 花粉だからさ。で、最後にアレジオナイトで造られたアレジオンが覚醒して、花粉が全部消滅するんだけど、宇宙も全部消滅しちゃうんだよ。こまったね。しかし、イデってのはイデア論となんか関係あるのかと思ったらなんもカンケーないんだな。エヴァがカバラ思想を流用してそれっぽく見せかけてるのに対して、あの時代の話はよくもまあ自分だけで考えついたもんだ。まあ、だから話が破綻してるんだろうけどさ。とにかく、そんなくらいアレジオン無双だぜ。この調子で今週もビックリドッキリメカ発進させてやるぜ。などと思ってたら、天気予報を見てガーン、なんと週末は天気悪いですよ。なんでや、なんで悪いんや。しかし週末が近づくにつれて、土曜日はまあなんとか天気がもつみたい。日曜日は雨みたい。こうなると、土曜日に行くしかないんだが、土曜日はダメなんだよ。土曜日はヤクが切れたんで病院に行かないかんのだよ。来週にすりゃあいいじゃんって考え方もあるけどさ、実はそれ、先週もやっちゃってるんだよね。ホントは先週、病院に行ってクスリをもらってこないかんのに、もう1週間くらい薬が足りるよ、大丈夫だよと来週に先送りしたんだよ。だってさー、天気よかったし、花粉症のおかげで半月もバイクに乗ってなかったんだよ。半月もだよ。半月って言ったら1年くらいあるじゃん。そんなもん耐えきれない。我慢できないもんね。で、先週、今週病院行けばいいからとバイクに乗っちゃったのであった。だから今週は病院優先なので、バイクは乗れないのだ。断腸の思いであった。そんで、仕方がないので病院に行ってクスリをもらって帰って来たんだけど、そしたらまっちゃんが、天気がいいからこれからツーリングに行ってきたらいいじゃん、アタシはマスカレードホテル読んでるからさ、と言うのある。なんということでしょう。まっちゃん感謝感謝で急遽出撃する事になった。急遽出撃だが、いつでもどこでもスクランブルOKの体制なので、焦る事なく装備を用意して、着替えたら、目的地の位置を確認した後に実家ガレージへ移動する。CBR600RRを引っ張りだしてエンジン始動、ガレージの隅っこではタンポポが咲いていた。春ですねえ。こうして立ってるだけでも暖かいもんね。でも装備は冬装備なんだけどさ。さすがにモモヒキはないけど。

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いつもよりかなり遅い時間だが出発した。さて、今日の目的地なのだが、こんな時間に出発なんで、なるべく近いところで温泉博士が使えるところを選んだ。該当するのは笹戸温泉のになんで、迷う事もなく決定する。ここは日帰り入浴が11時からなんで、その点からもぴったりだな。11時からの入浴だと、いつもの時間に出たら間違いなく早く着いちまうんで、そいで入浴時間までひたすら待つという不毛な時間を過ごすはめになってるから、これくらいの時間に出発した方がちょうどいいや。

まずはいつものガソリン補給である。今回の目的地が笹戸温泉なんで、そっち方面のコスモ石油に向かう。天気は晴れで雲が多いけど青空が広がってる。バイクを走らせても寒くないぞ。いいねーこういう時期は短いけどさ。コスモ石油に着いた。えらい混んでるな。いつもガラガラなのに、と思ってよく考えたら今日は時間が遅いんだった。いつもより2時間から3時間くらい遅い時間なんで、それを考えたら当然だわな。ちょっと順番待ちして給油機の前にバイクを止めた。ハイオク満タンにする。前回のひめしゃがまで250キロ走って、給油は約10リットル、SSなのにリッター25キロだぜ。全開バリバリな好燃費、やはり距離を走ると違うな。満タンになったんで出発した。

