雲天のひるがのはとんぼ返り

6月30日(日)

梅雨入り宣言後から、全然雨がほとんど降らなくて、これは毎年恒例のどこが梅雨入りやねんボケツッコミ状態で、ダムの水も干上がってきまして節水しないかんのかなあなどと思ったりしていたのですが、それより事態が深刻なのが、5月下旬から6月上旬にかけての季節外れの猛暑、覚えてるよね? でーら暑くてたまらんくて、それまでだらだらと継続していた冬体制から一気に夏体制に切り返して、ストーブこたつ撤去してじゅうたんも夏物に替えて、寝間着も夏物に替えて、布団も夏物に替えて大忙しでしたんねんど、それがまたまた平年並みに戻ったもんで、夜なんかちょっと寒かったりするわけで、せっかく片付けた寝間着をまた引っ張りだしてみたり、冬物布団のままでいいか、なんてことになりまして、蚊がいるから蚊取り線香を焚いたはいいが、寒くなって窓を閉め切っちゃうと、蚊取り線香の毒ガスが部屋に充満して、人間の方までイカレそうになってみたり、なんかねえ、四季が豊かな日本の風情はどこへいってしまったのでしょうか、思わず腕立て伏せでもしてしまいそうな今日この頃です。まあそれはそれでいいとして、ちょっと横に置いといて、こういう問題は環境庁に対処していただいて、クールビスだか太陽光発電だか頑張っていただきまして、それよりも、気がついたら温泉に全然入ってないじゃないか。前回入ったのが永餅ショックの5月18日。飯高温泉に入ってから、全然温泉に入っていない。これは由々しき問題である。自称温泉マニアもどき、自称温泉ライダーのつもりで、サイトもそういう方向性で運営してるのに、温泉無しなんておかしいだろ。これはぜひがでも温泉に入らねばならん。幸い、7月号の温泉博士は豊作大漁なのである。諏訪の片倉館、湯の山の希望荘、野麦の七峰館、そして新穂高の深山荘なのである。まさしく温泉オールスターズなのである。温泉成分がキレかかって禁断症状が出てきている。た、たのむよ、温泉、温泉入らせてくれよぉ、温泉博士ならあるからよぉ、な、ほら、ちゃんと7月号だぉ、なんて事になったらヤバいぜ。よし、じゃあどこへ行こうか。やっぱり、新しいところがいいよな。誰かが言ってたけど、人間ダメになる前兆は、いつも同じ事をしてる環境に甘んじている事にあるらしいので、いつもと同じ温泉に入ったんじゃあダメなんだ。新しい温泉といえば、この場合、深山荘別館だよな。実はこの温泉、過去に何度も温泉博士に掲載されてるんだけど、なかなか行くことが出来なかった。いまこそその負の連鎖を断ち切る時が来たのだ。ようし、なんか一人で盛り上がってきちまったぜ、行くぜ。ということでツーリングにいくことにした。

で、当日、朝5時の恒例気象庁のサイトは、いきなり曇りのち晴れで所により雨が降ると、まさに至れり尽くせり何でもありなのであった。新穂高温泉は片道200キロなんで、朝6時くらいに出発するつもりだったが、しかし、この天気予報を見てモチベーションは急激に低下、新穂高まで行って帰ってくるうちに絶対雨に降られると妙に確信じみた感覚になってしまったので、ここは急遽、目的地を変更する事にした。でも、ひょっとしたらスコーンと晴れるかもしれんので、途中で計画変更して深山荘方面に行けるところにした。それはどこかと言いますと、牧歌の里でした。毎度おなじみとなりました、牧歌の里でございます。なんか面白みが半減したが、この際仕方がない。もし天候が回復してピーカンになって行けそうだったら、途中で156号線から山越えして41号に移ればいいだろう。うーん、完璧な作戦だ。やっぱりオレってあったまいいー。

こうして作戦は決定したのであった。急いで朝飯のトーストを作って食う。今日のトーストは、井村屋のゆであずきをたっぷりごってり乗せた小倉トーストなのである。こんなうまいもん他に知らんわ。これの匹敵する食いもんと言えば、えびふりゃーかみそにこみうどんか、ひつまぶしくらいしかないでかんわ。おみゃーさん、何言っとりゃーす、これが名古屋のソウルフードだぎゃー。ソウルフードを食ってアレルギー充填120%なのだ。違う、エネルギー充填120%だよ。波動砲発射だよ。

