8月9日(金)

夜中に目を覚ましたら雨が降っていた。苫小牧東港町をしっとりと濡らす雨であったなんて気取ってる場合じゃないよ、雨だよ雨、なんっだよ、もう降ってんのかよ、おかしいだろ、土曜日のはずじゃん。しかし現実は厳しかった。これはきっと夢だともう一度寝た。そして、早朝、もぞもぞと起きて窓の外を見たら、港町をしっとりと濡らす雨であった。

がーん。

がーんがーんがん。

ががががががががががーん。

今日は降ってほしくなかった。ニセコの湯巡りを目論んでいたんで、雨が降ってはマズイんだよ、いや待て、きっと止むに違いない。そうだよそうにきまってる。しかし、止む気配はなかった。それどころかどんどん激しくなってきた。窓に叩きつけるような雨になってきた。やばい動揺を隠し切れません。やだよたのむよ、豊平峡温泉に昆布温泉、新見温泉、ニセコアンヌプリと温泉よりどりみどりの地に赴く日に、豪雨かよ。はっ、やられたね。よくよく運のない男とは思ったけどこれほどとは飽きれてものも言えません、ということで、ツーレポはここで終わりにしますチャンチャン。

CIMG4772
CIMG4772 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4773
CIMG4773 posted by (C)keiichi_w 
 

そうだ、なんか食えば事態は好転するに違いない。コンフォートホテル自慢の無料朝食サービスを食おう。一階まで降りてホールに行くと朝食サービスはすでに始まっていた。トレイを取って皿を取ってコップを取った。皿とコップはクマの絵が書かれた可愛い食器だった。こういう可愛い食器にすると若い女性客が喜んで客倍増とか考えてんのかこのホテル、などと思いつつ、今回は和食にしようと、おにぎりなど盛っておりましたら、他の客のみなさん、トレイに直接おにぎりやらなんやら盛ってるのでした。あれ、なんだ、この皿使わないのか、そう思った瞬間、このクマの可愛い食器が誰のためかわかった。っていうか、すぎに気がつけよ。子供用に決まってんじゃん、でらかっちょわるーー、はっずかしーーー、穴があったら入りたい。しかし、今更食器を戻すわけにいかず、意地でそれにおにぎりとポテトサラダや卵焼きやウインナーを盛った。そして席について食った。食ってる間も、他の客が、あいつお子様ランチ食ってやんのーと影で嘲笑してるんじゃないかと思って味なんか全然わからんかった。くっそー、これも全部雨のせいだ、雨なんか大キライだ。

CIMG4775
CIMG4775 posted by (C)keiichi_w 
   

それでも何とか食い終わって、部屋に戻る時に玄関から外を見たら、滝のような大雨になっていた。これでは出発しようにも荷物も詰めんじゃないか。暗澹たる気分で部屋に戻り、いったいどうすればいいか、緊急対策会議を開くことにした。これは第三者委員会も創設する必要性があるのでこれから1年に渡って問題を整理し検討します。で、結論からいうと、今日はもうダメだ。諦めよう。いわゆる捨て日だ。しかし、当初の計画で、かなりの温泉に入るとつもりだったんで、今日の目的地ニセコは、単純に走ったら早くて3時間かかっても4時間で行けるところだ。チェックインする時間から逆算すると、ここを10時に出て十分間に合うんだよ。ということで、10時までゴロゴロしてることにした。

わざわざ苫小牧まで来てゴロゴロしてるってどうよ? 悩みながらも窓の外をみるとやはり大雨、しかし、窓からホテルの駐車場も見えるんだが、そこにあったもう一台のバイクが、この雨の中出撃して行くのが見えた。同じ苫小牧東のフェリーを乗ってきたライダーが雨にも負けずに走り出してる。ううむ、もうしてはおれんのであった。そうだ、雨だからと言って、こんなところで腐ってる場合じゃないぞ。走り出したら何か答えが出るかもしれん。いや、あてにしてはいけないが。よし、そうと決まったら出発だ。雨何するものぞ。2回に分けて荷物を運び、チェックアウトを済ませたら、雨が小ぶりになっているうちに速攻で積み込みを完遂する。エンジン始動、出撃だ。

CIMG4776
CIMG4776 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4778
CIMG4778 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4779
CIMG4779 posted by (C)keiichi_w 

最短ルートでニセコに向かうので国道276号線を使う。コンフォートホテルから戻る形で走る。まずガソリンだ。すでにこの付近にコスモ石油があることはチェック済みなのである。そこへ入ってガソリンレギュラー満タンにする。給油完了、リッター151円とわりかし良心的価格だった。ガソリン満タンだと安心だな。よし行くぞ、と思ったら、これまでになく激しい雨になってきました。豪雨なのである。マジやばいんじゃね? やっぱりもうちょっとホテルで寝とったほうがよかっったかもと思っても後の祭りであった。豪雨の中走り出すのであった。ビビるこたねー台風の真っ只中だって走ってことがあるんだから、これくらいヘッチャラさ。でもビビりながらゆっくり走ってたので地元の車にガンガン抜かされた。だってさ、前がよく見えないんだもん。それに所々で道路が川になってて走ると水しぶきがすっげーの何の、スピード出して走れないっての。

