伊豆半島温泉三昧 NOT HERO

5月1日(木)

人は大きく分けると2種類しかない。バイクに乗るやつと乗らないやつだ。そして、もう一つある。カレーライスに福神漬けを乗せるやつと乗せないやつだ。いや、まだもう一つある。そうめんつゆに生姜をいれるやつといれないやつだ。そう、人にはいろいろな性分があるのだ。そして、行動パターンもまたしかり。計画通りいかないとパニックになるやつと、計画通りにいかなくてもかまわずいけるやつがいる。いつも言ってるが、ツーリングライダーは、常に変化に対して柔軟に対応せねばならないのである。予定を綿密に計画したとしても、事情は変わるのである。特にその要素が多いのが天候である。雨が降ったら走りたくないもんね。ツーリングは中止だもんね。その天候要素が土壇場までハッキリしなかったのが今年のゴールデンウイークであった。候補は色々あってさ、やはり温泉天国の伊豆に行くべきであるという意見もあり、やはり一番札の城崎に行くべきである、あるいは、まだ行ったことのない有馬温泉に行くべきである、あるいは山梨の温泉に行くべきである、あるいはそれ以外の温泉もいいぞ、などと事態は混沌を極めていた。それこそ日替わりで行き先が変わってたよ。なんせ柔軟性が高いからな。しかし、混迷を極めた事態はあっさり決着した。金目鯛の煮付けが食いたい。まっちゃんのその一言で決まった。昨年の伊豆のお土産が金目鯛の煮付けだったんだけどこれがうまくてさ。もうやみつきよ。で、至上命令として、伊豆へ行き、金目鯛の煮付けを買って来いというのである。こうして行き先が決まり、あとはルートをどうするかであった。連日の深夜にも及ぶルート組み立て作業は熾烈を極めた。まさしく、ブラック企業のサービス残業長時間拘束労働であった。残業代ゼロ法案なのである。ビンボー人は安く使い捨てるのである、ざまあみろなのである。しかし、そのかいあって、なんとかルートが出来上がってきた。ところが、肝心の日程が近づくと問題が発生した。天気が悪いのである。それも、悪いかもしんない、なのである。いっそのこと、朝から雨です土砂降りです嵐です暴風雨です、なんてのなら諦めがつくが、曇り時々晴れ所により雨が降るでしょう、なのである。中途半端だなあ。そして、週間天気予報はアテにならない。毎日のように雨だ曇りだと予報は変わり、そして直前にはついに雨になった。雨か。これで伊豆行きは無くなった。ガックリしてたらまっちゃんが、じゃあ、西に行けば〜というので、そうだ、西だ、西に行こう、と西乃名湯物語の第2弾を急遽、計画立案したのであった。しかし、またしても事態は風雲急を告げるのであった。その後の天気予報で伊豆半島が曇りのち晴れ、そして兵庫県は曇り時々雨になったのである。急遽変更でまたしても目的地は伊豆になった。そして、決行前日、伊豆も兵庫も曇り時々雨になった。がーん。何もかも終わった。そして当日の朝、やはり事態は好転せず、曇り時々雨で夕方から晴れ、となった。散々振り回されたが、結局、天候与件で計画は1日順延となった。次の日は文句無しに晴れるようなんで、1日順延もしゃあないなーと諦めて実家にコーヒーでも飲みにいくか、と実家に行った。そしてウダウダしているうちに、晴れてきたのであった。なんか変ですよ、夕方から晴れって予報は言ってたけど、どうなのさ。これはきっとワナだ。晴れと見せかけて、走り出すと雨になるのさ。もう何度も経験したよ。もうね、中止した時におおよそ予想はついたんだよ。絶対に晴れてくるってさ。でも、出かけると雨になるんだよきっとそうだよ。騙されんぞ。これはワナだ。そしたら、まっちゃんが、晴れてきたよ、行けば〜と言うのであった。出発予定時刻をすでに3時間超過しており、何を今更と思ったが、しかし、刻々と変化する事態に柔軟に対応するのがツーリングライダーである。よし、行こう。一度は中止順延を決定したが、宿の手配を考えると実質的に順延は不可能、となれば、決定を覆して出撃するのは英断と言えないだろうか。速攻で家に戻ると、宿を予約して荷物を準備する。実家にガレージから、このために洗車ワックスぴかぴかのCBR600RRを引っ張り出したら、荷物を積んだ。忘れ物ないかなー絶対に忘れ物だらけだと思う。なんせ緊急出撃だもん、こんなん泊まりツーリングでは初めてだわさ。いつもなら準備万全に用意周到にするのにな。まあいいや、何とかなるだろう。まっちゃんに見送られて出撃したのだった。