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コスモ石油を出たら高蔵寺駅の前を走って東谷橋を渡り瀬戸方面に向かう。いつもの早朝の時間と違ってすでに交通量が多く、どうしてもペースが遅くなる。うーむ、これは想定外計算外であった、などと考えていたんだが、結果的にはその時の想定外な想定よりも想定外になったんだけどね。まあこれはいろいろ経験してみんとわからんわな。だいたいが朝早めに出て早めに帰るツーリングパターンばかりなんで、こういうイレギュラーに対応でききらん。

そんな感じで思った以上に交通量の多い155号線を走っていく。なんかストレス溜まるわー、いつもまにやら雲が広がって、青空は見えなくなるし、風は強いし、実に面白くないな。早く空いた道に出なければ、などと思っていたが事態は全く逆の方向に進展した。長久手や足助三好への分岐になっている複合型の保見の交差点、あそこの手前で大渋滞に遭遇、全く動かなくなった。なんだよ、どうなってんだよ。そういえば、あそこらへんで河川工事やってたよな。橋脚工事やってたよな。おそらくたぶんあの関係の工事で渋滞してるんだぞ。年度末だからなあ。工事も多くなる時期だよ。これは時間食うぞ。普段でもあそこの交差点はややこしい形だから混雑するんだよ。それを工事なんて、ハンパなく混雑渋滞するわな。しまったなあ、別のルートを走ってくれば良かった。後悔先立たずだよ。すり抜けしてこうかと思ったが、路肩が狭いのでちょっと無理っぽい。何とかなるかもしれんが、そんなことで他のクルマに引っ掛けたりしたらメンドーだし、仕方がないので、ここは急がば回れの精神で行くことにした。で、ヒマだったんで前のクルマを見てたら、かわいいコンパクトカー、ハートマークのシール付き&キティちゃんのぬいぐるみ付き、運転手はどんなかわいい女の子かと思ってそれとなくチェックしたら、禿げたおっさんだった。げ。これってアレか、娘のクルマ借りてきましたてヤツか。貸してもいいけどガソリン満タンで返してよね。いつの時代も父は娘には弱いのであった。

たっぷり13分、ようやく渋滞を抜けた。その次の交差点を左折して豊田市街方面に向かう。ちなみにここの交差点にある和菓子屋さん、看板にいろいろおいしそうな菓子の名前が羅列してあるんだけど、毎回毎回ここを通るたびに美味しいのかなあお土産に買って帰ったりしてもいいかもなあなどと思っているのだが、一度も買った事がありません。だってバイクじゃ持って帰れんじゃん。いえ、それ以前に帰り道にはそんな事すっかり忘れて通過してるんだなこれが。

こうして国道155号線から県道58号線に入ったのだが、やはり交通量が多くてペースはあがらない。時間は既に1時間を経過しており、いつもなら笹戸温泉なんざ片道1時間ちょっとで着くのに、まだ半分も来てないぞ。やはりちょっと時間がずれただけで状況が一変するのであった。勉強になるねえ。今後はそういう事を想定して行動しようね。

曇空とは言え、ポカポカ陽気で気持ちがいいからチンタラ走っててもまあいいか、などと悟りの境地に達した心境で進んで行く。対向車線はこの陽気に誘われてバイクがいっぱい走ってくるのであった。GPZ900RとZRXのKawasaki組、CBR900RRとCB1300SBのHONDA組、YAMAHAのよくわからんダートラやSUZUKIのよくわからん逆輸入モデルなど、今日は国産バイクが多くてハーレーをあまり見んかったな。BMWは一度も見んかった。珍しいな。子供を後ろに乗せてるライダー、彼女を後ろに乗せてるライダーもいた。

通りかかったコンビニの駐車場にはバイクが3台止まってた。仲間でこれから走りに行くのかなと思ったが、よくよく見たら等間隔に空いて止まってるんで、全然無関係の3人のライダーがたまたまコンビニに居合わせただけみたいだな。そのうちの一人が缶コーヒー飲みながら宙をにらんでた。暗そうなヤツだなあ、一人でバイク乗ってるなんて友達いないのかなあ。ああなりたくはないなあ‥‥ってオメーもだよ。オメーも、いつもひとりで寂しくツーリングだよ。くそお、くやしいなあ、誰がいっしょに走ってください。

