兼六園で朝食を…食えなかったツーリング （後篇）

５月１日（金）

朝５時に目が覚めた。よく寝た。外は明るくすでに晴れている。朝から晴れている青空なんて、なんか久しぶりじゃないか。このところ泊まりツーリングは天候に恵まれんかったもんなあ。雨男だったもんなあ。朝から青空だと、もうじっとしとれん。いつでも出撃できるように荷物をまとめて、朝食の時間６時３０分前にはフロントまで降りた。すでに朝食待ちの行列ができており、そこに並んで待つと、間も無く朝食サービス開始である。名目上は朝食サービスなんで、小規模なバイキングだが、十分すぎる品揃えで、一通りチョイスして席に着いた。食ってたら、すでに行列はすごいことになってた。席も埋め尽くされてて、これはビジホの朝食は戦争だ状態、早々に食ったら撤退である。ご飯お代わりしたかったけど無理だった。サービスだから自重したほうがいいしな。

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食ったら速攻でチェックアウトである。チャックアウト混雑になる前に脱出である。精算はすでに済ませてあるのでキーを返して領収書をもらうだけだ。どうもお世話になりました、とスマートに立ち去るかっこいいライダーのつもりが、荷物置き場のテーブルに吸盤式のタンクバックががっちりくっついちゃって、取り外すのにめちゃくちゃ苦労して焦った。

バイクのところへ行くと、荷物を積んだ。一晩たったら、ものすごい台数のバイクがホテル前スペースに並んでた。ビンボーライダー勢ぞろいだな。そりゃあこの価格で朝食付きなら飛びつきですよ。そんな並んだ他のバイクに引っ掛けないように引っ張り出して、エンジン始動、ホテルを後にした。

まずは行き先は決まっている。昨日行くつもりが諸事情で行けなかったので、今日行くのだ。営業時間は７時からだから十分やってるのだ。場所もしっかり確認してあるからバッチリなのだ。その金沢に来たら必ず行くべきところ、そう、別所文玉堂である。あの伝説のKawasakiを乗りこなすライダー、むらちんさんに教えてもらった、史上最高にうまいカステラ。空前絶後にうまいカステラ。前代未聞なうまさのカステラ、我田引水のうまさなカステラ、四面楚歌にうまさのカステラ、それが別所文玉堂。迷うことなくお店に到着、バイクを止めて中に入った。毎度毎度、来るたびに思うのだが、ここが空前絶後うまいカステラの店と思えないくらいフツーのパン屋さん風なんだよなー。開店早々なんで誰も店にいないよ。奥のほうで忙しそうな声が聞こえる。すいませーんと声をかけたら、お店の方が出てきて、あらーいらしたの気がつかなかったわごめんなさいねー、と言うので、カステラください送ってください。あらーどちらから愛知県からわざわざいらしたのうれしいわあー、と言うので、ここのカステラのために金沢まで来るのです、そのためだけにくるのです兼六園はオマケみたいなものです。うれしいわあーこれ食べてきなさい、とパンをくれた。

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別所文玉堂ミッションをクリアしたら、次は金沢の有名なカッフェーでモーニングコーヒーでも飲もうと思ってたけど、まだ営業してないもんで、まあ、天気もいいし走ろうということで金沢脱出、でも、もらったパンが気になるし、コーヒーは飲みたいので、セブンカフェとした。セブンイレブンを見つけたらお店に入って、セブンカフェを買って、バイクの横でもらったパンを食いながらコーヒーを飲んだ。サイコーめっちゃうまいじゃん。やっぱり別所文玉堂はカステラだけでなくパンもめちゃくちゃうまいじゃん。思わずもらったパンを全部食っちまいそうだったが、自制心を働かせて残した。でも結局、この後もぽちぽち食ってほとんど食っちゃうんだけどさ。

金沢を後にして、次に向かったのが九谷焼陶芸村である。国道沿いに陶芸まつりののぼりが出ており、気になってたんだ。陶芸まつりは３日からだけど、、陶芸村はいつも九谷焼が安いのだ。見に行くのだ。陶芸ものが好きなのである。地図ではわかりにくいところだったけど、ちゃんと看板が出てたので迷わずに行けた。で、問題なく着いたんだけど、着くのが早すぎでまだ開店前なのであった。金沢でモーニングコーヒーしてけばよかったと思ったが後の祭りである。人気のないお店の前を行ったり来たりしてたが、いそいそと仕事をしているのは陶芸まつりの準備中の人ばかりで、肝心のお店の人は全然いなかった。諦めて帰ろうとしたら、一軒の店からガラッと扉をお店のご主人風の人が出てきたので、どんなもんか話を聞いたら、やっぱり１０時くらいにならないとすべての店は開かないみたい。今は陶芸まつりでちょっと準備が忙しい。毎年やってるけど、大変で大変な割に儲からない、みたいな愚痴を言ってた。近所の住民から違法駐車のクレームがいっぱいくるし、来る客は客で駐車場がないだの文句ばっかりで、その割になんも買ってかんからなーと苦笑いしてたので、まさしくその通り、そう思います、と元販売の仕事をしていた者として、激しく同意なのであった。まあ、見てってやってくださいよ、と店を開けてくれたので、品物を見たけど、どれも見事というか、鮮やかで綺麗で派手でアバンギャルドでフォービズムなのであった。何を探しているかというと、お茶碗を探しているのである。で、もちろん、いいのがたくさんあるんだけど、特に青いのがいいなあと思ったんだけど、予算がねーお値打ち品と言いつつ、予算の倍以上するもんで、ちょっと困った。この青いのは銀を使ってどうしてこうしてと説明してくれて、本当に欲しかったけど、考えてきますと言って店を出た。