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ガソリンは、前回のツーリングの帰りに満タンにしておいたので、幸いなことにそのままノンストップで高速道路に行けるのだった。春日井インターから高速道路に入って、ピー(自主規制)キロでかっ飛ばす。なんせ予定時刻を3時間遅れて出発である。本来なら6時に出発予定が9時に出発である。少しでも時短しないと、伊豆入りが午後になっちまう。温泉三昧できなくなっちまう。しかし、焦る気持ちはピーカンの空を見上げるとバカらしくなってきた。嘘みたいに天気が良くなったな。絵に描いたような青い空に白い雲なのであった。天気予報全然外れとるじゃん。デラ気持ちええ。まあ、ゆっくり行こうや。こうしてそれなりの速度で走って行くのだった。

最初の休憩ポイントは浜名湖サービズエリアだ。いつもなら早い時間なんで、お店もやってないしガラガラでぽつねんとさびしいが、今日は時間が遅いのでお店もやってるし、車も多い。バイクもたくさん止まってる。ゴールデンウイークの観光客ドライブ客らしい家族連れやアベックもたくさんいる。いろいろ店を見たいのもあるが、やはり時短のために、トイレ休憩しただけですぐに出発した。

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そこからはノンストップで走った。さすがゴールデンウイークといっても端境期、クルマの流れはすごぶる順調で渋滞も混雑もまるでなかった。観光客らしい他県ナンバーより、トラックや営業車が多かった気がする。荷物を積んだツーリングライダーも見かけなかった。天竜川を越え大井川を越え、静岡中心部に近づくと、富士山が見えるはずの富士川あたりで、見れば富士山は雲に覆われていた。進行方向、向かって右手は明るく青空が広がり、左手はどんより雲が覆っている。伊豆方面は晴れだがまだ山梨方面は雨みたいだな。やはり、一足早く晴れてきたようで、高速道路に湿り気が残っていた。朝は雨だったみたい。予定通りの時間に出てきたら、ひょっとしたら雨に遭遇したいたかもしれない。そう思えば遅く出来てラッキーだったということにしておこう。吉田のインター付近で事故をやってた。クルマが2台ひっくり返ってた。それでちょっと渋滞したくらいで、あとは全く順調に走ってきた。そして、なんとか12時に沼津インターを降りることができた。

沼津インターで料金を払い、そこから無料のナンタラ道路を走って行く。ここから富士山が見えるのだが、今日はどんより雲が覆っており何も見えない。進行方向は青空に白い雲なのだが、後ろを見たらどんより雲。どうにも不安定な天気なんだな。進行方向は晴れてるから全く気にならない。どんどん進んで、ナンタラ道路を三島にはいるはずだったんだけど、なんか知らないうちに知らないところを走ってた。やばい、去年、ここの工事全然進んどらんなんてネットで陰口悪口叩いたから現場の方々が本気を出してしまったようだ。工事の進捗状況が昨年から比べると遥かに乖離しているのであった、早い話が、どこまできたのか全然わからん。焦ってたら、大きな交差点まできたので案内看板があった。そしたら、国道136号線の表示があった、おお、この道を曲がったらいいんじゃないの。一か八か度胸で曲がったら、その道はいつもの道であった。ずいぶんワープしてしまったな。かなり時間を短縮できたかもしれん。少し走ったら、出光ガソリンスタンドがあった。今回はスターレックスを有効活用するつもりだったが、昭和シェルの場所を調べる時間がなかったんで、この先、どこまで走ったらあるかないかわからんもんで、ここで入れとくことにした。リッター180円で約10リッター入った。燃料計が残り少なかったので心配だったが、これで安心だな。でもきっと走っていくと、すぐに昭和シェルがあるぞ。そしたら、その通りだった。しかも178円だった。満員御礼だった。安いからな。ここでいれたら良かったなあ。今となっては仕方が無い。ガソリンが入ったら今度は人間だ。セブンイレブンがあったので寄った。セブンイレブン麦茶と100円セール中の焼きたらこおにぎりを買った。100円セール中なんでおにぎりはこれ一個しか残ってなかったけど、でらうまかったよ。残り物には福があるのだね。

