6月10日(水) 天人峡温泉 → 美瑛 → 十勝岳温泉凌雲閣 → 富良野 → 勝狩峠 → 幕別温泉 
6月11日(木) 幕別温泉 → タウシュベツ橋脚 → 芦別温泉
6月12日(金) 芦別温泉 → 定山渓温泉 → いとう温泉 → 支笏湖 → 苫小牧港

 

 

6月10日 水曜日 晴れのち曇り

 

朝4時半頃に起きて、もう明るかったので滝を見に行くことにした。窓を開けて外を見ると、晴れてるよ、オイ! なんか空が青いと不思議な気分だ。視覚的な明るさも全然違うな。こうしてはおれん、早速、滝に行ってみよう。

ホテルを出て、急な坂を登って、多分、ここの温泉で一番大きなホテル天人閣の横を通って山道に入る。雨続きだったので川の水量が多く、流れが激しい。道がぬかるみだったら困るなあと思いつつ、進んでいくと、簡易舗装みたいなきれいな山道だったので良かった。森の中をどんどん歩いていくと、やがて大きな水音がしてきた。ああ、あれか! すごい、ものすごい滝だ! と思ったら砂防ダムだった

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羽衣の滝はその横にちょっと入ったところにあった。おお、すごいぞ。なんと、高い高低差の上、7段にもなる滝だ。水量が多いので迫力も違う。一番上の滝は遠くてよく見えないな。見晴台があるが、山道がドロドロにぬかるんでいたので行くのは止めた。更にこの奥に敷島の滝があるのだが、通行止めになっていたので行けなかった。まあいいか、羽衣の滝で十分感動した。

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ホテルに戻って、荷物を整理、朝食が7時半という怠けたホテルなんで、先に荷物を積んでおく。こんな晴れてるのはめったにない、おそらく今回のツーリングで最初で最後の晴れだから早く行きたいのに。

7時半になったので朝食バイキング会場に行った。たいして客がいないだろうと思ったら、じいさんばあさんの集団が行列を作っていた。なんだこりゃ、昨夜、じいさんばあさんの会合があったようで、このさっさと出かけたいときに何たる不運、ちっとも行列が進まない、後ろの方で、年寄りだでよお、何にするか考えとるもんで時間がかかるんだわあ、と笑いながら話すじいさん。ようやく順番が来てしょぼい種類の年寄り向けバイキングを選んでさっさと食った。

食ったらチェックアウトして出発。頭を打たない様に駐車場からバイクを出し、走り出す。虫がびゅんびゅん飛んできてびちびちあたってべちゃべちゃつぶれる何とかならんか? そういえばフロントタイヤがつるつるになってた。やばいな。

旭岳がきれいに見えて、ロープウェイは間違いなく今日乗るべきだったと反省。来た道を戻って美瑛に向かう。美瑛市街に入ると、まずは三愛の丘に行った。ガイドブックで見るような見事な丘のつづく道だった。その丘の上に丘が見下ろせるオシャレなおうちが何軒も立っていた。うらやましすぎるぞ、こんな風景を毎日見てるのか。あ、でも毎日見てると飽きるから、やっぱいいや。美人は3日で飽きるが何やらは3日で慣れるというもんな。三愛の丘で写真を撮って、次はマイルドセブンの丘に行った。パッチワークの路で迷って、うろうろしてたらケンとメリーの木のところに出たのでそこでも撮影。それからマイルドセブンの丘を探すが良く分からんまま、見晴らしのいいところがあったので。まあここでいいかと止まって写真撮影。

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晴れてるからバリバリ撮るぞ。今日しかチャンスないからな。

畑に入らないでくださいとたくさん看板が立っている。おかまいなしで入る観光客も多いのだろうなあ。日本語英語韓国語中国語で表示してある。国際色豊かな北海道。

丘も見たし、見事な風景には満足したのでいよいよ温泉に行く。目的の温泉は、過去3回、入ろうとして、入るチャンスを逃しつづけた十勝岳最高峰の温泉凌雲閣だ。不定休らしいので、もし休みなら吹上の湯に入ることにして、山に向かう。途中、展望台に寄った。そこでも虫と格闘を余儀なくされる。どうやらバイクにもヘルメットにも虫の死骸がいっぱいついてるので虫が集ってくるようだ。何しろ汚いバイクだよな。これじゃあ、ツーリング先で可愛い女の子に声も掛けられんぜ。