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食ったら準備して実家ガレージへ行く。本日の出撃機は5月18日以来の旗艦CB1300スーパーブラックパールモリワキ号である。やはり真打ちに出てもらわんと格好がつかないのである。久しぶりに引っ張りだしたら、重いのなんのって、鉛のバラストが余分に入ってるんじゃないかと思っちまったぜ。引っ張りだしてエンジン始動! セル一発でHONDAのDNAが覚醒する。モリワキマフラーからの低重音が響き渡る。くーっ、たまんねーなこの瞬間。そしたらシート下に温泉セットを入れるのを忘れてた。あ、しまった。いったんエンジンを切ってキーでシートを外して温泉セットをシート下収納に入れたら、再びエンジン始動! セル一発でHONDAのDNAが覚醒する。モリワキマフラーからの低重音が響き渡る。くーっ、たまんねーなこの瞬間。よし、出発だ。

まずはいつものコスモ石油へ行った。給油機の前に止めて、メール会員のパスワードを入力し、会員価格で給油する。今回はレギュラーガソリンだから間違えなかったぞ。これも間違えるようだったら、もうライダー辞めないかんわ。275キロ走って14リットルくらい入った。リッター約20キロだ。まあまあだな。ちなみに価格が142円。なんかもうこの価格が普通になってきたな。リッターあたり100円以下だった時代があったなんて信じられん。

コスモ石油を出たら19号線を横切って小牧方面に向かう。廃線になったピーチライナーの高架が残る桃花台を過ぎて犬山に入り、名鉄小牧線に沿って走り、五郎丸付近で裏道からマクドナルドがある交差点で41号線に合流する。天気はどんよりとした曇りで、本当にこれで晴れてくるのか、大丈夫か、ちょっと心配だが、まあなんとかなるさ。ウエアも最高気温予想29度とあったので、迷わず今回初のメッシュ上下を着て来た。今の時間は道路沿温度表示の電光掲示板は21度くらいなんで、ちょっと涼しいというか、寒いくらいだな。でも、これからきっと晴れてきたら暑くなるから大丈夫だよと言聞かせながら走っていく。

41号線は順調に走った。木曽川を中濃大橋で渡り、美濃加茂を通り抜けて関市に入った。途中、閉鎖したパチンコ屋が取り壊しされて更地になって、新しい建設が始まってた。今度は何を作るのだろう。マンションでも作るのかな。高層マンションだったら北側の住宅に日が当たらんくなるな。その先で焼き肉屋も閉店してた。他にもガソリンスタンドとかいろいろ閉店してたな。なんたらミクスの効果はいつ出てくるんだろう。

関市で156号線に入る。相変わらず空はどんより、全然晴れてくる気配さえない。ちょっとヤバいかもしれん。最悪の場合、他の温泉に入る事も考えておかないかんな。しかし取り合えず牧歌の里を目指す。まあねえ、牧歌の里の温泉ってあんまり温泉マニアの間では評判よろしく無いんですけど、循環だし加温だし消毒だし、加水もしてるのかな? だからお湯はろくなもんじゃないよ。施設も典型的な観光地の温泉で、ワビもサビもないもんな。でも、ここのいいところは、遠からず近からずな距離、往復250キロくらいなんで、ちょっとした日帰りにピッタリな距離なんだよ。そして、あんまり人気がないのか、開店同時くらいに入るとほとんど貸し切り状態なんだよな。一応一番湯を貸し切りできる温泉てなかなかないので、そういう点で、それがしかも温泉博士で無料で入れるんだから、入らん選択はないでしょう。

156号線も順調に進んだ。途中の道の駅なんとか茶屋も美並も通過した。日曜日ということもあって、バイクがたくさん止まってた。対向車線のバイクもそこそこ多かった。この時間に156号線を名古屋方面に走っていくライダーって、昨日から泊まりで飛騨地方に来てたライダーが帰るってことなのか。それとも、岐阜飛騨のライダーが名古屋を目指してるのか。街の方に行っても信号ばっかで面白くないよ。水冷ファンも頻繁に回るしさ。

順調に進んで、郡上も越えて白鳥までやってきた。福井県方面の空、油坂峠の山の上は重そうな雲に覆われていた。微動だにしそうに無いので、今日の天気予報は外れたなと思った。どう考えても、あんな重い分厚そうな雲が1、2時間で消えるとは思えんもんな。ここまで約100キロ、ノンストップで走ってきたのでサークルKで休憩する事にした。ちなみにノンストップで走ってきたのは、時間短縮のためではない。単にセブンイレブンがないかなあーと思って走ってたんだよ。今日は実家でコーヒーを飲んでないもんな。セブンイレブンの100円カップコーヒーを飲みたかったもんで、セブンがあったら休憩しようと思ってたんだけど、岐阜のこっちの方はまだ進出しきれんみたいだな。ウチの近所500メートル四方に3軒も作るなら1軒くらいこっちに作れよ。