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とりあえず、天気がいいからもう一回りしてこようと思い。バイクに戻って走り出す。近くに洞窟の美術館があるとツーリングマップルにあったので、そっちに行ってみたが、よくわからんのでやめて、道場六三郎の定食があるという道の駅まで行ってみた。そしたら、そこで陶器の即売会をやってて、もちろん九谷焼もあったんだけど、値段がそのなんですか、オイまじかよこの値段的な価格設定で、やっぱ陶芸村は安いんだなあと納得。こうして、意を決して陶芸村に戻り、ちょうど他の店も営業してたのでチェックして、しかしやっぱり銀の青が一番よかったので、結論を出した。買ってこ。ここで買わんかったら末代まで後悔するぞ。店に戻って、ご主人はいなかったけど、女の人がいたので、その人で銀の青のお茶碗を買った。送ってもらった。良い物が買えてよかったなーでも完全にお土産予算オーバーである。このあとは緊縮超緊縮予算でいきます。

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九谷焼陶芸村を後にして、国道８号に戻るが、このまま国道８号を走るのは面白くないので、県道２０号を走って南下した。初めて走る道は新鮮でええな。加賀まで県道２０号を走り、そこから再び国道８号線に入った。途中、セブンイレブンで１００円セールのおにぎりを食って昼飯にした。それから、このまま８号線はつまらんなーと思いながら走って、結局、次の目的地である永平寺への曲がり道まで８号線で走っちゃった。永平寺の場所はよくわからんのだが、有名なお寺なので案内表示がしっかり出てるから迷わず行けた。いよいよ永平寺付近まで来たら、永平寺そばの店が軒を連ねて、有名なそば処「かぶと」やら、その先には「本当の永平寺そばの店」ってのがあって、「本当」ってのが泣けるなーと思った。やがて永平寺の商店街が現れて、どこにバイクを止めるか考えながら走っていったら、一番奥のお寺の本堂の駐車場にバイク置場があって、係りの人が案内してくれたら無料で駐輪できた。他にバイクが何台も止まってた。天気が良いし人気スポットだもんな。バイクを置いて、ますはとにかく永平寺そば食いたい。どこで食うかリサーチしよう。商店街を歩いてお店にチェックする。永平寺は一度行ったことがあるんだが、ずいぶん昔でよく覚えていない。たしか、雪見の温泉露天風呂に入る事をテーマに芦原温泉に電車で行って、バスで永平寺まで来たんだよな。冬で雪が積もってて、参拝客も全然いなくて、寒かったよなあ。若かったからできたけど、今はもう無理だ。商店街は１軒しかやってなくて、そこでうどんだったかそばだったか食ったんだよ。あのお店ってどこの店だったんだろう。あの時の冬の時期と違って行楽シーズンだから、商店街は賑やかで商売繁盛満員御礼とまではいかないかもしれないけど、東尋坊よりは賑やかで、潰れて店じまいして錆びたシャッターもなくて、その点、お寺関係の観光は強いなー。どこでもいいから永平寺そばを食おうと思って、とある店のお品書きを見たら、軒並み８００円９００円だったので諦めた。そば食うだけで８００円９００円の時代なんだな。昔は５００円で食えた。いつの話だ。ちなみにポッキーは７０円だった。瓶コーラが３０円だった。懐かしい昭和の時代。

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それでも永平寺の商店街巡りを十分に楽しんだので、そろそろ帰路につくことにしよう。山を越えて国道８号線に戻り、敦賀を目指す。途中、道の駅河野で日本海の絶景を楽しんだ。その直後に対向車がパッシング！　スピードダウンをしたらネズミ捕り開催中であった。よかったよかった対向車の方に感謝なのである。

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それから順調に敦賀に到着して、高速に入る前になんか食っておこうと思い、セブンイレブンに寄った。セブンイレブンがうまい具合に見つかってよかったな。いつもなら、結局、セブンイレブンに出会えずに、仕方なく食わないまま高速に入っちゃうんだけど、今回はツイてるよ。セブンイレブンではマツコの知らない世界で紹介されてたレタスサンドを買って食った。腹ごなしも済んだので、敦賀から高速道路に入った。帰りも渋滞もなく、順調に走って無事帰ってきた。最後の最後まで、全く天候を心配することなく走ってこれたよ。今回は大成功だった。この件で雨男を返上できたらいいと思います。

本日の出費
計算中‥‥‥‥一般保護エラー

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