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展望台を後にして、温泉に行く。以前宿泊したことのあるカミホロ荘を越えて、遂に最高峰にたどり着いた。ここまでの道のりは長かったなあ。しかし、今この温泉を制覇するのだ。雪解け水が流れる駐車場にバイクを停めて、いざ、温泉に行く。入浴800円。有名なデカイ犬はもういないのか。まあ、当然だな、あれから何十年だ。しかし、別の犬がいた。ゴンタ君。寝てばかりです。ウチのネコと同じ。

温泉は地下に階段を下りるとあった。フツーに飾り気なし、脱衣所は狭くなもなく広くもなく、貴重品ロッカーは1,2,3番使わないでください。脱いで風呂場へ。思ったより狭い内風呂だ。でかい岩が半分くらい占めてるのは何か意味があるのか。体を洗って湯に浸かろうとしたら、もうめちゃくちゃに熱い。熱い熱い熱い、非常識に熱い、沸騰してる核融合起こしてる。あほか、こんなお湯には入れるわけねーだろ。どないなってんねん。露天風呂に人がいるのでそっちに移動する。入ったら、ここは入れるよ。ちょうどいい湯。眺めもいい。目の前には十勝岳の勇姿がでーんとあるのだ。でも、これだけ山との距離が近いと、十勝岳なのかなんなのかさっぱり分からんな。しかしすごい迫力、手を伸ばしたら届きそうだよ。さすが北海道最高峰の温泉。うーむ、思ったより湯船が狭いが、実に快適なんでまあいいか。

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タンノンして出た。熱くなってきたのでホールで休憩。ゴンタが近くまで来て、皮ジャンの匂いをかいでそこに寝た。寝てばっか。じいさんが声を掛けてきた「なんできたん」「オートバイです」「その格好だとヨーロピアンだな」おお!じいさんわかってらっしゃる「ホンダのCBです」

温泉を後にして、富良野に下りる。まずはセイコーマートでお茶とヨーグルト。食ってたら237号線をハーレーが走っていって手を振るのでこっちも手を振った。

富良野のラベンダー園に行ってみたが、やはりまだシーズンは早いので全然だ。ジェットコースターの道を探して行ったり来たりしたが、見当たらんので出光で給油して富良野を離れる。なんか、富良野って毎回毎回こんな感じだな。みんな何見てるんだろ。

38号線を走って、南富良野の道の駅でトイレ休憩。それから、その近くにある映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地になった駅に寄る。映画が10年前の作品なんで、ロケのセットもかなり傷みが激しいが、なかなか充実していて面白かった。気動車はキハ40を改造してキハ12にしたそうで、実物は22台しかないので映画に使ったのはキハ12-23になってるそうだ。でも、この駅は実際に使われてる無人駅なんだよな。それがすごいよ。北海道は、天塩川温泉の駅もそうだけど、これで駅? というのがいっぱいあるな。

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そこを出て、38号線を帯広に向かうと、曇ってきて雨が降ってきそうになった。おいおい、もう青空終了か? あ、ひょっとして今ごろ来やがって遅いんだよボケとかいわれてひねちまったか。しょうがねえなあ。

勝狩峠に来た。新得そばの地だけあって、そばの店があった。天気が悪いが展望台に上った。遠くは晴れてるな。変な天気だ。

峠を越えて帯広市街に入ると、ペースが落ちてなかなか進まない。天気は悪いし、峠を越えたら寒くなってきて、温度表示が12度になってるので、もうチェックインするつもりだが、早く着くかと思いきや、このペースでは5時近くなるかも知れんな。