CIMG4780
CIMG4780 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4781
CIMG4781 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4783
CIMG4783 posted by (C)keiichi_w 

そんなこんなの豪雨の中を走って、支笏湖付近の道の駅までやってきた。ちょっと止まって休憩する。でもカッパのびしょ濡れでお店に入れないので、駐車場で立ったまま休憩するのみ。辛いねライダーは。再び走り出して笛吹峠を超えたあたりから雨が止んできた。しかし、天候が回復するようには見えない。たまたま雨が止んだだけで、また降ってきそうな気配だった。油断しないようにカッパを着用のまま走り続ける。道中で牛の牧場が見物できるビューポイントや羊蹄山のよく見えるビューポイントがあったんだけど、雨と雲で何にも見えなかった。

京極でセイコーマートがあったので止まった。今回の初セイコーマートだぞ。しかし、何か全然盛り上がらんかった。

雨だし、

雨だし、

雨だし。

トイレして缶コーヒー買って飲んだ。

CIMG4784
CIMG4784 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4785
CIMG4785 posted by (C)keiichi_w 
 

そして、再び走り出した。国道5号線にスイッチしてその後すぐに道道58号線に入った。ニセコワイスなんたらというリゾートホテル風の建物があるだけであとは何にもなかった。ひたすら山道を走って走って、だんだん細くなってきて、心細くなってきて、そしたら標高が上がったせいか、雲の中に突入したみたいな濃霧なのであった。

もうなんもかもやんなった。

右も左も分からない。チンタラチンタラ進んで行く。一体どこを走っているのかさっぱりわからない。上りが終わって下りになって、しばらく進むと道道66号に出た。湯本温泉や昆布温泉のある道筋だ。雨が止んでる今のうちなら温泉に入れるかもしれんと思ったら甘かった。それを見透かしたように再び激しい雨が突然襲いかかってきたのだった。逃げるように国道5号線まで戻って、ようやく雨から逃れることができた。道の駅ニセコがあったのでそこに入って休憩する。やれやれ。バイクは他に4台いた。みんなカッパなしだった。びしょ濡れのカッパ着用は自分一人だった。みんなどこ走ってきたのさ。

CIMG4786
CIMG4786 posted by (C)keiichi_w 
   

このように最近の天候は極めて不安定で不確実なのであった。ここで再び第三者委員会も創設する会議を行い、もはやこれまでと判断、今夜の宿に避難することを決定した。思えば雨にたたられっぱなしのN4、あのリベンジで来たニセコであったが、またしても返り討ちにあってしまった。とほほ。

こうして、ニセコを一周して再び道道58号を進んで行く。再び雲に中に入って、道が下り坂になるところで今夜の宿、ニセコ山の家に着いた。時間はチェックイン前だが、何とかしてもらおう。しかし、このニセコ山の家、なんと駐車場が未舗装なんだよ。雨でぬかるんで最悪なのだよ。いやーこの宿にしたときに、雨だったらやばい所だよなーと思ったんだけど、見事的中しました。

CIMG4788
CIMG4788 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4790
CIMG4790 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4792
CIMG4792 posted by (C)keiichi_w 

ぬかるみに足を取られないように注意しながら駐車場に入ると、階段の近くに止めた。軒下もあったが、ぬかるんでてこれ以上進むのはヤバそうだったのでやめた。階段登って2階が入り口だった。中にはいると係りの男性が来てくれた。事情を話してもうチェックインしたいと伝えると、部屋をすぐ準備しますと言われてホッとしたよ。荷物を運び、チェックインの手続きをする。部屋に荷物を持って行ってやれやれであった。

CIMG4796
CIMG4796 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4798
CIMG4798 posted by (C)keiichi_w 
CIMG4799
CIMG4799 posted by (C)keiichi_w 

荷物を整理して、まずは温泉に入ろう。もう温泉成分が枯渇寸前なのである。手ぬぐい持って温泉に行くと、硫黄の匂いがたまらん。ここは酸性湯なんで、湿疹に痛いかもしれん女王様お許しくださいもっとやってくださいになるかな、と思ったが、ちょうどいい感じで痛くはなかった。良かった良かった。この上痛くて転げ回ったなんてことになったら悲惨すぎる。温泉を出たらツーレポをつけた。つけてたらまた雨が土砂降りになってきた。

明日大丈夫かなあ。

不安。

まあ何とかなるさ。

ツーレポを書いたらまた温泉に入ってそしてまたツーレポ、ヒマなんで他にやることないんで、この山の家はテレビもないもんね。そうこうしてようやく晩飯の時間になった。

CIMG4807
CIMG4807 posted by (C)keiichi_w 
   

レストランに行ったらガラガラで自分一人だった。もう一席用意してあるから、今夜の泊りは2人ということだ。穴場といわれるだけのことはあるな。料理はすこぶる美味しかった。デザートにメロンも出た。食ったらまた温泉に入った。雨がザーザー降ってるので露天風呂にも入れん。温泉から出たらやることもないし、眠くなってきたので布団を敷いて寝てしまった。

 

次の頁へ

前の頁へ

トップへもどる