いっしょに走ってくださいと思ってたら後ろにバイクがついてきた。HONDAのVTR250だ。交差点で並んだ。若者らしい軽装のライダーだ。若者は革ジャンを着ていた。おそらくユニクロの合皮だろう。ちなみに私のはクシタニのコンプリートジャケット日本製の本革である。若者はGパンだった。おそらくイオンスタイルのGパンだろう。ちなみに私のはクシタニカントリージーンズである。若者はスニーカーだった。おそらくASBeeのPBのスニーカーだろう。ちなみに私のはクシタニのゴアテックスショートブーツである。そして若者のバイクは中古のVTRで、私のバイクは新車のCBR600RR/ABSである。けけけ、若者よ、これがアダルトベテランライダーである。羨望の眼差しで見るが良い。しかし、決して臆する事はない、君は私にないものを持っているのだ。そう、それは若さだ。若いということはエラい事です、むちゃくちゃをしますからなあ、とアンリ・ルソーも言ったように、むちゃくちゃを出来る特権を持っているのだ。クシタニをキメても新車のCBRに乗っても、その特権は手に入らないのだ。若者よその特権を十分に使うが良い、そして経験を積むのだ。いくつもの失敗を繰り返し、学ぶのだ。そうすれば私のように立派なヘンタイライダーになれる。え? なりたくない?

バカな事を考えていたので信号が変わったところでエンストした。若者のVTRに置いてかれた。チョー格好悪いので次の信号でまた並んだらどうしよう、もう穴があったら入りたい、と思ってたけど、次の交差点で曲がって行ったのでもう顔を合わせずに済むからホッとした。

ポカポカ陽気に誘われて、道路脇の桜がちらほら咲き始めている。猿投駅付近の桜の樹は、すでに六分咲きか八分咲きくらいになってた。今年は桜が早いと言うけれど、この調子では来週には花見が出来るかもしれんな。花見の準備も平行して行わなければならんぞ。去年は確か41号線の花見が遅かりし由良之助だったんで、今年は何としてもjust do itしたいね。

平戸橋までやってきた。ここから県道11号線に入る。この道はけっこう走りやすい道なんで、これまでたまったストレスを一気に爆発させてカッ飛んで行くぜ、と思ったが、ジョーが現れるといかんのでそれなりのスピードで走る事にした。制限速度+ピーーーー(自主規制)キロで走っていく。たまに競技用自転車のグループを追い越した。2、3回抜かしたかな。ここはそういう自転車乗りが走るにちょうどいい道のようだ。バイクで走って気持ちいいから自転車も気持ちいいわな。路上駐車のクルマに激突しないように気をつけてください。

豊田市街地からどんどん離れて行く。ポカポカ陽気だったのが、若干、気温が下がったような感じ。道路脇の桜の樹も、この辺りはまだまだつぼみばかりだ。でも、今にも咲き出しそうなくらいに膨らんでいるから、やっぱり来週くらいには咲くぞ。いいねー桜の季節はサイコー。

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そんなこんなで順調に走って、目的地の笹戸温泉とうふやさんの看板を発見、後10分と表示してある。間もなくだな。そして、見覚えのある川と赤い橋が見えてきた。笹戸温泉郷である。みんな知らんかもしれんけど、この辺りではけっこう古く歴史のある温泉んなんだよ。中でもとうふやさんは立派な老舗旅館なのである。その建物の前まで来てバイクを止めた。時計を見たら、結局ここまで来るのに2時間かかった。たかが50キロの距離なのに、2時間かかった。何てこった。まあ仕方がない。やっと着いたんだからゆっくり湯に浸かろう。ヘルメットはバイクにロックして温泉巾着を持って建物に入った。