結局、4時半くらいにチェックイン。ここ、幕別温泉パークホテルは、日帰り温泉施設にくっついたビジネスホテルで、まあ、それなりの施設だ。駐車場が満車なのは日帰り入浴客が多いのか。チェックインして部屋に荷物を運ぶと、まずは温泉に入る。十勝川温泉と同じような茶色っぽいお湯、こじんまりした内湯に屋上に露天風呂。どちらも狭い。これでは日帰り入浴施設としても集客を望めないような気がするがどうなんだろうか。

部屋に戻ってちょっとしたら晩飯が来た。部屋食って高級旅館と想像していたが、昨日の天人峡グランドホテルもそうだけど、ワンプレートですっげー簡単なんで、ちょっとガッカリなんだよなー。何回かに分けて一品一品運んでくるからいいんじゃん。

食ったらフロントに電話した。食ってからちょっと時間を置いて電話したが、それでも温泉に行くときに部屋係の女の人が来て、「もう済んだんですか?」といわれてしまった。そういわれない様にわざと時間を遅らせたのに。再び温泉、屋上の露天風呂は狭いが一人占めできると源泉かけ流し一人占めだ。その点は評価できるな。あとはもう寝る。

 

6月11日 木曜日 雨

 

朝から完全に雨だった。憂鬱だな。温泉に入って、完全雨対策の準備。朝ご飯は6時半に行ったらまだ準備中で「7時からですので、すぐ用意しますから待っててください」といわれた。部屋の説明書に6時半とあったけど? しかし、見間違えてるかも知れん。というか、その公算が高いな。係の人が用意してくれたので食う。まあ、普通の朝食だった。ヨーグルトがサービスであったので食った。

それから部屋に戻って完全防水装備でチェックアウト。バイクに荷物を積むのに、ホテルの前のかろうじて軒下になっているところへバイクを移動させて、積み込みをしていたら、人のバイクの鼻先に車を止めるあほがいた。世界のトヨタの成り金御用達自動車だが、その場所には軽自動車専用と書いてあるのがわからんらしい。

積み込みを終えて出発する。本降りなんで、手も足も出ない状況。ひたすら走るのみ。帯広の市街地は朝の通勤ラッシュに紛れることなく通過できた。そのまま順調に名寄方面に走っていく。すでにブーツの染み込みが始まり、足元には不快感が。いかんなー完全にこのブーツ寿命だな。

予定していた秘湯はすべてキャンセルで通過。がっくりだが、また今度来ればいいよ。しかし、ひとつだけ譲れないのはタウシュベツ橋だ。あれは見たい絶対見たいな。この時期でないと水没するからぜひ見たい。

というわけで、その点だけを注意しながら走っていくと、やがて白糠温泉が現れた。いかにも山の中の温泉街という感じで、とてもそそるのだが、この雨ではどうしようもないので通過。鉄道資料館も見たかったけど、濡れカッパで入るわけにいかんでしょう。

どんどん走って、おいおい、どこまで走るんだよ、これは通過しちまったか? と心配になりかけたその時、タウシュベツ展望台の標識がぽつんと道の横にあった。

え、これ? 

いきなりなにもない道なんですけど。ちょっと大きめの緊急駐車帯みたいなのがあって、ここに車を止めるようになってる。バイクを止めて、下りてみると、たしかに、とってつけてような田んぼのあぜ道のような散策路が作ってあった。木の切りカスがくべてあるので雨でも足元の心配はない。完全装備のまま歩いて行く。ちなみに、この雨ではカメラがないので写真も撮れない。つくづく、次は防水カメラケータイにしようと思うのであった。歩く距離は200メートルくらいか、すぐに展望台に着いた。いや、展望台というのは失礼だな、これは展望台ではなく、単に、ここから見えるというだけの場所だ。でも、遠くに見えるのは確かに写真でしか見たことのないタウシュベツ。水没していないぞ。説明の看板があって、一応、観光用に整備したんだと物語っているのであった。なんでもここは、白糠ダムの完成で廃線になった線路で、その橋脚のみがこうして残っているそうだ。なるほど。いいものを見せていただきました。(ちなみに近くまで行く林道は現在通行止め)