食ったら国道136号線をどんどん走って行く。市街地は交通量が多くて流れが悪いが、修善寺を過ぎたら流れも良くなり、順調に走って行く。この辺りの入る予定の温泉はすべてスルーして、一気に土肥温泉を目指すのだ。土肥温泉は、昨年、入り損ねた楠の湯と元湯、そして屋形湯に入るつもりだ。この3湯は、営業時間が午後からなんで、いつも入れずに通過してたが、今日は、出発時間が遅いので、ちょうどいい時間になるぞ。実にうまくできているな。国道414号線との分岐点を136号線に曲がって、観光バスの後ろをついて走って行く。途中、去年入ったら、やたらと大きいけど寂れてる温泉があった。まだ営業しているようで、クルマが何台か止まってた。時のナンタラって会社系列らいいけど、百笑の湯も同じだったな。今回は寄れなかったが、今度は百笑も行ってみよう。

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ウネウネの山路の峠越えして土肥温泉の街まで降りてきた。楠の湯の場所は去年行って知ってたから、今回は迷わず行けた。1年ぶりにやってきたぞ。温泉の前についたら温泉は営業してた。ついに、ついに営業してたぞ。思えば、この伊豆半島温泉三昧企画したときから、何度も何度も挑戦しては跳ね除けられていた土肥温泉の午後から3湯、その一つについに入れるのだ。建物の前にバイクを止めて、思わず小躍りしちゃったので、女湯から出てきた女の人に変な顔をされた。やばい、なんか事件があったら、温泉に怪しいヘンタイライダーがいましたなんて証言されちまう。そしたら、温泉の管理人のおじいさんが出てきて、発券機で入浴券を買うと、お釣りはお釣りボタンより返却レバーを引いてくださいと教えてくれた。なんせ機械が古いので、湿気にやられとるもんで、いろいろ不具合があるようで、そんな話をしつつ、券を渡した。ごゆっくりといわれて男湯の方に入った。ブーツを脱いで脱衣所に上がると、貸切だった。荷物を棚に突っ込んで、風呂場へ移動する。こじんまりした内湯であった。体を洗って、湯に浸かる。ぎょえーーーーーーー! 熱い熱い熱い熱い熱いのであった。さすがは伊豆の温泉、熱い湯が多いがここも激アツなのであった。負けんぞ、と何度も挑んで何とかは入れるようになったが、短い時間しか入れなかった。それでもやはり伊豆の湯はソリッド感がたまらん、とタンノンできたので、上がることんにした。

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出たら、続いては元湯である。ここからすぐなのだ。バイクで移動して、細い路地の奥にあった。駐車場が砂利なんでビビった。それでも何とか止めて、温泉にいくと中に入った。ここも発券機だ。お金をいれて券を買ったら、受付の女の人に渡した。そしたら熱いからうめてくださいと言われた。許可が出たぞ。地元湯はうめると怒られるというからな。よし。脱衣所に入って荷物を棚に突っ込んで、風呂場へ移動する。掛け湯をしたら、湯に入って、ぎょえええええーーーーー!熱い熱い熱い熱い熱い、水道水全開放水始め。無制限全力放水で、何とかはいれるような温度まで下がったので入ったら気持ちよかった。うーさいこーや。タンノンしたら出た。脱衣所でクールダウンしてたら、女湯の会話が聞こえてきた。ばーさんのようで、年金が減ってとぶーぶーいってた。若いもんがもっとしっかり働かんもんでワシらの年金が減るとブーブー言ってた。最近の若いもんは贅沢に慣れすぎてるからいかん。だから文句ばっかり言って働かん。死にそうになって就活してる大学生が聞いたら逆上しそうだな。