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フロントホールはガラガラだった。この前来たときはなんか冠婚葬祭が入ってるみたいで賑やかだったけど、今日は人っ子一人いない。しーんとしてる。フロントまで行ったが誰もいない。誰か出てくるだろうと思って、温泉博士を出して待ってると、誰も出てこない。なんだこの旅館は、山岸尚美に教育指導してもらわないかんな。奥の方からけたたましい笑い声が聞こえる。なんだこの旅館は、やはりホテルコルテシア東京の山岸尚美に教育指導してもらわないかんな。ちょっとムッとして「すいません」と声をかけた。きっとコネで入社した田舎くさい不細工な女が出てくるに違いないと思った。どういうつもりかびしっと言い聞かせたる。そしたら真希波・マリ・イラストリアスみたいなスタイル抜群のすげーかわいい美人メガネっこ萌えーなねーちゃんいなせなハッピ姿で「あ、すみませーん」と満面笑みで出てきた。「あわわ、あの、お、お願いします」たちまちキョドってしまった。「はーい、ありがとうございまーす、温泉の場所、わかりますー?」「あわわ、エレベーターで下りて上がって」「2階に降りて下さいね、右手の奥ですからね」「あわわ、わかりました」「どうぞごゆっくりー」こうして普段縁のない美人との会話に神経をすり減らし、階段を下りて2階に行くと、温泉があった。暖簾をくぐって脱衣所に入ると先客がいたが、ちょうど出るところだった。脱衣かごに荷物を突っ込んで、風呂場に移動する。洗い場で体を洗ってから湯に浸かった。貸し切りである。気持ちええ。ここの湯は皮膚病にもいいのだ。ゆっくり浸かった。でもちょっと湯が熱いので長湯できんかった。そこで露天風呂に移動した。露天風呂から川が見える。川の鴨も見える。バシャバシャやってるがなにしてんだろ。しばらく眺めたが、何をしているのかさっぱりわからなかったのでやめた。再び内湯に戻ってタンノンしたら出た。出たら暑い。こんな冬装備着れん。扇風機を動かしてクールダウンする。別のところから暖かい風がくるので調べたら、天井の送風口から温風が来てた。暖房が入ってるんだね。暑いはずだ。それでも扇風機でクールダウンしてなんとか装備を装着できた。脱衣所を出て階段を上り、フロントまで戻ってきたら真希波・マリ・イラストリアスがまだいたので、今度はキョドらないようにハードボイルドに決めるぜ、と思った。で、「ありがとう」と言ってカッコ良く立ち去った。今頃彼女はなんてステキなライダーさんなのかしらと目をハートマークにしているに違いない。

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バイクに戻ったが、天気は相変わらず薄曇りのままで、青空は全くなかった。とりあえず暑いので走れば涼しくなると思い、この後の事はなにも考えずに出発した。来た道を戻るとまたあの大渋滞に引っかかるので、別のルートを走る事にする。別のルートとは、もちろん戸越峠越えである。この時期の山越えはあまりお勧めできないが、なんせとんでもないところに雪が残ってたりするからなあ、しかし、ここ数日の気温の上昇から考えて、いくらなんでも雪が残ってる事はないだろうと判断、なにしろあの渋滞路を再び通過する事を考えたら、山越えの方が断然良いに決まってるのであった。っていうか、なんで行きに山越えしなかったんだろ。最近の豊田市街経由で走る理由は、単に時間稼ぎとマクドナルドに寄るためだったんだから、今日みたいに出発時刻が遅いんなら時間稼ぎは必要ない、それに、どうせマクドナルドの朝メニューの時間に間に合わないんだから意味ないじゃん。なんというバカな作戦で事を進めてしまったのであろうか。大失敗であった。今度、遅い時間に笹戸温泉に行くときは気をつけよう。

そんなわけで、帰りは県道33号線を走って山越えをしてきた。山の中はめっぽう寒かったので、ほぼ冬装備は正解だった。この時期はやはり厚着が基本だな。

帰りは1時間くらいで帰って来れた。行きの半分の時間だ。

本日の出費
あ、全然お金使ってないや。

本日のCBR600RRの走行距離 80キロくらい
累計のCBR600RRの走行距離 11830キロくらい


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