バイクに戻って走り出す。高度を上げて、いくつものトンネルを抜けて走っていく。途中でトイレがあったので漏らすといかんで寄っておく。雨は一向に止む気配もなく、ブーツはかなり染みてきた。しかし、実に立派な道になったもんだ。この三国峠、初めての北海道ツーリングで走っときはまだ舗装されていなくて、とんでもない深い砂利の悪路だった。そこをCBR750で走ったんだから、死ぬかと思った。あれ以来、悪路恐怖症が直らんのだよ。だから特に北海道では悪路に対して過剰反応になるのだ。それがどうだ。あれから10余年、立派な高速走行が出来る国道になったよ。三国峠からのながめを期待していたが、ガス発生で完全視界不良、残念ながら通過した。残念ながらばっかりじゃん。まーホンマにストレスたまるわー。

峠を越えて下る。層雲峡まで来た。雨は降りつづけているが、ここもこの前来た時は全然整備されていなかったけど、いまや立派な立体駐車場まであるよ。そこに入って雨を凌ぐ。案内図があったので偵察してみると、いかにも観光客向けに整備しました的なお店や日帰り温泉施設があった。寒かったし、この立体駐車場にバイクを止めておけば温泉に入れないこともなかったが、やっぱりこの雨ではカッパ脱いだり面倒臭くて止めた。それに、フツーのスーパー銭湯みたいな温泉だろうから、あまり入る気もしなかったし。

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で、あきらめて再び走り出してどんどん山を下りる。

旭川に近づくと、雨が止んできた。これはちょっと回復傾向か。道の駅に止まって休憩しながら作戦を練る。しかし、このあたりに秘湯はなくて、フツーの温泉施設ばかりだ。まあ、それでもいいか、止んでる今のうちなら入れる。そう思って、まうとりあえず給油をしようと、出光かコスモを探していたらまた雨が降る始めた。なんで。なんでだよ。温泉は入れないじゃん。くそ。仕方がないので給油したらもうあきらめて本日の宿スターライトホテルに向かう。名前が泣かせるな。ちょっと間違えたら連れ込みホテルだ。北海道最後の宿なんで、いいところを期待してるんだけど、このイタいネーミングから察するに、失敗かも知れんな。

雨の中、12号線から38号線に入って、芦別温泉に方に走る。目印の道の駅を見つけたのでそこからすぐかと思いきや。馬鹿でかい変な仏像だか観音像だかを通り越して、どんどんどんどん山の中へ進む。その山の中というのが、秘湯っぽい山の中ではなく、単に、寂れた環境の山の雰囲気がプンプンするところに芦別温泉があった。どうやらここも、昨日泊まった幕別温泉と同じ、日帰り温泉施設に付帯するホテルのようだ。だとしたらちょっとガッカリだな。だってここ、宿泊料金高いもんね。

バイクを正面の屋根の下に止めた。タイル張りなんでサイドスタンドで傷つけないか心配だし、滑って転びそうなんでそれも心配。フロントへ行くと、バイクはそこでもいいですが。右の奥に求める場所があるというので、そこへ移動させた。そこはアスファルトなんでちょっと安心。荷物を降ろしてチェックインする。ついでにタイヤの様子を見たらいよいよつるつるだな。

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早く着いてしまった。とりあえず温泉に入った。すごく混んでた。満員御礼だな。ここの温泉は冷泉なんで加温加水してある。なんだそれ、がっかり。北海道はやっぱりかけ流し100%! それ以外認めん。温泉を出てからツーレポの整理などして時間をつぶす。6時から晩飯だ。1階のレストランで食った。しゃれた創作風和風料理だった。デザートもついたぞ。甘味は久しぶりなのでとてもありがたい。いつもセイコーマートでレジに所にあんドーナッツが売ってて、何度も買おうか買うまいか悩んで結局買わなかったら、セール期間が終わったみたいで、ツーリング後半は全然見なくなっちゃったもんな。甘味に飢えていたので特においしく感じだ。それからまた温泉に入って、京都地検の女とBOSSを見た。このホテルのテレビはいまだにブラウンだった。液晶の大画面テレビのホテルに泊まるときに限ってテレビ見るものがないのはなんでだ? 見たら寝た。