3湯めの屋形はもうやめた。連続入湯は2湯が限度です。ソリッドな熱い湯にはもう十分入った。サイコーだった。時間が過ぎてるので、そろそろ次のポイントへ移動しないと、スタートが遅いからいつもの調子で走ってたら大変なことになるぜ。土肥市街でセブンイレブンに寄ってセブンイレブン麦茶と焼きたらこおにぎりをまたまた買って食ったら、国道136号線を松崎方面に走って行く。西伊豆の醍醐味あふれるサンセット時間を楽しむ作戦だ。走り出してすぐに、海が太陽に彩られてサイコーだった。こりゃあいいや、とどんどん走って行ったら、あっという間に松崎と下田の交差点まで来ちゃった。ヤバイ、来すぎた。Uターンして戻る。浮島温泉まで戻った。そこに潮騒の湯ってのがあるから、そこを狙ってきたのであった。事前に調べた通りに、細い道を奥まで進んで来たが、こんなところまできて大丈夫かなと思えるようなところまで来て、ようやくあった。ふつーの民家みたいな建物なんだけど、公衆浴場的温泉だからこんなもんだろうけど、どう見てもやってなかった。雨戸もしまってるし、建物も寂れてる。仕方がないので海岸まで出て、そこで写真を撮った。潮騒の湯が入れなかったのは残念である。あれで実は入れたのかもしれんなあ、などとちょっと思いながら国道に戻った。

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松崎まで戻って、ここでやまびこ荘か、あるいはせせらぎの湯に入れるのだが、実は、何という失態、温泉博士を忘れました。がはははは。緊急出動だったからね。っていうかさ、あれは雑誌サイズが大きいもんでいかんのだわ。どうやって入れるか、考えようとか思ってたもんで、用意が後回しになってたんだよ。くそくやしいなあ。タダではいれるのに金を出すのも悔しいので、入らないでスルーした。県道51号線に入って、途中、国道414号線に乗り換えて、山道を走って行くと、途中で昨日の雨の漏水で道が川になっちゃってるところがあって、がびょーんであった。バイク汚れた。もう死ぬ。しかし、洗車はできないのであった。仕方が無い、帰ったら洗車しよう。しかし、山道を走ったかいもあって、予想より早く河津まで来た。この先に禅の湯があるから、そこまで行ってもう1湯入ろうかと思ったが、お腹が空いたし、宿まできちゃったのでもうチェックインすることにした。踊り子の看板がある交差点を曲がって進むと、国民宿舎かわずが健在であった。

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相変わらずボロっちい外観だなあ。もし初めて来たら、はずれたやられたひどい宿に予約しちまったと思うんだろうなあ。それでも結構いい宿なんだよ。お気に入りの宿なんだよ。いつも通り、玄関前の表札前にデーンとバイクを止める。荷物をおろして中に入ると、チェックインである。男の係員が対応してくれた。簡単な説明と食事時間の案内があった。部屋は2階だ。ここは3階なんで一階降りるのさ。

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で、部屋に入って荷物を整理したら、早速温泉にはいるのだった。温泉は1階だから、1階降りると温泉だぜ。体を洗って、ゆっくり入れた。ここは適温なのであった。タンノンして出たら、部屋でツーレポつけて6時になったら晩飯である。食堂で食った。うまかったよ。隣の人が自転車で横浜からきたそうです。今日1日で横浜から走ってきたんだよすげーな。食ったら再び温泉に入って、今日は早めに寝た。

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