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まあ文句を言っても始まらん、サークルKでお茶を濁そうと思って止まった。中に入って100円カップコーヒー下さいと注文したら、空のカップとポーション型容器の大きなのを渡された。セブンと同じようなのを想像してたので、これはどうすればいいのかわからんなあ、と思ってたら店員のおっさんが教えてくれた。カップを下にセットして、ポーションを上にセット、そしたらスイッチオン。あっと言うまにコーヒーの出来上がり。コーヒーをこぼさないように持って店の外に出て、イスがあったので、すわって飲んだ。飲みながらどうするか考えた。で、結局、いいアイデアが出ないので、行けるところまで行くことにした。コーヒーを飲み終えたら出発だ。ちなみに肝心の味の話ですが、個人的な好みからしたら濃すぎるような気がする。なんか煮え立ってしまったコーヒーみたいな味だった。

156号線をひるがの方面に走っていく。急激に高度をあげる山岳ロード、天気は一向に回復せず、それどころかますます雲が黒く重くどんよりと空を覆っており、しかも、それぞれの山の頂上を制圧しております。今にも降ってきそうなところもあります。しかし、ここまで来ちゃったんだから、牧歌の里まで行こう。その手前に湯平温泉など、いい温泉もあるんでちょっと誘惑されちゃったけど、やはり初心貫徹が大事なのである。スキー場を過ぎてカーブの続く路を走り、ひるがのの入口ともいえる、分水嶺公園までやってきた。バイクを駐車場に止める。うーん、空がどんよりなんで、あまり絵にならんなあ。ここはしょっちゅう来てるので今更見る気にもならず、ちょっと休憩したら出発した。

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やまびこロードに入って、牧歌の里に向かう。やまびこロードは本日は除草作業の日だったようで、業者さんなのか、地元の住人のボランティアなのか、それらしき大勢の人が道路沿いの伸び放題だった雑草を機械式の除草機で除草してた。この人たちには曇りは幸運だよな。日が照ってたら暑くて倒れちゃうよ。

やまびこロードをしばらく走って行くと、やがて牧歌の里についた。花の公園の方は既にクルマが開店待ちでたくさん止まってたが、温泉の方はガラガラなのであった。広いカラッポの駐車場からはアルプスの山の峰を上手に覆っているどんより厚い雲が見える。降ってきそうだな。曇ってるし標高が高いのでここは寒い。さっさと温泉でぬくぬくしたいと思ったが、温泉の建物に入ったら、まだやってなかった。受付の女の人が「10時からですのでお待ちください」と言われた。マジかよー入りたいよーと思いつつ、ベンチに腰掛けて待っていると、よっぽど温泉入りたいビームが出てたのか、た、たのむよ、温泉、温泉入らせてくれよぉ、温泉博士ならあるからよぉ、な、ほら、ちゃんと7月号だぉ、ってなってたのか、女の人はちょっと呆れ顔で温泉の奥の方に行くと、係の人に聞いてくれたみたいで、戻ってきて「もう入れますよ、どうぞ」と許可してくれた。やったー、なんてやさしい人なんだ。いい奥さんになるよアンタ。

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速攻で男湯に飛び込んで、ロッカーに荷物突っ込んで手ぬぐいもって風呂場へジャンプ、掛け湯したらテルマエロマエ風の大きな湯船にドボーンと入った。気持ちええー、うー、久しぶりの温泉、気持ちええー。ヌルい湯温が丁度いいのでまさしく天界気分でゆっくり浸かったのであった。もちろん、客は一人しかいないので完全貸し切り状態であった。そんな天界気分を満喫して、そろそろ出ようかと思ったら10時を過ぎたようで、客が2、3人入ってきた。頃合いを見計らって出た。出たらさっさと服を着て温泉の建物を後にした。バイクに戻った。天気は全然回復していなかった。それどころか、霧雨っぽいのがちょっと降ってきてるような感じだった。ここで今回の作戦終了の決断をする。残念だがもはや天候の回復は見込めないのであった。温泉は入ったから、もう帰ろ。

ということで、とんぼ返りであった。

帰り道、美濃加茂市街直前で事故があったみたいでパトカーが路を塞いでて迂回しろと誘導してたもんで、迂回したら道がわからんくなって大変だった。

本日の出費
サークルKのコーヒー 100円
はちみつレモン 130円

本日のCB1300SFの走行距離 240キロくらい
累計のCB1300SFの走行距離 65520キロくらい


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