 

6月12日 金曜日 晴れ時々曇り

 

朝起きたら奇跡が起きていた。晴れてるよ。

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天気予報は完全に雨だといってたので、雨用の装備を用意していたのだが、念のためテレビを点けて確認すると、札幌あたりは一時的に晴れるらしい。午後からまた曇ってきて夜には雨になるというが、最後の1日、何とか天気がもちそうだ。となれば計画は全面的に変更しなければ。どうせ雨だからゆっくり出ようと思っていたが、当初どおりの出発にしないかん。いそいで荷物の整理を始めてカッパやらなんやか、雨天装備をすべて片づけて、フェリー搭乗用のものを別にナップサックに入れてすぐに取り出せるようにしておく。で、7時から朝ご飯を食う。昨日のおしゃれなディナーに比べて実に安易で貧相なバイキングだったのでガッカリだ。ご飯は少な目の大盛り1杯だけにしておいた。そろそろ食う量を減らさんとな。食ったら急いで荷物を積み込み、チェックアウトして出発だ。

当初の予定ではほぼ最短距離で苫小牧に行く予定だったが、天気が良くなったので変更する。北海道最後を飾るにふさわしい温泉に入って苫小牧に行くのだ。その温泉とは、上陸当日に行く予定で、雨で行くことが出来なかった定山渓温泉だ。距離的には問題ないんだが、札幌を経由するので渋滞など時間が予想がつかないので、なるべく時間稼ぎできるように走る。国道12号線は日本国最長直線国道だそうで、29.2km直線が続くそうだ。でかい標識が立ってるのでよくわかる。直線国道とはいかにも北海道だが、信号があるのでかっ飛ばしていくわけに行かず、あまり直線国道のありがたみがないな。

途中、雲が多少出てくるときもあったが、すぐに消えてまた青空になった。予定より走行距離が伸びるので予定していなかったガソリン給油を行う。

芦別から札幌まで約120キロくらいだが、2時間半で到着した。市内で定山渓温泉への国道243号へ入るのに道がわからなくて、多少大回りになったが、道道84号線で242に入った。ここまでノンストップだったんで、セブンイレブンでお茶とトイレ休憩をとる。

243号を定山渓温泉へ向かう。今日は天気がいいのでバイクが多い。地元ライダーも、ずっと天気が悪くて走れなかったせいか、みんな羽伸ばして走ってる感じ。ホンダホーネットやらヤマハのR1やら、すごい勢いでかっ飛ばしていった。

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定山渓温泉ははそこからすぐだった。ちょっと迷ったが何とかたどり着く。雑誌の写真ではもっとぼろい様に見えたが、まあそこそこの建物で、ログハウス風だ。正面にある駐車場にバイクを停めて中に入ると、ブーツを脱いで下駄箱に入れる。ここは規模が小さいくせに下駄箱の鍵とロッカーの鍵を引き換えなのだ。下駄箱が狭いのでロングブーツは寝かせて無理矢理突っ込むことになるので改善を要望します。受付で入浴料700円を払うと、係の人が発券機を操作してくれた。あ、発券機だったのか、自分でやれば良かった。ロッカーの鍵をもらって脱衣所へ。建物の中は山の家風だ。適当に古さを感じるがいい感じの古さだった。脱衣所はロッカーをナンバー管理する必要があるのかと思えるほど小規模で、たまたま他に客が一人だったからいいものの、多かったらぎゅうぎゅう詰めだな。しかもロッカーはもろ事務用で、なんか雰囲気的には特命係長只野仁のサービスカットの女子社員更衣室シーンみたいだ。荷物を突っ込んで、風呂場へ行くと、まあまあな広さのお風呂、内湯を通過して露天風呂に行くと、これがまた最高のロケーションだった。ログハウスのベランダに露天風呂があるような感じで、視線を上げれば青空と白い雲、ちょっと下げると青々と茂った木々、さらに視線を下げると渓谷の流れと、トリプルプレイです。こんななかで木枠のお風呂に浸かって、しかもそれがかけ流し100%です。温度も適温、ここまで源泉温度が高いかけ流しばかりだったので、あまり長湯が出来なかったが、ここはちょうど良い。実にちょうど良いのであった。もうこのままここで暮らしたいくらい。

十分にタンノンしたので出る。でたらちょうど昼時だったので、食事処が大変な混み合いで、なんだか今日はばあさまがたの集会でもあったのか、にぎやかというかやかましいぞくそばばあ。湯上がりにゆっくりすることもなく、さっさとバイクに戻って出発した。

いいお湯で体温上昇、晴れで気温も上昇と、一気にこれまでの冬から夏へと変換した。こちらも皮ジャンの下はTシャツと長袖シャツの2枚だけにして、ヘルメットはベンチレーションオープンだ。暑くて皮ジャンがへばりつくぞ。うーむ、そういう意味では、今回のツーリング、ほぼ全行程曇り雨ってのは良かったのかも知れんなあ。ヘタに天気が良くて太陽サンサンだったら、暑くて大変だったのかも知れん。

意外に早く事が進んでいるので、もう一軒、目を付けていた温泉に寄ることにした。支笏湖に向かう。いったん札幌方面に戻って国道453号で支笏湖に向かった。前にダンプが走っていてペースが遅いが、まあ時間もあるのでゆっくり行こう。でも良く見たらこのダンプは自衛隊車両のダンプだった。うーむ、いかにも北海道だ。ダンプが曲がっていったので、少しペースを上げたが、後ろから営業車のバンが猛烈に追いかけてくるので先に譲る。

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支笏湖が見えてきた。修学旅行なのか、カネ美食品の新入社員の研修なのか、大勢の若者が歩いているぞ。「あと2キロだー」とか叫んでる。そしたらいきなり道が曲がってて、曲がると支笏湖、直進で目的地の温泉だ。真っ直ぐ進むと、しばらくして「いとう温泉」の看板があった。が、それはちょっと細い道で、しかも急激な下り坂で、先が見えない。おいおい、この先下りて大丈夫か? なんせ、いとう温泉は支笏湖の湖面すれすれにある源泉かけ流し100%のワイルドな露天風呂。下りていったらとんでもない悪路で、駐車場は深い砂利だったなんてことになったら、脱出不可能イベントホライゾンだぜ。バイクは道の空いているところに止めて、後は歩いていくことにした。手ぬぐいだけ持っていくと、ちょっと荒れた舗装の路面が続き、途中で大きくヘアピンカーブして急激に下って、その先が温泉だった。なるほど、バイクで来れないことはないが、この急坂上りヘアピンは大排気量車にはちょっときついかもしれんな。

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建物は実に質実剛健な飾り気のない作りで、中に入って発券機で入浴料を払うと、温泉は内湯と露天と別のところなんで、申し訳ありませんがいちいち服を着て移動してくださいと言われる。そうですか、まあいいです。とにかく湖面のワイルド露天風呂に入りたいんで、そっちに行く。建物を出て、てくてく歩くと、突き当たりに露天風呂の看板が。そこへ行くとコンクリート打ちっぱなしの階段を降りて、温泉であった。一応、男湯女湯に別れてるが、これ女湯の方は入る意味があるのか? と思えるような完全防備。外から見えないだろうけど、湖面もまったく見えないな。その点男湯はアッパラパなのであった。男湯に行くと、簡単な棚に籠が並ぶ脱衣所、あとは岩場に温泉だよ。岩の向こうは湖面がバッサーン。広がる支笏湖とその先に見える山々と青い空。何なんだこの温泉は!? ざんぶと入るとお湯も適温ちょうどい。深い。広い。泳げる。平泳ぎで3往復、背泳ぎで2往復した。お風呂で泳ぐなよ礼儀を知らんやつだな。誰もいなかったのでつい…。岩場を越えると、支笏湖にも入れる、めちゃくちゃ冷たいので無理でした。でも、夏はここで泳いだりする馬鹿者が必ずいると思う。貸し切りで十分タンノンしたので出ることにした。もうこれでいいや。内湯も入ろうと思ってたけど、長湯でのぼせたし。泳いで疲れたのでもうこれで北海道温泉打ち止め。最後がこんなワイルドで100%かけ流しなら良いとしよう。

出たらあまりに暑くて皮ジャン着れないよ。バイクに戻るまで歩く間脱いでた。バイクに戻って出発。暑いので風が気持ち良いぞ。うねうね道をゆっくり下りていくと、後ろからKATANAがついてきた。地元ライダーみたいで、ニセコの方に走っていった。先を進むと、支笏湖の湖畔の観光駐車場があったのでそこにバイクを止めた。料金100円で、トイレ休憩とお土産屋や、支笏湖の周辺の自然を説明したビジターセンターがあって、中を見たらなかなか面白かった。二重根とか。

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支笏湖を後にして、苫小牧へ向かう。ついに長いツーリングも終わりだ。フェリーに乗る前になんか食っておかないと、どこで食うか港のレストランで食うつもりが、この時間はやってないと気がつき、急遽予定変更、苫小牧のイオンがあるのでそこで晩飯を食うことにした。ここならイオンラウンジがあるから只でお茶できるしな。ちょっと道に迷いながらイオンに着いた。ちょうどレストラン買いの入口付近にバイクを停めたので、さっそくレストラン街へ。さっさと食える寿司が良いと、回転寿司に行ったらガラガラだよ。時間が時間だもんな。スシローと違って高い。これは失敗した。4皿食って800円くらいかかっちまった。ラーメンにでもしとけば良かったかな。まあいいや、次はイオンラウンジでお茶にする。だれもいないので貸し切り状態で休憩だった。お菓子は全部食って、コーヒー1杯、にんじん野菜ジュースを3杯飲んでおなかがいっぱいになった。よし、これでフェリーの高い晩飯を食わなくて済むぞ。イオンを出て苫小牧港へ向かった。

このあたりには埠頭がいくつもあるのでどれが太平洋フェリーの埠頭かわからんくなれへんかちょっと心配になったが、記憶にあるところで大きな看板が出ていたから良かった。そっちに曲がってターミナルビルに着いた。バイクを止めて乗船手続きをする。苫小牧港はいくつかのフェリー会社が入っているのでかなり規模がでかい。名古屋港フェリーとえらい違いで、レストランもあるし、売店も充実してるし、お土産屋さんもあって、しかも、北海道のほぼ全域のお土産が売ってるよ。買い忘れをここで拾うって作戦だな。レストランがあるならここで食っても良かったかとも思ったが、やっぱり価格はそれ相応な設定だったので、イオンで食っておいて正解だな。ただし、今度は寿司は止めたほうが良い。

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バイクに戻って、乗船待ちの駐車場にバイクを移動させる。乗船時の荷物を整理してすぐ出せるように荷物の後ろに括り付けておく。大洗行きフェリーにはバイクが3,4台あったが、名古屋行きは1台だけだ。ちょっとさびしいな。と思ったらカワサキの古い650のタンデムライダーが来て、名古屋行きのところに入った。奥さんが乗船手続きしに行っている間、ちょっと話をした。若いもんがバイクに乗らないとか、最近のバイクはタイヤの口径が小さいから乗りにくいとか、ホンダは乗りやすそうだねとかいろいろ。散々雨にたたられた北海道だったのは同じだったみたいで、最近は北海道の天候もおかしいそうです。

乗船が始まった。フロントタイヤはつるつるなんで、注意して乗り込む。ここでこけたら最後の最後で最悪だからな。乗船用荷物を持って、どこから上がるのか係の人に聞いて上がった。部屋は313号室の3号で、一番奥のほう、またお風呂の近くなんでその点だけはいいか。と思ったら女湯だった。

上甲板は寒いので中で出港を待つ。19時、時間どおりに出港した。なんだか物悲しい曇りつつある空、小さくなっていく苫小牧港、あーあ、終わったなあ。ツーリングは終わったなあ。

部屋に戻って寝る。もう寝る。ちなみに今日の客は16人定員部屋に5人だった。

 

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